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ヌバキソビッド筋注

販売名
ヌバキソビッド筋注
薬価
5mL1瓶 0.00円
製造メーカー
武田薬品

添付文書情報2024年03月改定(第11版)

商品情報

薬効分類名
ウイルスワクチン類
一般名
組換えコロナウイルス(SARS-CoV-2)ワクチン
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
接種不適当者予防接種を受けることが適当でない者
2.1. 明らかな発熱を呈している者。
2.2. 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな者。
2.3. 本剤の成分に対し、重度過敏症の既往歴のある者〔8.3、11.1.1参照〕。
2.4. 前記に掲げる者のほか、予防接種を行うことが不適当な状態にある者。
効能・効果
SARS-CoV-2による感染症の予防。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の予防効果の持続期間は確立していない。
用法・用量
初回免疫:1回0.5mLを2回、通常、3週間の間隔をおいて、筋肉内に接種する。
追加免疫:1回0.5mLを筋肉内に接種する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 初回免疫
7.1.1. 初回免疫接種対象者:6歳以上の者。
7.1.2. 初回免疫接種回数:本剤は2回接種により効果が確認されていることから、初回免疫時原則として、他のSARS-CoV-2に対するワクチンと混同することなく2回接種するよう注意すること。
7.1.3. 初回免疫接種間隔:1回目の接種から3週間を超えた場合には、できる限り速やかに2回目の接種を実施すること。
7.2. 追加免疫
7.2.1. 追加免疫接種対象者:12歳以上の者(SARS-CoV-2の流行状況や個々の背景因子等を踏まえ、ベネフィットとリスクを考慮し、追加免疫の要否を判断すること)。
7.2.2. 追加免疫接種時期:通常、前回のSARS-CoV-2ワクチンの接種から少なくとも6ヵ月経過した後に接種することができる。
7.2.3. 他のSARS-CoV-2ワクチンを接種した者に追加免疫として本剤を接種した際の有効性及び安全性は確立していない。
肝機能障害を有する者
8.1. 本剤は、「予防接種実施規則」及び「新型コロナウイルス感染症に係る臨時の予防接種実施要領」に準拠して使用すること。
8.2. 被接種者について、接種前に必ず問診、検温及び診察によって健康状態を調べること〔9.1接種要注意者(接種の判断を行うに際し、注意を要する者)の項参照〕。
8.3. ショック、アナフィラキシーがあらわれることがあるため、接種前に過敏症の既往歴等に関する問診を十分に行い、接種後一定時間、被接種者の状態を観察することが望ましい。また、本剤の接種でショック、アナフィラキシーが発現したことがある者には、以降、本剤の接種は行わないこと〔2.3、9.1.4、9.1.6、11.1.1参照〕。
8.4. 心筋炎、心膜炎が報告されているため、被接種者又はその保護者に対しては、心筋炎、心膜炎が疑われる症状(胸痛、動悸、むくみ、呼吸困難、頻呼吸等)が認められた場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.5. 被接種者又はその保護者に、接種当日は過激な運動は避け、接種部位を清潔に保ち、また、接種後の健康監視に留意し、局所の異常反応及び体調の変化、さらに高熱、けいれん等の異常な症状を呈した場合には、速やかに医師の診察を受けるよう事前に知らせること。
8.6. ワクチン接種直後又は接種後に注射による心因性反応を含む血管迷走神経反射として失神があらわれることがある。失神による転倒を避けるため、接種後一定時間は座らせるなどした上で被接種者の状態を観察することが望ましい。
8.7. 本剤と他のSARS-CoV-2に対するワクチンの互換性に関するデータはない。
被接種者が次のいずれかに該当すると認められる場合には、健康状態及び体質を勘案し、診察及び接種適否の判断を慎重に行い、予防接種の必要性、副反応、有用性について十分な説明を行い、同意を確実に得た上で、注意して接種すること〔8.2参照〕。
9.1.1. 血小板減少症又は凝固障害を有する者、抗凝固療法施行中の者:本剤接種後に出血又は注射部位に内出血があらわれるおそれがある。
9.1.2. 過去に免疫不全の診断がなされている者及び近親者に先天性免疫不全症の者がいる者:本剤に対する免疫応答が低下するおそれがある。
9.1.3. 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害等の基礎疾患を有する者〔9.2腎機能障害を有する者、9.3肝機能障害を有する者の項参照〕。
9.1.4. 予防接種で接種後2日以内に発熱のみられた者及び全身性発疹等のアレルギーを疑う症状を呈したことがある者〔8.3、9.1.6、11.1.1参照〕。
9.1.5. 過去にけいれんの既往のある者。
9.1.6. 本剤の成分に対して、アレルギーを呈するおそれのある者〔8.3、9.1.4、11.1.1参照〕。
腎機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.3参照〕。
肝機能障害を有する者:接種要注意者である〔9.1.3参照〕。
副作用
次の副反応があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副反応11.1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明)〔2.3、8.3、9.1.4、9.1.6参照〕。
11.2. その他の副反応1). 12歳以上:①. 〈12歳以上〉局所症状(注射部位):(10%以上)*圧痛(75.1%)、*疼痛(62.6%)、(1~10%未満)*発赤・*紅斑、*腫脹・*硬結、(1%未満)そう痒感。
②. 〈12歳以上〉血液:(1%未満)リンパ節症。
③. 〈12歳以上〉精神神経系:(10%以上)*頭痛(51.0%)、(頻度不明)感覚鈍麻、錯感覚。
④. 〈12歳以上〉消化器:(10%以上)*悪心・*嘔吐(15.2%)。
⑤. 〈12歳以上〉皮膚:(1%未満)発疹、紅斑、皮膚そう痒症、じん麻疹。
⑥. 〈12歳以上〉筋・骨格系:(10%以上)*筋肉痛(51.5%)、*関節痛(23.6%)。
⑦. 〈12歳以上〉その他:(10%以上)*疲労(53.1%)、*倦怠感(41.2%)、(1~10%未満)*発熱、四肢痛、(1%未満)悪寒。
*)臨床試験において電子日誌により収集した副反応の発現頻度。
2). 6~11歳:①. 〈6~11歳〉局所症状(注射部位):(10%以上)*疼痛(43.9%)、*圧痛(36.5%)、(1~10%未満)*発赤・*紅斑、*腫脹・*硬結、(頻度不明)そう痒感。
②. 〈6~11歳〉血液:(頻度不明)リンパ節症。
③. 〈6~11歳〉精神神経系:(10%以上)*頭痛(28.4%)、(頻度不明)感覚鈍麻、錯感覚。
④. 〈6~11歳〉消化器:(10%以上)*悪心・*嘔吐(10.0%)。
⑤. 〈6~11歳〉皮膚:(1%未満)発疹、(頻度不明)紅斑、皮膚そう痒症、じん麻疹。
⑥. 〈6~11歳〉筋・骨格系:(10%以上)*筋肉痛(20.0%)、(1~10%未満)*関節痛。
⑦. 〈6~11歳〉その他:(10%以上)*倦怠感(17.1%)、*疲労(16.8%)、*発熱(11.1%)、(頻度不明)四肢痛、悪寒。
*)臨床試験において電子日誌により収集した副反応の発現頻度。
高齢者
接種に当たっては、問診等を慎重に行い、被接種者の健康状態を十分に観察すること(一般に生理機能が低下している)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、予防接種上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ接種すること。
予防接種上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤及び本剤に対する抗体のヒト乳汁中への移行は不明である)。
小児等
6歳未満を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 接種用器具は、ガンマ線等により滅菌されたディスポーザブル品を用い、被接種者ごとに取り換えること。
14.1.2. 使用前に常温に戻しておくこと。
14.1.3. 本剤の1バイアルには10回接種分の用量が充填されている。
14.1.4. 本品は無色から僅かに黄色い、澄明から乳白光を呈する液である(使用
前にバイアルに変色、異物の混入その他の異常がないかを目視で確認し、異常を認めたものは使用しないこと)。
14.1.5. 吸引の際には容器の栓及びその周囲をアルコールで消毒すること。また、吸引前及び吸引毎に容器を静かに回転させ、振り混ぜないこと。この操作に当たっては、雑菌が迷入しないよう注意すること。
14.1.6. 栓を取り外し、あるいは他の容器に移し使用しないこと。
14.1.7. 一度針を刺したバイアルは、遮光して2~25℃で保存し、12時間以上経過したものは廃棄すること。
14.2. 薬剤接種時の注意14.2.1. 通常、上腕三角筋に筋肉内接種すること。静脈内、皮内、皮下への接種は行わないこと。
14.2.2. 注射針の先端が血管内に入っていないことを確かめること。
14.2.3. 組織・神経等への影響を避けるため次記の点に注意すること。
(1). 針長は、筋肉内注射に足る長さで、組織や血管あるいは骨に到達しないよう、被接種者ごとに適切な針長を決定すること。
(2). 神経走行部位を避けること。
(3). 注射針を刺入したとき、激痛の訴えや血液の逆流がみられた場合は直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第III相試験(2019nCoV‐301試験)(初回免疫及び追加免疫)
SARS‐CoV‐2ワクチン未接種の12歳以上の者を対象に、無作為化プラセボ対照観察者盲検の第III相試験を実施し、本剤又はプラセボ0.5mLを3~4週間隔で2回筋肉内接種したときの有効性及び安全性を検討した。主要評価項目であるワクチンの有効性(VE)は、ベースライン時のSARS‐CoV‐2感染が否定され、2回目接種後7日以降に発症したCOVID‐19確定例を対象に評価した。
(1)18歳以上の参加者(初回免疫)
主要解析はCOVID‐19確定例が77例集積した時点で実施し、SARS‐CoV‐2による感染症に対するVEを評価した。解析結果は表1の通りであった。なお主要解析時の2回目接種後の追跡期間(中央値)は本剤群で64日、プラセボ群で58日であった。
表1 SARS‐CoV‐2による感染症に対する有効性
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安全性は少なくとも1回接種した29,582例で評価し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表2に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は1~2日であった。
表2 主な副反応の発現状況
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(2)12~17歳の参加者(初回免疫)
12~17歳の参加者における有効性を追加で評価した。本試験には本剤群1,491例及びプラセボ群756例が組み入れられた。主要解析はCOVID‐19確定例が20例集積した時点で実施し、SARS‐CoV‐2による感染症に対するVEを評価した。解析結果は表3の通りであった。なお主要解析時の2回目接種後の追跡期間(中央値)は本剤群で64日、プラセボ群で63日であった。
表3 SARS‐CoV‐2による感染症に対する有効性
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免疫原性は、ベースライン時のSARS‐CoV‐2感染が否定され、規定された2回目接種を受けた本剤群の390例を対象に評価し、17.1.1海外第III相試験の本剤群のうち18~25歳の被験者データと比較した。本剤2回目接種から14日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価及び抗体陽転率は表4の通りであり、12~17歳の18~25歳に対する非劣性が確認されたa)。
表4 2回目接種14日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価及び抗体陽転率
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a)次の3点がすべて達成された場合に非劣性が示されるものと事前に規定した。
 i)GMR(GMT18~25歳/GMT12~17歳)の両側95%CIの上限値が1.5未満
 ii)GMRの点推定値が1.22(1.5の平方根)以下
 iii)抗体陽転率(SCR)の差(SCR18~25歳-SCR12~17歳)の両側95%CIの上限値が10%未満
安全性は少なくとも1回接種した2,232例で評価し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表5に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は1~2日であった。
表5 主な副反応の発現状況
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(3)12~17歳の参加者(追加免疫)
(2)において、1,499例が本剤の2回目接種から5ヵ月後以降に本剤0.5mLの追加接種を受けた。免疫原性は追加接種を受けた被験者のうち、53例のサブセットを対象に評価した。2回目接種14日後に対する3回目接種28日後の血清中和抗体価及び抗体陽転率は表6の通りであり、非劣性が確認されたa)。
表6 3回目接種28日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価及び抗体陽転率
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a)次の2点がすべて達成された場合に非劣性が示されるものと事前に規定した。
 i)GMFR((B)のGMT/(A)のGMT)の両側95%CIの下限値が1.0を上回る。
 ii)抗体陽転率の差((B)のSCR-(A)のSCR)の両側95%CIの下限値が-10%を上回る。
安全性は追加接種を受けた被験者のうち、220例のサブセットを対象に評価し、接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表7に示す。副反応の大部分は、接種後2日以内に発現し、持続期間の中央値は1~2日であった。
表7 主な副反応の発現状況(3回目接種後)
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17.1.2 海外第III相試験(2019nCoV‐302試験)(初回免疫)
SARS‐CoV‐2ワクチン未接種の18歳以上の者を対象に、無作為化プラセボ対照観察者盲検の第III相試験を実施し、本剤又はプラセボ0.5mLを3~4週間隔で2回筋肉内接種したときの有効性及び安全性を検討した。
主要評価項目であるワクチンの有効性(VE)は、ベースライン時のSARS‐CoV‐2感染が否定され、2回目接種後7日以降に発症したCOVID‐19確定例を対象に評価した。中間解析はCOVID‐19確定例が62例集積した時点で、主要解析はCOVID‐19確定例が106例集積した時点で実施し、SARS‐CoV‐2による感染症に対するVEを評価した。中間解析及び最終解析結果は表8の通りであった。なお2回目接種後の追跡期間(中央値)は、中間解析時が本剤群、プラセボ群ともに39日、最終解析時が本剤群で56日、プラセボ群で54日であった。
表8 SARS‐CoV‐2による感染症に対する有効性
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副反応を2,714例のサブセットの被験者で評価し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。この集団には季節性インフルエンザワクチンを同時接種するサブスタディーの被験者404例が含まれた。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表9に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は2~3日であった。
表9 主な副反応の発現状況
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17.1.3 国内第I/II相試験(TAK‐019‐1501試験)(初回免疫)
SARS‐CoV‐2ワクチン未接種の20歳以上の日本人健康成人を対象に、無作為化プラセボ対照観察者盲検の第I/II相臨床試験を実施し、本剤又はプラセボ0.5mLを3週間隔で2回筋肉内接種したときの安全性及び免疫原性を検討した。本試験には本剤群150例及びプラセボ群49例が組み入れられ、2回目接種から14日後のSARS‐CoV‐2に対する血清結合抗体価及び野生型ウイルスに対する血清中和抗体価を検討した。免疫原性の結果を表10に示す。
表10 2回目接種14日後のSARS‐CoV‐2血清結合抗体価及び血清中和抗体価
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少なくとも1回以上治験薬が接種された200例を対象に安全性を検討し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表11に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は2~3日であった。
表11 主な副反応の発現状況
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17.1.4 海外第I/II相試験(2019nCoV‐101試験第2相パート)(追加免疫)
本剤を3週間隔で2回接種した18歳~84歳の健康成人を対象に、無作為化プラセボ対照観察者盲検の第II相臨床試験を実施し、本剤又はプラセボ0.5mLを2回目接種の約半年後に筋肉内に追加接種したときの安全性及び免疫原性を検討した。追加免疫として本剤を1回接種した群及びプラセボを1回接種した群の4週後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価の幾何平均はそれぞれ6023.2及び65.0、ベースラインを追加免疫の接種直前とした幾何平均増加倍率はそれぞれ86.7倍及び1.0倍、ベースラインを追加免疫の接種直前とした抗体陽転率はそれぞれ95.3%及び11.9%であった。
追加免疫として治験薬が接種された207例を対象に安全性を検討し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表12に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は1.0~2.5日であった。
表12 主な副反応の発現状況
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さらに、本試験で本剤を3回接種済みの参加者を対象に、本剤を3回目接種から約半年後に筋肉内に追加接種したときの安全性及び免疫原性を検討した。本剤4回目接種前後の免疫原性評価が行われた34例を対象に評価した結果、本剤4回目接種から14日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価の幾何平均は4816.2、ベースラインを4回目接種の接種直前とした幾何平均増加倍率は1.8倍であった。
本剤を4回接種した45例を対象に安全性を検討し、接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表13に示す。副反応の発現までの期間の中央値は局所性の事象が2.0~2.5日、全身性の事象が2.0日であり、持続期間の中央値は局所性の事象が2~4日、全身性の事象が1~2日であった。
表13 主な副反応の発現状況(4回目接種後)
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17.1.5 海外第II/III相試験(2019nCoV‐503試験)(初回免疫)
SARS‐CoV‐2ワクチン未接種の6~11歳の者を対象に、無作為化プラセボ対照観察者盲検の第II/III相試験を実施し、本剤又はプラセボ0.5mLを3週間隔で2回筋肉内接種したときの免疫原性及び安全性を検討した。
免疫原性は、ベースライン時のSARS‐CoV‐2感染が否定され、SARS‐CoV‐2の感染歴は問わない、規定された2回目接種を受けた本剤群の314例を対象に評価し、17.1.1海外第III相試験の本剤群のうち18~25歳の被験者データと比較した。本剤2回目接種から14日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価及び抗体陽転率は表14の通りであり、6~11歳の18~25歳に対する非劣性が確認されたa)。
表14 2回目接種14日後の野生型ウイルスに対する血清中和抗体価及び抗体陽転率
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a)次の3点がすべて達成された場合に非劣性が示されるものと事前に規定した。
 i)GMR(GMT6~11歳/GMT18~25歳)の両側95%CIの下限値が0.67超
 ii)GMRの点推定値が0.82(0.67の平方根)以上
 iii)抗体陽転率(SCR)の差(SCR6~11歳-SCR18~25歳)の両側95%CIの下限値が-10%超
安全性は少なくとも1回接種した1260例で評価し、各接種後7日間は電子日誌により副反応を収集した。いずれかの群で発現頻度が10%以上の副反応(全体及びグレード3以上)を表15に示す。本剤群における副反応の大部分は、接種後1~2日以内に発現し、持続期間の中央値は1日であった。
表15 主な副反応の発現状況
→図表を見る(PDF)

18.1 作用機序
本剤は、融合前のコンフォメーションで安定化し、精製された完全長のSARS‐CoV‐2 rSナノ粒子で構成されている。また、サポニンベースのMatrix‐Mアジュバントの添加により、自然免疫系の活性化を促進し、S蛋白質特異的免疫応答を高めている。これら2つのワクチン成分により、S蛋白質に対するB細胞及びT細胞の免疫応答(中和抗体を含む)が誘導されることで、COVID‐19感染症に対して防御作用を有すると考えられる。

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