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シナジス筋注液50mg

販売名
シナジス筋注液50mg
薬価
50mg0.5mL1瓶 51725.00円
製造メーカー
アストラゼネカ

添付文書情報2024年03月改定(第3版)

商品情報

薬効分類名
抗ウイルス剤
一般名
パリビズマブ(遺伝子組換え)注射液
禁忌
2.1. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者〔8.1、11.1.1参照〕。
効能・効果
次記の新生児、乳児および幼児におけるRSウイルス感染による重篤な下気道疾患(Respiratory Syncytial Virus)の発症抑制:RSウイルス感染流行初期において、1)在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児および乳児、2)在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児および乳児、3)過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児および幼児、4)24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児および幼児、5)24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児、6)24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児、乳児および幼児、7)24ヵ月齢以下の肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児、8)24ヵ月齢以下の気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児、9)24ヵ月齢以下の先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児、10)24ヵ月齢以下の先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児、11)24ヵ月齢以下の神経筋疾患の新生児、乳児および幼児。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の投与に際しては、学会等から提唱されているガイドライン等を参考とし、個々の症例ごとに本剤の適用を考慮すること。
5.2. 既に発症したRSウイルス感染症に対する本剤の治療効果は確立されていない。
用法・用量
パリビズマブ(遺伝子組換え)として体重1kgあたり15mgをRSウイルス流行期を通して月1回筋肉内に投与する。なお、注射量が1mLを超える場合には分割して投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与液量は次による。
1回投与液量(mL)=体重(kg)×15mg/kg÷100mg/mL。
7.2. 本剤投与中に患者がRSウイルスに感染した場合においても、再感染による重篤な下気道疾患の発症を抑制するためにRSウイルスの流行期間中は本剤を継続投与することが推奨される。
7.3. 心肺バイパス施行により本剤の血中濃度が低下するので、心肺バイパス施行後は前回投与から1ヵ月を経過していなくても速やかに本剤の投与を行うことが望ましく、以後、その投与を基点とし、通常どおりの間隔で投与すること〔16.1参照〕。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤投与により、重篤な過敏症を発現するおそれがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.1、11.1.1参照〕。
8.2. 過去に抗生物質等の筋肉内注射により、筋拘縮症が発現したとの事例が報告されているので、投与に際しては、適用上の注意を守り、特に組織、神経に対する影響には十分注意しながら慎重に投与すること〔14.2.1-14.2.4参照〕。
9.1.1. 血小板減少症により出血傾向あるいはその他の凝固障害により出血傾向等のある患者:止血を確認できるまで投与部位を押さえるなど慎重に投与すること(出血により重篤な状態を招くおそれがある)。
9.1.2. 急性感染症又は発熱性疾患のある患者:中等度から重度の急性感染症又は中等度から重度の発熱性疾患がある場合は、本剤の投与による有益性が危険性を上回ると医師が判断した場合を除き、本剤の投与を延期すること。一般に、軽度上気道感染症等の軽度な発熱性疾患は本剤の投与延期の理由とはならない。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):観察を十分行い、チアノーゼ、冷汗、血圧低下、呼吸困難、喘鳴、頻脈等があらわれた場合には投与を中止し、エピネフリン(1:1000)の投与による保存的治療等の適切な処置を行うこと〔2.1、8.1参照〕。
11.1.2. 血小板減少(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1%以上)神経過敏、(0.1%未満)傾眠、(頻度不明)痙攣。
2). 消化器:(0.1%以上)下痢、嘔吐。
3). 循環器:(0.1%未満)不整脈、頻脈、徐脈。
4). 呼吸器:(0.1%以上)喘鳴、呼吸困難、咳、上気道感染、鼻炎、鼻漏、(0.1%未満)肺炎、細気管支炎。
5). 血液:(0.1%以上)白血球減少。
6). 皮膚:(0.1%以上)発疹、(0.1%未満)真菌性皮膚炎、湿疹。
7). 肝臓:(0.1%以上)肝機能検査値異常。
8). その他:(0.1%以上)発熱、注射部位反応、疼痛、ウイルス感染、(0.1%未満)悪寒、哺乳障害、中耳炎。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 感染性疾患の伝播を避けるため、必ず使い捨ての注射針および注射筒を使用し、また再使用しないこと。
14.1.2. 本剤を希釈しないこと。
14.1.3. 本剤を振ったり、激しくかき回したりしないこと。
14.1.4. バイアルのキャップを取り去り、ゴム栓をエタノール綿等で清拭すること。
14.1.5. 本剤は保存剤を含有していないため、バイアルからの採取後は速やかに投与すること。
14.1.6. バイアルからの採取は一回のみとし、残液は廃棄すること。バイアルに注射針を再度刺通しないこと。
14.1.7. 他の薬剤との混合注射をしないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 筋肉内、好ましくは大腿前外側部に注射する。臀筋への投与は坐骨神経を損傷する危険性があるため、避けること〔8.2参照〕。
14.2.2. 神経走行部位を避けるよう注意して注射すること〔8.2参照〕。
14.2.3. 同一部位への反復注射は行わないこと〔8.2参照〕。
14.2.4. 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること〔8.2参照〕。
投与前にバイアルに異物および変色がないことを目視で確認すること(異物および変色がある場合は使用しないこと)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本剤の5回を超える投与に関する海外市販後報告では、RSウイルス流行期間内での6回もしくはそれを超える回数の投与後における有害事象の特性は、5回までの投与後にみられるものと同様であると示唆されている。
15.1.2. 海外における臨床試験では本剤投与により、一部の新生児、乳児および幼児で抗イディオタイプ抗体が検出されているが、現在までに、この抗体による副作用、体内動態への影響は報告されていない。
15.1.3. 他のヒト化抗体投与経験した新生児、ヒト化抗体投与経験した乳児およびヒト化抗体投与経験した幼児、ヒト・マウスキメラ抗体投与経験した新生児、ヒト・マウスキメラ抗体投与経験した乳児およびヒト・マウスキメラ抗体投与経験した幼児、マウス抗体投与経験した新生児、マウス抗体投与経験した乳児およびマウス抗体投与経験した幼児に対して本剤を投与した場合の安全性は確立されていない(このような新生児、乳児および幼児に対して本剤を投与する場合には過敏症等について十分注意すること)。
15.2. 非臨床試験に基づく情報がん原性試験、遺伝毒性試験、生殖毒性試験は実施されていない。

16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
〈早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)〉
国内における早産(在胎期間35週未満、6ヵ月齢未満)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢未満)を対象にした臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内2回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および2回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は次のとおりであった。
表1 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
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〈先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし5回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は次のとおりであった。
表2 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
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〈免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
国内における免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし7回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は次のとおりであった。
表3 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
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〈肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又は神経筋疾患の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
国内における肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症又は神経筋疾患を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第II相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし6回反復投与、注射液製剤)では、初回および4回目投与後30日目の本剤の平均血清中濃度は次のとおりであった。
表4 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
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〈早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
海外における早産(6ヵ月齢以下)又は気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象とした臨床試験(本剤5、10、15mg/kg※を30日間隔で2回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)では、本剤の平均血清中濃度推移および投与後30日目の平均血清中濃度は次のとおりであった。
図1 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度推移

表5 反復筋肉内投与後の平均血清中濃度(μg/mL)
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本剤は投与後7日までに最大に達し、以降穏やかに血中から消失した。初回投与30日後の平均血清中濃度は5mg/kg投与で12.5μg/mL(4.2~26.2μg/mL)、10mg/kg投与で48.5μg/mL(28.7~65.7μg/mL)、15mg/kgで49.2μg/mL(13.5~132.0μg/mL)であり、10~15mg/kgで目標濃度である30μg/mLを上回った。消失半減期は18.1~43.8日であった。
※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。
〈24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児〉
24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児を対象とした海外臨床試験(15mg/kgを30日間隔で計5回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)での平均血清中濃度(トラフ値)は2回目投与前(1回目投与後)が55.5±19μg/mL、5回目投与前(4回投与後)が90.8±35μg/mLであった(639例)。また、そのうち投与期間中に心肺バイパスを伴う開心術を行った症例(139例)の平均血清中濃度は、バイパス前98.0±52μg/mLからバイパス後41.4±33μg/mLと58%減少した。[7.3参照]
〈健康成人〉
健康成人を対象とした並行群間比較試験での凍結乾燥注射製剤と注射液製剤(それぞれパリビズマブ3mg/kgを30日毎に計2回筋肉内および15mg/kgを単回静脈内投与)の血清中パリビズマブ濃度推移は同様であった(各12例、外国人データ)。
※承認を受けた用法及び用量は体重1kgあたり15mgを筋肉内に投与である。
〈6ヵ月齢以下の早産児〉
6ヵ月齢以下の早産児(153例)を対象としたクロスオーバー試験(パリビズマブ15mg/kg筋肉内投与)では凍結乾燥注射製剤と注射液製剤のトラフ値は同等であった。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 薬物相互作用に関する臨床試験は実施されていない。
海外における第III相臨床試験において、プラセボ投与群および本剤投与群の患者はいずれも同様の割合で通常の小児予防接種ワクチン、インフルエンザワクチン、気管支拡張剤、副腎皮質ステロイドの投与を受けていたが、副作用発現率の上昇は認められなかった。なお、日本脳炎ウイルスワクチンおよびBCGワクチンとの併用投与に関する知見は得られていない。
16.7.2 本剤はRSウイルスに特異的に作用するため、ワクチン接種による免疫応答を妨げないと考えられる。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈在胎期間35週以下で6ヵ月齢以下の新生児、乳児ならびに24ヵ月齢以下の気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児〉
17.1.1 海外第III相試験
海外第III相二重盲検比較試験において在胎期間35週以下で6ヵ月齢以下の新生児、乳児ならびに24ヵ月齢以下の気管支肺異形成症(BPD)の新生児、乳児および幼児を対象に、RSウイルス感染による入院を指標として本剤の有効性について検討した(月1回15mg/kg、合計5回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)。
本剤はRSウイルス感染による入院率をプラセボ群に比べて有意に減少させた。
表1 RSウイルス感染による入院を指標とした本剤の有効性(海外第III相試験)
→図表を見る(PDF)

本剤投与群(1,002例)のうち、109例(10.9%)に副作用が発現した。主な副作用は発熱28例(2.8%)、注射部位反応、神経過敏25例(2.5%)等であった。
〈24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児〉
17.1.2 海外第III相試験
海外第III相二重盲検比較試験において24ヵ月齢以下の先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児を対象に、RSウイルス感染による入院を指標として本剤の有効性について検討した(月1回15mg/kg、合計5回筋肉内投与、凍結乾燥注射製剤)。本剤はRSウイルス感染による入院率をプラセボ群に比べて有意に減少させた。
本剤投与群(639例)のうち、46例(7.2%)に副作用が発現した。主な副作用は注射部位反応17例(2.7%)等であった。
表2 RSウイルス感染による入院を指標とした本剤の有効性(海外CHD試験)
→図表を見る(PDF)

17.1.3 国内第III相試験
国内における先天性心疾患(CHD)を有する新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし5回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では本剤のRSウイルス感染による入院率は4.5%(有効性評価対象67例中3例)であった。
安全性評価対象71例のうち、13例(18.3%)に副作用が発現した。主な副作用は注射部位反応6例(8.5%)、咳嗽、発疹各4例(5.6%)等であった。
〈免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
17.1.4 国内第III相試験
国内における免疫不全を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又はダウン症候群の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第III相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし7回反復投与、凍結乾燥注射製剤)では、有効性評価対象28例においてRSウイルス感染による入院は認められなかった。試験に組み入れられた患児の内訳は次の通り。複合免疫不全症、抗体産生不全症およびその他の免疫不全症(4例)、ダウン症候群(5例)、臓器移植後(8例)、骨髄移植後(4例)、免疫抑制性化学療法施行中(5例)、高用量副腎皮質ステロイド療法施行中(6例)、免疫抑制療法施行中(11例)。
安全性評価対象28例のうち、7例(25.0%)に副作用が発現した。主な副作用は鼻咽頭炎2例(7.1%)等であった。
〈肺低形成を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、気道狭窄を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天性食道閉鎖症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)、先天代謝異常症の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)又は神経筋疾患の新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)〉
17.1.5 国内第II相試験
国内における肺低形成、気道狭窄、先天性食道閉鎖症、先天代謝異常症又は神経筋疾患を伴う新生児、乳児および幼児(24ヵ月齢以下)を対象にした第II相臨床試験(月1回、15mg/kg筋肉内4ないし6回反復投与、注射液製剤)では、有効性評価対象23例においてRSウイルス感染による入院は認められなかった。試験に組み入れられた患児の内訳は次の通り。先天性食道閉鎖症(6例)、気道狭窄(5例)[咽頭狭窄(2例)、咽頭軟化症(2例)、咽頭狭窄・咽頭軟化症(1例)]、神経筋疾患(5例)[先天性ミオパチー(2例)、脊髄性筋萎縮症(1例)、筋強直性ジストロフィー(1例)、デュシェンヌ型筋ジストロフィー(1例)]、先天代謝異常症(4例)[プロピオン酸血症(2例)、中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(1例)、極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症(1例)]、肺低形成(3例)[先天性横隔膜ヘルニア(2例)、先天性嚢胞性肺疾患(1例)]。
安全性評価対象23例において、副作用は認められなかった。

18.1 作用機序
本剤はRSウイルスのFたん白質上の抗原部位A領域に対する特異的ヒト化モノクローナル抗体である。本剤はRSウイルスが宿主細胞に接着・侵入する際に重要な役割を果たすFたん白質に結合してウイルスの感染性を中和し、ウイルスの複製および増殖を抑制する。
18.2 臨床分離株に対する作用
米国で得られたRSウイルスのサブタイプAおよびBを含む臨床分離株の57株(サブタイプA:34株、B:23株)すべてに対して本剤は中和活性を示した。
さらに、米国、ヨーロッパおよび南アメリカより計491株のRSウイルス臨床分離株に対する結合性を検討した結果、全株に対して本剤は結合した。
国内で得られたRSウイルス臨床分離株の23株(サブタイプA:13株、B:9株、不明:1株)すべてに対して本剤は結合した(in vitro)。
18.3 RSウイルス感染予防試験
コットンラットを用いたRSウイルス感染予防試験において、ウイルス感染前に本剤2.5mg/kgを静脈内投与した場合、本剤を投与したラットにおける肺組織中のRSウイルス量は本剤を投与しなかったラットの100分の1以下に減少した。また、このときの本剤の平均血清中濃度は約30μg/mLであった。

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