カルバマゼピン錠200mg「フジナガ」
添付文書情報2023年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又は三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある患者〔11.1.4参照〕。
2.2. 重篤な血液障害のある患者〔11.1.1参照〕。
2.3. 第2度以上の房室ブロック、高度徐脈<50拍/分未満>のある患者〔11.1.10参照〕。
2.4. ボリコナゾール投与中、タダラフィル<アドシルカ>投与中、リルピビリン投与中、マシテンタン投与中、チカグレロル投与中、グラゾプレビル投与中、エルバスビル投与中、ドルテグラビル・リルピビリン投与中、ダルナビル・コビシスタット投与中、アルテメテル・ルメファントリン投与中、ドラビリン投与中、イサブコナゾニウム投与中、カボテグラビル投与中、ソホスブビル・ベルパタスビル投与中、レジパスビル・ソホスブビル投与中、ニルマトレルビル・リトナビル投与中、エンシトレルビル投与中、ミフェプリストン・ミソプロストール投与中、リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン投与中、ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド投与中、DRV・COBI・FTC・TAF投与中(ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)、EVG・COBI・FTC・TAF投与中(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)の患者〔10.1参照〕。
2.5. ポルフィリン症の患者[ポルフィリン合成が増加し、症状が悪化するおそれがある]。
- 効能・効果
- 1). 精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)。
2). 躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態。
3). 三叉神経痛。
- 用法・用量
- 〈精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんのけいれん発作:強直間代発作(全般けいれん発作、大発作)の場合〉
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgを1~2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1200mgまで増量することができる。小児に対しては、年齢、症状に応じて、通常1日量100~600mgを分割経口投与する。
〈躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態の場合〉
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgを1~2回に分割経口投与し、至適効果が得られるまで(通常1日600mg)徐々に増量する。症状により1日1200mgまで増量することができる。
〈三叉神経痛の場合〉
カルバマゼピンとして通常、成人には最初1日量200~400mgからはじめ、通常1日600mgまでを分割経口投与するが、症状により1日800mgまで増量することができる。小児に対しては、年齢、症状に応じて適宜減量する。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 〈効能共通〉連用中は定期的に肝機能・腎機能、血液検査を行うことが望ましい〔9.2腎機能障害患者、9.3肝機能障害患者の項、11.1.1、11.1.5、11.1.6参照〕。
8.2. 〈効能共通〉眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3. 〈効能共通〉眠気、悪心・嘔吐、めまい、複視、運動失調等の症状は過量投与の徴候であることが多いので、このような症状があらわれた場合には、至適有効量まで徐々に減量すること(特に投与開始初期にみられることが多いため、低用量より投与を開始することが望ましい)〔13.1、13.2参照〕。
8.4. 〈効能共通〉定期的に視力検査を行うことが望ましい〔11.2参照〕。
8.5. 〈精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作:強直間代発作(全般痙攣発作、大発作)〉連用中における投与量の急激な減少ないし投与の中止により、てんかん重積状態があらわれることがあるので、投与を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行うこと(なお、高齢者、虚弱者の場合は特に注意すること)〔8.6参照〕。
8.6. 〈精神運動発作、てんかん性格及びてんかんに伴う精神障害、てんかんの痙攣発作:強直間代発作(全般痙攣発作、大発作)〉抗てんかん剤の投与により発作が悪化又は誘発されることがある。混合発作型あるいは本剤が無効とされている小発作(欠神発作、非定型欠神発作、脱力発作、ミオクロニー発作)の患者に本剤を投与する場合には状態に注意し、てんかん発作悪化あるいはてんかん発作が誘発された場合には本剤の投与を徐々に減量し中止すること〔8.5参照〕。
8.7. 〈統合失調症の興奮状態〉抗精神病薬で十分な効果が認められない場合に使用
すること。
9.1.1. 心不全、心筋梗塞等の心疾患又は第1度房室ブロックのある患者〔11.1.10参照〕。
9.1.2. 排尿困難又は眼圧亢進等のある患者:抗コリン作用を有するため症状を悪化させることがある。
9.1.3. 薬物過敏症の患者〔15.1.3参照〕。
9.1.4. 甲状腺機能低下症の患者:甲状腺ホルモン濃度を低下させるとの報告がある。
腎機能障害患者:血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(このような患者では代謝・排泄機能が低下しているため)〔8.1、11.1.6参照〕。
肝機能障害患者:血中濃度をモニターするなど慎重に投与すること(代謝・排泄機能が低下しているため)〔8.1、11.1.5参照〕。
男性の生殖能力障害と精子形成異常の報告がある。
- 相互作用
- 本剤は多くの薬剤との相互作用が報告されているが、可能性のあるすべての組み合わせについて検討されているわけではないので、他剤と併用したり、本剤又は併用薬を休薬する場合には注意すること。特に本剤の主たる代謝酵素はチトクロームP450 3A4であり、またチトクロームP450 3A4をはじめとする代謝酵素を誘導するので、これらのチトクロームP450 3A4をはじめとする代謝酵素活性に影響を与える薬剤又はこれらチトクロームP450 3A4をはじめとする代謝酵素により代謝される薬剤と併用
する場合には、可能な限り薬物血中濃度の測定や臨床症状の観察を行い、用量に留意して慎重に投与すること。
また、カルバマゼピンの主たる代謝物であるカルバマゼピン-10,11-エポキシドの代謝に関与する酵素はエポキシド加水分解酵素であり、エポキシド加水分解酵素を阻害する薬剤と併用する場合には、カルバマゼピン-10,11-エポキシドの血中濃度が上昇するおそれがあるため、可能な限り臨床症状の観察を行い、用量に留意して慎重に投与すること。
10.1. 併用禁忌:1). ボリコナゾール<ブイフェンド>、タダラフィル<アドシルカ>、リルピビリン<エジュラント>、マシテンタン<オプスミット>、チカグレロル<ブリリンタ>、グラゾプレビル<グラジナ>、エルバスビル<エレルサ>、ドルテグラビル・リルピビリン<ジャルカ>、ダルナビル・コビシスタット<プレジコビックス>、アルテメテル・ルメファントリン<リアメット>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進される)]。
2). ドラビリン<ピフェルトロ>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤の代謝酵素誘導作用により、この薬剤の代謝が促進されると予測される)]。
3). イサブコナゾニウム<クレセンバ>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤は代謝酵素を誘導する)]。
4). カボテグラビル<ボカブリア>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤がUGT1A1を誘導することにより、この薬剤の代謝が促進される)]。
5). ソホスブビル・ベルパタスビル<エプクルーサ>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤のP-gp及び代謝酵素の誘導作用により、これら薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある)]。
6). レジパスビル・ソホスブビル<ハーボニー>〔2.4参照〕[これらの薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがある(本剤のP-gp誘導作用により、これら薬剤の血漿中濃度が低下するおそれがある)]。
7). ニルマトレルビル・リトナビル<パキロビッド>〔2.4参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあり、また、これら薬剤の血中濃度が減少することで抗ウイルス作用の消失や耐性出現のおそれがある(これら薬剤がCYP3Aによる本剤の代謝を競合的に阻害し、また、本剤が代謝酵素を誘導するため)]。
8). エンシトレルビル<ゾコーバ>〔2.4参照〕[この薬剤の血中濃度が減少し作用が減弱するおそれがあり、また、本剤の血中濃度が上昇し副作用が発現しやすくなるおそれがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこの薬剤の代謝が促進され、また、この薬剤のCYP3Aに対する阻害作用により、本剤の代謝が阻害される)]。
9). ミフェプリストン・ミソプロストール<メフィーゴ>〔2.4参照〕[ミフェプリストンの血漿中濃度が低下し効果が減弱するおそれがあるので、本剤の影響がなくなるまで、この薬剤を投与しないこと(本剤の代謝酵素誘導作用により、ミフェプリストンの代謝が著しく亢進され、ミフェプリストンの血漿中濃度が著しく低下するおそれがある)]。
10). リルピビリン・テノホビル アラフェナミド・エムトリシタビン<オデフシィ>〔2.4参照〕[リルピビリン及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、この薬剤の効果が減弱するおそれがある(本剤の代謝酵素誘導作用により、リルピビンの代謝が促進され、本剤のP-gp誘導作用により、テノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するおそれがある)]。
11). ビクテグラビル・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<ビクタルビ>〔2.4参照〕[ビクテグラビル及びテノホビル アラフェナミドの血漿中濃度が低下するため、効果が減弱しこの薬剤に対する耐性が発現する可能性がある(本剤のP-gp及び代謝酵素誘導作用による)]。
12). ダルナビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド<シムツーザ>〔2.4参照〕[ダルナビル・コビシスタット及びテノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下し、この薬剤の効果が減弱するおそれがある(本剤のP-gp及び代謝酵素誘導作用による)]。
13). EVG・COBI・FTC・TAF(エルビテグラビル・コビシスタット・エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド)<ゲンボイヤ>〔2.4参照〕[エルビテグラビル及びコビシスタットの血中濃度が著しく低下する可能性があり、また、テノホビル アラフェナミドの血中濃度が低下する可能性がある(本剤のP-gp及び代謝酵素誘導作用による)]。
10.2. 併用注意:1). クエチアピン、イトラコナゾール、テラプレビル[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、また、本剤の血中濃度が上昇することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれら薬剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下し、また、これら薬剤が本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する)]。
2). クロバザム、パロキセチン[これらの薬剤の血中濃度が低下することがあり、また、本剤の血中濃度が上昇することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれら薬剤の代謝が亢進し、血中濃度が低下する。本剤の血中濃度が上昇の機序は不明である)]。
3). バルプロ酸[バルプロ酸の血中濃度を低下させることがあり、また、本剤及び本剤の代謝物の血中濃度が上昇又は本剤の血中濃度が低下することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりバルプロ酸の代謝が促進され、また、バルプロ酸は本剤の代謝物の代謝を阻害する。バルプロ酸との併用により本剤の血中濃度が上昇又は低下したとの報告があるが、機序は不明である)]。
4). イソニアジド[イソニアジドの肝毒性を増強することがあり、また、本剤の血中濃度が急速に上昇し中毒症状<眠気・悪心・嘔吐・めまい等>があらわれることがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりイソニアジドの代謝が亢進し、肝毒性を有するイソニアジド代謝物の生成が促進され、また、イソニアジドが本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する)]。
5). フェノバルビタール、リファンピシン[本剤の血中濃度が低下することがある(これらの薬剤の代謝酵素誘導作用により本剤の代謝が促進され、本剤の血中濃度が低下する)]。
6). マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン等)、アゾール系抗真菌剤<ボリコナゾールは禁忌>(ミコナゾール、フルコナゾール等)、キヌプリスチン・ダルホプリスチン、シプロフロキサシン、リトナビル、ダルナビル、フルボキサミン、ベラパミル、ジルチアゼム、シメチジン、オメプラゾール、ダナゾール、ビカルタミド[本剤の血中濃度が急速に上昇し中毒症状<眠気・悪心・嘔吐・めまい等>があらわれることがある(これらの薬剤が本剤の代謝を阻害し、本剤の血中濃度が上昇する)]。
7). アセタゾラミド[本剤の血中濃度が急速に上昇し中毒症状<眠気・悪心・嘔吐・めまい等>があらわれることがある(機序は不明である)]。
8). フェニトイン[本剤の血中濃度が低下することがあり、また、フェニトインの血中濃度を上昇又は低下させることがある(両剤とも代謝酵素誘導作用を有するため、相互に代謝が促進され、血中濃度が低下し、また、代謝競合により、フェニトインの代謝が阻害されて、フェニトインの血中濃度が上昇することがある)]。
9). プリミドン[相互に血中濃度が低下することがあり、また、本剤の代謝物の血中濃度が上昇することがある(両剤の代謝酵素誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられ、また、プリミドンが本剤の代謝物の代謝を阻害し、本剤の代謝物の血中濃度が上昇する)]。
10). エファビレンツ[相互に血中濃度が低下することがある(両剤の代謝酵素誘導作用により相互に代謝が促進されると考えられる)]。
11). テオフィリン、アミノフィリン[相互に血中濃度が低下することがある(本剤による代謝酵素誘導作用によりテオフィリンの代謝が促進され、また、併用により本剤の血中濃度が減少し、半減期が減少したとの報告がある)]。
12). 抗不安・睡眠導入剤(アルプラゾラム、ミダゾラム)、抗てんかん剤(ゾニサミド、クロナゼパム、エトスクシミド、トピラマート、ペランパネル)、トラマドール、ブプレノルフィン、抗パーキンソン剤(イストラデフィリン)、ソリフェナシン、免疫抑制剤(シクロスポリン、タクロリムス、エベロリムス)、抗うつ剤(トラゾドン、ミアンセリン、セルトラリン、ミルタザピン、三環系抗うつ剤(イミプラミン、アミトリプチリン、ノルトリプチリン等))、ブチロフェノン系精神神経用剤(ハロペリドール等)、精神神経用剤(オランザピン、アリピプラゾール、リスペリドン、ブロナンセリン、クロザピン、パリペリドン、ルラシドン)、ドネペジル、フレカイニド、エレトリプタン、ジヒドロピリジン系カルシウム拮抗剤(ニフェジピン、フェロジピン、ニルバジピン等)、ドキシサイクリン、抗ウイルス剤(HIV感染症治療薬)(サキナビル、インジナビル、ネルフィナビル、ロピナビル、ドルテグラビル・アバカビル・ラミブジン、マラビロク、エトラビリン等)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
13). ドルテグラビル・ラミブジン[ドルテグラビルの血漿中濃度をCmaxで33%・Cτで73%低下させたとの報告がある(本剤がCYP3A4及びUGT1A1を誘導することにより、ドルテグラビルの代謝が促進される)]。
14). プラジカンテル、エプレレノン、シルデナフィル、タダラフィル<シアリス>、ジエノゲスト、アプレピタント、シンバスタチン、オンダンセトロン、ラスクフロキサシン[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
15). ミラベグロン[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用及びP糖蛋白誘導作用により、ミラベグロンの代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
16). ホスアプレピタントメグルミン[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりホスアプレピタントメグルミンの活性本体アプレピタントの代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
17). 抗悪性腫瘍剤(イリノテカン、イマチニブ、ゲフィチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ、ダサチニブ、ニロチニブ、ラパチニブ、トレミフェン、タミバロテン、テムシロリムス、アキシチニブ、セリチニブ、オシメルチニブ、パルボシクリブ、イブルチニブ、ポナチニブ、アカラブルチニブ、カプマチニブ、ダロルタミド)[これらの薬剤の作用
を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
18). 抗悪性腫瘍剤(レンバチニブ)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤のP-gp及び代謝酵素の誘導作用により、レンバチニブの血中濃度が低下するおそれがある)]。
19). 副腎皮質ホルモン剤(プレドニゾロン、デキサメタゾン等)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
20). 黄体・卵胞ホルモン剤(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール等)[効果の減弱化及び不正性器出血の発現率が増大するおそれがある(本剤の代謝酵素誘導作用
によりこれらの薬剤の代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
21). ラモトリギン[ラモトリギンの血中濃度を低下させることがある(肝におけるラモトリギンのグルクロン酸抱合が促進される)]。
22). カスポファンギン[カスポファンギンの血中濃度が低下するおそれがある(本剤がカスポファンギンの取り込み輸送過程に影響し、カスポファンギンのクリアランス誘導が起こる)]。
23). 抗凝固薬:①. 抗凝固薬(ダビガトランエテキシラート)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤のP糖蛋白誘導作用により、ダビガトランの血中濃度が低下することがある)]。
②. 抗凝固薬(アピキサバン)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤のP-gp及び代謝酵素の誘導作用により、アピキサバンの代謝および排出が促進される)]。
③. 抗凝固薬(リバーロキサバン)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりリバーロキサバンのクリアランスが増加する)]。
④. 抗凝固薬(ワルファリン)[これらの薬剤の作用を減弱することがある(本剤の代謝酵素誘導作用によりワルファリンの代謝が促進され、血中濃度が低下する)]。
24). アセトアミノフェン[アセトアミノフェンの作用を減弱することがあり、また、肝障害を生じやすくなるとの報告がある(本剤の代謝酵素誘導作用により、アセトアミノフェンの代謝が促進され血中濃度が低下し、また、アセトアミノフェンから肝毒性をもつN-アセチル-p-ベンゾキノンイミンへの代謝が促進される)]。
25). シクロホスファミド[シクロホスファミドの作用を増強することがある(本剤の代謝酵素誘導作用により、シクロホスファミドの活性代謝物の濃度が上昇する)]。
26). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウにより誘導された代謝酵素が本剤の代謝を促進すると考えられている)]。
27). グレープフルーツジュース[本剤の代謝が抑制され血中濃度が上昇するおそれがあるので、本剤投与時は、グレープフルーツジュースを摂取しないよう注意すること(グレープフルーツジュースに含まれる成分が本剤の小腸での代謝酵素を抑制し、血中濃度を上昇させるためと考えられている)]。
28). アルコール[相互に作用が増強されるおそれがあるので、過度のアルコール摂取は避ける(共に中枢神経抑制作用を有するため)]。
29). 中枢神経抑制剤(ハロペリドール、チオリダジン)[相互に作用が増強されることがある(共に中枢神経抑制作用を有するため)]。
30). 利尿剤(ナトリウム喪失性利尿剤)[低ナトリウム血症・SIADHがあらわれることがあるので、ナトリウム喪失性以外の利尿剤の使用を考慮する(共に血清中のナトリウムを低下させることがある)]。
31). ジゴキシン、非脱分極性筋弛緩剤(パンクロニウム等)、アルベンダゾール[これらの薬剤の作用を減弱することがある(機序は不明である)]。
32). ヒドロキシクロロキン[本剤の作用が減弱する可能性がある(機序は不明である)]。
33). 炭酸リチウム[精神神経系症状<錯乱・粗大振戦・失見当識等>があらわれたとの報告がある(機序は不明である)]。
34). メトクロプラミド[神経症状<歩行障害・運動失調・眼振・複視・下肢反射亢進>があらわれたとの報告がある(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 再生不良性貧血、汎血球減少、白血球減少、無顆粒球症、貧血、溶血性貧血、赤芽球癆、血小板減少(いずれも頻度不明)〔2.2、8.1参照〕。
11.1.2. 中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、多形紅斑、急性汎発性発疹性膿疱症、紅皮症(剥脱性皮膚炎)(いずれも頻度不明):発熱、眼充血、顔面腫脹、口唇びらん・口腔粘膜びらんや陰部びらん、皮膚水疱や粘膜水疱、多数の小膿疱、紅斑、咽頭痛、そう痒、全身倦怠感等の異常が認められた場合には直ちに投与を中止し、適切な処置を行うこと(また、これらの症状のほとんどは本剤の投与開始から3ヵ月以内に発症することから、特に投与初期には観察を十分に行うこと)〔15.1.4参照〕。
11.1.3. SLE様症状(頻度不明):SLE様症状(蝶形紅斑等の皮膚症状、発熱、関節痛、白血球減少、血小板減少、抗核抗体陽性等)があらわれることがある。
11.1.4. 過敏症症候群(頻度不明):初期症状として発熱、発疹がみられ、更にリンパ節腫脹、関節痛、白血球増加、好酸球増多、異型リンパ球出現、肝脾腫、肝機能障害等の臓器障害を伴う遅発性の重篤な過敏症状があらわれることがある(また、発疹、発熱、肝機能障害等の症状が再燃あるいは遷延化することがあるので注意すること)。なお、ヒトヘルペスウイルス6再活性化(HHV-6再活性化)等のウイルス再活性化を伴うことが多い〔2.1、15.1.3、15.1.4参照〕。
11.1.5. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):胆汁うっ滞性肝機能障害、肝細胞性肝機能障害、混合型肝機能障害、又は肉芽腫性肝機能障害、黄疸があらわれ、劇症肝炎等に至ることがあるので、定期的に肝機能検査を行うこと〔8.1、9.3肝機能障害患者の項、15.2参照〕。
11.1.6. 急性腎障害(間質性腎炎等)(頻度不明):重篤な腎障害があらわれることがあるので、定期的に腎機能検査を実施すること〔8.1、9.2腎機能障害患者の項参照〕。
11.1.7. PIE症候群、間質性肺炎(いずれも頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、喀痰、好酸球増多、肺野浸潤影を伴うPIE症候群、間質性肺炎があらわれることがある。
11.1.8. 血栓塞栓症(頻度不明):肺塞栓症、深部静脈血栓症、血栓性静脈炎等の血栓塞栓症があらわれることがある。
11.1.9. アナフィラキシー(頻度不明):蕁麻疹、血管浮腫、循環不全、低血圧、呼吸困難等を伴うアナフィラキシーがあらわれることがある。
11.1.10. うっ血性心不全、房室ブロック、洞機能不全、徐脈(いずれも頻度不明)〔2.3、9.1.1参照〕。
11.1.11. 抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)(頻度不明):低ナトリウム血症、低浸透圧血症、尿中ナトリウム排泄量増加、高張尿、痙攣、意識障害等を伴う抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、水分摂取の制限等適切な処置を行うこと。
11.1.12. 無菌性髄膜炎(頻度不明):項部硬直、発熱、頭痛、悪心・嘔吐あるいは意識混濁等を伴う無菌性髄膜炎があらわれることがある。
11.1.13. 悪性症候群(頻度不明):発熱、意識障害、無動緘黙、強度筋強剛、嚥下困難、頻脈、血圧変動、発汗等があらわれることがあるので、このような場合には、投与を中止し、体冷却、水分補給等の全身管理と共に適切な処置を行うこと(本剤の急な中止により発現することもあるので、本剤の急な投与中止は行わないこと)、また、悪性症候群は抗精神病薬との併用時に発現しやすいので特に注意すること(なお、本症発症時には白血球増加や血清CK上昇(血清CPK上昇)がみられることが多く、また、ミオグロビン尿を伴う腎機能低下をみることがある)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)猩紅熱様発疹・麻疹様発疹・中毒疹様発疹、そう痒症、(0.1%未満)光線過敏症、蕁麻疹、潮紅、(頻度不明)血管炎、血管浮腫、呼吸困難。
2). 皮膚:(頻度不明)皮膚色素沈着、ざ瘡、丘疹、多形結節性紅斑、紫斑、多毛、苔癬様角化症、爪障害(爪甲脱落症、爪変形、爪変色等)。
3). 筋骨格系:(0.1~5%未満)筋脱力、(0.1%未満)筋痙攣、関節痛、筋痛。
4). 血液:(0.1~5%未満)リンパ節腫脹、(頻度不明)ポルフィリン症、巨赤芽球性貧血、白血球増多、好酸球増多症、網状赤血球増加症。
5). 肝臓:(5%以上)ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇、(0.1~5%未満)AST上昇。
6). 腎臓:(0.1~5%未満)蛋白尿、BUN上昇、クレアチニン上昇、(0.1%未満)頻尿、(頻度不明)乏尿、尿閉、血尿。
7). 精神神経系:(5%以上)ふらつき、眠気、めまい、(0.1~5%未満)注意力低下・集中力低下・反射運動能力低下等、立ちくらみ、抑うつ、頭痛・頭重、脱力、倦怠感、興奮、運動失調、不随意運動(振戦、アステリキシス等)、言語障害、(0.1%未満)錯乱、(頻度不明)幻覚<視覚>、幻覚<聴覚>、せん妄、知覚異常、インポテンス、末梢神経炎、口顔面ジスキネジー、舞踏病アテトーゼ、麻痺症状、攻撃的行動、激越、意識障害、鎮静、記憶障害。
8). *眼:(0.1~5%未満)複視、霧視、(0.1%未満)眼調節障害、眼振、(頻度不明)異常眼球運動(眼球回転発作)、水晶体混濁、結膜炎、眼圧上昇。
9). 心血管系:(0.1~5%未満)血圧低下、(0.1%未満)血圧上昇、(頻度不明)不整脈、刺激伝導障害。
10). 消化器:(0.1~5%未満)食欲不振、悪心・嘔吐、便秘、下痢、口渇、(頻度不明)膵炎、口内炎、舌炎、腹痛、大腸炎。
11). 内分泌、代謝系:(頻度不明)ビタミンD・カルシウム代謝異常(血清カルシウム低下等)、甲状腺機能検査値異常(T4値低下等)、血清葉酸値低下、女性化乳房、乳汁漏出、プロラクチン上昇、低ナトリウム血症、骨軟化症、骨粗鬆症、高血糖。
12). その他:(0.1~5%未満)発熱、味覚異常、浮腫、発汗、体重増加、(0.1%未満)感冒様症状(鼻咽頭炎、咳嗽等)、(頻度不明)聴覚異常(耳鳴、聴覚過敏、聴力低下、音程変化等)、脱毛、コレステロール上昇、トリグリセリド上昇、CK上昇(CPK上昇)、体液貯留、免疫グロブリン低下(IgA低下、IgG低下等)、CRP上昇。
*)〔8.4参照〕。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 9.5.1. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与し、やむを得ず本剤を妊娠中に投与する場合には、可能な限り他の抗てんかん剤との併用は避けることが望ましい(妊娠中に本剤が投与された患者の中に、奇形を有する児(二分脊椎児を含む)や発育障害児を出産した例が多いとの疫学的調査報告がある。また、本剤の単独投与に比べ、本剤と他の抗てんかん剤(特にバルプロ酸ナトリウム)の併用では口蓋裂、口唇裂、心室中隔欠損等の奇形を有する児の出産例が多いとの疫学的調査報告がある。なお、尿道下裂の報告もある)。
9.5.2. 分娩前に本剤又は他の抗てんかん剤と併用し連用した場合、出産後新生児に禁断症状(痙攣、呼吸障害、嘔吐、下痢、摂食障害等)があらわれるとの報告がある。
9.5.3. 妊娠中の投与により、新生児に出血傾向があらわれることがある。
9.5.4. 妊娠中の投与により、葉酸低下が生じるとの報告がある。
授乳しないことが望ましい(母乳中へ移行することが報告されている)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
20.1. 個装箱開封後は、遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 他の抗てんかん剤に投与変更する場合には、増悪を防止するため、通常、ジアゼパム又はバルビツール酸系化合物の併用を行うことが望ましい。
15.1.2. 血清免疫グロブリン異常(IgA異常、IgG異常等)があらわれることがある。
15.1.3. 本剤と他の抗てんかん薬(フェニトイン、フェノバルビタール)との間に交差過敏症(過敏症症候群を含む皮膚過敏症)を起こしたとの報告がある〔9.1.3、11.1.4参照〕。
15.1.4. 日本人を対象としたレトロスペクティブなゲノムワイド関連解析において、本剤による皮膚粘膜眼症候群、中毒性表皮壊死融解症及び過敏症症候群等の重症薬疹発症例のうち、HLA-A*3101保有者は58%(45/77)であり、重症薬疹を発症しなかった集団のHLA-A*3101保有者は13%(54/420)であったとの報告がある。なお、HLA-A*3101アレルの頻度は日本人では0.071-0.120との報告がある。
漢民族(Han-Chinese)を祖先にもつ患者を対象とした研究では、本剤による皮膚粘膜眼症候群及び中毒性表皮壊死融解症発症例のうち、ほぼ全例がHLA-B*1502保有者であったとの報告がある。一方、日本人を対象とした研究において本剤による重症薬疹発症例とHLA-B*1502保有との明らかな関連性は示唆されていない。
なお、HLA-B*1502アレルの頻度は漢民族では0.019-0.124、日本人では0.001との報告がある〔11.1.2、11.1.4参照〕。
15.1.5. 海外で実施された本剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患等を対象とした199のプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮及び自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高く(抗てんかん薬服用群:0.43%、プラセボ群:0.24%)、抗てんかん薬の服用群では、プラセボ群と比べ1000人あたり1.9人多いと計算された(95%信頼区間:0.6-3.9)。また、てんかん患者のサブグループでは、プラセボ群と比べ1000人あたり2.4人多いと計算されている。
15.2. 非臨床試験に基づく情報ラットにカルバマゼピンを長期間経口投与した実験(25、75及び250mg/kg、2年間)で、雌に肝腫瘍の発生が用量依存性をもって有意に認められたとの報告がある〔11.1.5参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 血清中濃度
カルバマゼピンの単独投与を受けているてんかん患者の血清中濃度と投与量の関係は添付文書の図のとおりで、個人差は大きいが、投与初期は投与量に比して高い血清中濃度が得られ(添付文書の図1)、その後は低くなる(添付文書の図2)ことが示されている。単回投与後の未変化体の血中半減期は約36時間である。
血清中濃度/投与量の比は投与開始10日までは上昇するが、その後低下し、血清中濃度は服薬日数に依存して変動することが認められるが、これは薬物代謝酵素の自己誘導によると考えられている。また、小児(6~13歳)と成人(14~64歳)の比較では、小児においてカルバマゼピン代謝速度が速いため低い値を示すものと考えられる。
図1 (服薬日数1~21日)
図2 (服薬日数22~7,833日)
16.1.2 生物学的同等性
健康成人男性12例にカルバマゼピン錠100mg「フジナガ」1錠とテグレトール錠100mg1錠(カルバマゼピンとして100mg)を2剤2期のクロスオーバー法により絶食単回経口投与して血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータについて統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
カルバマゼピンの消化管からの吸収は比較的緩徐であり、単回投与の場合、最高血中濃度は4~24時間後に得られる。
16.3 分布
カルバマゼピンは、その70~80%が血漿蛋白と結合し、唾液中の未変化体濃度は血漿中の非蛋白結合型カルバマゼピン(20~30%)をよく反映する。
16.5 排泄
単回投与後の未変化体の血中半減期は約36時間であるが、反復投与した場合には薬物代謝酵素の自己誘導が起こるため16~24時間となり、更に他の酵素誘導を起こす抗てんかん剤と併用した場合には9~10時間に短縮する。未変化体の尿中排泄率は、単回又は反復投与にかかわらず投与量の2~3%であり、主として薬理活性を有するカルバマゼピン‐10,11‐エポキシド等の代謝物として排泄される。(外国人のデータ)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈躁病、躁うつ病の躁状態、統合失調症の興奮状態〉
17.1.1 先発医薬品国内臨床試験
内因性躁病患者105例、非定型精神病患者44例、統合失調症患者77例の計226例を対象として有効性及び安全性を検討した結果、評価対象となった内因性躁病の最終全般改善度は、中等度改善以上72.0%(72/100例)、軽度改善以上88.0%(88/100例)であった。非定型精神病は中等度改善以上63.6%(28/44例)、軽度改善以上84.1%(37/44例)であり、統合失調症は中等度改善以上55.8%(43/77例)、軽度改善以上77.9%(60/77例)であった。
副作用発現率は、内因性躁病患者で53.3%(56/105例)、非定型精神病患者で40.9%(18/44例)、統合失調症患者で41.6%(32/77例)であった。主な副作用は、ふらつき22.1%(50/226例)、ねむけ18.1%(41/226例)、脱力感9.7%(22/226例)、めまい8.8%(20/226例)、たちくらみ8.4%(19/226例)等であった。
17.1.2 先発医薬品国内臨床試験(二重盲検比較試験)
治療効果判定に用いた躁うつ病患者22例(解析対象例数)を対象にカルバマゼピン(以下、CBZ群)の予防効果をプラセボ(以下、Placebo群)を対照薬とした二重盲検比較試験の結果、有効率はCBZ群で60.0%、Placebo群で22.2%でありCBZP群で有意に優れていた(U検定、Z=1.706、p<0.10)。
薬剤投与例数32例での副作用発現率は、CBZ群で56.3%(9/16例)であった。主な副作用は、不眠、倦怠・易疲労感、ねむけ、口喝、食欲不振、嘔吐であった。
17.1.3 先発医薬品国内臨床試験(二重盲検比較試験)
治療効果判定に用いた内因性躁病患者60例(解析対象例数)を対象にカルバマゼピン(以下、CBZ群)の有効性及び安全性をクロルプロマジン群(以下、CPZ群)を対照薬とした二重盲検試験で比較を行った結果、全般改善度はCBZ群で70%、CPZ群で60%であり両群間に有意差は認められなかった。
検討症例63例での副作用発現率は、CBZ群で59%、CPZ群で86%であり、両群に有意差が認められた(Fisher、p<0.05)。CBZ群で認められた主な副作用は、眠気29%、頭痛26%、皮膚症状16%、口喝15%、脱力感15%、めまい12%であった。
18.1 作用機序
カルバマゼピンは、神経細胞の電位依存性ナトリウムチャンネルの活動を制限し、その過剰な興奮を抑制することにより抗てんかん作用を現すと考えられている。
18.2 抗痙攣作用
カルバマゼピンはラットの電気ショック痙攣に対しフェノバルビタールとほとんど同等の抑制作用を示し、ストリキニーネ痙攣に対しては、ストリキニーネ2.5mg/kg腹腔内注射マウスに対し十分な痙攣抑制作用を示さないが、カルバマゼピン100mg/kg(経口)レベルでは、ジフェニルヒダントインやメフェネシンと比較して明らかに痙攣の発現を遷延させる。
ペンテトラゾール痙攣(マウス)、ピクロトキシン痙攣(マウス)に対してはそれ程強い防御作用を示さない。
18.3 キンドリングに対する作用
ネコの扁桃核刺激によるキンドリングの形成をカルバマゼピン及びフェノバルビタールは抑制し、てんかん原性獲得に対する予防効果を示すが、フェニトインは抑制しない。その際、フェノバルビタールは後発射の発展よりも臨床症状の発展を抑制するのに対し、カルバマゼピンでは後発射の発展と二次てんかん原性獲得を抑制する作用が認められている。
一方、完成されたキンドリング痙攣に対してはカルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトインのいずれもが中毒量以下の血清レベルで抑制作用(抗痙攣効果)を示す。
18.4 大脳の後発射及び誘発反応に対する作用
ネコの運動領皮質、レンズ核及び視床腹外側核の後発射はカルバマゼピンによりほとんど抑制されないか、軽度短時間抑制されるにすぎない。なお扁桃核及び海馬の後発射はかなり抑制されており、カルバマゼピンが新皮質系よりも大脳辺縁系に対しある程度選択的に作用することが示されている。
18.5 抗興奮作用
行動薬理学的には、マウスを用いた試験において、闘争行動抑制作用、常同行動抑制作用、麻酔増強作用がみられ、カルバマゼピンは鎮静、静穏作用を有することが認められている。
電気生理学的には、ウサギを用いた試験において、嗅球から大脳辺縁系に至る情動経路(嗅球-扁桃核、嗅球-海馬)の誘発電位の抑制がみられている。
18.6 三叉神経の誘発電位に対する作用
ネコを用いた実験で、カルバマゼピン10mg/kg(腹腔内)投与で顔面の皮膚の電気刺激による三叉神経の延髄レベル及び視床中心内側核で記録した誘発電位の抑制が認められている。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- 藤永製薬
- 販売会社
- 第一三共
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