プレベナー20水性懸濁注
添付文書情報2024年08月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 接種不適当者予防接種を受けることが適当でない者
- 2.1. 本剤の成分又はジフテリアトキソイドによってアナフィラキシーを呈したことがあることが明らかな者。
2.2. 明らかな発熱を呈している者。
2.3. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.4. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
- 効能・効果
- 1). 高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33Fによる肺炎球菌感染症の予防。
2). 小児:血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F及び33Fによる侵襲性肺炎球菌感染症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤に含まれている肺炎球菌血清型以外による感染症又は他の起炎菌による感染症を予防することはできない。
5.2. ジフテリアの予防接種に転用することはできない。
5.3. 肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者とは、次のような状態の者を指す〔9.1.1、9.1.2、9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
・ 慢性的な心疾患、肺疾患、肝疾患又は腎疾患。
・ 糖尿病。
・ 基礎疾患若しくは治療により免疫不全状態である又はその状態が疑われる者。
・ 先天的又は後天的無脾症(無脾症候群、脾臓摘出術を受けた者等)。
・ 鎌状赤血球症又はその他の異常ヘモグロビン症。
・ 人工内耳の装用、慢性髄液漏等の解剖学的要因により生体防御機能が低下した者。
・ 前記以外で医師が本剤の接種を必要と認めた者。
- 用法・用量
- 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳以上の者:肺炎球菌による感染症の予防〉
1回0.5mLを筋肉内に注射する。
〈肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳未満の者:肺炎球菌による感染症の予防〉
1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
・ 初回免疫:通常、1回0.5mLずつを3回、いずれも27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
・ 追加免疫:通常、3回目接種から60日間以上の間隔をおいて、0.5mLを1回皮下又は筋肉内に注射する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉接種対象者・接種時期
〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉本剤の接種は2ヵ月齢以上6歳未満の間にある者に行う(標準として2ヵ月齢以上7ヵ月齢未満で接種を開始すること、ただし、3回目接種については、12ヵ月齢未満までに完了し、追加免疫は12ヵ月齢以降、標準として12~15ヵ月齢の間に行うこと)。
また、接種もれ者に対しては次記の接種間隔及び回数による接種とすることができる。
(1). 7ヵ月齢以上12ヵ月齢未満の接種もれ者;初回免疫:1回0.5mLずつを2回、27日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する、追加免疫:1回0.5mLを1回、2回目の接種後60日間以上の間隔で、12ヵ月齢以降、皮下又は筋肉内に注射する。
(2). 12ヵ月齢以上24ヵ月齢未満の接種もれ者;1回0.5mLずつを2回、60日間以上の間隔で皮下又は筋肉内に注射する。
(3). 24ヵ月齢以上6歳未満の接種もれ者;1回0.5mLを皮下又は筋肉内に注射する。
7.2. 〈効能共通〉CRM197とは異なるキャリアタンパク質を結合した肺炎球菌結合型ワクチンと本剤との互換性に関する安全性及び有効性は確立していない。
7.3. 〈効能共通〉同時接種
〈効能共通〉医師が必要と認めた場合には、他のワクチンと同時に接種することができる〔8.4、14.1.1参照〕。
- 肝機能障害を有する者
- 8.1. 本剤は「予防接種実施規則」及び「定期接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察(視診、聴診等)によって健康状態を調べること。
8.3. 被接種者、その介護者又は保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応や体調の変化、さらに高熱、痙攣等の異常な症状を呈した場合には速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.4. 本剤と他のワクチンを同時に同一の被接種者に対して接種する場合は、それぞれ単独接種することができる旨の説明を行うこと。特に、本剤と他のワクチンを同時に同一の被接種者に対して接種する場合で被接種者が重篤な基礎疾患に罹患している場合は、単独接種も考慮しつつ、被接種者の状態を確認して慎重に接種すること(小児への同時接種については厚生労働省のホームページを参照)〔7.3参照〕。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合は、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること。
9.1.1. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者〔5.3参照〕。
9.1.2. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔5.3、9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.3. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者。
9.1.4. 過去に痙攣の既往のある者。
9.1.5. 本剤の成分又はジフテリアトキソイドに対して、アレルギーを呈するおそれのある者。
9.1.6. 血小板減少症、凝固障害のある者、抗凝固療法施行中の者:筋肉内注射部位の出血のおそれがある。
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔5.3、9.1.2参照〕。
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔5.3、9.1.2参照〕。
- 副作用
- 次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副反応11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。
11.1.2. 痙攣(熱性痙攣を含む)(0.1%*)。
11.1.3. 血小板減少性紫斑病(頻度不明):紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等が認められた場合には、血液検査等を実施すること。
*)国際共同第3相試験(B7471009試験)及び海外第3相試験(B7471007試験)においては発現はなく、国内第3相試験(B7471016試験)及び海外臨床試験(B7471003試験、B7471011試験)における発現頻度を記載。
- 11.2. その他の副反応1). 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉①. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉皮膚:(1%未満※※※※)発疹、皮膚そう痒症、多汗症、脂肪腫、(頻度不明)血管性浮腫、多形紅斑、蕁麻疹、蕁麻疹様発疹。
②. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉呼吸器:(1%未満※※※※)咳嗽、鼻咽頭炎、(頻度不明)呼吸困難、気管支痙攣。
③. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉局所症状(注射部位):(10%以上※※※※)※※※疼痛・※※※圧痛(59.6%)[動かしにくくなるほどの注射部位疼痛・動かしにくくなるほどの注射部位圧痛を含む]、(1~10%未満※※※※)※※※紅斑、※※※腫脹、(1%未満※※※※)そう痒感、血腫、熱感、蕁麻疹、(頻度不明)皮膚炎、硬結、上腕の可動性低下。
④. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉胃腸障害:(1%未満※※※※)胃炎、下痢、腹部不快感、(頻度不明)食欲減退、嘔吐、悪心。
⑤. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉血管及びリンパ系障害:(頻度不明)注射部位に限局したリンパ節症。
⑥. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉筋・骨格系:(10%以上※※※※)※※※筋肉痛(38.2%)、※※※関節痛(11.6%)、(1%未満※※※※)筋浮腫、筋骨格硬直、(頻度不明)筋肉痛増悪、関節痛増悪。
⑦. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉精神神経系:(10%以上※※※※)※※※頭痛(21.7%)、(1%未満※※※※)不安、味覚不全、(頻度不明)中期不眠症、易刺激性、傾眠状態、睡眠増加、不安定睡眠、不眠。
⑧. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉循環器:(1%未満※※※※)動悸。
⑨. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉過敏症反応:(頻度不明)顔面浮腫、呼吸困難、気管支痙攣。
⑩. 〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉その他:(10%以上※※※※)※※※疲労(30.3%)、(1%未満※※※※)悪寒、腫脹、※※※発熱、異常感、疼痛。
2). 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉①. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉皮膚:(1%未満※※)*発疹、*紫斑、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、(頻度不明)蕁麻疹、蕁麻疹様発疹、血管性浮腫、多形紅斑。
②. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉呼吸器:(頻度不明)感冒(鼻咽頭炎等)。
③. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉局所症状(注射部位):(10%以上※※)※*疼痛・※*圧痛(59.9%)[動かしにくくなるほどの注射部位疼痛・動かしにくくなるほどの注射部位圧痛を含む]、※*紅斑(57.3%)、※*腫脹(45.1%)、(1%未満※※)*硬結、(頻度不明)蕁麻疹、皮膚炎、そう痒感。
④. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉胃腸障害:(10%以上※※)※*食欲減退(46.2%)、(1%未満※※)下痢、嘔吐。
⑤. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉血管及びリンパ系障害:(頻度不明)注射部位に限局したリンパ節症。
⑥. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉精神神経系:(10%以上※※)※*易刺激性(79.3%)、※*傾眠状態(78.5%)、(頻度不明)泣き、筋緊張低下-反応性低下発作、不安定睡眠。
⑦. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉過敏症反応:(1%未満※※)注射部位過敏反応、(頻度不明)顔面浮腫、呼吸困難、気管支痙攣。
⑧. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉その他:(10%以上※※)※*発熱(39.4%)。
※※※※)発現頻度は国際共同第3相試験(B7471009試験)及び海外第3相試験(B7471007試験)の結果を合算して集計。
※※※)国際共同第3相試験(B7471009試験)及び海外第3相試験(B7471007試験)において電子日誌により収集した副反応の発現割合。
※※)発現頻度は国内第3相試験(B7471016試験)、海外第2相試験(B7471003試験)及び海外第3相試験(B7471011試験)の結果を合算して集計。
※)国内第3相試験(B7471016試験)、海外第2相試験(B7471003試験)及び海外第3相試験(B7471011試験)において電子日誌により収集した副反応の発現割合。
*)国内第3相試験(B7471016試験)での本剤皮下接種群及び本剤筋肉内接種群を合算して集計。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 生後6週未満の者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤接種時の注意14.1.1. 〈効能共通〉接種時(1). 〈効能共通〉冷蔵庫から取り出した後は速やかに使用すること。
(2). 〈効能共通〉注射針及び注射筒は被接種者ごとに取り換えること(開封後の使用は1回限りとし、再滅菌・再使用はしないこと)。
(3). 〈効能共通〉本剤を他のワクチンと混合して接種しないこと〔7.3参照〕。
(4). 〈効能共通〉他のワクチンと同時に本剤を接種する場合、異なる部位に注射すること〔7.3参照〕。
(5). 〈効能共通〉接種液を使用直前によく振り混ぜ、均一になるように懸濁すること(シリンジを上下に反転し均一な懸濁液とすること)。もし反転を繰り返しても沈殿物(塊)があれば、均一な懸濁液になるまで上下に強く振り混ぜること。
(6). 〈効能共通〉注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
(7). 〈効能共通〉本剤を凍結しないこと。凍結した場合は廃棄すること。
14.1.2. 〈効能共通〉筋肉内注射時(1). 〈効能共通〉通常、三角筋中央部に、1歳未満は大腿前外側部<外側広筋>に筋肉内注射、1~2歳は大腿前外側部<外側広筋>又は三角筋中央部に筋肉内注射し、アルコール等で消毒した上で、接種すること。なお、明らかに筋肉量が少ない場合などは、年齢に関係なく大腿前外側部(外側広筋)に接種することも可能である。臀部には接種しないこと。また、血管内への投与は行わないこと。
(2). 〈効能共通〉筋肉内注射にあたっては、組織・神経等の損傷を避けるため、次の点に注意すること。
・ 〈効能共通〉針長は筋肉内接種に足る長さであるが、神経、血管、骨等の筋肉下組織に到達しないよう、各被接種者に対して適切な針長を決定すること。
・ 〈効能共通〉筋肉内注射時神経走行部位を避けること。
・ 〈効能共通〉注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.1.3. 〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳未満の者:肺炎球菌による感染症の予防〉皮下注射時:皮下接種する場合、通常、小児は上腕伸側に皮下接種、肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる6歳未満の者は上腕伸側に皮下接種し、アルコール等で消毒した上で、接種すること。また、血管内への投与は行わないこと。
シリンジは水平方向に保管すること(シリンジを立てて保管した場合、薬液中の沈殿物が懸濁しにくくなるおそれがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉プレベナー13水性懸濁注の海外臨床試験において、造血幹細胞移植を受けた者に本剤を4回接種(初回免疫として1ヵ月以上の間隔で3回、3回目接種から6ヵ月の間隔をおき追加免疫として1回)した時の血清IgG濃度は、同じ年齢群の健常人に本剤を1回接種した時と同様であることが示唆された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈高齢者又は肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者:肺炎球菌による感染症の予防〉
17.1.1 国際共同第III相試験(B7471009試験:日本、韓国及び台湾)
肺炎球菌ワクチン接種歴のない60歳以上の成人1425例[本剤/生理食塩液群:713例、沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(無毒性変異ジフテリア毒素結合体)(以下、「13vPnC」)/23価肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(以下、「PPSV23」)(対照ワクチン)群:712例]を対象に無作為化二重盲検第三者非盲検比較試験を実施した。
各群において本剤又は13vPnCの各0.5mLを筋肉内接種し(接種1)、接種1後28~42日に生理食塩液又はPPSV23の各0.5mLを筋肉内接種した(接種2)。接種1後10日間(局所の副反応)又は7日間(全身性の副反応)(いずれも接種当日を含む)、電子日誌により副反応の状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表1のとおりであった。局所の副反応は接種後1~7日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。また、全身性の副反応は接種後2~6日(中央値)に発現し、持続期間は1~3.5日(中央値)であった。
表1 主な副反応の発現状況
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免疫原性:本剤接種後1ヵ月時の各血清型に対するオプソニン化貪食活性(OPA)幾何平均抗体価(GMT)は50(血清型3)~6675(血清型33F)の範囲であった(表2)。
表2 本剤、13vPnC又はPPSV23接種後1ヵ月時のOPA GMT
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17.1.2 海外第III相試験(B7471007試験:米国及びスウェーデン)
肺炎球菌ワクチン接種歴のない18歳以上の成人を3902例(コホート1:60歳以上の成人3009例[本剤/生理食塩液群:1514例、13vPnC/PPSV23〔対照ワクチン〕群:1495例]、コホート2:50~59歳の成人445例[本剤群:334例、13vPnC〔対照ワクチン〕群:111例]、コホート3:18~49歳の成人448例[本剤:336例、13vPnC〔対照ワクチン〕群:112例])を対象として年齢層別に無作為化二重盲検第三者非盲検比較試験を実施した。本試験では、60歳以上(コホート1)の治験参加者に本剤又は13vPnCの各0.5mLを筋肉内接種し(接種1)、接種1後28~42日に生理食塩液又はPPSV23の各0.5mLを筋肉内接種した(接種2)ときの免疫原性及び安全性をそれぞれ評価した。また、50~59歳(コホート2)及び18~49歳(コホート3)の治験参加者に本剤又は13vPnCの各0.5mLを筋肉内接種したときの免疫原性及び安全性をそれぞれ評価した。評価可能免疫原性集団のうち、重篤な肺炎球菌感染症のリスク因子として喫煙(12.8%)、慢性心血管疾患(5.3%)、喘息を含む慢性肺疾患(8.5%)、慢性肝疾患(0.4%)及び糖尿病(13.9%)などが含まれた。
(1)コホート1:60歳以上
各群において本剤又は13vPnCの各0.5mLを筋肉内接種(接種1)後10日間(局所の副反応)又は7日間(全身性の副反応)(いずれも接種当日を含む)、電子日誌により副反応の状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表3のとおりであった。局所の副反応は接種後1~2.5日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。さらに、全身性の副反応は接種後1~3日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。
表3 主な副反応の発現状況
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免疫原性:本剤接種後1ヵ月時の各血清型に対するOPA GMTは40.7(血清型3)~5125.9(血清型33F)の範囲であった(表4)。
表4 本剤、13vPnC又はPPSV23接種後1ヵ月時のOPA GMT
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(2)コホート2:50~59歳
各群において本剤又は13vPnCを各0.5mL筋肉内接種後10日間(局所の副反応)又は7日間(全身性の副反応)(いずれも接種当日を含む)、電子日誌により副反応の状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表5のとおりであった。局所の副反応は接種後1~2.5日(中央値)に発現し、持続期間は1~2.5日(中央値)であった。また、全身性の副反応は接種後1~5日(中央値)に発現し、持続期間は1~3日(中央値)であった。
表5 主な副反応の発現状況
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免疫原性:コホート2の治験参加者における本剤接種後1ヵ月時の各血清型に対するOPA GMTは43.3(血清型3)~6416.9(血清型11A)の範囲であった(表6)。
表6 各コホートにおける本剤接種後1ヵ月時のOPA GMT
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(3)コホート3:18~49歳
各群において本剤又は13vPnCの各0.5mLを筋肉内接種後10日間(局所の副反応)又は7日間(全身性の副反応)(いずれも接種当日を含む)、電子日誌により副反応の状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表7のとおりであった。局所の副反応は接種後1~2日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。また、全身性の副反応は接種後1~2日(中央値)に発現し、持続期間は1~3日(中央値)であった。
表7 主な副反応の発現状況
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免疫原性:コホート3の治験参加者における本剤接種後1ヵ月時の各血清型に対するOPA GMTは42.1(血清型3)~7976.9(血清型33F)の範囲であった(表8)。
表8 各コホートにおける本剤接種後1ヵ月時のOPA GMT
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17.1.3 国内第III相試験(参考:プレベナー13水性懸濁注)
肺炎球菌ワクチン接種歴のない6歳以上65歳未満の肺炎球菌による疾患に罹患するリスクが高いと考えられる者206例を対象に単群、非盲検試験を実施した。プレベナー13水性懸濁注(13vPnC)1回0.5mLを1回筋肉内接種した。リスクには、慢性心疾患、慢性肺疾患、慢性肝疾患、慢性腎疾患、糖尿病、血液又は固形臓器の悪性腫瘍、HIV感染、免疫抑制作用を有する薬剤での治療、その他の疾患(潰瘍性大腸炎、無脾症候群、原発性免疫不全症候群、結合組織障害)が含まれた。18歳以上65歳未満の年齢群では、13vPnC接種後14日間(接種当日含む)に、局所(注射部位)の副反応a)は、98/146例(67.1%)で認められ、主なものは、疼痛:96/145例(66.2%)、腫脹:17/136例(12.5%)、及び紅斑:10/135例(7.4%)であった。また、全身性の副反応a)は、85/145例(58.6%)で認められ、主なものは、疲労:47/142例(33.1%)、筋肉痛:38/139例(27.3%)、頭痛:33/141例(23.4%)、下痢:26/141例(18.4%)及び関節痛:19/138例(13.8%)であった。6歳以上18歳未満の年齢群では、13vPnC接種後7日間(接種当日含む)に、局所(注射部位)の副反応b)は、43/52例(82.7%)で認められ、主なものは、疼痛:41/52例(78.8%)、腫脹:16/47例(34.0%)、及び紅斑:10/47例(21.3%)であった。また、全身性の副反応b)は、31/51例(60.8%)で認められ、主なものは、疲労:18/48例(37.5%)、筋肉痛:15/49例(30.6%)、頭痛:12/49例(24.5%)及び発熱:7/48例(14.6%)であった。
免疫原性:
13vPnCに含まれる全血清型について、13vPnC接種1ヵ月後のOPA GMTは、接種前と比較して上昇した(表9)。
13vPnCに含まれる全血清型について、13vPnC接種1ヵ月後のIgGc) GMCは、接種前と比較して上昇した(表10)。
a)治験参加者が電子日誌にて報告したもの。発現割合は、各副反応を少なくとも1日「有り」又は全日「なし」と報告した治験参加者数を分母として算出した。
b)治験参加者が電子日誌にて報告したもの。発現割合は、各副反応を少なくとも1日「有り」又は全日「なし」と報告した治験参加者数を分母として算出した。
c)IgGはdirect Luminex immunoassay(dLIA)を用いて測定
表9 13vPnCの接種1ヵ月後のOPA GMTの比較
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表10 13vPnCの接種1ヵ月後のIgG GMCの比較
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〈小児:肺炎球菌による侵襲性感染症の予防〉
17.1.4 国内第III相試験(B7471016試験)
生後2~6ヵ月齢の健康乳幼児668例[本剤皮下接種群:226例、13vPnC(対照ワクチン)皮下接種群:224例、本剤筋肉内接種群:218例]を対象に無作為化二重盲検第三者非盲検比較試験を実施した。
各群において本剤又は13vPnCの各0.5mLを計4回(初回免疫として3回、追加免疫として1回)皮下接種又は筋肉内接種した。各治験薬接種後7日間(接種当日を含む)、電子日誌により副反応の発現状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表11のとおりであった。局所の副反応は接種後1~2日(中央値)に発現し、持続期間は1~5日(中央値)であった。また、全身性の副反応は接種後1~3日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。
表11 主な副反応の発現状況
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免疫原性:侵襲性肺炎球菌感染症に対する感染予防効果と相関する免疫原性指標として、初回免疫1ヵ月後のIgG抗体濃度0.35μg/mL(又は同等の閾値濃度)がWHOから提示されている。本剤を皮下接種したときの初回免疫後及び追加免疫後のIgG抗体濃度が規定値に達した治験参加者の割合は、それぞれ60.2~100.0%及び91.7~100.0%であった(表12及び表13)。また、初回免疫後及び追加免疫後の各血清型に対するIgG GMCは、それぞれ0.42μg/mL(血清型6B)~6.77μg/mL(血清型15B)、0.97μg/mL(血清型3)~18.45μg/mL(血清型15B)の範囲であった。
表12 本剤(皮下接種若しくは筋肉内接種)又は13vPnC皮下接種の初回免疫後に肺炎球菌血清型のIgG抗体濃度が事前の規定値に達した治験参加者の割合(%)
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表13 本剤(皮下接種若しくは筋肉内接種)又は13vPnC皮下接種の追加免疫後に肺炎球菌血清型のIgG抗体濃度が事前の規定値に達した治験参加者の割合(%)
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17.1.5 海外第III相試験(B7471011試験)
生後2ヵ月齢の健康乳幼児1997例[本剤筋肉内接種群:1004例、13vPnC(対照ワクチン)筋肉内接種群:993例]を対象に無作為化二重盲検第三者非盲検比較試験を実施した。
各群において本剤又は13vPnCの各0.5mLを計4回(初回免疫として3回、追加免疫として1回)筋肉内接種した。各治験薬接種後7日間(接種当日を含む)、電子日誌により副反応の発現状況を評価し、主な副反応の発現状況(事象全体及びGrade 3)は表14のとおりであった。局所の副反応は接種後1~2日(中央値)に発現し、持続期間は1~2日(中央値)であった。また、全身性の副反応は接種後1~2日(中央値)に発現し、持続期間は1~3日(中央値)であった。
表14 主な副反応の発現状況
--------------------------表開始--------------------------
発現例数(発現割合[%])
接種回数 本剤筋肉内接種 13vPnC筋肉内接種
評価例数a) 事象全体 Grade 3b) 評価例数a) 事象全体 Grade
18.1 作用機序
本剤は、キャリアタンパク質であるCRM197に結合した20種類の血清型の肺炎球菌莢膜ポリサッカライドを含有する。本剤の接種により、ポリサッカライドに対するT細胞依存性の免疫応答及び抗体応答が誘導され、産生された抗体は肺炎球菌に対するオプソニン化、貪食作用及び殺菌作用を促進し、肺炎球菌感染症の予防に寄与する。また、メモリーB細胞の産生を誘導することにより、肺炎球菌に対する免疫記憶を成立させる。
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