イトリゾール内用液1%
添付文書情報2024年02月改定(第5版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. ピモジド投与中、キニジン投与中、ベプリジル投与中、トリアゾラム投与中、シンバスタチン投与中、アゼルニジピン投与中、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル投与中、ニソルジピン投与中、エルゴタミン・カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミン投与中、エルゴメトリン投与中、メチルエルゴメトリン投与中、バルデナフィル投与中、エプレレノン投与中、ブロナンセリン投与中、シルデナフィル<レバチオ>投与中、タダラフィル<アドシルカ>投与中、スボレキサント投与中、イブルチニブ投与中、チカグレロル投与中、ロミタピド投与中、イバブラジン投与中、ベネトクラクス<再発又は難治性の慢性リンパ性白血病の用量漸増期>投与中(ベネトクラクス<再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫の用量漸増期>投与中を含む)、ルラシドン塩酸塩投与中、アナモレリン塩酸塩投与中、フィネレノン投与中、イサブコナゾニウム硫酸塩投与中、アリスキレン投与中、ダビガトラン投与中、リバーロキサバン投与中、リオシグアト投与中の患者〔10.1参照〕。
2.2. 肝臓障害又は腎臓障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者〔9.2.1、9.3.2、10.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者〔8.1、9.1.1参照〕。
2.4. 重篤な肝疾患の現症、既往歴のある患者〔8.1、9.3.1参照〕。
2.5. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 真菌感染症:
真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎、口腔咽頭カンジダ症、食道カンジダ症、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症。
2). 好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉好中球数が500/mm3未満に減少することが予測される場合に本剤を投与すること。
5.2. 〈食道カンジダ症〉食道カンジダ症を疑う場合は、内視鏡検査を実施するなど確定診断後に本剤を投与すること。
- 用法・用量
- 〈真菌感染症〉
1). 真菌血症、呼吸器真菌症、消化器真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎、ブラストミセス症、ヒストプラスマ症
通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回量の最大は20mL、1日量の最大は40mLとする。
2). 口腔咽頭カンジダ症、食道カンジダ症
通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。
〈好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉
通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態などにより適宜増減する。ただし、1回量の最大は20mL、1日量の最大は40mLとする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈真菌感染症〉ブラストミセス症、ヒストプラスマ症:ブラストミセス症及びヒストプラスマ症の初期治療又は重症の患者に対しては、本剤で治療を開始しないこと。
7.2. 〈真菌感染症〉口腔咽頭カンジダ症:服薬の際、数秒間口に含み、口腔内に薬剤をゆきわたらせた後に嚥下すること。なお、本剤は、主として消化管から吸収され作用を発現する。
7.3. 〈好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉好中球数が1000/mm3以上に回復する、又は免疫抑制剤の投与終了など、適切な時期に投与を終了すること。
7.4. 〈好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉患者の状態(服薬コンプライアンス、併用薬及び消化管障害など)により血中濃度が上昇しないと予測される場合、血中濃度モニタリングを行うことが望ましい〔10.2、15.1.2参照〕。
7.5. 〈効能共通〉本剤はイトリゾールカプセル50と生物学的に同等ではなく、バイオアベイラビリティが向上しているため、本剤からイトリゾールカプセル50への切り替えについては、イトラコナゾールの血中濃度が低下することがあるので、本剤の添加剤であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに起因する胃腸障害(下痢、軟便等)及び腎機能障害による異常を認めた場合などを除き、原則として切り替えを行わないこと〔16.2.1参照〕。
7.6. 〈効能共通〉国内において、内用液としては400mg/日を超える用量での有効性及び安全性は十分に検討されていないことから、400mg/日を超えて使用しないこと。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 本剤の投与に際しては、肝疾患の既往歴、薬物過敏症、アレルギー既往歴等について十分な問診を行い、これらの現症又は既往歴のある患者については、投与中止又は慎重投与について考慮すること〔2.3、2.4、9.1.1、9.3.1、9.3.3参照〕。
8.2. 本剤の高用量又は長期にわたる使用の場合には、血液検査、腎機能検査等を定期的に行うことが望ましい。
8.3. 肝障害、胆汁うっ滞、黄疸があらわれることがあるので、定期的に肝機能検査を行うことが望ましい〔11.1.3参照〕。
8.4. 本剤とワルファリンとの併用において、ワルファリンの作用が増強し、著しいINR上昇を来した症例が報告されているので、本剤投与開始にあたっては、あらかじめワルファリン服用の有無を確認し、ワルファリンと併用する場合は、プロトロンビン時間測定及びトロンボテストの回数を増やすなど慎重に投与すること〔10.2参照〕。
8.5. 本剤はイトリゾールカプセル50と生物学的に同等ではなく、バイオアベイラビリティが向上しているため、イトリゾールカプセル50から本剤に切り替える際には、イトラコナゾールの血中濃度(AUC、Cmax)の上昇による副作用の発現に注意すること〔16.2.1参照〕。
8.6. 添加剤であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンに起因する胃腸障害(下痢、軟便等)があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
8.7. 添加剤であるヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは浸透圧性腎症を引き起こす可能性があることが知られているため、高用量又は長期にわたる使用の場合には、血清クレアチニン値を測定するなど観察を十分に行い、腎機能障害がみられた場合には他の抗真菌剤への切り替えも考慮すること〔15.2.2参照〕。
8.8. 本剤で効果が認められない場合は、漫然と投与を継続しないこと。
8.9. 低カリウム血症があらわれることがあるので、定期的に血中電解質検査を行うこと〔11.1.6、11.1.7参照〕。
9.1.1. 薬物過敏症の既往歴、アレルギー既往歴のある患者(ただし、本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.3、8.1参照〕。
9.1.2. うっ血性心不全又はその既往歴のある患者:うっ血性心不全の悪化又は再発を来すおそれがあるので、虚血性心疾患、基礎心疾患(弁膜症等)、慢性閉塞性肺疾患、腎不全、その他の浮腫性疾患等うっ血性心不全を起こすおそれのある患者に対して本剤を投与する場合には、その危険性について十分に説明するとともに、下肢浮腫、呼吸困難等の異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔11.1.2参照〕。
9.2.1. 腎機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者:投与しないこと〔2.2、10.2参照〕。
9.2.2. 腎機能障害のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く):本剤及び代謝物等の排泄が遅延し、副作用があらわれやすくなるおそれがある。
9.3.1. 重篤な肝疾患の現症、既往歴のある患者:投与しないこと(不可逆的な肝障害におちいるおそれがある)〔2.4、8.1参照〕。
9.3.2. 肝機能障害のある患者で、コルヒチンを投与中の患者:投与しないこと〔2.2、10.2参照〕。
9.3.3. 肝機能障害<重篤な肝疾患を除く>のある患者(コルヒチンを投与中の患者を除く):肝障害を悪化させるおそれがある〔8.1、11.1.3参照〕。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び投与終了後一定期間は、適切な避妊を行うよう指導すること。
- 相互作用
- 本剤は、主に肝チトクロームP450 3A4(CYP3A4)によって代謝される。また、本剤は、CYP3A4及びP糖蛋白に対して阻害作用を示す。他の薬剤との相互作用
はすべての薬剤との組み合わせについて検討されているわけではなく、次における併用薬剤は包括的なものではない。そのため、他剤による治療中に新たに本剤を併用したり、本剤による治療中に新たに他の薬剤を併用する場合には、併用薬剤の添付文書情報(代謝経路、相互作用経路、潜在的リスク及び併用時の具体的な対処方法等)を確認するとともに患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること。また、本剤空腹時投与のバイオアベイラビリティは、同用量のイトラコナゾールカプセル剤食直後投与時に比べて高くなると考えられるので、カプセル剤と同用量の本剤を投与する場合には薬物相互作用の増強の可能性を考慮し、慎重に投与すること。本剤投与終了後の血漿中薬物濃度は、本剤の投与量及び投与期間に応じて徐々に低下するため、本剤によって代謝が影響される薬剤の投与開始に際しては患者の状態を十分に観察し、慎重に投与すること〔16.2.1参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). ピモジド<オーラップ>、キニジン、ベプリジル<ベプリコール>〔2.1参照〕[これらの薬剤の血中濃度上昇によりQT延長が発現する可能性がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
2). トリアゾラム<ハルシオン>〔2.1参照〕[トリアゾラムの血中濃度上昇、作用の増強、作用時間の延長があらわれることがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
3). シンバスタチン<リポバス>〔2.1参照〕[シンバスタチンの血中濃度上昇により横紋筋融解症があらわれやすくなる(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
4). アゼルニジピン<カルブロック>、アゼルニジピン・オルメサルタン メドキソミル<レザルタス配合錠>、ニソルジピン〔2.1参照〕[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
5). エルゴタミン・カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン<パルタンM>〔2.1参照〕[これらの薬剤の血中濃度上昇により血管攣縮等の副作用が発現するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
6). バルデナフィル<レビトラ>〔2.1参照〕[バルデナフィルのAUCが増加しCmaxが上昇するとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
7). エプレレノン<セララ>〔2.1参照〕[エプレレノンの血中濃度を上昇させるおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
8). ブロナンセリン<ロナセン>〔2.1参照〕[ブロナンセリンの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
9). シルデナフィル<レバチオ>〔2.1参照〕[シルデナフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(シルデナフィルとリトナビルの併用によりシルデナフィルのCmaxが3.9倍に増加及びリトナビルの併用によりシルデナフィルのAUCが10.5倍に増加したとの報告がある)(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
10). タダラフィル<アドシルカ>〔2.1参照〕[タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用によりタダラフィルのAUCが312%増加及びケトコナゾールの併用によりタダラフィルのCmaxが22%増加したとの報告がある)(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
11). スボレキサント<ベルソムラ>〔2.1参照〕[スボレキサントの作用を著しく増強させるおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
12). イブルチニブ<イムブルビカ>〔2.1参照〕[イブルチニブの血中濃度が上昇し副作用が増強されるおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
13). チカグレロル<ブリリンタ>〔2.1参照〕[チカグレロルの血中濃度が上昇し出血の危険性が増大するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
14). ロミタピド<ジャクスタピッド>〔2.1参照〕[ロミタピドの血中濃度が著しく上昇するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
15). イバブラジン<コララン>〔2.1参照〕[イバブラジンの血中濃度が上昇し過度の徐脈があらわれることがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
16). ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の用量漸増期)<ベネクレクスタ>〔2.1参照〕[ベネトクラクスの血中濃度が上昇し腫瘍崩壊症候群の発現が増強する可能性がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
17). ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>〔2.1参照〕[ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
18). アナモレリン塩酸塩<エドルミズ>〔2.1参照〕[アナモレリン塩酸塩の血中濃度が上昇し副作用の発現が増強するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
19). フィネレノン<ケレンディア>〔2.1参照〕[フィネレノンの血中濃度が著しく上昇するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
20). イサブコナゾニウム硫酸塩<クレセンバ>〔2.1参照〕[イサブコナゾールの血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用
により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
21). アリスキレン<ラジレス>〔2.1参照〕[イトラコナゾールカプセルの併用
投与(空腹時)により、アリスキレンのCmax及びAUCがそれぞれ約5.8倍及び約6.5倍に上昇したとの報告がある(本剤のP糖蛋白阻害作用により、アリスキレンの排泄が阻害されると考えられる)]。
22). ダビガトラン<プラザキサ>〔2.1参照〕[ダビガトランの血中濃度が上昇し出血の危険性が増大することがある(本剤のP糖蛋白阻害作用により、ダビガトランの排泄が阻害されると考えられる)]。
23). リバーロキサバン<イグザレルト>〔2.1参照〕[リバーロキサバンの血中濃度が上昇し出血の危険性が増大するおそれがある(リバーロキサバンとケトコナゾールの併用によりリバーロキサバンのAUCが158%増加及びケトコナゾールの併用によりリバーロキサバンのCmaxが72%増加したとの報告がある)(本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、リバーロキサバンの代謝及び排泄が阻害され、抗凝固作用が増強されると考えられる)]。
24). リオシグアト<アデムパス>〔2.1参照〕[リオシグアトの血中濃度を上昇させるおそれがある(リオシグアトとケトコナゾールの併用によりリオシグアトのAUCが150%増加及びケトコナゾールの併用によりリオシグアトのCmaxが46%増加し、また、ケトコナゾールの併用によりリオシグアトの消失半減期が延長し、ケトコナゾールの併用によりリオシグアトのクリアランスも低下したとの報告がある)(本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、リオシグアトのクリアランスが低下することが考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). アトルバスタチン[アトルバスタチンの血中濃度を上昇させることがあり横紋筋融解症があらわれやすくなるので、必要に応じてアトルバスタチンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
2). ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(ビンクリスチン、ビンブラスチン等)[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあり、ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の副作用が増強されることがあるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用
量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
3). メチルプレドニゾロン、デキサメタゾン、ブデソニド[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあり、これらの薬剤の副作用が増強されることがあるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
4). コルヒチン〔2.2、9.2.1、9.3.2参照〕[コルヒチンの血中濃度を上昇させることがあり、コルヒチンの作用が増強されることがあるので、必要に応じてコルヒチンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
5). ジソピラミド[ジソピラミドの血中濃度上昇によりQT延長が発現する可能性があるので、必要に応じてジソピラミドの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
6). ベンゾジアゼピン系薬剤(ミダゾラム、ブロチゾラム、アルプラゾラム)、抗精神病薬(ハロペリドール、アリピプラゾール、ペロスピロン、クエチアピン)、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス水和物)、抗悪性腫瘍剤(ドセタキセル水和物、エベロリムス、テムシロリムス、ゲフィチニブ、ダサチニブ、エルロチニブ、ラパチニブ、ボルテゾミブ、イマチニブ、スニチニブ、ボスチニブ、カバジタキセル、セリチニブ、クリゾチニブ、シロリムス<錠>、パノビノスタット、ポナチニブ、ルキソリチニブ、アパルタミド、トレチノイン<カプセル>、ペミガチニブ、エヌトレクチニブ)、オピオイド系鎮痛剤(フェンタニル、オキシコドン、メサドン)、ブプレノルフィン、セレギリン、ガランタミン、モザバプタン、トルバプタン、エレトリプタン、サルメテロール、シクレソニド、フルチカゾン、アプレピタント、イミダフェナシン、ソリフェナシン、トルテロジン、シロスタゾール、シナカルセト、エバスチン、ダルナビル、マラビロク、オキシブチニン、ドンペリドン、シロドシン、キニーネ、ゾピクロン、グアンファシン、ジエノゲスト[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。本剤とアリピプラゾールの併用により、アリピプラゾールのCmax・AUC・t1/2が各19.4%・48.0%・18.6%増加したとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。本剤とペロスピロンの併用により、ペロスピロンのCmax及びAUCがそれぞれ5.7倍及び6.8倍増加したとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。クリゾチニブ反復投与時に本剤を併用投与したとき、クリゾチニブの定常状態におけるAUCtau及びCmaxは単独投与と比べそれぞれ57%及び33%増加した(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。本剤とオキシコドンの併用により、オキシコドンのクリアランスが32%減少しAUCが51%増加<オキシコドン注射剤>したとの報告があり、また、オキシコドンのAUCが144%上昇<オキシコドン経口剤>したとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。トルバプタンとの併用が避けられない場合は、トルバプタンの減量あるいは、低用
量から開始するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)。本剤とイミダフェナシンの併用により、イミダフェナシンのCmax及びAUCがそれぞれ1.32倍及び1.78倍増加したとの報告がある(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
7). シルデナフィル<バイアグラ>[シルデナフィルとエリスロマイシンの併用によりシルデナフィルのCmax・AUCの増加が認められたとの報告があるので、必要に応じてシルデナフィルの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
8). タダラフィル<シアリス・ザルティア>[タダラフィルの血中濃度を上昇させるおそれがある(タダラフィルとケトコナゾールの併用によりタダラフィルのAUCが312%増加及びケトコナゾールの併用によりタダラフィルのCmaxが22%増加したとの報告がある)ので、必要に応じてタダラフィルの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
9). ワルファリン〔8.4参照〕[ワルファリンの作用が増強し著しいINR上昇があらわれることがあるので、必要に応じてワルファリンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
10). アキシチニブ[アキシチニブの血中濃度が上昇し副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、やむを得ず併用する際にはアキシチニブの減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用発現に十分注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
11). フェソテロジン[活性代謝物5-HMTの血漿中濃度の上昇に伴い効果や副作用の増強が予想されるので、必要に応じてフェソテロジンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
12). ボセンタン[ボセンタンの血中濃度が上昇しボセンタンの副作用が発現しやすくなるおそれがあるので、必要に応じてボセンタンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
13). アルテメテル・ルメファントリン[アルテメテル及びルメファントリンの血中濃度が上昇しQT延長が起こるおそれがあるので、必要に応じてアルテメテル・ルメファントリンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
14). デソゲストレル・エチニルエストラジオール[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので、必要に応じてデソゲストレル・エチニルエストラジオールの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
15). ベネトクラクス(再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)の維持投与期、急性骨髄性白血病)[ベネトクラクスの血中濃度が上昇し副作用が増強する可能性があるので、ベネトクラクスを減量するとともに患者の状態を慎重に観察すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害される)]。
16). ジヒドロピリジン系Ca拮抗剤<アゼルニジピン・ニソルジピンは併用禁忌>(ニフェジピン、ニルバジピン、フェロジピン等)、ベラパミル[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあり、また、心機能が低下する可能性があるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4に対する阻害作用により、これらの薬剤の代謝が阻害され、また、両剤の心抑制作用が増強する可能性がある)]。
17). イリノテカン[イリノテカンの活性代謝物の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じてイリノテカンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4阻害作用により、イリノテカンの活性代謝物の無毒化が阻害されると考えられる)]。
18). バルベナジン[バルベナジン及び活性代謝物の血漿中濃度が上昇するおそれがあり、バルベナジンの作用が増強することで副作用があらわれるおそれがあるため、観察を十分に行うこと、本剤を併用する場合にはバルベナジンの増量はしないこと(本剤のCYP3A阻害作用により、バルベナジン及び活性代謝物の代謝が阻害されると考えられる)]。
19). ニロチニブ[ニロチニブの血中濃度が上昇しQT延長があらわれることがあるので、必要に応じてニロチニブの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、ニロチニブの代謝及び排泄が阻害されると考えられる)]。
20). アピキサバン[アピキサバンの血中濃度を上昇させることがあるので、必要に応じてアピキサバンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、アピキサバンの代謝及び排泄が阻害されると考えられる)]。
21). エドキサバン[エドキサバンの血中濃度を上昇させ出血の危険性を増大させるおそれがあるので、必要に応じてエドキサバンの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のP糖蛋白阻害作用により、エドキサバンのバイオアベイラビリティを上昇させると考えられる)]。
22). ジゴキシン、ブスルファン[これらの薬剤の血中濃度を上昇させることがあるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(機序不明)。本剤とブスルファンの併用により、ブスルファンのクリアランスが20%減少したとの報告があるので、必要に応じてこれらの薬剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(機序不明)]。
23). ロペラミド[ロペラミドの血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じてロペラミドの投与量を減量するなど用量に注意すること(本剤のCYP3A4及びP糖蛋白阻害作用により、ロペラミドの代謝及び排泄が阻害されると考えられる)]。
24). クラリスロマイシン、リトナビル、ホスアンプレナビル/リトナビル、エリスロマイシン、シプロフロキサシン[本剤の血中濃度が上昇することがあるので、必要に応じて本剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)。本剤とシプロフロキサシンの併用により、イトラコナゾールのCmax及びAUCが各53.13%及び82.46%増加したとの報告があるので、必要に応じて本剤の投与量を減量するなど用量に注意すること(これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
25). ダルナビル/リトナビル[ダルナビル/リトナビル併用により、本剤又はダルナビルの血中濃度が上昇する可能性がある(ダルナビル/リトナビルとケトコナゾールの併用によりダルナビルとケトコナゾールの血中濃度の上昇が認められたとの報告がある)ので、必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど用量に注意すること(本剤及びこれらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、血中濃度の変化が起こる場合がある)]。
26). EVG・COBI・FTC・TAF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)、EVG・COBI・FTC・TDF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシルフマル酸塩)[本剤・エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性があるので、必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど用量に注意すること(本剤及びコビシスタットのCYP3A等阻害作用により、相互に代謝が阻害される)]。
27). ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット[本剤・ダルナビル又はコビシスタットの血中濃度が上昇する可能性があるので、必要に応じて本剤又はダルナビルエタノール付加物・コビシスタットの投与量を調節するなど用量に注意すること(本剤とダルナビル及びコビシスタットのCYP3A阻害作用により、相互に代謝が阻害される)]。
28). DRV・COBI・FTC・TAF(ダルナビル エタノール付加物・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩)[本剤・ダルナビル・コビシスタット・テノホビルアラフェナミドの血中濃度上昇する可能性があるので、必要に応じて本剤又はダルナビル エタノール付加物・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミドフマル酸塩の投与量を調節するなど用量に注意すること(本剤とダルナビル、コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドのCYP3A及びP糖蛋白阻害作用により、相互に代謝が阻害される)]。
29). カルバマゼピン、エトラビリン、リファブチン〔7.4参照〕[本剤の血中濃度が低下することがあり、また、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性があるので、必要に応じて本剤又はこれらの薬剤の投与量を調節するなど用量に注意すること(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の肝代謝が促進され、また、本剤のCYP3A4に対する阻害作用によりこれらの薬剤の代謝が阻害される)]。
30). リファンピシン、フェニトイン、イソニアジド、フェノバルビタール、エファビレンツ、ネビラピン〔7.4参照〕[本剤の血中濃度が低下することがあるので、必要に応じて本剤の投与量、両剤の投与間隔を調節するなど注意すること(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の肝代謝が促進される)。本剤とネビラピンの併用により、本剤のCmax・AUC及びt1/2がそれぞれ38%・61%及び31%減少したとの報告があるので、必要に応じて本剤の投与量、両剤の投与間隔を調節するなど注意すること(これらの薬剤の肝薬物代謝酵素誘導により、本剤の肝代謝が促進される)]。
31). メロキシカム<経口>[本剤とメロキシカムの併用により、メロキシカムのCmax及びAUCがそれぞれ64%及び37%減少したとの報告があるので、必要に応じてメロキシカムの投与量を調節するなど用量に注意すること(本剤がメロキシカムの消化管からの吸収を抑制すると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):チアノーゼ、冷汗、血圧低下、呼吸困難、胸内苦悶等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. うっ血性心不全(1.7%)、肺水腫(頻度不明):下肢浮腫、呼吸困難等の症状に注意すること〔9.1.2参照〕。
11.1.3. 肝障害(10.0%)、胆汁うっ滞(0.6%)、黄疸(頻度不明):食欲不振、嘔気、嘔吐、倦怠感、腹痛、褐色尿等の症状に注意すること〔8.3、9.3.3参照〕。
11.1.4. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、急性汎発性発疹性膿疱症(頻度不明)、剥脱性皮膚炎(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)。
11.1.5. 間質性肺炎(頻度不明):咳嗽、呼吸困難、発熱、肺音異常(捻髪音)等が認められた場合には、速やかに胸部X線、速やかに胸部CT、速やかに血清マーカー等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに、適切な処置を行うこと。
11.1.6. 低カリウム血症(12.2%)〔8.9参照〕。
11.1.7. 偽アルドステロン症(頻度不明):低カリウム血症、血圧上昇、ナトリウム貯留・体液貯留、浮腫、体重増加等があらわれることがある〔8.9参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(頻度不明)鼻炎。
2). 過敏症:(頻度不明)血管浮腫。
3). 代謝・栄養:(5%未満)高トリグリセリド血症。
4). 循環器:(5%未満)血圧上昇、不整脈、心電図異常、高血圧、狭心症発作、徐脈、(頻度不明)動悸、心室性期外収縮、房室ブロック、血管障害、頻脈、低血圧。
5). 消化器:(5%以上)下痢・軟便(26.1%)、悪心、(5%未満)腹部不快感、食欲不振、嘔吐、腹痛、腹部膨満、便秘、上腹部痛、消化不良、口内炎、口腔内痛、胃炎、歯周炎、(頻度不明)舌炎、おくび、腹部痛・腰背部痛、胃十二指腸潰瘍、食道炎。
6). 肝臓:(5%未満)肝機能異常、高ビリルビン血症、γ-GTP増加、ALT増加、AST増加、ALP増加、LDH増加、(頻度不明)LAP増加。
7). 呼吸器:(5%未満)咳嗽、発声障害、咽喉頭疼痛、(頻度不明)呼吸困難。
8). 皮膚:(5%未満)発疹、皮膚そう痒症、蕁麻疹、(頻度不明)紅斑、脱毛、湿疹、光線過敏性反応、白血球破砕性血管炎、紅斑性発疹、皮膚乾燥、皮膚腫脹、多汗症、皮膚障害。
9). 精神神経系:(5%未満)めまい、感覚鈍麻、頭痛、不眠、(頻度不明)味覚異常、傾眠、振戦、倦怠感、末梢神経障害、錯感覚、肩こり、眠気、不安、失神、うつ病、錯乱状態。
10). 腎臓:(5%以上)腎機能検査値異常(尿中β2ミクログロブリン増加、β-NアセチルDグルコサミニダーゼ増加、尿中α1ミクログロブリン増加、尿検査異常)、(5%未満)腎障害、腎尿細管障害、蛋白尿、尿量減少、血尿、(頻度不明)頻尿、尿失禁、BUN上昇、尿検査異常、尿円柱。
11). 生殖器:(頻度不明)月経異常、勃起不全。
12). 血液:(5%未満)白血球減少、血小板減少、貧血、好酸球増多、白血球増多、(頻度不明)好中球減少、赤血球数減少、ヘマトクリット減少、ヘモグロビン減少、顆粒球減少。
13). その他:(5%未満)末梢性浮腫、浮腫、潮紅、ほてり、高血糖、視覚障害(霧視、複視を含む)、体重増加、(頻度不明)発熱、異常感、無力症、顔面浮腫、血清病、筋痛、関節痛、耳鳴、難聴、胸痛、悪寒、筋硬直、腫脹、自傷、脱水、多汗症。
14). 臨床検査:(5%未満)血中コレステロール減少、CRP増加、CK増加、血中ナトリウム減少、血中リン増加、(頻度不明)血清尿酸上昇、血清カリウム上昇、血中アミラーゼ増加、総蛋白増加、総コレステロール増加、尿糖陽性。
発現頻度は、深在性真菌症及び真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症患者*を対象とし、イトラコナゾール注射剤最短3日間から最長2週間投与後、本剤最大200mgを1日2回最長12週間投与した臨床試験(JK1211-JPN-07)の安全性解析対象集団を含む。
*)真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症は国内承認外。
- 高齢者
- 消化器症状等副作用があらわれた場合は減量又は休薬するなど慎重に投与すること(高齢者では生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット、マウス)で催奇形性が報告されている)〔2.5参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで母乳中へ移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意本剤は個々の患者の投与期間に基づいた必要量を交付し、計量カップを用い、正確に本剤1回服用量を量り取って服用するよう患者に指導すること。また、飲み忘れ等による服薬期間後の残薬については、服用しないよう指導すること。
小児の手の届かない所に保管すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 血糖降下剤との併用により、類似化合物<ミコナゾール>では著しい血糖低下が認められたとの報告がある。
15.1.2. 海外で実施された真菌感染予防の臨床試験では、予防効果を期待する血中イトラコナゾールのトラフ値として250ng/mLを目安として実施し、その結果、投与開始10~14日に80%以上の患者で血中イトラコナゾールのトラフ値が250ng/mLに達した。また、アスペルギルスに感染する可能性がある場合には血中イトラコナゾールのトラフ値の目安として500ng/mLを推奨する文献報告もある〔7.4参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンの混餌投与によるラットがん原性試験において、膵臓腫瘍及び大腸腫瘍の発生率増加が認められた。しかしながら、膵臓腫瘍はラットのみに種特異的に生じる所見であり、大腸腫瘍は大量(ヒトの約15倍)のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンを長期間経口投与したことで生じた所見であり、他の難吸収性多糖類の長期間大量経口投与でも同様に生じる所見である。
15.2.2. ラット及びイヌの3ヵ月静脈内投与試験において、添加剤のヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリンは、腎機能には影響を与えないが、腎臓及び膀胱において、高張な物質を排泄する過程で生じる適応性変化と考えられる浸透圧性腎症がみられている(この所見は3ヵ月の休薬後も軽度に残存していたものの、回復性が認められた)。また、同様の所見がラット及びイヌの12ヵ月経口投与試験においても認められた〔8.7参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性を対象に、本剤をイトラコナゾールとして100及び200mgを空腹時に単回経口投与したとき、血漿中未変化体及び主活性代謝物ヒドロキシイトラコナゾールの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
健康成人男性に本剤を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復投与
(1)健康成人男性を対象に、本剤をイトラコナゾールとして100mg及び200mgを空腹時に1日1回、12日間反復経口投与したとき、各投与群における未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールはいずれも投与期間中に定常状態に達した。また、最終投与後の未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールのCmaxは、ほぼ投与量に比例して増加したが、最終投与後の未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールのt1/2は単回投与時よりも延長した。また、AUC(0→24)は用量比を上回る増加(2.5倍及び2.3倍)を示し、肝代謝の飽和に起因すると考えられる非線形性が認められた。
健康成人男性に本剤を反復経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
→図表を見る(PDF)
健康成人男性に本剤を反復経口投与したときの血漿中濃度推移
(2)日本人患者(深在性真菌症患者及び真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症患者注1))を対象に本剤をイトラコナゾールとして200mg1日1回投与したとき、血漿中未変化体のトラフ濃度(推定値の平均値)は日本人患者に本剤をイトラコナゾールとして2.5mg/kg1日2回投与注2)したときと比べ低値を示したが、その分布範囲に大きな差はなく、外国人の重度好中球減少症を有する血液悪性疾患患者を対象に本剤をイトラコナゾールとして2.5mg/kg1日2回投与したときの血漿中未変化体のトラフ濃度(実測値)と同程度又は高値を示すと考えられた。
日本人患者(推定値)及び外国人患者(実測値)に本剤を反復経口投与したときの血漿中未変化体のトラフ濃度(平均値±標準偏差[範囲])
→図表を見る(PDF)
注1)真菌感染が疑われる発熱性好中球減少症は国内承認外
注2)本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。ただし、1回量の最大は20mL、1日量の最大は40mLとする。」である。
16.2 吸収
16.2.1 製剤間のバイオアベイラビリティ
健康成人男性を対象に、本剤(空腹時)又はカプセル剤(食直後)をイトラコナゾールとして100及び200mgを単回経口投与した試験の成績を比較した結果、本剤のバイオアベイラビリティはカプセル剤と比べ高値を示した。[7.5、8.5、10.参照]
健康成人男性に本剤(空腹時)及びカプセル剤(食直後)を単回経口投与したときの薬物動態パラメータ(平均値±標準偏差)
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16.2.2 食事の影響
本剤を空腹時に単回経口投与したとき、食直後投与よりも未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールのTmaxの短縮(約0.5倍)、Cmaxの上昇(1.7倍及び1.6倍)及びAUCの増加(1.1倍及び1.2倍)が認められた。
16.3 分布
16.3.1 体組織への分布
外国人(患者・健康成人)のデータでは、イトラコナゾール100mg経口投与後の肺、腎、肝、皮膚等の組織内未変化体濃度は血漿中濃度よりも高かった。
16.3.2 乳汁移行性
外国人(健康女性)のデータでは、授乳婦にイトラコナゾール1回200mgを1日2回経口投与したとき、乳汁中に未変化体が検出された。
16.3.3 血漿蛋白結合率
99.8%(in vitro、平衡透析法、0.5μg/mL)
16.4 代謝
ヒトにイトラコナゾールを経口投与したとき、肝臓で主に代謝され、主な代謝物はヒドロキシイトラコナゾールである。
初回通過効果の有無及びその割合:あり(割合は不明)
代謝物の活性の有無:ヒドロキシイトラコナゾール(主活性代謝物)は、未変化体と比較してほぼ同等の抗真菌活性を示す。
代謝酵素(チトクロームP450)の分子種:CYP3A4
16.5 排泄
健康成人男性に、本剤を単回及び反復経口投与したとき、未変化体及びヒドロキシイトラコナゾールの尿中排泄率はそれぞれ投与量の1%未満であった。
16.8 その他
16.8.1 ヒドロキシプロピル‐β‐シクロデキストリン
添加剤であるヒドロキシプロピル‐β‐シクロデキストリンは、血漿中には検出されず、ほとんど未変化体として吸収されない。また、未変化体の尿中排泄率は投与量の1%未満であり、投与量の約50%は未変化体のまま糞中に排泄され、残りは消化管内で腸内細菌叢により分解された後に糞中排泄あるいは吸収される。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈真菌感染症(口腔咽頭カンジダ症)〉
17.1.1 国内第III相試験(JK1211‐JPN‐06)
口腔咽頭カンジダ症を対象とし、本剤200mg/日を1~2週間投与したときの有効率は91.9%(68/74例)であった。
副作用は、104例中39例(37.5%)に認められた。その主なものは軟便14例(13.4%)、下痢7例(6.7%)、悪心5例(4.8%)であった。
〈真菌感染症(食道カンジダ症)〉
17.1.2 海外第III相試験(ITR‐USA‐12)
食道カンジダ症を対象とし、本剤を初回200mg/日投与後、100mg/日を3~8週間投与したときの有効率は94.3%(50/53例)であった。
有害事象は、62例中30例(48.8%)に認められた。主なものは発熱9例(14.5%)、悪心8例(12.9%)、下痢6例(9.7%)、呼吸困難5例(8.1%)であった。
〈真菌感染症〉
17.1.3 国内第III相試験(JK1211‐JPN‐07)
深在性真菌症を対象とし、本剤最大200mgを1日2回最長12週間投与したときの有効率は76.9%(10/13例)であった。
副作用(臨床検査値異常を含む)は、16例中16例(100.0%)に認められた。その主なものは下痢8例(50.0%)、尿中β2ミクログロブリン増加6例(37.5%)、肝障害5例(31.3%)、腎障害4例(25.0%)であった。
〈好中球減少が予測される血液悪性腫瘍又は造血幹細胞移植患者における深在性真菌症の予防〉
17.1.4 海外第III試験(ITR‐ITA‐18)
好中球減少を伴う血液悪性疾患患者を対象とし、本剤2.5mg/kgを1日2回最長8週間投与※したときの予防効果をプラセボと比較したときの真菌感染症発症率は次のとおりであった。
真菌感染症発症率
→図表を見る(PDF)
副作用は、201例中56例(27.8%)に認められた。主なものは下痢35例(17.4%)、嘔吐26例(12.9%)、悪心22例(10.9%)であった。
17.1.5 海外第III試験(ITR‐INT‐54)
好中球減少を伴う血液悪性疾患患者を対象とし、本剤2.5mg/kgを1日2回最長8週間投与※したときの予防効果をアムホテリシンBカプセルと比較したときの真菌感染症発症率は次のとおりであった。
真菌感染症発症率
→図表を見る(PDF)
※本剤の承認された用法及び用量は、「通常、成人には20mL(イトラコナゾールとして200mg)を1日1回空腹時に経口投与する。なお、患者の状態などにより適宜増減する。ただし、1回量の最大は20mL、1日量の最大は40mLとする。」である。
副作用は、281例中146例(52.0%)に認められた。主なものは下痢54例(19.2%)、悪心47例(16.7%)、嘔吐37例(13.2%)であった。
18.1 作用機序
真菌のチトクロームP450に特異的に作用して、真菌の細胞膜の主要構成脂質であるエルゴステロールの生合成を阻害する。イトラコナゾールは哺乳類由来のチトクロームP450には影響が少なかった。
18.2 抗真菌作用
18.2.1 カンジダ属に対してin vitroで強い抗真菌活性を示した。
18.2.2 持続的抗真菌活性(post‐antifungal effect)を検討するためにCandida albicansに薬剤を一定時間曝露し洗浄除去処理したところ、イトラコナゾールは薬剤除去後も作用が持続することが示された(in vitro)。
18.2.3 実験的な免疫不全マウスにおける口腔カンジダ症並びにマウス、モルモットの実験的な免疫不全動物における消化管カンジダ症に対して高い有効性を示した。
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- ヤンセンファーマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
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