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コバールトリイ静注用1000

販売名
コバールトリイ静注用1000
薬価
1,000国際単位1瓶(溶解液付) 75382.00円
製造メーカー
バイエル薬品

添付文書情報2020年04月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
血漿分画製剤
一般名
オクトコグ ベータ(遺伝子組換え)注射用

-

効能・効果
血液凝固第8因子欠乏患者における出血傾向の抑制。
用法・用量
本剤を添付の溶解液全量で溶解し、緩徐に静脈内注射する。なお、1分間に5mLを超える注射速度は避けること。
通常、1回体重1kg当たり10~30国際単位を投与するが、患者の状態に応じて適宜増減する。
定期的に投与する場合、通常、体重1kg当たり20~40国際単位を週2回又は週3回投与し、12歳以下の小児に対しては、体重1kg当たり25~50国際単位を週2回、週3回又は隔日投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
輸注速度が速すぎるとチアノーゼ、動悸を起こすことがあるので、1分間に5mLを超えない速度でゆっくり注入すること。
合併症・既往歴等のある患者
8.1. 本剤の投与は、血友病の治療経験をもつ医師のもとで開始すること。
8.2. 患者の血中に血液凝固第8因子に対するインヒビター発生するおそれがある。
特に、血液凝固第8因子製剤による補充療法開始後、投与回数が少ない時期(補充療法開始後の比較的早期)や短期間に集中して補充療法を受けた時期にインヒビター発生しやすいことが知られている。本剤を投与しても予想した止血効果が得られない場合には、インヒビター発生を疑い、血液凝固第8因子回収率や血液凝固第8因子に対するインヒビターの検査を行うなど注意深く対応し、適切な処置を行うこと。
8.3. 本剤の在宅自己注射は、医師がその妥当性を慎重に検討し、患者又はその家族が適切に使用可能と判断した場合のみに適用すること。本剤を在宅自己注射で処方する際には、使用方法等の患者教育を十分に実施した後、在宅にて適切な治療が行えることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、患者又はその家族に対し本剤の注射により発現する可能性のある副作用等についても十分説明し、在宅自己注射後何らかの異常が認められた場合や投与後の止血効果が不十分な場合には速やかに医療機関へ連絡するよう指導すること。在宅自己注射適用後、在宅自己注射の継続が困難な場合には、医師の管理下で慎重に観察するなど、適切な対応を行うこと。
9.1.1. マウスモノクローナル抗体により精製した製剤に過敏症又はハムスター腎細胞由来の製剤に過敏症の既往歴のある患者。
9.1.2. 本剤の成分又は他の第8因子製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(頻度不明):胸部圧迫感、めまい、低血圧、悪心等の症状が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)そう痒、潮紅、アレルギー性皮膚炎、(頻度不明)じん麻疹、*発疹[*:発疹、紅斑性発疹、そう痒性発疹等]。
2). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、味覚異常、(頻度不明)めまい、不眠。
3). 循環器:(頻度不明)動悸、洞性頻脈。
4). 消化器:(頻度不明)腹痛、腹部不快感、消化不良。
5). 投与部位:(0.1~5%未満)注射部位疼痛、注射部位そう痒、(頻度不明)*注射部位反応[*:血管外漏出、注射部位血腫、腫脹等]。
6). その他:(0.1~5%未満)リンパ節腫脹、(頻度不明)発熱、胸部不快感。
高齢者
患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(生殖発生毒性試験は実施していない)。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤及び添付溶解液を冷所保存している場合、調製前に室温に戻しておくこと。
14.1.2. 添付の溶解液以外は使用しないこと。本剤に溶解液全量を加えた後、泡立てないようバイアルを静かに円を描くように回して溶解する(激しく振とうしない)。
14.1.3. 他剤と混合しないこと。
14.1.4. 溶解した液を使用する際には、フィルターのあるセットを用いること。
14.1.5. 一度溶解したものは室温(30℃以下)で3時間以内に使用し、3時間以内に使用されない場合は、廃棄すること。
14.1.6. 使用後の残液は細菌汚染のおそれがあるので使用しない(本剤は保存剤が含有されていない)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 溶解時に不溶物の認められるもの又は混濁しているものは使用しないこと。
14.2.2. 凍結した溶液は使用しないこと。
14.3. 薬剤交付時の注意14.3.1. 患者が家庭で保管する場合においても冷蔵庫内で保存することが望ましいが、室温(30℃以下)で保存することもでき、この場合には、使用期限を超えない範囲で6ヵ月以内に使用し、再び冷蔵庫に戻さないように指導すること。
14.3.2. 子供による誤用等を避けるため、薬剤の保管に十分注意すること。
14.3.3. 光の影響を避けるため、薬剤は外箱に入れた状態で保存すること。
14.3.4. 使用済みの医療機器等の処理については、主治医の指示に従うこと。
20.1. 外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. 本剤は特定生物由来製品ではないが血液製剤代替医薬品であることから本剤を血液凝固第8因子欠乏患者に投与(処方)した場合は、医薬品名、製造番号、投与(処方)日、使用患者名、住所等を記録し、少なくとも20年間保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤はvon Willebrand因子を含んでいない。

16.1 血中濃度
16.1.1 12歳以上の小児及び成人の重症血友病A患者(FVIII活性が1%未満)を対象とした海外第I/II/III相試験及び日本人を含む国際共同第II/III相試験において、本剤(50IU/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

16.1.2 12歳以下の小児の重症血友病A患者(FVIII活性が1%未満)を対象とした海外第III相試験において、本剤(50IU/kg)を単回静脈内投与した際の薬物動態パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 海外第I/II/III相試験
治療歴のある12歳以上の小児及び成人の重症血友病A患者(FVIII活性が1%未満)を対象とした試験において、定期投与が行われた62例に394件の出血が認められた(継続投与期間を含む)。主な出血は軽度又は中等度の自然出血であり、最も出血の多かった部位は関節であった。止血効果は評価可能であった383件の出血のうち、296件(77.3%)が「非常に良好」又は「良好」であり、また、394件の出血のうち343件(87.1%)は本剤の2回以下の投与で止血した。定期投与における一人あたりの推定年間出血率の中央値は1.98回/年であった。
→図表を見る(PDF)

10例に12件の大手術、及び18例に26件の小手術が行われた。評価不能であった2件の小手術を除くすべての手術において止血管理に対する評価は「非常に良好」又は「良好」であった。
安全性評価対象62例中6例(9.7%)に副作用が認められた。発現した副作用は、急性心筋梗塞、悪心、注入部位疼痛、季節性アレルギー、筋肉痛、味覚異常、頭痛、鼻閉、鼻漏、そう痒症及び潮紅が各1例であった。
17.1.2 国際共同第II/III相試験
日本人を含む治療歴のある12歳以上の小児及び成人の重症血友病A患者(FVIII活性が1%未満)を対象とした試験において、出血時投与が行われた21例(日本人3例を含む)に1204件の出血が認められた。主な出血は軽度又は中等度の自然出血であり、最も出血の多かった部位は関節であった。止血効果は評価可能であった1196件の出血のうち、834件(69.7%)が「非常に良好」又は「良好」であり、また、1204件の出血のうち1147件(95.3%)は本剤の2回以下の投与で止血した。
また、定期投与が行われた59例(日本人5例を含む)に293件の出血が認められた。主な出血は軽度又は中等度の自然出血であり、最も出血の多かった部位は関節であった。止血効果は評価可能であった279件の出血のうち、172件(61.6%)が「非常に良好」又は「良好」であり、また、293件の出血のうち282件(96.2%)は本剤の2回以下の投与で止血した。定期投与における一人あたりの推定年間出血率の中央値は1.98回/年であった。
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1例に1件の大手術、及び14例に20件の小手術が行われた。評価不能であった1件の小手術を除くすべての手術において止血管理に対する評価は「非常に良好」又は「良好」であった。
安全性評価対象80例中3例(3.8%)に副作用が認められた。発現した副作用は、リンパ節症、注入部位そう痒感及びアレルギー性皮膚炎が各1例であった。
17.1.3 海外第III相試験
治療歴のある12歳以下の小児の重症血友病A患者(FVIII活性が1%未満)を対象とした試験において、定期投与が行われた51例に97件の出血が認められた。主な出血は軽度又は中等度の外傷性出血であり、最も出血の多かった部位は皮膚/粘膜であった。止血効果は評価可能であった81件の出血のうち、73件(90.1%)が「非常に良好」又は「良好」であり、また、97件の出血のうち87件(89.7%)は本剤の2回以下の投与で止血した。定期投与における一人あたりの推定年間出血率の中央値は1.90回/年であった。
→図表を見る(PDF)

1例に1件の大手術が行われ、止血管理に対する評価は「良好」であった。
安全性評価対象51例中1例(2.0%)に副作用が認められた。発現した副作用は、そう痒症であった。

18.1 作用機序
血液凝固第VIII因子欠乏患者に対し、血漿中の血液凝固第VIII因子を補うことにより、出血傾向を改善する。
18.2 止血効果
血友病Aマウスを用いた出血モデルにおいて、本剤静脈内投与(出血5分前又は24時間前)により止血効果が認められた。

製造販売会社
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