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フロリードF注200mg

販売名
フロリードF注200mg
薬価
1%20mL1管 1496.00円
製造メーカー
持田製薬

添付文書情報2021年06月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の化学療法剤
一般名
ミコナゾール注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者〔8.2、9.1.3参照〕。
2.2. ワルファリンカリウム投与中、ピモジド投与中、キニジン硫酸塩水和物投与中、トリアゾラム投与中、シンバスタチン投与中、アゼルニジピン投与中、オルメサルタンメドキソミル・アゼルニジピン投与中、ニソルジピン投与中、ブロナンセリン投与中、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン投与中、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩投与中、リバーロキサバン投与中、アスナプレビル投与中、ロミタピドメシル酸塩投与中、ルラシドン塩酸塩投与中の患者〔10.1参照〕。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
クリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、コクシジオイデスのうち本剤感性菌による次記感染症:
真菌血症、肺真菌症、消化管真菌症、尿路真菌症、真菌髄膜炎。
用法・用量
本剤の用法・用量は通常次の通りであるが、年齢・症状により適宜増減する。
〈点滴静注〉
本剤を、ミコナゾールとして200mgあたり200mL以上の生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、通常、成人にはミコナゾールとして初回200mgより開始し、以後1回200~400mgを1日1~3回、30~60分以上かけて点滴静注する。
ただし、輸液量が制限される場合には、ミコナゾールとして200mgあたり50mL以上の生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液で希釈し、30~60分以上かけて点滴静注する。
また、髄膜炎の場合は髄腔内注入を併用する。
〈髄腔内注入〉
通常、成人にはミコナゾールとして1日1回5~20mgを1~7日毎に髄腔内に注入する。
(用法及び用量に関連する注意)
〈真菌髄膜炎〉髄腔内注入は確定診断がなされた患者のみに行うこと。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉本剤を希釈せずに急速に注射した場合、一過性頻脈又は一過性不整脈があらわれるおそれがあるので、本剤の使用にあたっては用法及び用量を厳守すること。
8.2. 〈効能共通〉本剤の添加剤であるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する医薬品でショックの発現が報告されているので、投与に際してはアレルギー既往歴、薬物過敏症等について十分な問診を行うこと〔2.1、9.1.2、9.1.3、11.1.1参照〕。
8.3. 〈効能共通〉肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うこと〔9.3肝機能障害患者の項、11.1.2参照〕。
8.4. 〈効能共通〉急性腎障害があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うこと〔9.2腎機能障害患者の項、11.1.3参照〕。
8.5. 〈効能共通〉汎血球減少、白血球減少、血小板減少があらわれることがあるので、定期的に臨床検査を行うこと〔11.1.5参照〕。
8.6. 〈真菌髄膜炎〉投与に際しては観察を十分に行い、投与部位、投与速度、投与間隔等に十分注意すること。
9.1.1. 経口血糖降下剤投与中(グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミド等)の患者:血糖値その他患者の状態を十分観察しながら慎重に投与すること(低血糖症状をきたした症例が報告されている)〔10.2参照〕。
9.1.2. 本人又は両親、兄弟に気管支喘息、発疹、蕁麻疹等のアレルギーを起こしやすい体質を持つ患者〔8.2参照〕。
9.1.3. 薬物過敏症の既往歴のある患者(ただし、本剤に対して過敏症の既往歴のある患者には投与しないこと)〔2.1、8.2参照〕。
腎機能障害患者:症状を悪化させるおそれがある〔8.4、11.1.3参照〕。
肝機能障害患者:症状を悪化させるおそれがある〔8.3、11.1.2参照〕。
相互作用
本剤はCYP3A及びCYP2C9と親和性を有するため、CYP3Aで代謝される薬剤及びCYP2C9で代謝される薬剤の代謝を阻害し血中濃度を上昇させる可能性がある。
10.1. 併用禁忌:1). ワルファリンカリウム<ワーファリン>〔2.2参照〕[ワルファリンの作用が増強し、重篤な出血あるいは著しいINR上昇があらわれることがあり、また、ミコナゾールゲル経口用とワルファリンとの併用において、併用中止後もワルファリンの作用が遷延し重篤な出血を来したとの報告もあるので、患者がワルファリンの治療を必要とする場合は、ワルファリンの治療を優先し、本剤を投与しないこと(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
2). ピモジド<オーラップ>〔2.2参照〕[ピモジドによるQT延長、心室性不整脈<torsades de pointesを含む>等の重篤な心臓血管系の副作用があらわれるおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
3). キニジン硫酸塩水和物(キニジン硫酸塩)〔2.2参照〕[キニジンによるQT延長等があらわれるおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
4). トリアゾラム<ハルシオン>〔2.2参照〕[トリアゾラムの作用の増強及び作用時間の延長があらわれるおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
5). シンバスタチン<リポバス>〔2.2参照〕[シンバスタチンによる横紋筋融解症があらわれるおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
6). アゼルニジピン<カルブロック>、オルメサルタン メドキソミル・アゼルニジピン<レザルタス配合錠>、ニソルジピン、ブロナンセリン<ロナセン>〔2.2参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
7). エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン・イソプロピルアンチピリン<クリアミン配合錠>、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩〔2.2参照〕[これらの薬剤の血中濃度が上昇し血管攣縮等の重篤な副作用があらわれるおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
8). リバーロキサバン<イグザレルト>〔2.2参照〕[リバーロキサバンの血中濃度が上昇し抗凝固作用が増強されることにより出血の危険性が増大するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
9). アスナプレビル<スンベプラ>〔2.2参照〕[アスナプレビルの血中濃度が上昇し肝胆道系の副作用が発現又は重症化するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
10). ロミタピドメシル酸塩<ジャクスタピッド>〔2.2参照〕[ロミタピドメシル酸塩の血中濃度が著しく上昇するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
11). ルラシドン塩酸塩<ラツーダ>〔2.2参照〕[ルラシドン塩酸塩の血中濃度が上昇し作用が増強するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
10.2. 併用注意:1). 経口血糖降下剤(グリベンクラミド、グリクラジド、アセトヘキサミド等)〔9.1.1参照〕[これらの薬剤の作用を増強することがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
2). フェニトイン、カルバマゼピン[これらの薬剤の作用を増強することがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
3). ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン塩酸塩水和物[これらの薬剤による骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
4). シクロスポリン[シクロスポリンの血中濃度が上昇することがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
5). タクロリムス水和物、アトルバスタチン、ビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤(ビンクリスチン硫酸塩、ビノレルビン酒石酸塩、ビンブラスチン硫酸塩等)、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤<アゼルニジピン・ニソルジピンは禁忌>(ニフェジピン、アムロジピンベシル酸塩、シルニジピン等)、ベラパミル塩酸塩、シルデナフィルクエン酸塩、アルプラゾラム、ミダゾラム、ブロチゾラム、メチルプレドニゾロン、セレギリン塩酸塩、エバスチン、イマチニブメシル酸塩、ジソピラミド、シロスタゾール[これらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(ミコナゾールがこれらの薬剤の代謝酵素であるCYPを阻害することによると考えられる)]。
6). HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビル、ロピナビル・リトナビル、ダルナビルエタノール付加物等)[ミコナゾール又はこれらの薬剤の血中濃度が上昇するおそれがある(ミコナゾールとこれらの薬剤との、代謝における競合的阻害作用によると考えられる)]。
7). リファンピシン[他のアゾール系抗真菌剤の血中濃度の低下及び血中濃度半減期の減少(イトラコナゾール、フルコナゾール)が報告されている(リファンピシンがアゾール系抗真菌剤の代謝酵素であるCYPを誘導するためと考えられる)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明)、アナフィラキシー(頻度不明):悪心・嘔吐、血圧降下、胸内苦悶、呼吸困難、チアノーゼ、意識低下等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔8.2参照〕。
11.1.2. 肝機能障害(5%未満)、黄疸(頻度不明)〔8.3、9.3肝機能障害患者の項参照〕。
11.1.3. 急性腎障害(頻度不明)〔8.4、9.2腎機能障害患者の項参照〕。
11.1.4. QT延長(頻度不明)、心室性不整脈(心室性期外収縮、torsades de pointesを含む心室頻拍等)(頻度不明)。
11.1.5. 汎血球減少、白血球減少、血小板減少(いずれも頻度不明)〔8.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 循環器:(5%未満)血圧低下、期外収縮、(頻度不明)頻脈等。
2). 過敏症:(5%未満)発疹、そう痒感等。
3). 血液:(5%未満)貧血、白血球減少、血小板減少等。
4). 消化器:(5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢等。
5). 精神神経系:(5%未満)頭痛・頭重感、めまい・ふらつき、振戦等。
6). 肝臓:(5%未満)AST上昇・ALT上昇・総ビリルビン上昇等。
7). 腎臓:(5%未満)BUN上昇・クレアチニン上昇等。
8). その他:(5%未満)発熱・悪寒、倦怠感、静脈炎、血管痛、低ナトリウム血症、トリグリセライド上昇・総コレステロール上昇。
発現頻度は、使用成績調査を含む。
高齢者
減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ウサギ)において、流産動物数増加及び死亡増加・吸収胚数増加傾向が認められている)〔2.3参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において、乳汁中に移行することが報告されている)。
小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意他剤との配合後は速やかに使用することが望ましい。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. ポリ塩化ビニル(PVC)製の輸液セット等の使用は避けること(ミコナゾールはPVC製の器具等に吸着され、また、本剤に含まれるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO60)によってPVCの可塑剤であるジエチルヘキシルフタレート(DEHP)が溶出する)。
14.2.2. 本剤はポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO60)を含有しているため、ポリカーボネート製の輸液セット等を使用した場合、接合部にひび割れが生じ、血液及び薬液漏れ、空気混入等の可能性があるので注意すること(ポリカーボネート製の三方活栓を用いて試験した結果、本剤1管(20mL)を55mLの生理食塩液で希釈した濃度に相当する溶液で、4日目より接合部にひび割れが生じた)。

16.1 血中濃度
深在性真菌症患者25例に本剤200~600mgを1回1時間かけて単回又は反復点滴静注注)した時の血中濃度は、点滴終了時に0.96~3.5μg/mLの値を示し、以後漸減して7~8時間後では点滴終了時の値の1/4以下であった。
注)本剤の承認された1回用量は、点滴静注の場合、200~400mgである。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
深在性真菌症患者133例注1)を対象として本剤を点滴静注及び/又は局所投与注2)した臨床試験において、重複感染4例を含む、確定診断がなされた延べ76例の真菌学的効果及び臨床効果は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

注1)他の抗真菌剤を併用した31例を含む。
注2)本剤の承認された用法は「点滴静注及び/又は髄腔内注入」である。

18.1 作用機序
ミコナゾールは低濃度では主として真菌の膜系(細胞膜及び細胞壁)に作用して、膜透過性の変化を起こし、高濃度では細胞の壊死性変化をもたらして殺菌的に作用するものと考えられている。
18.2 真菌に対する作用
18.2.1 最小発育阻止濃度
各種真菌に対する最小発育阻止濃度(MIC)は次表のとおりであった(in vitro)。
なお、本剤の適応菌種はクリプトコックス、カンジダ、アスペルギルス、コクシジオイデスである。
→図表を見る(PDF)

18.2.2 感染治療実験
対照群が10日目に全例死亡したマウス実験的カンジダ症において、ミコナゾール25及び50mg/kg尾静脈内投与により2週間後で80%以上の高い生存率が得られた。また、12.5mg/kg尾静脈内投与でも66%の生存率が得られた。

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