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ミダゾラム注10mg「サンド」

販売名
ミダゾラム注10mg「サンド」
薬価
10mg2mL1管 92.00円
製造メーカー
サンド

添付文書情報2024年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
ベンゾジアゼピン系製剤
一般名
ミダゾラム10mg2mL注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 呼吸及び循環動態の連続的な観察ができる設備を有し、緊急時に十分な措置が可能な施設においてのみ用いること(呼吸抑制及び呼吸停止を引き起こすことがあり、速やかな処置が行われないために死亡又は低酸素脳症に至った症例が報告されている)〔7.2、7.4、8.1.1、8.1.2、8.4、8.6、8.7、11.1.2参照〕。
1.2. 低出生体重児及び新生児に対して急速静脈内投与をしてはならない(急速静脈内投与後、重度低血圧及び痙攣発作が報告されている)〔9.7.3参照〕。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.3. 重症筋無力症のある患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある]。
2.4. HIVプロテアーゼ阻害剤投与中(リトナビルを含有する薬剤、ネルフィナビル、アタザナビル、ホスアンプレナビル、ダルナビルを含有する薬剤)、エファビレンツ投与中、コビシスタット含有薬剤投与中及びニルマトレルビル・リトナビル投与中の患者〔10.1参照〕。
2.5. ショックの患者、昏睡の患者、バイタルサインの抑制がみられる急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制や血圧低下等の症状を悪化させるおそれがある]。
効能・効果
1). 麻酔前投薬。
2). 全身麻酔の導入及び全身麻酔の維持。
3). 集中治療における人工呼吸中の鎮静。
4). 歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉目標とする鎮静レベルは、呼びかけに応答できる程度とすること。
用法・用量
〈麻酔前投薬〉
通常、成人にはミダゾラム0.08~0.10mg/kgを手術前30分~1時間に筋肉内に注射する。
通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児にはミダゾラム0.08~0.15mg/kgを手術前30分~1時間に筋肉内に注射する。
〈全身麻酔の導入及び維持〉
通常、成人にはミダゾラム0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する。
静脈内に注射する場合には、なるべく太い静脈を選んで、できるだけ緩徐に(1分間以上の時間をかけて)注射する。
〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉
導入
通常、成人には、初回投与はミダゾラム0.03mg/kgを少なくとも1分以上かけて静脈内に注射する。より確実な鎮静導入が必要とされる場合の初回投与量は0.06mg/kgまでとする。必要に応じて、0.03mg/kgを少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。但し、初回投与及び追加投与の総量は0.30mg/kgまでとする。
通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、初回投与はミダゾラム0.05~0.20mg/kgを少なくとも2~3分以上かけて静脈内に注射する。必要に応じて、初回量と同量を少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。
維持
通常、成人にはミダゾラム0.03~0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する(0.03~0.18mg/kg/hの範囲が推奨される)。
通常、修正在胎45週以上(在胎週数+出生後週数)の小児には、ミダゾラム0.06~0.12mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する(投与速度の増減は25%の範囲内とする)。
通常、修正在胎45週未満(在胎週数+出生後週数)の小児のうち、修正在胎32週未満ではミダゾラム0.03mg/kg/h、修正在胎32週以上ではミダゾラム0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。
〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉
通常、成人には、初回投与としてミダゾラム1~2mgをできるだけ緩徐に(1~2mg/分)静脈内に注射し、必要に応じて0.5~1mgを少なくとも2分以上の間隔を空けて、できるだけ緩徐に(1~2mg/分)追加投与する。但し、初回の目標鎮静レベルに至るまでの、初回投与及び追加投与の総量は5mgまでとする。
なお、いずれの場合も、患者の年齢、感受性、全身状態、手術術式、麻酔方法等に応じて適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉ミダゾラムに対する反応は個人差があるので、患者の年齢、感受性、全身状態、目標鎮静レベル及び併用薬等を考慮して、過度の鎮静を避けるべく投与量を決定すること。特に、高齢者、衰弱患者、心不全患者、及び麻酔薬併用、鎮痛薬併用(麻薬性鎮痛薬及び非麻薬性鎮痛薬)、局所麻酔薬併用、中枢神経系抑制薬併用等の場合は投与量を減じること(作用が強くあらわれやすい)〔8.1、9.1.2、9.1.4、9.8.1、9.8.2、10.2参照〕。
7.2. 〈効能共通〉患者によってはより高い用量が必要な場合があるが、この場合は過度の鎮静及び呼吸器系抑制・循環器系抑制に注意すること〔1.1参照〕。
7.3. 〈効能共通〉投与は常にゆっくりと用量調節しながら行うこと。また、より緩徐な静脈内投与を行うためには、本剤を適宜希釈して使用することが望ましい。
7.4. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉導入:過度の鎮静及び呼吸器系抑制・循環器系抑制に注意すること(成人の術後患者における二重盲検比較試験において、0.03mg/kg又は0.06mg/kgの単回静脈内投与により、10分後にはそれぞれ8%又は27%が過度の鎮静状態(Ramsayの鎮静レベル6(反応なし))に導入された)〔1.1参照〕。
7.5. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉導入:導入時の用法・用量が設定されている修正在胎45週以上<在胎週数+出生後週数>の小児における初回投与及び追加投与の総量は0.60mg/kgまでを目安とすること。
7.6. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉維持:鎮静を維持する場合は、目的とする鎮静度が得られる最低の速度で持続投与すること。
7.7. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉全身麻酔後の患者など、患者の状態によっては、持続静脈内投与から開始してもよい。
7.8. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉本剤を長期間(100時間を超える)にわたって投与する場合は、患者の状態をみながら投与量の増加あるいは鎮痛剤の併用を検討すること(効果が減弱するとの報告がある)。
7.9. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉目標とする鎮静レベル(呼びかけに応答できる程度)に達するまで、患者の鎮静状態を観察しながら緩徐に投与すること。歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静の場合、低体重の患者では、過度の鎮静(呼びかけに対する応答がなくなる程度)にならないよう投与量に注意すること。
7.10. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉目標とする鎮静レベルに達した後の追加投与については、更なる鎮静が明らかに必要な場合にのみ、患者の状態を考慮して、必要最少量を投与すること。
肝機能障害患者
8.1. 〈効能共通〉本剤の作用には個人差があるので、投与量(初回量、追加量)及び投与速度に注意すること〔7.1参照〕。
8.1.1. 〈効能共通〉呼吸・循環の管理に注意し、術後は患者が完全に回復するまで管理下に置くこと(無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下、血圧低下等があらわれることがある)〔1.1、11.1.2参照〕。
8.1.2. 〈効能共通〉本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備しておくこと。また、必要に応じてフルマゼニル(ベンゾジアゼピン受容体拮抗剤)を手もとに準備しておくことが望ましい〔1.1、13.2参照〕。
8.1.3. 〈効能共通〉手術・処置後は全身状態に注意し、基本的運動・平衡機能の回復等に基づき帰宅可能と判断できるまで患者を管理下に置くこと。また、鎮静の影響が完全に消失するまでは自動車の運転等危険を伴う機械操作に従事しないよう、患者に注意すること。
8.2. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉本剤投与中は、気管内挿管による気道確保を行うこと。
8.3. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉持続投与期間が24時間を超える場合は、覚醒遅延することがあるので、十分な患者管理のできる状態で使用すること。
8.4. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉本剤投与中は、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて、患者の呼吸及び循環動態を継続的に観察すること〔1.1参照〕。
8.5. 〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉本剤を用法・用量の範囲内で投与しても適切な鎮静がみられない場合は、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること(他の鎮静剤が有用なことがある)。
8.6. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉本剤の投与に際しては、歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静における患者管理に熟練した医師・歯科医師が、本剤の薬理作用を正しく理解し、患者の鎮静レベル及び全身状態を注意深く継続して管理すること。また、歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静の場合、気道確保、酸素吸入、人工呼吸、循環管理を行えるように準備をしておくこと〔1.1参照〕。
8.7. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉過度の鎮静(呼びかけに対する応答がなくなる程度)及び呼吸器系抑制・循環器系抑制を避けるため、歯科・口腔外科処置を行う医師・歯科医師とは別に呼吸及び循環動態を観察できる医療従事者をおく、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて手術・処置中の患者を観察すること〔1.1参照〕。
8.8. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉術野と気道が同一部位であり、器具等の使用により口腔内に水分等が貯留しやすいことから、誤嚥、気道閉塞を起こさないよう注意すること。
9.1.1. 〈効能共通〉高度重症患者、呼吸予備力の制限されている患者:無呼吸、心停止が起こりやすい〔11.1.2、11.1.4参照〕。
9.1.2. 〈効能共通〉衰弱患者:作用が強く又は長くあらわれるおそれがある〔7.1参照〕。
9.1.3. 〈効能共通〉脳器質的障害のある患者:作用が強くあらわれるおそれがある。
9.1.4. 〈効能共通〉重症心不全等の心疾患のある患者:必ず動脈圧及び心電図をモニターし、昇圧剤等の蘇生に必要な薬剤を準備したうえで使用すること(本剤の投与により症状の悪化又は急激な血圧低下を来すことがある)〔7.1、16.6.1参照〕。
9.1.5. 〈効能共通〉重症の水分障害のある急性期又は重症の電解質障害のある急性期患者:十分な補液・輸液が行われるまで本剤の投与を行わないこと(脱水等により体液が不足している患者では、本剤の投与により血圧低下を来しやすい)。
9.1.6. 〈効能共通〉手術中の出血量の多い患者、多量の輸液を必要とした患者:血圧低下及び心電図異常を来しやすい。
9.1.7. 〈効能共通〉アルコール乱用又は薬物乱用の既往のある患者。
9.1.8. 〈効能共通〉睡眠時無呼吸症候群の患者:呼吸症状が悪化するおそれがある〔11.1.2参照〕。
9.1.9. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉上気道閉塞に関連する疾患(高度肥満症、小顎症、扁桃肥大、睡眠時無呼吸症候群等)を有する患者:気道閉塞を起こしやすく、マスク換気や気管挿管による気道確保の操作が困難である。
腎機能障害患者:代謝・排泄が遅延し、作用が強く又は長くあらわれるおそれがある。
肝機能障害患者:代謝・排泄が遅延し、作用が強く又は長くあらわれるおそれがある〔16.6.3参照〕。
相互作用
本剤は、主としてCYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:1). HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルを含有する薬剤<ノービア、カレトラ>、ネルフィナビル<ビラセプト>、アタザナビル<レイアタッツ>、ホスアンプレナビル<レクシヴァ>、ダルナビルを含有する薬剤<プリジスタ、プレジコビックス>)、エファビレンツ<ストックリン>、コビシスタットを含有する薬剤<スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス>〔2.4参照〕[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある(これらの薬剤によるCYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することが考えられている)]。
2). ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッドパック>〔2.4参照〕[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある(CYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇することが考えられている)]。
10.2. 併用注意:1). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、麻薬性鎮痛剤等)〔7.1参照〕、モノアミン酸化酵素阻害剤、アルコール(飲酒)[鎮静・麻酔作用
が増強されたり、呼吸数・収縮期血圧・拡張期血圧・平均動脈圧及び心拍出量が低下するおそれがある(相加的に中枢神経抑制作用(鎮静・麻酔作用、呼吸及び循環動態への作用
)を増強する可能性がある)]。
2). CYP3A4を阻害する薬剤(カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩)、アゾール系抗真菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール等)、シメチジン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ホスネツピタント塩化物塩酸塩、カロテグラストメチル等)[中枢神経抑制作用が増強されるおそれがある(これらの薬剤によるCYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
3). 抗悪性腫瘍剤(ビノレルビン酒石酸塩、パクリタキセル等)[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある(本剤がチトクロームP450を阻害し、これらの薬剤の代謝を阻害し血中濃度が上昇することが考えられている)]。
4). プロポフォール[麻酔・鎮静作用が増強されたり、収縮期血圧・拡張期血圧・平均動脈圧及び心拍出量が低下することがある(相互に作用(麻酔・鎮静作用、血圧低下作用)を増強させ、また、CYP3A4に対する競合的阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある)]。
5). CYP3A4を誘導する薬剤(リファンピシン、カルバマゼピン、エンザルタミド、ダブラフェニブ、ミトタン、アメナメビル、ロルラチニブ等)[本剤の作用を減弱させることがある(CYP3A4が誘導され、本剤の代謝が促進される)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 依存性(頻度不明):連用により、薬物依存を生じることがある。投与量の急激な減少ないし中止により、痙攣発作、せん妄、振戦、不眠、不安、幻覚、妄想、不随意運動等の離脱症状があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと。
11.1.2. 無呼吸、呼吸抑制(いずれも頻度不明)、舌根沈下(0.1~5%未満)〔1.1、8.1.1、9.1.1、9.1.8参照〕。
11.1.3. アナフィラキシーショック(頻度不明)。
11.1.4. 心停止(頻度不明)〔9.1.1参照〕。
11.1.5. 心室頻拍、心室性頻脈(いずれも頻度不明):心疾患患者において心室頻拍、心室性頻脈があらわれることがあるので、投与中には循環動態の変化に十分注意すること。
11.1.6. 悪性症候群(Syndrome malin)(頻度不明):無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等が発現し、それに引き続き発熱がみられる場合は、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理とともにダントロレンナトリウムの投与等適切な処置を行うこと(本症発症時には、白血球増加や血清CK上昇がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下がみられることがある)、なお、高熱が持続し、意識障害、呼吸困難、循環虚脱、脱水症状、急性腎障害へと移行することがある。
11.2. その他の副作用
1). 呼吸器:(0.1~5%未満)しゃっくり、咳、(0.1%未満)喀痰。
2). 循環器:(0.1~5%未満)不整脈、血圧低下、血圧上昇、頻脈、(0.1%未満)徐脈、血圧変動、心房細動。
3). 精神神経系:(0.1~5%未満)覚醒遅延、悪夢、めまい、頭痛、(0.1%未満)不穏、興奮、ふるえ、視覚異常、(頻度不明)せん妄、不随意運動。
4). 消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、(0.1%未満)嘔気。
5). 肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、(0.1%未満)ALT低下、LDH上昇、Al-P上昇。
6). 過敏症:(0.1%未満)紅斑、蕁麻疹、発疹、(頻度不明)そう痒感。
7). その他:(0.1~5%未満)体動、発汗、(0.1%未満)顔面浮腫、体温低下、白血球数上昇、(頻度不明)CK上昇。
高齢者
9.8.1. 作用が強く又は長くあらわれやすい〔7.1、16.6.5参照〕。
9.8.2. 少量ずつ分けて投与するか、又は投与速度を減じること(低換気、気道閉塞、無呼吸等の危険性が高く、また、作用の発現が遅延することがある)〔7.1参照〕。
授乳婦
9.5.1. 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
妊娠中の投与に関し、次のような報告がある。
(1). 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
(2). 妊娠末期の妊婦へ投与したとき、胎児に心拍数不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれ、又は分娩中の患者に高用量を投与したとき、胎児に心拍数不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれたとの報告がある。
なお、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。
(3). 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中への移行が認められている)。
小児等
9.7.1. 〈麻酔前投薬、全身麻酔の導入及び維持、集中治療における人工呼吸中の鎮静〉小児等に対する使用経験は限られている。
9.7.2. 〈歯科・口腔外科領域における手術及び処置時の鎮静〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.3. 〈効能共通〉低出生体重児及び新生児に対して急速静脈内投与をしてはならない(急速静脈内投与後、重度低血圧及び痙攣発作が報告されている)〔1.2参照〕。
9.7.4. 〈効能共通〉小児等で深い鎮静を行う場合は、処置を行う医師とは別に呼吸・循環管理のための専任者をおいて、処置中の患者を観察することが望ましい。
9.7.5. 〈効能共通〉幼児では小児より、小児では成人より高用量を必要とすることがあり、より頻繁な観察が必要である(成人に比べて幼児及び小児における本剤の血中消失半減期は同等又は短いことが報告されている)〔16.6.4参照〕。
9.7.6. 〈効能共通〉低出生体重児及び新生児では小児よりも投与量を減じる必要がある(低出生体重児及び新生児は各臓器機能が未発達であり、血中の消失時間が長く、また、本剤の呼吸器系への作用に対しても脆弱である)〔16.6.4参照〕。
9.7.7. 〈効能共通〉6カ月未満の小児では、効果をみながら少量ずつ段階的に漸増投与する等して、呼吸数、酸素飽和度を慎重に観察すること(6カ月未満の小児では、特に気道閉塞や低換気を発現しやすい)。
9.7.8. 〈効能共通〉小児等において、激越、不随意運動(強直性痙攣/間代性痙攣、筋振戦を含む)、運動亢進、敵意、激しい怒り、攻撃性、発作性興奮、暴行などの逆説反応が起こりやすいとの報告がある。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は酸性溶液で安定であるが、pHが高くなると沈殿や白濁を生ずることがあるので、アルカリ性注射液(チオペンタールナトリウム注射液等)、リドカイン注射液との配合は避けること。
14.1.2. 輸液容器・輸液セットの使用時に本剤を乳酸リンゲル液と配合するときはポリ塩化ビニル製の輸液容器・輸液セットの使用は避けること(乳酸リンゲル液で希釈した場合、ミダゾラムはガラス製容器には吸着しなかったが、ポリ塩化ビニル製の容器には吸着したとの報告がある)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 動脈内に注射した場合、末梢壊死を起こすおそれがあるので動脈内には絶対に注射しないこと。
14.2.2. 急速に静脈内に注射した場合、あるいは細い静脈内に注射した場合には血栓性静脈炎を起こすおそれがあるので、なるべく太い静脈を選んで投与すること。
14.2.3. 静脈内に注射した場合、ときに血管痛、静脈炎があらわれることがある。
14.2.4. 筋肉内注射にあたっては、組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に注意すること。
(1). 筋肉内注射時、繰り返し注射する場合、例えば左右交互に注射するなど、筋肉内注射時同一注射部位を避けて行うこと。特に小児等には注意すること。
(2). 筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意すること。
(3). 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
(4). 筋肉内注射時、注射部位に、ときに疼痛、発赤、硬結があらわれることがある。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤は鎮痛作用を有しないので、必要ならば鎮痛剤を併用すること。

16.1 血中濃度
16.1.1 健康被験者
ミダゾラムを健康被験者に静脈内投与したときの薬物動態は、0.1~0.3mg/kgの範囲で線形であり、クリアランス(CL)、中枢コンパートメント及び末梢コンパートメントの分布容積(V1、V2)、消失半減期(t1/2)はそれぞれ0.020~0.022L/hr、0.02~0.34L、0.048~0.063L、1.82~2.68hrであった。また、健康被験者へ0.2mg/kgを筋肉内投与注1)したときのCL、分布容積(Vd)、T1/2はそれぞれ、0.024L/hr、0.066L、2.11hrであった。
注1)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
16.1.2 生物学的同等性試験
ミダゾラム注10mg「サンド」とドルミカム注射液10mgを、クロスオーバー法によりそれぞれミダゾラムとして0.10mg/kg健康成人男子に単回臀部筋肉内投与して血漿中未変化体濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
ミダゾラム注10mg「サンド」臀部筋注後の血漿中濃度推移

薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.3 分布
ミダゾラムの血漿蛋白結合率は高く、遊離型分率は約4.0%であった。帝王切開時に麻酔導入を目的として妊産婦に静脈内投与した試験から胎盤通過性及び胎児循環への移行が確認された。授乳婦にミダゾラム2.0mg注2)を単回静脈内投与したとき、投与後24時間までの乳汁中へのミダゾラム移行量は0.00008mg(0.00003~0.00026mg)であり、乳児の体重あたりに換算すると、0.000016mg/kg(0.000006~0.000053mg/kg)となった。また、ミダゾラム6mg注2)を静脈内投与後の授乳婦において、投与後0.5時間から2時間にかけて乳汁中への移行が認められたが、投与後4時間以降では検出限界未満となった。
注2)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
16.4 代謝
ヒト肝小胞体を用いたin vitro代謝試験において、1‐ヒドロキシ体及び4‐ヒドロキシ体の2つの代謝物が生成、いずれの水酸化反応にもCYP3A4が関与することが確認された。(外国人データ)[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男子にミダゾラムを単回静脈内(0.1、0.2、0.3mg/kg)注3)あるいは筋肉内(0.2mg/kg)注3)投与したとき、投与後24時間までに投与量の66.1~87.8%が1‐ヒドロキシメチル体として尿中に排出された。
注3)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 心機能障害患者
うっ血性心不全患者に冠動脈造影の前投薬としてミダゾラムを5mg注4)静脈内投与したときの半減期は健康被験者群の約2倍(6.5vs2.8時間)に延長し、CLは変わらなかった(0.48vs0.37L/hr/kg)(外国人データ)。[9.1.4参照]
注4)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
16.6.2 腎機能障害患者
ミダゾラムを15例の慢性腎不全患者に0.2mg/kg単回静脈内投与したとき、健康被験者群に対してCL及びVdは2倍に増加したが、半減期に変化は認められなかった(外国人データ)。
16.6.3 肝機能障害患者
ミダゾラムを7例のアルコール性肝硬変患者に0.075mg/kg静脈内投与したとき、8例の健康被験者群に対して、半減期は延長、CLは約50%減少し、Vdは約20%増加した(外国人データ)。[9.3参照]
16.6.4 小児等
生後1年以上の小児術後患者のCLは健康成人被験者と同様又は高値、半減期は健康成人被験者と同様又は低値であり、新生児救命救急患者では半減期が顕著に延長(6.52~12.0時間)、CLが減少(1.17~1.84mL/min/kg)したが、この原因が代謝能又は器官機能の未成熟、疾患又は衰弱のいずれにあるのかは特定されていない(外国人データ)。[9.7.5、9.7.6参照]
16.6.5 高齢者
ミダゾラムを男性健康被験者に2.5~5mg注5)静脈内投与したとき、高齢者群の消失半減期は非高齢者群(5mg静脈内投与)に比較して有意に延長し(5.6vs2.1時間)、分布容積にはほとんど差はなく(1.6vs1.3L/kg)、CLは有意に低下した(4.41vs7.75mL/min/kg)(外国人データ)。[9.8.1参照]
また、ミダゾラムを男性健康被験者に7.5mg注6)筋肉内投与したとき、高齢者群の半減期は非高齢者に比較して延長がみられ(3.3vs1.4時間)、分布容積に差はなく(1.7vs0.72L/kg)、CLは有意に低下した(3.88vs5.74mL/min/kg)(外国人データ)。[9.8.1参照]
注5)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
注6)本剤の麻酔前投薬の承認用量は、成人には0.08~0.10mg/kg筋肉内に注射する、である
16.8 その他
16.8.1 持続静脈内投与時の薬物動態
集中治療における人工呼吸管理中の術後患者13例並びに救命救急患者21例における持続静脈内投与時のCL及びVdの母集団平均値は、それぞれ183mL/min/m2及び2.05L/kgであった。薬物動態の個体差は大きく、同一投与速度による持続注入でも血漿中濃度には症例ごとに大きな拡がりが生じることが予想された。また、術後患者13例でRamsayの鎮静レベル4(大声や叩打に素早く反応する)以上に達するためのEC50値は、56.3ng/mL、救命救急患者2施設15例でRamsayの鎮静レベル5(大声や叩打に緩慢に反応する)以上に達するためのEC50値は施設ごとに194ng/mL及び251ng/mLと推定された。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈麻酔前投薬〉
17.1.1 国内臨床試験
手術患者を対象に、手術1時間前に非盲検下でミダゾラム5mg注1)を筋肉内投与したところ、92.2%(59/64例)に中等度以上の鎮静効果が得られた。副作用はなかった。
注1)本剤の麻酔前投薬の承認用量は、成人には0.08~0.10mg/kgである。
17.1.2 国内臨床試験
手術患者を対象に、手術1時間前に非盲検下でミダゾラム0.1mg/kgを筋肉内投与したところ、94.7%(36/38例)に中等度以上の鎮静効果が得られた。副作用はなかった。
〈全身麻酔の導入及び維持〉
17.1.3 国内臨床試験
手術患者を対象に、麻酔導入薬として非盲検下でミダゾラム0.1mg/kgを静脈内投与した。導入が不十分な場合、0.05mg/kgを適宜追加投与した注2)。その結果、54.7%(35/64例)で追加投与を必要とし、96.9%(62/64例)で導入状態が「円滑」又は「普通」であり、71.9%(46/64例)で深度が「十分」又は「普通」であった。副作用はしゃっくりが1例にみられた。
注2)本剤の全身麻酔の導入及び維持の承認用量は、0.15~0.30mg/kgを静脈内に注射し、必要に応じて初回量の半量ないし同量を追加投与する、である。
17.1.4 国内臨床試験
手術患者を対象に、麻酔導入薬として非盲検下でミダゾラム0.15mg/kg又は0.2mg/kgを静脈内投与した。導入が不十分な場合、適量を追加投与した。その結果、初回投与後の83.8%(62/74例)で入眠が得られ、98.6%(73/74例)で導入状態が「円滑」又は「普通」であり、82.4%(61/74例)で深度が「十分」又は「普通」であった。副作用は9件(12.2%)みられ、主な副作用は咳3件(4.1%)、体動及び呼吸抑制が2件(2.7%)であった。
17.1.5 国内臨床試験
手術患者を対象に、非盲検下でペンタゾシン(n=57)、ブプレノルフィン(n=55)又はブトルファノール(n=56)投与1分後にミダゾラム0.2mg/kgを静脈内投与した。その結果、全例で入眠が得られ、導入状態は「円滑」又は「普通」であった。99.4%(167/168例)で深度が「十分」又は「普通」であった。副作用は、ペンタゾシン群に覚醒遅延が1.8%(1/57例)、ブプレノルフィン群に呼吸抑制が1.8%(1/55例)みられた。
17.1.6 国内第II相試験
手術患者を対象に、麻酔導入時に非盲検下でミダゾラム0.2mg/kg又は0.3mg/kgを静脈内投与し、維持時の追加投与は0.1mg/kgを初回投与2時間後又は3時間後に投与した。その結果、睫毛反射の消失がみられたのは、0.2mg/kg群及び0.3mg/kg群において79%(70/89例)及び95%(77/81例)、導入状態が「円滑」又は「普通」であったのは97%(86/89例)及び91%(74/81例)、深度が「十分」又は「普通」であったのは76%(68/89例)及び86%(70/81例)であった。主な副作用は、0.2mg/kg群では嘔吐及び発汗が10件(11.1%)、悪心7件(7.7%)、0.3mg/kg群では悪心9件(10.8%)、嘔吐8件(9.6%)、発汗5件(6.0%)であった。
〈集中治療における人工呼吸中の鎮静〉
17.1.7 国内第II相試験
人工呼吸管理下の術後患者を対象に、二重盲検下でミダゾラム0.03mg/kg(n=24)又は0.06mg/kg(n=26)注3)を静脈内投与し、鎮静導入した。その結果、0.03mg/kg群の52.0%、0.06mg/kg群の90.9%が投与10分後にRamsayの鎮静レベル(以下、SS)4(大声や叩打に素早く反応する)以下となった。投与後10分までに低血圧を発現したのは、0.03mg/kg群の3例及び0.06mg/kg群の2例であった。
17.1.8 国内第II相試験
人工呼吸管理下の術後患者を対象に、非盲検下でミダゾラム0.03mg/kg/hを持続静脈内投与し、SS4を維持すべく0.015~0.3mg/kg/hの範囲注3)で投与速度を調節した。その結果、86.3%(69/80例)でSS4を維持できた時間割合が70%以上であった。SS4の維持に使用された投与速度は0.005~0.27mg/kg/h、93.8%(75/80例)が0.18mg/kg/h以下であり、0.03~0.06mg/kg/hが頻用された。主な副作用は、血圧低下14.7%(14/95例)、心房細動・心房性期外収縮2.1%(2/95例)、高ビリルビン血症2.1%(2/95例)であった。
17.1.9 国内第II相試験
重症ICU患者(n=14)を対象に、ミダゾラム0.03~0.3mg/kgを静脈内投与して鎮静導入し、さらにSS5(大声や叩打に緩慢に反応する)に達するまで20分毎に追加投与した。SS5到達後は、鎮静維持のためミダゾラム0.03~0.4mg/kg/hを持続静脈内投与した注3)。その結果、導入量0.058~0.372mg/kg、維持量0.03~0.4mg/kg/hで3~211時間持続投与により、SS5が60%以上の時間割合で維持された。主な有害事象は、低血圧7例、心拍数変動6例、心電図異常5例であった。
17.1.10 国内第II相試験
重症ICU患者(n=9)を対象に、ミダゾラム0.03~0.3mg/kgを静脈内投与して鎮静導入し、さらにSS5に達するまで15分毎に追加投与した。SS5到達後は、鎮静維持のためミダゾラム0.03~0.4mg/kg/hを持続静脈内投与した注3)。その結果、導入量0.14~0.39mg/kg、維持量0.08~0.24mg/kg/hで3~58時間持続投与された。SS5を維持できた時間割合は、くも膜下出血(疑い例含む)の5例では13~97%、その他の3例では81~98%であった(1例は有効性評価除外例)。主な副作用は、低血圧4例、総ビリルビン値異常2例であった。
注3)本剤の集中治療における人工呼吸中の鎮静の承認用量は、成人には導入期では「初回投与はミダゾラム0.03mg/kgを少なくとも1分以上かけて静脈内に注射する。より確実な鎮静導入が必要とされる場合の初回投与量は0.06mg/kgまでとする。必要に応じて、0.03mg/kgを少なくとも5分以上の間隔を空けて追加投与する。但し、初回投与及び追加投与の総量は0.30mg/kgまで」である。また、維持期では「ミダゾラム0.03~0.06mg/kg/hより持続静脈内投与を開始し、患者の鎮静状態をみながら適宜増減する。(0.03~0.18mg/kg/hの範囲が推奨される)」である。

18.1 作用機序
脳は活性化と抑制との動的な相互作用で成り立っており、抑制を調節する最大の神経伝達物質はGABA(γ‐アミノ酪酸)である。GABAは神経終末から放出され、その受容体に結合すると、イオンチャンネルを介してクロルイオンが細胞内に流入し、神経細胞の興奮性が低下する。GABA機構はGABA受容体、ベンゾジアゼピン受容体及びクロルイオンチャンネルの複合体を形成している。ミダゾラムはベンゾジアゼピン受容体に働き、ベンゾジアゼピン受容体とGABA受容体との相互作用によりGABA受容体でのGABA親和性を増し、間接的にGABAの作用を増強するとされている。
18.2 鎮静・睡眠・麻酔増強・筋弛緩作用
各種動物実験(マウス、ラット、カニクイザル)において、ミダゾラムの単回静脈内投与により他のベンゾジアゼピン系薬剤と同様の薬理学的スペクトラム(鎮静・睡眠・麻酔増強・筋弛緩作用等)を示した。これらの作用の発現は早く、かつ持続時間は短かった。なお、ミダゾラムはジアゼパムの約2倍のベンゾジアゼピン受容体への親和性を示した。また、ラットにおいてミダゾラムは単回静脈内投与時と同様に皮下持続投与によっても用量依存的な鎮静作用を発現した。ミダゾラムの皮下持続投与による鎮静作用は2週間の投与期間中ほぼ一定のレベルで推移した。

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