フエロン注射用100万

添付文書情報2018年04月改定(第25版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤の投与により間質性肺炎、自殺企図が現れることがあるので、「使用上の注意」に十分留意し、患者に対し副作用発現の可能性について十分説明する。
- 禁忌
- 1.自己免疫性肝炎の患者[自己免疫性肝炎が増悪する恐れがある]。
2.小柴胡湯投与中の患者。
3.本剤の成分に対し過敏症及びウシ由来物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
4.ワクチン等生物学的製剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1.膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫。
2.皮膚悪性黒色腫。
3.HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善。
4.C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善。
5.リバビリンとの併用による次のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:
1).血中HCV-RNA量が高値のC型慢性肝炎患者におけるウイルス血症の改善。
2).インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善。
6.HCVセログループ1の血中HCV-RNAが高い場合を除くC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善。
<効能・効果に関連する使用上の注意>
1.リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:リバビリン併用で血中HCV-RNA高値のC型慢性肝炎に本剤を用いる場合、血中HCV-RNAがアンプリコア法で100KIU/mL以上、又はリアルタイムPCR法で5.0LogIU/mL以上であることを確認する。
2.C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く):C型代償性肝硬変でHCVセログループ1の場合には、血中HCV-RNA量がアンプリコア法では100KIU/mL以上でないこと、又はbDNAプローブ法では1Meq/mL以上でないことを確認する。
- 用法・用量
- 1.膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫:
1).局所投与:添付溶解液の適量に溶解し、1日100万~600万国際単位を髄腔内(腫瘍内を含む)に投与する。なお年齢、症状により適宜増減する。
2).点滴静注:生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、1日100万~600万国際単位を点滴静注する。なお年齢、症状により適宜増減する。
2.皮膚悪性黒色腫:添付溶解液の適量に溶解し、病巣あたり1日1回40万~80万国際単位を腫瘍内又はその周辺部に投与する。1日総投与量は100万~300万国際単位とする。なお腫瘍の大きさ、状態及び年齢、症状により適宜増減する。
3.HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善:
静脈内投与又は点滴静注:生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、1回300万国際単位を初日1回、以後6日間1日1~2回、2週目より1日1回静脈内投与又は点滴静注する。
4.C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:
静脈内投与又は点滴静注:使用にあたっては、HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、1回300万~600万国際単位を1日1回連日静脈内投与又は点滴静注する。
5.リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:
静脈内投与又は点滴静注:使用にあたっては、HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、1日600万国際単位で投与を開始し、投与後4週間までは連日、以後週3回静脈内投与又は点滴静注する。
6.C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く):
静脈内投与又は点滴静注:使用にあたっては、HCV-RNAが陽性であることを確認したうえで行う。生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液等に溶解し、1日600万国際単位で投与を開始し、投与後6週間までは1日300万~600万国際単位を連日、以後1日300万国際単位を週3回静脈内投与又は点滴静注する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫:2カ月間の投与を目安とし、その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に行う。
2.皮膚悪性黒色腫:1カ月間の投与を目安とし、その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に行う。
3.HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善:4週間の投与を目安とし、その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に行う。
4.C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に決定する。なお、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善では、総投与量として25200万国際単位投与しても効果が認められない場合には投与を中止する。
5.リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善:
1).通常、次記の用法・用量のリバビリンを経口投与する。本剤の投与に際しては、患者の状態を考慮し、減量、中止等の適切な処置を行う。
(1).患者の体重60kg以下の場合:リバビリンの1日の投与量600mg(朝食後200mg、夕食後400mg)。
(2).患者の体重60kgを超え80kg以下の場合:リバビリンの1日の投与量800mg(朝食後400mg、夕食後400mg)。
(3).患者の体重80kgを超える場合:リバビリンの1日の投与量1000mg(朝食後400mg、夕食後600mg)。
2).リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善での本剤の使用にあたっては、ヘモグロビン濃度が12g/dL以上であることが望ましい。
3).リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善での本剤及びリバビリンの投与期間は、臨床効果(HCV-RNA、ALT等)及び副作用の程度を考慮しながら慎重に決定するが、特に白血球数、好中球数、血小板数、ヘモグロビン濃度の変動に注意し、異常が認められた場合には、用量の変更あるいは投与の中止について考慮する。
HCVセログループ1で血中HCV-RNA量高値でリバビリン併用のC型慢性肝炎におけるウイルス血症の患者における通常の投与期間は48週間である。HCVセログループ1で血中HCV-RNA量高値以外のリバビリン併用C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善の患者における通常の投与期間は24週間である。
6.C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く):投与期間は、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、慎重に決定する[通常、1日600万国際単位を1週間、以後1日300万国際単位を5週間連日、7週目より1日300万国際単位を週3回静脈内投与又は点滴静注し、投与期間は34~36週間(総投与量として39900万国際単位)とする]。
- 慎重投与
- 1.本剤をリバビリンと併用する場合、投与開始前のヘモグロビン濃度が14g/dL未満あるいは投与開始前の好中球数が2000/mm3未満の患者[減量を要する頻度が高くなる傾向が認められている]。
2.間欠投与又は投与を一時中止し再投与する場合。
3.薬物過敏症の既往歴のある患者。
4.アレルギー素因のある患者。
5.心疾患又はその既往歴のある患者[症状が悪化する恐れがある]。
6.重篤な肝障害又は重篤な腎障害のある患者[症状が悪化する恐れがある]。
7.高血圧症を有する患者[脳出血がみられたとの報告がある]。
8.高度白血球減少又は高度血小板減少のある患者[症状が悪化する恐れがある]。
9.精神神経障害又はその既往歴のある患者[症状が悪化する恐れがある]。
10.自己免疫疾患又は自己免疫疾患素因のある患者[症状が悪化する恐れがある]。
11.糖尿病又はその既往歴、家族歴のある患者、耐糖能障害のある患者[糖尿病が増悪又は発症しやすい]。
12.喘息又はその既往歴のある患者[喘息が増悪又は再発することがある]。
13.間質性肺炎の既往歴のある患者[間質性肺炎が増悪又は再発することがある]。
- 重要な基本的注意
- 1.C型慢性肝炎で本剤をリバビリンと併用する場合、リバビリンの添付文書に記載されている警告、禁忌、慎重投与、重要な基本的注意、重大な副作用等の【使用上の注意】を必ず確認し、特に警告の避妊に関連する注意については、その指示を徹底する。
2.C型慢性肝炎で本剤をリバビリンと併用する場合、本剤単独投与で認められている副作用が現れる可能性があるので、十分注意する。
3.C型慢性肝炎又はC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善への本剤の使用にあたっては、HCV-RNAが陽性であることを確認、及び組織像又は肝予備能、血小板数等により、慢性肝炎又は代償性肝硬変であることを確認し、また、ウイルス量、セログループ、ジェノタイプ等により有効性が異なるので、適切な症例及び用法・用量を選ぶ。
4.本剤を長期投与する場合には、臨床効果及び副作用の程度を考慮し、投与を行い、効果が認められない場合には投与を中止する。なお、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善でリバビリンと併用する場合には48週(総投与量として93600万国際単位)を超えて投与した場合の有効性、安全性は確立していない。
5.C型代償性肝硬変では、本剤の投与初期から白血球減少、好中球減少、血小板減少等が現れる恐れがあるので、投与開始から2週間は入院して管理することが望ましい。
6.本剤の投与中は血液学的検査(白血球、血小板等、投与初期では2~3日に1回)、肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)等)及び尿検査(蛋白尿)を定期的に行い、治療の継続が困難と認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行う。
特に、C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合には、ヘモグロビン濃度、白血球数、好中球数及び血小板数の検査を投与開始後1週間は2~3日に1回、以後投与開始後4週間までは毎週、その後は4週間に1回程度を目安として、投与間隔に応じた頻度で実施し、ヘモグロビン濃度減少、白血球数減少、好中球数減少及び血小板数減少が認められた場合には、次記を参考に本剤及びリバビリンの用量の変更あるいは投与の中止について考慮する。また、甲状腺機能検査は12週間に1回実施する。
1).ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往歴のない患者):(1).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、ヘモグロビン濃度10g/dL未満の場合、リバビリン;減量(600mg/日→400mg/日、800mg/日→600mg/日、1000mg/日→600mg/日)/本剤;用量変更なし。
(2).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、ヘモグロビン濃度8.5g/dL未満の場合、リバビリン;中止/本剤;中止。
2).ヘモグロビン濃度(心疾患又はその既往歴のある患者):(1).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、心疾患又はその既往歴のある患者でヘモグロビン濃度10g/dL未満又は投与中に投与前値に比べてヘモグロビン濃度2g/dL以上の低下が4週間持続した場合、リバビリン;減量(600mg/日→400mg/日、800mg/日→600mg/日、1000mg/日→600mg/日)/本剤;用量変更なし。
(2).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、心疾患又はその既往歴のある患者でヘモグロビン濃度8.5g/dL未満又は減量後4週間経過してもヘモグロビン濃度12g/dL未満の場合、リバビリン;中止/本剤;中止。
3).白血球数、好中球数及び血小板数:(1).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、白血球数1500/mm3未満、好中球数750/mm3未満、血小板数50000/mm3未満の場合、リバビリン;用
量変更なし/本剤;半量に減量。
(2).C型慢性肝炎でリバビリンと併用する場合で、白血球数1000/mm3未満、好中球数500/mm3未満、血小板数25000/mm3未満の場合、リバビリン;中止/本剤;中止。
また、C型代償性肝硬変では、臨床検査値の異常が多く発現しているので十分配慮し、血液学的検査は投与開始2週間は少なくとも2~3日に1回、以後連日投与では毎週、週3回投与では4週間に1回程度、肝機能検査及び尿検査は連日投与では毎週、週3回投与では4週間に1回程度を目安として、投与間隔に応じた頻度で実施し、白血球数減少、好中球数減少、血小板数減少がみられた場合には、次を参考に用量の変更、投与間隔の延長及び投与の中止について考慮する。また、C型代償性肝硬変では、本剤の投与により蛋白尿や血清アルブミン低下が現れる恐れがあるので、臨床検査値の異常に注意のうえ適宜減量を考慮する。
C型代償性肝硬変で、白血球数1500/mm3未満、好中球数750/mm3未満、血小板数50000/mm3未満の場合、減量又は投与間隔の延長(なお、変更後の用量の増量及び投与間隔の短縮に際しては、白血球数、好中球数、血小板数が回復していることを確認する)。
C型代償性肝硬変で、白血球数1000/mm3未満、好中球数500/mm3未満、血小板数25000/mm3未満の場合、中止(なお、投与の再開に際しては、白血球数、好中球数、血小板数が回復していることを確認する)。
7.過敏症等の反応を予測するため、使用に際しては十分な問診を行うとともに、あらかじめ本剤によるプリック試験を行うことが望ましい。
8.本剤の投与初期において、一般に発熱がみられる(その程度は個人差が著しいが高熱を呈する場合もあるので、発熱に対してあらかじめ十分配慮する)。
9.本剤の使用にあたっては、HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善で初日300万国際単位を1回のみ投与し、発熱等患者の状態を十分観察し、C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善で初日300万~600万国際単位を1回投与し、発熱等患者の状態を十分観察し、リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善及びC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善で初日600万国際単位を1回投与し、発熱等患者の状態を十分観察する。
10.間質性肺炎が現れることがあるので、発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状に十分に注意し、異常が認められた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施する。特に、間質性肺炎の既往歴のある患者に使用するにあたっては、定期的に聴診、胸部X線等の検査を行うなど、十分に注意する。
11.抑うつ、自殺企図が現れることがあり、また、躁状態、攻撃的行動が現れ、他害行為に至ることがあるので、患者の精神状態に十分注意し、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等が現れた場合には投与を中止するなど、投与継続の可否について慎重に検討し、また、これらの症状が認められた場合には、投与終了後も観察を継続することが望ましい。
12.本剤の投与にあたっては、抑うつ、自殺企図をはじめ、躁状態、攻撃的行動、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等の精神神経症状発現の可能性について患者及びその家族に十分理解させ、これらの症状が現れた場合には直ちに連絡するよう注意を与える。
- 相互作用
- 1.併用禁忌:小柴胡湯[間質性肺炎が現れる恐れがあり、なお、類薬(インターフェロン アルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎が現れたとの報告がある(機序は不明である)]。
2.併用注意:1).ワルファリン[ワルファリンの作用を増強することがあるので用量を調節するなど注意する(機序は不明である)]。
2).テオフィリン[テオフィリンの血中濃度を高める恐れがある(インターフェロン-βは肝薬物代謝酵素活性を抑制するとの報告がある)]。
- 副作用
- <本剤単独の場合>副作用発生状況の概要:「膠芽腫」、「髄芽腫」、「星細胞腫」及び「皮膚悪性黒色腫」等腫瘍では、1,415例(点滴静注、静脈内投与、局所投与を含む)中臨床検査値の異常を含む副作用が報告されたのは945例(66.8%)であり、主な副作用は発熱737例(52.1%)、全身倦怠感62例(4.4%)、頭痛・頭重36例(2.5%)、悪寒93例(6.6%)、白血球減少205例(14.5%)、血小板減少87例(6.1%)、AST(GOT)上昇73例(5.2%)、ALT(GPT)上昇74例(5.2%)であった(承認時及び再審査終了時)。
「HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善」等B型肝炎では、1,392例(点滴静注、静脈内投与を含む)中臨床検査値の異常を含む副作用として報告されたのは1,278例(91.8%)であり、主な副作用は発熱1,261例(90.6%)、全身倦怠感261例(18.8%)、頭痛・頭重285例(20.5%)、悪寒217例(15.6%)、白血球減少137例(9.8%)、血小板減少101例(7.3%)、AST(GOT)上昇10例(0.7%)、ALT(GPT)上昇10例(0.7%)、蛋白尿15例(1.1%)であった(承認時及び再審査終了時)。
「C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」では、2,573例(点滴静注、静脈内投与を含む)中臨床検査値の異常を含む副作用として報告されたのは2,207例(85.8%)であり、主な副作用は発熱1,875例(72.9%)、全身倦怠感491例(19.1%)、頭痛・頭重681例(26.5%)、悪寒584例(22.7%)、白血球減少568例(22.1%)、血小板減少672例(26.1%)、蛋白尿657例(25.5%)であった(承認時及び再審査終了時)。
「C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)」では、433例(点滴静注、静脈内投与を含む)中臨床検査値の異常を含む副作用として報告されたのは359例(82.9%)であり、主な副作用は発熱332例(76.7%)、悪寒163例(37.6%)、全身倦怠感174例(40.2%)、頭痛・頭重140例(32.3%)、関節痛115例(26.6%)、食欲不振114例(26.3%)、血小板減少229例(52.9%)、好中球減少184例(42.5%)、白血球減少145例(33.5%)、血清アルブミン低下135例(31.2%)、蛋白尿99例(22.9%)であった(承認時及び再審査終了時)。
発現頻度は承認時までの臨床試験及び製造販売後調査の結果に基づく。
<リバビリンとの併用の場合>副作用発生状況の概要:「C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善」では、174例(点滴静注、静脈内投与を含む)中臨床検査値の異常を含む副作用として報告されたのは174例(100%)であり、主な副作用は、発熱171例(98.3%)、全身倦怠感154例(88.5%)、悪寒143例(82.2%)、頭痛・頭重140例(80.5%)、好中球減少138例(79.3%)、白血球減少131例(75.3%)、ヘモグロビン減少133例(76.4%)、赤血球減少123例(70.7%)、ヘマトクリット減少124例(71.3%)、血小板減少108例(62.1%)、血清アルブミン低下94例(54.0%)であった(承認時及び製造販売後臨床試験終了時)。
発現頻度は承認時及び製造販売後臨床試験終了時までの調査結果に基づく。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用
<本剤単独の場合>1).次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(1).<本剤単独の場合>間質性肺炎(0.1%未満):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状が現れた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し、本剤の投与を中止するとともに副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。また、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与える。なお、類薬(インターフェロン アルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎が現れたとの報告があるため、小柴胡湯との併用を避ける。
(2).<本剤単独の場合>重篤なうつ状態(0.1%未満)、自殺企図(0.1%未満)、躁状態(0.1%未満)、攻撃的行動(頻度不明):観察を十分に行い、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等が現れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
(3).<本剤単独の場合>糖尿病(1型糖尿病及び2型糖尿病)(0.1~5%未満):糖尿病増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行う。
(4).<本剤単独の場合>自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常(0.1~5%未満)、溶血性貧血(0.1%未満)、1型糖尿病増悪又は1型糖尿病発症(0.1%未満)等]。
(5).<本剤単独の場合>ショック(0.1%未満)。
(6).<本剤単独の場合>皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.1%未満)。
(7).<本剤単独の場合>重篤な肝障害(0.1~5%未満):黄疸や著しいトランスアミナーゼ上昇を伴う肝障害が現れることがあるので、定期的に肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)等)を行う。
(8).<本剤単独の場合>急性腎障害(0.1%未満):患者の状態を十分に観察し、定期的に腎機能検査を行う。
(9).<本剤単独の場合>溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明):溶血性尿毒症症候群(血小板減少、溶血性貧血、腎不全を主徴とする)が現れることがあるので、定期的に腎機能検査及び血液学的検査(血小板、赤血球、末梢血液像等)を行う。
(10).<本剤単独の場合>脳出血(頻度不明)、消化管出血(0.1%未満)、球後出血(頻度不明)。
(11).<本剤単独の場合>脳梗塞(0.1%未満)。
(12).<本剤単独の場合>心不全(頻度不明)、狭心症(頻度不明)、心筋梗塞(0.1%未満)。
(13).<本剤単独の場合>敗血症(0.1%未満):易感染性となり、敗血症が現れることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
(14).<本剤単独の場合>網膜症(0.1%未満):網膜症が現れることがあるので、網膜出血、軟性白斑及び糖尿病網膜症増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行う。また、視力低下、視野中の暗点が認められた場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導する。
(15).<本剤単独の場合>痙攣(頻度不明):痙攣(全身痙攣発作、部分痙攣発作)が現れることがあり、また意識障害を伴うことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
(16).<本剤単独の場合>認知症様症状(特に高齢者)(頻度不明)。
(17).<本剤単独の場合>麻痺(0.1%未満)。
2).次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行う。
(1).<本剤単独の場合>汎血球減少(0.1~5%未満)、白血球減少<2000/mm3未満>(0.1~5%未満)、顆粒球減少<1000/mm3未満>(5%以上)、血小板減少<50000/mm3未満>(0.1~5%未満):定期的に血液学的検査を行う。
(2).<本剤単独の場合>ネフローゼ症候群(0.1%未満):血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがあるので、定期的に尿検査(蛋白尿)を行う。
<リバビリンとの併用の場合>1).次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(1).<リバビリンとの併用の場合>貧血(貧血は主に溶血性貧血)[赤血球減少<250万/mm3未満>(5%未満)、ヘモグロビン減少<8g/dL未満>(5%未満)、ヘモグロビン減少<8以上9.5g/dL未満>(5%以上)、ヘモグロビン減少<9.5以上11g/dL未満>(5%以上)]:定期的に血液学的検査を行うなど観察を十分に行い、異常の程度が著しい場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(2).<リバビリンとの併用の場合>自己免疫現象によると思われる症状・徴候[甲状腺機能異常(5%以上)等]。
(3).<リバビリンとの併用の場合>重篤な肝障害(5%未満):著しいトランスアミナーゼ上昇を伴う肝障害が現れることがあるので、定期的に肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT)等)を行う。
(4).<リバビリンとの併用の場合>脳梗塞(5%未満)。
(5).<リバビリンとの併用の場合>重篤なうつ状態(頻度不明)、自殺企図(頻度不明)、躁状態(頻度不明)、攻撃的行動(頻度不明):観察を十分に行い、不眠、不安、焦燥、興奮、攻撃性、易刺激性等が現れた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
(6).<リバビリンとの併用の場合>譫妄(頻度不明)、幻覚(頻度不明):観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与継続の可否について検討し、症状の激しい場合及び減量しても消失しない場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(7).<リバビリンとの併用の場合>間質性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難等の呼吸器症状、また、胸部X線異常が現れた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行う。また、咳嗽、呼吸困難等が現れた場合には直ちに連絡するよう患者に対し注意を与える。なお、類薬(インターフェロン アルファ製剤)と小柴胡湯との併用で間質性肺炎が現れたとの報告があるため、小柴胡湯との併用を避ける。
(8).<リバビリンとの併用の場合>心不全(頻度不明):観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。
(9).<リバビリンとの併用の場合>溶血性尿毒症症候群(HUS)(頻度不明):血小板減少、貧血、腎不全を主徴とする溶血性尿毒症症候群(HUS)が現れることがあるので、定期的に血液検査(血小板数、赤血球数、末梢血液像等)及び腎機能検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(10).<リバビリンとの併用の場合>ネフローゼ症候群(頻度不明):血清総蛋白減少、血清アルブミン低下を伴う重篤な蛋白尿が認められることがあるので、定期的に尿検査(尿蛋白)を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(11).<リバビリンとの併用の場合>糖尿病(1型糖尿病及び2型糖尿病)(頻度不明):糖尿病増悪又は発症することがあり、昏睡に至ることがあるので、定期的に検査(血糖値、尿糖等)を行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(12).<リバビリンとの併用の場合>敗血症(頻度不明):易感染性となり、敗血症が現れることがあるので、患者の全身状態を十分に観察し、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行う。
(13).<リバビリンとの併用の場合>網膜症(頻度不明):網膜症が現れることがあるので、網膜出血、軟性白斑及び糖尿病網膜症増悪に注意し、定期的に眼底検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど、適切な処置を行う。また、視力低下、視野中の暗点が認められた場合は速やかに医師の診察を受けるよう患者を指導する。
2).次記の重大な副作用が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には減量又は休薬するなど適切な処置を行う。
<リバビリンとの併用の場合>白血球減少<2000/mm3未満>(5%以上)、顆粒球減少<1000/mm3未満>(5%以上)、血小板減少<50000/mm3未満>(5%未満):定期的に血液学的検査を行う。
2.類薬での重大な副作用
<本剤単独の場合>類薬(インターフェロン アルファ製剤)で、自己免疫現象によると思われる肝炎、潰瘍性大腸炎悪化、関節リウマチ悪化及び急性膵炎が現れたとの報告がある。
- 3.その他の副作用:次記の副作用が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う。
<本剤単独の場合>1).全身症状<本剤単独の場合>:(5%以上)発熱[発熱(発現頻度72.3%)に対しては解熱剤の投与等適切な処置を行う]、<本剤単独の場合>悪寒、全身倦怠感、(0.1~5%未満)かぜ症候群。
2).過敏症<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)発疹、そう痒感、蕁麻疹。
3).血液<本剤単独の場合>:(5%以上)白血球減少、血小板減少、顆粒球減少、白血球分画異常、貧血、(0.1~5%未満)好酸球増多、出血傾向。
4).肝臓<本剤単独の場合>:(5%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、(0.1~5%未満)Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇、(0.1%未満)黄疸。
5).腎臓<本剤単独の場合>:(5%以上)蛋白尿、(0.1~5%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、血尿、膀胱炎、(0.1%未満)尿閉。
6).精神神経系<本剤単独の場合>:(5%以上)頭痛・頭重、(0.1~5%未満)抑うつ、痙攣、意識障害、傾眠、不安、不眠、焦燥、眩暈、知覚異常、手足のしびれ、振戦、(0.1%未満)躁状態、興奮、健忘、失語、幻覚・妄想、無気力、歩行困難、(頻度不明)構語障害。
7).循環器<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)血圧上昇、不整脈、動悸、四肢冷感、潮紅、(0.1%未満)血圧低下、チアノーゼ、(頻度不明)心筋症、心電図異常。
8).呼吸器<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)咳嗽、上気道炎、呼吸困難、(0.1%未満)肺炎、嗄声。
9).消化器<本剤単独の場合>:(5%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、(0.1~5%未満)下痢、腹痛、消化不良、便秘、腹部膨満感、口内炎・口唇炎、口渇、歯周炎、歯痛、味覚異常、(0.1%未満)胃潰瘍、胃炎、(頻度不明)潰瘍性大腸炎。
10).皮膚<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)湿疹、脱毛、発汗、ざ瘡、(0.1%未満)丘疹、(頻度不明)乾癬悪化、<本剤単独の場合>白斑[皮膚悪性黒色腫への局所投与時に認められた副作用]。
11).眼<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)眼底出血等の網膜微小循環障害[飛蚊視、視力低下感等を伴うことがあるので、このような症状が現れた場合には適切な処置を行う]、眼痛、視力異常、眼球充血、結膜下出血、眼違和感。
12).注射部位<本剤単独の場合>:(0.1~5%未満)疼痛、発赤、熱感、腫脹、(0.1%未満)色素沈着、<本剤単独の場合>(頻度不明)注射部位潰瘍[皮膚悪性黒色腫への局所投与時に認められた副作用]。
13).その他<本剤単独の場合>:(5%以上)関節痛、血清アルブミン低下、(0.1~5%未満)耳鳴、筋肉痛、肩こり等の緊張亢進、腰痛、浮腫、胸部圧迫感、疼痛、咽頭炎、疲労、脱力感、単純疱疹、血清総蛋白減少、トリグリセリド上昇、血清コレステロール上昇、血中コレステロール低下、血糖上昇、(0.1%未満)難聴、易感染性、帯状疱疹、腹水、体重減少、嗅覚錯誤、蜂巣炎、筋痙直、関節炎、月経異常、膿瘍、リンパ節症、血清カリウム上昇、血清アミラーゼ上昇、(頻度不明)手指関節拘縮、ヘモグロビンA1c上昇。
<リバビリンとの併用の場合>1).全身症状<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)発熱[発熱(発現頻度98.3%)に対しては解熱剤の投与等適切な処置を行う]、<リバビリンとの併用の場合>悪寒、全身倦怠感、かぜ症候群、(5%未満)インフルエンザ様症状。
2).過敏症<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)発疹、そう痒感、(5%未満)蕁麻疹。
3).血液<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)白血球減少、血小板減少、顆粒球減少、白血球分画異常、赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット減少、網状赤血球減少、網状赤血球増多、好酸球増多、好中球増多、血小板増多、(5%未満)出血傾向、白血球増多。
4).肝臓<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇、総ビリルビン上昇、γ-GTP上昇。
5).腎臓<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)蛋白尿、BUN上昇、血尿、(5%未満)クレアチニン上昇、膀胱炎、頻尿、排尿障害。
6).精神神経系<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)頭痛・頭重、不眠、眩暈、抑うつ、焦燥、手足のしびれ、不安、(5%未満)意識障害、傾眠、知覚異常、振戦、無気力、歩行困難、健忘、異常感、感情不安定、耳閉、注意力障害、(頻度不明)妄想、怒り。
7).循環器<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)血圧上昇、動悸、潮紅、四肢冷感、(5%未満)不整脈、血圧低下。
8).呼吸器<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)咳嗽、上気道炎、呼吸困難、鼻出血、(5%未満)肺炎、鼻漏、血痰、嗄声、鼻炎、気管支炎、鼻閉。
9).消化器<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)食欲不振、悪心・嘔吐、下痢、腹痛、消化不良、便秘、口内炎・口唇炎、味覚異常、(5%未満)腹部膨満感、口渇、歯周炎・歯髄炎・歯肉炎、歯痛、胃炎、歯異常、排便障害、腸炎、舌炎、痔核、おくび、鼓腸放屁、腸管機能異常、(頻度不明)膵炎。
10).皮膚<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)湿疹、脱毛、(5%未満)ざ瘡、発汗、皮膚乾燥、皮膚白癬、紅斑、紫斑、脂漏、爪異常、皮膚過角化、皮膚潰瘍、毛質異常、落屑、(頻度不明)丘疹。
11).眼<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)眼底出血等の網膜微小循環障害[飛蚊視、視力低下感等を伴うことがあるので、このような症状が現れた場合には適切な処置を行う]、(5%未満)眼痛、視力異常、結膜下出血、眼球充血、結膜炎、眼違和感、眼そう痒症、眼精疲労、硝子体浮遊物、羞明、視覚異常、視野欠損、麦粒腫。
12).注射部位<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)発赤、(5%未満)疼痛、熱感、腫脹、色素沈着、そう痒、出血。
13).その他<リバビリンとの併用の場合>:(5%以上)関節痛、筋肉痛、肩こり等の緊張亢進、背部痛・腰部痛、浮腫、胸部圧迫感、疼痛、咽頭炎、体重減少、尿糖、血清アルブミン低下、血清総蛋白減少、血清コレステロール上昇、血中コレステロール低下、血中尿酸上昇、血清カルシウム低下、血清無機リン低下、CRP上昇、(5%未満)疲労、脱力感、難聴、単純疱疹、帯状疱疹、蜂巣炎、筋痙直、手指関節拘縮、耳鳴、冷汗、不正出血、神経痛、頚部痛、易感染性、花粉症、外耳炎、耳痛、中耳炎、前立腺炎、嗅覚異常、四肢不快感、サルコイドーシス、トリグリセリド上昇、血清アミラーゼ上昇、血糖上昇、(頻度不明)CK上昇(CPK上昇)、血清カリウム上昇、ヘモグロビンA1c上昇。
- 高齢者への投与
- 一般に高齢者では生理機能が低下しているので用量に注意する。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.本剤単独の場合:妊娠中の投与に関する安全性は確立していないので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する。
2.リバビリンとの併用の場合:1).リバビリンとの併用の場合、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人にはリバビリンを併用しない[リバビリンの動物実験で催奇形性作用(ラット及びウサギ:1mg/kg/日)及び胚・胎仔致死作用(ラット:10mg/kg/日)が認められている]。
2).リバビリンとの併用の場合、授乳中の婦人には、リバビリンとの併用を避け、やむを得ず投与する場合は、授乳を避けさせる[リバビリンの動物実験(ラット)で乳汁中への移行が認められている]。
- 小児等への投与
- 小児等に対する安全性は確立されていない(使用経験が少ない)。
- 適用上の注意
- 1.静脈内投与時:静脈内投与する場合は、例えば、生理食塩液又は5%ブドウ糖注射液1~20mLに溶解し投与する。
2.点滴静注時:点滴静注の場合は、例えば、生理食塩液100~250mL、又は5%ブドウ糖注射液100~500mLに溶解し投与する。
3.局所投与時:局所の強い疼痛の場合には、局所麻酔剤に溶解し投与することが可能である(例えば0.5~1%プロカイン塩酸塩注射液1~3mLに溶解し投与する)。但し、リドカイン注射液等は配合不可である。
4.調製方法:用時調製し、溶解後は速やかに使用する。
5.アンプルカット時:添付溶解液の容器はワンポイントカットアンプルである。カット時には異物混入を避けるため、カット部分をエタノール綿等で清拭してから、アンプル枝部のワンポイントマークの反対方向へ折る。その際、カット部分で手指を傷つけないよう十分に注意する。
1.血中濃度
1)点滴静脈内投与
腫瘍患者に、本剤3×10の6乗IU及び6×10の6乗IUを点滴静注(1時間)したとき、点滴終了直後にそれぞれ40IU/mL、96IU/mLの血清中濃度が検出され用量依存性がみられた。以後二相性で指数関数的に減少し初期相半減期は15~43分であり、後期相半減期は5.7~18.1時間であった。
また、本剤3×10の6乗IU/日を2カ月間点滴静注(1時間)したが、投与後の血中濃度は初回投与時と同様に推移し、蓄積傾向は認められなかった。
2)静脈内投与
健康成人に本剤3×10の6乗IUを静脈内投与したとき、投与終了直後に血清中濃度は最高値67IU/mLを示した。その後速やかに低下し、投与開始後45分以降は検出限界以下となった。
3)髄腔内投与
脳腫瘍患者に本剤3×10の6乗IUを髄腔内に投与したとき、髄液中には12時間後約10の3乗IU/mL、48時間後にも約10の2乗IU/mLの力価が認められ、また血清中にもわずかに検出された。
2.排泄
悪性黒色腫患者に本剤3~6×10の6乗IUを点滴静注(1時間)し、尿中排泄をみたが活性は全く検出されなかった。
参考(動物実験)
ラットで尿中への活性物質の排泄を力価で追跡したが認められなかった。しかし14C-インターフェロン-βを使用した実験では72時間までに投与量の72.9%が尿中に排泄された。胆汁中排泄は少なかった。
3.分布
参考(動物実験)
ラット、マウスに静脈内投与後、15~30分で体内臓器濃度は最高に達し、3時間後にはほとんど消失した。脾臓、肝臓及び腎臓に高い活性の分布が認められたが、これらは血中濃度を越えなかった。マウスにおける皮下投与では臓器・組織への分布はほとんど認められなかった。
1.膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫
1日1.0~6.0×10の6乗IUを主とした点滴静注又は局所投与で膠芽腫57例中8例(14.0%)、髄芽腫20例中4例(20.0%)、星細胞腫25例中6例(24.0%)に奏効を認めた。
2.皮膚悪性黒色腫
1日1.0~3.0×10の6乗IUを主とした局所投与で20例中10例(50.0%)に奏効を認めた。また3年以上の生存が3例に観察され、3年生存率は28.2%と生存期間の延長が認められた。なお病巣別奏効率は75.4%(211病巣中159病巣に奏効)であった。
3.HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善
点滴静注により1日3.0~6.0×10の6乗IUを72例に投与した。DNAポリメラーゼ(DNA‐P)は投与終了直後には48.0%(24/50)が陰性化した。HBe抗原陰性化(Seronegative:SN)率、HBe抗体陽性化(Seroconversion:SC)率は投与終了直後で各々16.9%(12/71)、1.4%(1/71)であったが、投与終了後6カ月で各々22.6%(12/53)、5.7%(3/53)であった。長期追跡調査では本剤投与終了後2年目のSN率は40~50%、SC率は23~30%であった。また二重盲検法による比較試験を69例について実施し、DNA‐Pの著明改善(陰性化ないし投与前値の1/10以下に低下)が対照群に比し有意に認められた。また1日3.0~6.0×10の6乗IUを44例に静脈内投与した。DNA‐Pは投与終了直後に44.1%(15/34)が陰性化し、SN率は14.3%(6/42)であり、点滴静注の成績と同等であった。
4.C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
1日6.0×10の6乗IUを110例に6週間静脈内投与又は点滴静注した。ALT(GPT)の投与終了後6カ月間以上の正常化持続(著効)は36.4%(40/110)に認められた。投与終了後6カ月間以上の正常上限値の2倍以内持続(有効)を含めた有効率は61.8%(68/110)であった。また投与終了後6カ月目のHCV‐RNAの陰性化率(CRT‐PCR法)は15.6%(7/45)であった。
なお、C型慢性非活動性肝炎(56例)において、HCVジェノタイプ(遺伝子型)別及びHCV‐RNA量(CRT‐PCR法)別の投与終了後6カ月目のHCV‐RNA陰性化率(CRT‐PCR法)及びALT(GPT)著効率は、次記のとおりであった。
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また、承認条件により実施した特別調査でのC型慢性肝炎(500例)において、HCVセログループ別及びHCV‐RNA量(アンプリコア法)別の投与終了後6カ月以降のHCV‐RNA陰性化率(アンプリコア法)及びALT(GPT)著効率は、次記のとおりであった。
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5.リバビリンとの併用によるC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
1)24週間投与の成績
「HCVセログループ1かつ血中HCV‐RNA量が高値の患者:対象A」及び「HCVセログループ1以外かつ血中HCV‐RNA量が高値の患者、及びIFN製剤による治療歴のある血中HCV‐RNA量が低値の患者:対象B」を対象として、本剤1日6.0×10の6乗IUを4週間連日投与後、1日6.0×10の6乗IUを週3回20週間投与し、リバビリン1日600~800mgを24週間併用投与した際の、本剤/リバビリン併用群と対照薬群であるIFNα‐2b/リバビリン併用群におけるHCVセログループ別及びHCV‐RNA量(アンプリコア法)別の投与終了後24週目のHCV‐RNA陰性化率(アンプリコア法)は、次記のとおりであった。
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2)48週間投与の成績
HCVセログループ1で血中HCV‐RNA量が高値であり、うつ病の既往歴(インターフェロン アルファ製剤によるうつ病の既往歴を含む)のあるC型慢性肝炎患者、又はうつ病の合併症あるいはその疑いのあるC型慢性肝炎患者(ハミルトンうつ病評価尺度17項目の総スコアが13以下)を対象として、本剤1日6.0×10の6乗IUを4週間連日投与後、1日6.0×10の6乗IUを週3回44週間投与し、リバビリン1日400~1,000mgを48週間併用投与する試験を精神科医による診察を定期的に行ったうえで実施した。投与開始24週後、48週後の投与中止率はそれぞれ8.6%(5/58)、17.2%(10/58)であり、48週間投与終了後24週目のHCV‐RNA陰性化率(アンプリコア法)は22.4%(13/58)であった。
6.C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV‐RNA量が高い場合を除く)
静脈内投与又は点滴静注により、1日6.0×10の6乗IU1週間連日投与後、3.0×10の6乗IU連日又は週6回投与により計6~7週間投与したとき、さらに週3回投与を継続して計20~22週間又は計34~36週間投与したとき、投与終了後6カ月目のHCV‐RNA陰性化率(アンプリコア法)及びALT(GPT)著効率は、次記のとおりであった。
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また、本剤を20週間以上投与したとき、HCVセログループ別、HCV‐RNA量(bDNAプローブ法)別の投与終了後6カ月目のHCV‐RNA陰性化率及びALT(GPT)著効率は、次記のとおりであった。
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製造販売後臨床試験において、静脈内投与又は点滴静注により、次記の用法・用量にて投与した結果、I群に対するIII群の優越性は示されなかった。
I群:1日6.0×10の6乗IUを1週間連日、以後1日3.0×10の6乗IUを5週間連日、7週目以降は1日3.0×10の6乗IUを週3回により計126回投与(投与期間34~36週間、総投与量39,900万IU)
II群:1日6.0×10の6乗IUを1週間連日、以後1日3.0×10の6乗IUを5週間連日、7週目以降は1日3.0×10の6乗IUを週3回により計168回投与(投与期間48~50週間、総投与量52,500万IU)
III群:1日6.0×10の6乗IUを6週間連日、7週目以降は1日3.0×10の6乗IUを週3回により計168回投与(投与期間48~50週間、総投与量63,000万IU)
各群の投与終了24週後のHCV‐RNA陰性化率(アンプリコア法又はコバスTaqMan HCV法)及びALT持続正常化率は、次記のとおりであった。
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HCVセログループ別、HCV‐RNA量(アンプリコアHCVモニター法又はコバスTaqMan HCV法)別の投与終了24週後のHCV‐RNA陰性化率は、次記のとおりであった。
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また、減量又は投与間隔の延長がなされた症例の割合及び投与中止された症例の割合は、次記のとおりであった。
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1.抗腫瘍作用
1)In vitro
ヒト脳腫瘍由来細胞株(AJ)に対し、本剤10の3乗IU/mLを処理したところ、著明な増殖抑制を認めた。またヒト悪性黒色腫由来細胞株(HMV‐1)に対しても強い増殖抑制(IC50:130IU/mL)を認めた。
2)In vivo
悪性神経膠腫由来細胞株(Gl‐MK)をヌードマウスの皮下に移植後、腹腔内投与により腫瘍の増殖抑制を認めた。Gl‐MK及び神経膠芽腫由来細胞株(Gl‐AK)をヌードマウスの皮下に移植後、腫瘍内投与により著明な増殖抑制を認めた。また投与後の腫瘍組織では、細胞成分の著明な減少、核濃縮、細胞突起形成増加傾向等、著明な抗腫瘍効果を示した。多形性膠芽腫由来細胞株(GL‐5‐JCK)をヌードマウスに移植後、静脈内投与又は腫瘍内投与により有意な増殖抑制を認めた。またヒト悪性黒色腫由来細胞株(HMV‐1)をヌードマウスに移植後、腫瘍内投与により著明な増殖抑制を認めた。
3)作用機序
腫瘍細胞表面に結合し、その増殖を抑制する直接作用と、宿主を介して抗腫瘍免疫能を活性化することにより、腫瘍の増殖を抑制する間接作用とが考えられている。
2.抗ウイルス作用
1)In vitro
ヒト胎児皮膚由来HES/YS細胞を用いて、本剤で一晩処理後、各種RNA、DNAウイルスを接種したところ、VSV>HSV‐1>アデノウイルス3型、19型>アデノウイルス4型>アデノウイルス8型の順で抗ウイルス効果を認めた。
B型肝炎ウイルス(HBV)DNAを挿入したヒト肝芽腫細胞のHepG2細胞を用いて、本剤で3日間処理後、細胞中のHBV複製阻害を認めた。
C型肝炎ウイルス(HCV)感染したヒトTリンパ細胞を用いて、本剤で8日間処理後、細胞内のHCV複製阻害を認めた。
2)In vivo
ウサギ角膜ヘルペスウイルス感染に対し、本剤1.4×10の5乗IUを局所(点眼)投与し抗ウイルス効果を認めた。
3)作用機序
細胞膜上のレセプターを介して細胞に働き、2‐5A合成酵素、プロテインキナーゼ等を誘導し、細胞を抗ウイルス状態に保つと考えられている。
- 製造販売会社
- 東レ
- 販売会社
- 第一三共
おくすりのQ&A
イベニティにて治療中、途中で歯科治療が始まり一旦注射をストップし、決まった期間内に決まった回数接種できない場合があります。その場合、途中でストップするしか...
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