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デノシン点滴静注用500mg

販売名
デノシン点滴静注用500mg
薬価
500mg1瓶 12303.00円
製造メーカー
田辺三菱製薬

添付文書情報2020年07月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
ガンシクロビル静注用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤の投与により、重篤な白血球減少、重篤な好中球減少、重篤な貧血、重篤な血小板減少、重篤な汎血球減少、重篤な再生不良性貧血及び重篤な骨髄抑制があらわれるので、頻回に血液学的検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること〔7.3、8.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
1.2. 動物実験において一時的精子形成機能障害又は不可逆的精子形成機能障害を起こすこと及び妊孕性低下が報告されていること、また、ヒトにおいて精子形成機能障害を起こすおそれがあることを患者に説明し慎重に投与すること〔9.4生殖能を有する者の項、15.2.3参照〕。
1.3. 動物実験において、催奇形性、変異原性及び発がん性のあることが報告されていることを患者に説明し慎重に投与すること〔9.4生殖能を有する者、9.5妊婦、9.6授乳婦の項、15.2.1、15.2.2参照〕。
禁忌
2.1. 好中球数500/mm3未満又は血小板数25000/mm3未満等、著しい骨髄抑制が認められる患者[本剤の投与により重篤な好中球減少及び重篤な血小板減少が認められている]〔7.3、8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
2.2. ガンシクロビル、バルガンシクロビル又は本剤の成分、ガンシクロビル、バルガンシクロビルと化学構造が類似する化合物(アシクロビル、バラシクロビル等)に対する過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
次記におけるサイトメガロウイルス感染症:1)後天性免疫不全症候群、2)臓器移植(造血幹細胞移植も含む)、3)悪性腫瘍。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は先天性若しくは新生児サイトメガロウイルス感染症は効能又は効果とはしていない〔9.7小児等の項参照〕。
5.2. 本剤の投与による重篤な副作用が報告されているので、サイトメガロウイルス感染症と確定診断された患者若しくは臨床的にサイトメガロウイルス感染症が強く疑われる患者において、治療上の効果が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
用法・用量
初期治療は、通常、ガンシクロビルとして1回体重1kg当たり5mgを1日2回、12時間毎に1時間以上かけて、点滴静注する。維持治療は、後天性免疫不全症候群の患者又は免疫抑制剤投与中の患者で、再発の可能性が高い場合は必要に応じ維持治療に移行することとし、通常、体重1kg当たり1日6mgを週に5日又は1日5mgを週に7日、1時間以上かけて点滴静注する。
維持治療中又は投与終了後、サイトメガロウイルス感染症の再発が認められる患者においては必要に応じて再投与として初期治療の用法・用量にて投与することができる。
なお、腎機能障害のある患者に対しては、腎機能障害の程度に応じて適宜減量する。
(注射液の調製法)
1バイアル(ガンシクロビル500mgを含有)を注射用水10mLに溶解し、投与量に相当する量を1バイアル当たり通常100mLの補液で希釈する。なお、希釈後の補液のガンシクロビル濃度は10mg/mLを超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. サイトメガロウイルス血症の陰性化を確認した場合には、初期治療を終了すること。
7.2. 維持治療は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ行い、不必要な長期投与は避けること。
7.3. 本剤投与中、好中球減少<500/mm3未満>又は血小板減少<25000/mm3未満>等、著しい骨髄抑制が認められた場合は、骨髄機能が回復するまで休薬すること。これより軽度の好中球減少<500~1000/mm3>及び血小板減少<50000/mm3以下>の場合は減量すること〔1.1、2.1、8.2、11.1.1参照〕。
7.4. 腎機能障害例については、参考までに米国での標準的な本剤の減量の目安を次に示す〔9.2腎機能障害患者、9.8高齢者の項、16.6.1参照〕:1)クレアチニンクリアランス値≧70mL/min;初期治療用量5.0mg/kg、投与間隔12時間、維持治療用量5.0mg/kg、投与間隔24時間、2)クレアチニンクリアランス値50~69mL/min;初期治療用量2.5mg/kg、投与間隔12時間、維持治療用量2.5mg/kg、投与間隔24時間、3)クレアチニンクリアランス値25~49mL/min;初期治療用量2.5mg/kg、投与間隔24時間、維持治療用量1.25mg/kg、投与間隔24時間、4)クレアチニンクリアランス値10~24mL/min;初期治療用量1.25mg/kg、投与間隔24時間、維持治療用量0.625mg/kg、投与間隔24時間、5)クレアチニンクリアランス値<10mL/min;初期治療用量1.25mg/kg、投与間隔透析後週3回、維持治療用量0.625mg/kg、投与間隔透析後週3回。
生殖能を有する者
8.1. 本剤の投与による重篤な副作用が報告されていること及び本剤がサイトメガロウイルス感染症を完治させる薬剤でないことを念頭におき、重大な副作用が発現するおそれのあること並びにその内容を患者によく説明し同意を得た後、投与すること。
8.2. 本剤の投与中は、血球数、血小板数等の血液学的検査を行うこと〔1.1、2.1、7.3、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 本剤の投与により腎不全を起こすことが報告されているので、血清クレアチニン若しくはクレアチニンクリアランスを慎重に観察すること〔11.1.3参照〕。
8.4. 本剤の投与により痙攣、鎮静、めまい、運動失調、錯乱が報告されているので、本剤投与中の患者には自動車の運転、危険を伴う機械の操作等に従事させないこと。
8.5. サイトメガロウイルス網膜炎の投与期間については、国内外の学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。
8.6. 本剤の結晶が尿細管に沈着するおそれがあるので、十分な水分の補給を行い、尿への排泄を促すよう考慮すること〔16.4参照〕。
9.1.1. 薬剤等による白血球減少の既往歴のある患者:本剤の投与により重篤な好中球減少が認められている〔1.1、8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 血小板減少<25000/mm3以上100000/mm3未満>のある患者:本剤の投与により重篤な血小板減少が認められている〔1.1、8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
9.1.3. 精神病、思考異常の既往歴のある患者、薬剤による精神病反応又は薬剤による神経毒性を呈したことのある患者:精神神経系障害を悪化させるおそれがある。
腎機能障害患者:ガンシクロビルの血中半減期の延長とクリアランスの低下の報告がある〔7.4、16.6.1参照〕。
肝機能障害患者:肝機能障害を悪化させるおそれがある。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性が使用する場合は投与期間中は有効な避妊を行わせること。男性:男性が使用する場合は投与期間中及び投与後90日間は有効な避妊を行わせること。動物実験(マウス、ラット、イヌ)で、一時的精子形成機能障害又は不可逆的精子形成機能障害を起こすことが報告されている〔1.2、1.3、9.5妊婦の項、15.2.1、15.2.3参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:1). ジドブジン[ジドブジンのAUCが17%増加したとの報告があり、また、併用
により有意ではないがガンシクロビルの血漿中濃度の低下傾向がみられたとの報告があり、ガンシクロビル及びジドブジンはいずれも好中球減少、貧血の原因となる可能性があるので、併用する場合は本剤又はジドブジンを減量すること(相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させる)]。
2). ジダノシン[ジダノシンの血漿中濃度が上昇したとの報告がある(ガンシクロビル3g/日の経口投与でジダノシンのAUCが84%増加、ガンシクロビル6g/日の経口投与でジダノシンのAUCが124%増加、ガンシクロビル5mg/kg/日の静脈内投与でAUCが38%増加、ガンシクロビル10mg/kg/日の静脈内投与でAUCが67%増加)、併用により、ガンシクロビルの血漿中濃度が臨床的に有意に増加したとの報告はないが、併用する場合はジダノシンの毒性を注意深く観察すること(生物学的利用
率の増加もしくは代謝の遅延が考えられる)]。
3). イミペネム・シラスタチンナトリウム[痙攣が報告されている(機序は不明である)]。
4). 骨髄抑制作用のある薬剤及び腎機能障害作用のある薬剤(ジアフェニルスルホン、ビンクリスチン硫酸塩、ビンブラスチン硫酸塩、ドキソルビシン塩酸塩、ヒドロキシカルバミド、フルシトシン、アムホテリシンB、ペンタミジンイセチオン酸塩、核酸誘導体等)[毒性が増強するおそれがある(相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させることが考えられる)]。
5). スルファメトキサゾール・トリメトプリム[トリメトプリムの併用により、ガンシクロビルの腎クリアランスが16%低下し血漿中消失半減期が15%延長したとの報告がある(しかし、ガンシクロビルのAUC及びCmaxに影響はなく臨床的に有意な変化とは考えられなかった)、また、トリメトプリムのCminが12%上昇したとの報告がある(機序は不明である)]。
6). シクロスポリン[シクロスポリンの薬物動態に影響を与えたとの報告はないが、血清クレアチニン濃度が上昇するとの報告がある(機序は不明である)]。
7). プロベネシド[ガンシクロビルの腎クリアランスが20%低下しその結果曝露量が40%上昇したとの報告がある(腎尿細管での分泌が競合する)]。
8). ミコフェノール酸 モフェチル[ガンシクロビルの血漿中濃度が上昇及びミコフェノール酸 モフェチルの代謝物のグルクロン酸抱合体血漿中濃度が上昇するおそれがあるが、ミコフェノール酸 モフェチルの活性代謝物の薬物動態に実質的な変化はないと考えられ、腎機能障害患者に、ミコフェノール酸 モフェチルと本剤(腎機能障害患者への推奨量)を併用する場合は、患者の症状に注意し慎重に投与すること(腎尿細管での分泌が競合する)]。
9). 免疫抑制剤(プレドニゾロン、タクロリムス)[本剤との併用により、重篤な血小板減少が報告されている(相加的に本剤及び併用薬剤の双方の作用を増強させることが考えられる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制、汎血球減少、再生不良性貧血、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少(いずれも頻度不明):投与中に重篤な白血球減少、重篤な好中球減少、重篤な貧血、重篤な血小板減少を伴う場合には、造血促進因子を投与するか又は本剤の投与を中止すること〔1.1、2.1、7.3、8.2、9.1.1、9.1.2参照〕。
11.1.2. 血小板減少に伴う重篤な出血(消化管出血を含む)(頻度不明)〔1.1、2.1、8.2、9.1.2参照〕。
11.1.3. 腎不全(頻度不明)〔8.3参照〕。
11.1.4. 膵炎(頻度不明)。
11.1.5. 深在性血栓性静脈炎(頻度不明)。
11.1.6. 痙攣、精神病性障害、幻覚、錯乱、激越、昏睡(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 敗血症等の骨髄障害及び免疫系障害に関連する感染症(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 血液:(5%以上)好酸球増多、(頻度不明)低色素性貧血、脾腫、貧血。
2). 全身症状:(頻度不明)無力症、浮腫、疼痛、倦怠感、胸痛、腹部腫脹、悪寒、発熱。
3). 循環器:(頻度不明)不整脈、低血圧、血管拡張、高血圧。
4). 呼吸器:(頻度不明)呼吸困難、咳増加。
5). 過敏症:(頻度不明)そう痒、発疹。
6). 消化器:(5%以上)悪心、(頻度不明)腹痛、食欲不振、鼓腸放屁、消化不良、口渇、おくび、便秘、アフタ性口内炎、便失禁、食道炎、胃炎、潰瘍性口内炎、嚥下障害、下痢、嘔吐、胃腸障害。
7). 精神神経系:(5%以上)頭痛(12.5%)、(頻度不明)不眠症、眩暈、神経障害、異夢、傾眠、鎮静、思考異常、健忘症、緊張亢進、歩行異常、異常感覚、不安、多幸症、偏頭痛、情緒不安、運動過多、振戦、せん妄、性欲減退、ミオクロヌス、運動失調、躁病反応、うつ病、神経質、精神病。
8). 皮膚:(頻度不明)皮膚乾燥、斑状丘疹、ざ瘡、発汗、脱毛。
9). 腎臓:(5%以上)クレアチニンクリアランス低下、クレアチニン上昇、BUN上昇等の腎機能障害、(頻度不明)頻尿、尿路感染、血尿。
10). 肝臓:(5%以上)AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇等の肝機能障害、(頻度不明)黄疸、肝炎。
11). 筋・骨格系:(頻度不明)両下肢痙直、筋肉痛、筋無力症、背痛、骨痛、CK上昇、関節痛。
12). 感覚器:(頻度不明)味覚倒錯、視覚障害、硝子体混濁、眼痛、耳痛、耳鳴、失明、結膜炎、難聴、網膜剥離、網膜炎、霧視。
13). 投与部位:(頻度不明)静脈投与による静脈炎、痛み。
14). その他:(頻度不明)体重減少、感染、インポテンス、高血糖、低血糖、乳房痛、低カリウム血症、蜂巣炎、低ナトリウム血症。
高齢者
腎機能障害例への投与を参考にし、用量を調節するなど、慎重に投与すること(本剤は、主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがある)〔7.4参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ウサギ、静脈内投与)で、妊孕性低下、催奇形性(外形異常等)及び変異原性があることが報告されている)〔1.3、2.3、9.4生殖能を有する者の項、15.2.1、15.2.4参照〕。
投与期間中は授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)において、乳汁への移行が認められており、また、本剤は動物実験(マウス)において発がん性が認められている)〔1.3、15.2.2参照〕。
小児等
長期投与による発がん性及び生殖毒性の可能性があることを慎重に考慮し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(小児等を対象とした臨床試験は実施していない)〔5.1参照〕。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 補液で希釈する際、補液によっては白濁あるいは結晶が析出する場合があるのでそのような場合には投与しないこと。本剤希釈用の補液としては、生理食塩液、5%ブドウ糖液、リンゲル液あるいは乳酸リンゲル液を使用することが望ましいが、その希釈溶液の濃度は10mg/mLを超えないこと。また、配合変化が起こりやすいので、他剤<希釈用の補液は除く>との混注はしないこと。希釈した溶液は細菌汚染等を防止するため、24時間以内に使用すること(また、冷凍しないこと)。
14.1.2. 保存時:バイアル内にて注射用水で溶解後室温で24時間の安定性が確認されている。
なお、結晶が析出するおそれがあるので、冷蔵庫保存は行わないこと。
14.1.3. 本剤は注射用水で溶解後はpH約11と強アルカリ性を呈することから、取扱い時にはゴム手袋、防護メガネ等の着用が望ましい。皮膚に本溶液が付着した場合には、石鹸で洗い、水で完全に洗い落とすこと。眼に本溶液が入った場合には、15分間水で洗眼すること。また、本剤は発がん性を有する可能性があるため、繰り返し直接手で触れたり、吸入したり又は眼の中へ入れないように十分に注意すること。
14.2. 薬剤投与時の注意本剤は強アルカリ性(pH約11)を呈することから、点滴静注部位の血管痛を訴えたり、静脈炎があらわれることがあるので、薬液が速やかに希釈分散するよう十分な血液のある静脈にのみ慎重に投与すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 変異原性:ヒト細胞を用いた姉妹染色分体交換試験、マウス細胞を用いた小核試験、マウスリンパ腫細胞を用いた遺伝子突然変異試験では、変異原性が認められた〔1.3、9.4生殖能を有する者、9.5妊婦の項参照〕。
15.2.2. がん原性:マウスに18ヵ月間経口投与したがん原性試験において、20mg/kg/日以上の投与量で雄の包皮腺腫瘍及びハーダー腺腫瘍、雌の生殖器腫瘍及び肝臓腫瘍、雌雄の前胃腫瘍等の腫瘍の発生が増加したとの報告がある〔1.3、9.6授乳婦の項参照〕。
15.2.3. 精子形成能:動物実験(マウス、ラット、イヌ)において、ガンシクロビルは治療濃度域以下の曝露で精子形成機能障害を起こすことが認められている〔1.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
15.2.4. 胎盤通過性:ex vivoヒト胎盤モデルにおいてガンシクロビルは胎盤を透過することが報告されている。ガンシクロビル濃度が1~10μg/mLにおいて、ガンシクロビルの透過に飽和が認められなかったことから、胎盤通過のメカニズムは主として単純拡散によるものと考えられる〔9.5妊婦の項参照〕。
15.2.5. ヒト骨髄細胞の増殖に対する作用:ヒト骨髄細胞の増殖に対するガンシクロビルの作用をin vitroで検討した結果、ガンシクロビルの骨髄毒性は10μmol/L以上であらわれており、アシクロビル(ID50≧100μmol/L)より強く、ビダラビン、トリフロロチミジン(ID50=1~10μmol/L)より弱かった。

16.1 血中濃度
腎機能正常患者にガンシクロビル5mg/kgを1時間点滴静注時の平均血中半減期は約3.6時間、全身クリアランスは4.20±2.13mL/min/kgであった(外国人のデータ)。
16.3 分布
血漿蛋白結合率は、0.5~51μg/mLの濃度範囲において、1~2%(外国人のデータ、平衡透析法)。
16.4 代謝
大部分が未変化体のままで尿中に排泄される(外国人のデータ)。[8.6参照]
16.5 排泄
患者に3日間で総量1,800~2,550mgを点滴静注したときの3日間の尿中回収率は37~126%であった(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者に5mg/kgを1時間点滴静注時の平均血中半減期は約11.5時間、全身クリアランスは1.20±0.87mL/min/kgであった(外国人のデータ)。[7.4、9.2参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相一般臨床試験
免疫機能の低下した患者17例(後天性免疫不全症候群、臓器移植、悪性腫瘍等)にガンシクロビルとして通常5mg/kgを12時間毎(腎機能異常患者ではクレアチニンクリアランス値を指標として適宜減量)、14~21日間点滴静注した結果、発症した重篤なサイトメガロウイルス感染症に対する感染部位別有効率は、網膜炎100%(8/8例)、肺炎66.7%(4/6例)、腎症100%(2/2例)、大腸炎、肝炎、髄膜炎がそれぞれ100%(1/1例)であった。
副作用発現頻度は50%(8例/16例)であった。主な副作用は白血球減少25%(4例/16例)及び血小板減少25%(4例/16例)であった。
17.1.2 海外一般臨床試験
米国で実施された314例の免疫低下時における重篤なサイトメガロウイルス感染症患者にガンシクロビルとして主に5mg/kgを12時間毎もしくは2.5mg/kgを8時間毎(腎不全患者ではクレアチニンクリアランス値を指標として適宜減量)、14~21日間点滴静注した結果、感染部位別有効率は、網膜炎84%(91/108例)、大腸炎83%(35/42例)、肺炎72%(26/36例)及びその他の感染症(中枢神経、全身性など)61%(11/18例)であった。
副作用発現頻度は59%(184例/314例)であった。主な副作用は好中球減少31%(97例/314例)及び血小板減少6%(20例/314例)であった。

18.1 作用機序
ガンシクロビルはサイトメガロウイルス感染細胞内においてウイルス由来のプロテインキナーゼ(UL97)にリン酸化されてガンシクロビル一リン酸になり、さらにウイルス感染細胞に存在するプロテインキナーゼにリン酸化されて活性型のガンシクロビル三リン酸になる。ガンシクロビル三リン酸はウイルスDNAポリメラーゼの基質であるデオキシグアノシン三リン酸(dGTP)の取り込みを競合的に阻害し、ガンシクロビル三リン酸がDNAに取り込まれ、ウイルスDNAの延長を停止又は制限することによってDNA鎖の複製を阻害する。
18.2 抗ウイルス作用
18.2.1 ヒトサイトメガロウイルスの標準株(AD169、Towne、Major、BT1943、Davis)に対するin vitroにおけるガンシクロビルのIC50値は、0.4~7.0μmol/Lであった。また、臨床分離株(後天性免疫不全症候群、ヒトサイトメガロウイルス単核症及び腎移植患者等からの分離株)に対するin vitroでのガンシクロビルのIC50値は、0.08~14μmol/Lであった。
18.2.2 マウスにマウスサイトメガロウイルスを接種し、感染後6時間目より、1~50mg/kgを1日2回、5日間皮下投与した実験では、ガンシクロビル投与群の生存率は25mg/kg以上の用量で75%以上であったが、対照(生理食塩液)群では10%であった。
18.3 薬剤耐性
免疫機能の低下した患者に発症したサイトメガロウイルス感染症の治療のためにガンシクロビルを点滴静注あるいは経口で長期間投与した場合、耐性ウイルスが検出される場合がある。耐性ウイルスには、ガンシクロビルのモノリン酸化に関与するウイルスキナーゼ(UL97)遺伝子又はウイルスDNAポリメラーゼ(UL54)遺伝子の変異がみられる。UL97遺伝子が変異したウイルスはガンシクロビルに対してのみ耐性を示し、一方、UL54遺伝子が変異したウイルスは、類似の作用機序を持つ他の抗ウイルス剤にも交差耐性を示す。
サイトメガロウイルス網膜炎と診断されたAIDS患者にガンシクロビルが点滴静注され、3ヵ月以内の投与では耐性ウイルスは検出されなかったが、3ヵ月以上の投与では7.6%の患者に耐性ウイルスが検出された。
固形臓器移植患者に移植後10日以内から100日までガンシクロビルが経口投与され、移植後100日目に採血できた103例の血液サンプルから分離した多形核白血球について、サイトメガロウイルスの遺伝子型変異解析を実施した結果、2例にUL97耐性変異体(1.9%)が検出された。また、移植後12ヵ月までにサイトメガロウイルス感染症が疑われた患者33例の内、2例にUL97耐性変異体(6.1%)が検出されたが、UL54耐性変異体は検出されなかった。

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