ユービット錠100mg
添付文書情報2021年02月改定(第1版)
商品情報
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- 効能・効果
- ヘリコバクター・ピロリの感染診断。
- 用法・用量
- 通常、成人には、尿素(13C)として100mg(1錠)を空腹時に経口投与する。
[標準的な13C-尿素呼気試験法]
(1). 本剤の服用前に呼気を採取する。
(2). 本剤をつぶしたりせず、空腹時に水100mLとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下する。
(3). 服用後左側臥位の姿勢を5分間保ち、その後は座位の姿勢を保つ。
(4). 本剤服用後20分に呼気を採取する。
(5). 服用前と服用後の呼気中13CO2(13CO2/12CO2比)を測定し、その変化量(Δ13C)を算出し判定する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 判定基準
ユービット錠100mg服用後20分のΔ13C:2.5‰以上をH.pylori陽性と判定する。
7.2. 13C-尿素呼気試験法における呼気中13CO2の測定は、質量分析法又は同等の性能を有する分析法(赤外分光法等)で実施すること。また、質量分析法及び赤外分光法においては、呼気中のCO2濃度が1%未満の場合にはΔ13C値の再現性が乏しくなることがあり、Δ13C値の低値領域では判定に影響することがあるので注意すること。
7.3. 感染診断実施上の留意事項
13C-尿素呼気試験法の判定結果は、オメプラゾール、ランソプラゾール、ラベプラゾールナトリウム等のプロトンポンプインヒビター(PPI)の服用中や中止直後、アモキシシリン水和物、クラリスロマイシン、テトラサイクリン等の抗生物質の服用中や中止直後、メトロニダゾールの服用中や中止直後、ビスマス製剤の服用中や中止直後及び抗ウレアーゼ活性のあるエカベトナトリウム水和物の服用中や中止直後等のヘリコバクター・ピロリに対する静菌作用を有する薬剤の服用中や中止直後では偽陰性になる可能性があるため、除菌前及び除菌後の感染診断の実施に当たっては、当該静菌作用を有する薬剤投与中止又は終了後2週間以上経過していること。
7.4. 除菌後の感染診断(除菌判定)
除菌判定については、除菌治療薬剤投与終了後4週以降の時点で実施すること。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 胃切除を受けた患者等:本剤は錠剤であることから、胃内で十分停滞せず通過する場合や本剤の溶解が遅くなり呼気反応が遅れること等により、陰性と判定される可能性がある。
9.1.2. 無酸症の患者又はHelicobacter heilmanniiが胃内に生息する等ウレアーゼ活性を有する細菌が胃内に生息する患者:陽性と判定される可能性がある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)発疹、蕁麻疹。
2). 消化器:(0.5%未満)腹部膨満感、下痢、心窩部不快感、(頻度不明)悪心、嘔吐。
3). その他:(0.5%未満)血清カリウム値上昇。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意服用に際しては錠剤をつぶしたりせず、噛まずに速やかに(5秒以内に)嚥下するよう注意する(本剤が口腔内で崩壊すると、ウレアーゼ活性を有する口腔内常在菌の影響を受け陽性と判定される可能性がある)。なお、本剤を水に投入した時、フィルムコートが剥離し始める時間は5~8秒であった。
14.2. 診断上の注意14.2.1. ユービット錠100mgの第3相試験では、約2.3%(H.pylori感染130例中3例)の割合で偽陰性が生じたので、臨床症状からH.pylori感染が示唆されるようであれば、別の検査法による判定結果を参考にすること。
14.2.2. 胃内のH.pyloriの菌体数と13C-尿素呼気試験法の結果(Δ13C値)の相関は確立していない。
吸湿性を有するため、SP包装開封後は速やかに使用すること。
16.1 血中濃度
健康成人(H. pylori抗体価:陽性5例、陰性5例)に尿素(13C)として100mgを空腹時単回経口投与した時の尿素(13C)の薬物動態パラメータを次表に示す。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
ほぼ全量吸収された(ラット)。
16.3 分布
血漿蛋白結合率は6.6%であった(イヌ)。
16.4 代謝
体内では代謝されない。
16.5 排泄
16.5.1 排泄経路
腎排泄
16.5.2 排泄率
H. pylori非感染者(7例)に、一晩絶食後、20mLの水に溶解した14C‐尿素(尿素として50mg)を単回経口投与した時、投与後3日目までの14Cの尿中排泄率は約90%であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
上部消化管疾患が疑われた患者260例に本剤100mgを空腹時単回経口投与し13C‐尿素呼気試験を行った。生検法を組合わせた診断法(FDA判定基準:1995年)をもとに診断したH. pylori感染者130例及び非感染者124例を対象に、質量分析法で呼気中13CO2を測定した結果、カットオフ値2.5‰、呼気採取時間20分において、感度97.7%、特異度98.4%及び正診率98.0%であった。また、本試験において、赤外分光法と質量分析法で測定した呼気中Δ13C値(2,542ポイント)を比較すると、その値はよく一致した。副作用発現頻度は、259例中7例(2.7%)であり、副作用は、血中カリウム増加2例(0.8%)、腹部膨満、下痢、軟便、白血球減少及び白血球増加が各1例(0.4%)であった。
18.1 測定法
H. pyloriは高いウレアーゼ活性を有している。
安定同位元素13Cで標識された本剤をヒトに経口投与すると、胃内にH. pyloriが存在する場合は、そのウレアーゼ活性によって本剤は13CO2とNH3に分解され、13CO2は血中に移行した後、呼気中に排出される。
13C‐尿素呼気試験は、この原理を応用して尿素(13C)服用後の呼気中13CO2濃度の変化を測定することにより、H. pyloriの存在を検出する方法である。
- 一包可:不可
吸湿性を有するため、SP包装開封後は速やかに使用する。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
服用に際しては錠剤をつぶしたりせず、かまずに速やかに(5秒以内に)嚥下するよう注意する。本剤が口腔内で崩壊すると、ウレアーゼ活性を有する口腔内常在菌の影響を受け陽性と判定される可能性がある。なお、本剤を水に投入した時、フィルムコートが剥離し始める時間は5~8秒であった。
- 製造販売会社
- 大塚製薬
- 販売会社
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