ブコラム口腔用液7.5mg

添付文書情報2020年12月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤を交付する際には、本剤交付前に保護者又はそれに代わる適切な者が自己投与できるよう、本剤の投与が必要な症状の判断方法、本剤の保存方法、使用方法、使用時に発現する可能性のある副作用等を保護者又はそれに代わる適切な者が理解したことを確認した上で交付すること〔8.4参照〕。
- 禁忌
- 2.1. 重症筋無力症を有する患者[重症筋無力症の症状を悪化させるおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往を有する患者。
2.3. HIVプロテアーゼ阻害剤投与中(リトナビルを含有する製剤、ネルフィナビルメシル酸塩、アタザナビル硫酸塩、ホスアンプレナビルカルシウム水和物、ダルナビルを含有する製剤)、エファビレンツ投与中及びコビシスタット含有製剤投与中の患者〔10.1参照〕。
2.4. 急性閉塞隅角緑内障の患者[抗コリン作用により眼圧が上昇し、症状を悪化させることがある]。
2.5. ショックの患者、昏睡の患者、バイタルサインの抑制がみられる急性アルコール中毒の患者[呼吸抑制や血圧低下等の症状を悪化させるおそれがある]。
- 効能・効果
- てんかん重積状態。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 18歳以上の患者に対する有効性及び安全性は確立していない〔17.1.1参照〕。
5.2. 非けいれん性てんかん重積状態に対して、保護者又はそれに代わる適切な者が本剤を投与する場合は、重症度や患者の包括的な医療環境を考慮して、投与可能であると医師が適切に判断した患者にのみ投与すること。
- 用法・用量
- 通常、修正在胎52週(在胎週数+出生後週数)以上1歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回2.5mg、1歳以上5歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回5mg、5歳以上10歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回7.5mg、10歳以上18歳未満の患者には、ミダゾラムとして1回10mgを頬粘膜投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤のシリンジ液剤の全量を片側の頬粘膜に緩徐に投与する(体格の小さい患者や用量が多い場合は、必要に応じて両側の頬粘膜に半量ずつ投与する)。
7.2. 保護者又はそれに代わる適切な者が本剤を投与する場合は、1回分(シリンジ1本)のみの投与とするよう指導すること〔8.4.4参照〕。
7.3. 本剤は頬粘膜より吸収されるため、投与時に可能な限り本剤を飲み込まないように注意すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 無呼吸、呼吸抑制、舌根沈下、血圧低下等があらわれるおそれがあるため、医療機関で投与する場合は、本剤投与前に救急蘇生のための医療機器、薬剤等を準備しておくとともに、本剤投与中は、パルスオキシメーターや血圧計等を用いて、患者の呼吸及び循環動態を継続的に観察すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 3~6ヵ月の乳幼児に本剤を投与する場合は、患者の状態を観察することができ、必要時に救急蘇生のための医療機器、薬剤等の使用が可能な医師の監督下においてのみ行うこと〔9.7.2、11.1.1参照〕。
8.3. 本剤を追加投与(シリンジ2本目を投与)することにより、本剤の曝露量が増加する可能性があるので、やむを得ず追加投与する際には、呼吸抑制及び血圧低下等のおそれがあるため、患者の状態を十分に観察し追加投与の可否を慎重に判断し、呼吸及び循環動態の連続的な観察ができる施設においてのみ用いること。
8.4. 保護者又はそれに代わる適切な者が本剤を投与する場合は、その適用開始にあたり、医師は保護者又はそれに代わる適切な者に対して、次の点について指導すること。
また、保護者又はそれに代わる適切な者が、次の投与方法及び使用方法並びに副作用及びその対処方法等について理解し、事前に医師と十分に連携し、救急搬送の必要性を保護者又はそれに代わる適切な者が判断できることを確認した上で本剤を交付すること〔1.警告の項参照〕。
8.4.1. 本剤に関する患者向けの説明文書等を熟読し、日頃から本剤の使用方法について理解しておくこと。
8.4.2. 医師と保護者又はそれに代わる適切な者が、本剤の投与が必要となるてんかん重積状態の症状について認識を共有した上で、本剤投与前に本剤投与の必要性について確認すること。
8.4.3. 原則として本剤投与後は救急搬送の手配を行い、10分以内に発作が停止しない場合や薬剤を全量投与できなかった場合、浅表性呼吸や意識消失等が認められた場合は、医療機関に救急搬送すること。救急搬送の際、本剤投与状況の確認のため、使用済みのシリンジを医療従事者に提示すること。
8.4.4. 本剤投与後に発作が再発した場合でも、本剤を追加投与しないこと〔7.2参照〕。
8.4.5. 呼吸抑制及び徐脈等があらわれるおそれがあるため、患者の呼吸数及び脈拍数を確認し、無呼吸、呼吸抑制、脈拍数低下がないか等、患者の状態を注意深く観察するとともに、救急搬送の手配等の緊急事態の対応に備えること〔11.1.1参照〕。
8.5. 眠気、注意力・集中力・反射運動能力等の低下が起こることがあるので、危険を伴う機械の操作等に従事させないよう注意すること。
9.1.1. 呼吸不全を有する患者:本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること(本剤投与により呼吸のさらなる抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある)〔11.1.1参照〕。
9.1.2. 呼吸機能障害<呼吸不全を除く>、睡眠時無呼吸症候群を有する患者:必要時に救急蘇生のための医療機器等の使用が可能な状況下でのみ本剤を投与すること(本剤投与により呼吸状態が悪化するおそれがある)〔11.1.1参照〕。
9.1.3. 心不全を有する患者:本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること(本剤投与により呼吸のさらなる抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある)〔16.6.1参照〕。
9.1.4. 心疾患<心不全を除く>を有する患者:本剤のクリアランスが低下し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある〔16.6.1参照〕。
9.1.5. 衰弱患者:低用量の投与を考慮すること(中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある)。
9.1.6. アルコール乱用又は薬物乱用の既往を有する患者。
9.1.7. 重症の水分障害のある急性期又は重症の電解質障害のある急性期患者:十分な補液・輸液が行われるまで本剤の投与を行わないこと(脱水等により体液が不足している患者では、血圧低下を来すおそれがある)。
9.1.8. 脳器質的障害のある患者:作用が強くあらわれるおそれがある。
9.2.1. 慢性腎不全を有する患者:本剤の排泄が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
9.3.1. 重度肝機能障害患者(Child-Pugh分類C):本剤投与前に酸素吸入器、吸引器具、挿管器具等の人工呼吸のできる器具及び昇圧剤等の救急蘇生剤を手もとに準備し、救急蘇生の対応が可能な状況下でのみ、本剤を投与すること(本剤の代謝が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延して呼吸抑制や急激な血圧低下等を引き起こすおそれがある)〔16.6.3参照〕。
9.3.2. 中等度肝機能障害又は軽度肝機能障害患者:本剤の代謝が遅延し、中枢神経系への作用が増強又は遷延するおそれがある。
- 相互作用
- 本剤は主に肝薬物代謝酵素CYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:HIVプロテアーゼ阻害剤(リトナビルを含有する製剤<ノービア、カレトラ>、ネルフィナビルメシル酸塩<ビラセプト>、アタザナビル硫酸塩<レイアタッツ>、ホスアンプレナビルカルシウム水和物<レクシヴァ>、ダルナビルを含有する製剤<プリジスタ、プリジスタナイーブ、プレジコビックス、シムツーザ>)、エファビレンツ<ストックリン>、コビシスタットを含有する製剤<スタリビルド、ゲンボイヤ、プレジコビックス、シムツーザ>〔2.3参照〕[過度の鎮静や呼吸抑制を起こすおそれがある(これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する)]。
10.2. 併用注意:1). 中枢神経抑制剤(フェノチアジン誘導体、バルビツール酸誘導体、ベンゾジアゼピン系薬剤、麻薬性鎮痛剤、麻酔剤等)、モノアミン酸化酵素阻害剤、アルコール(飲酒)[鎮静・麻酔作用が増強されたり、呼吸数・収縮期血圧・拡張期血圧・平均動脈圧及び心拍出量が低下するおそれがある(これらの薬剤の中枢神経抑制作用により、本剤の中枢神経抑制作用(鎮静・麻酔作用、呼吸及び循環動態への作用)が増強される可能性がある)]。
2). 主にCYP3A4で代謝される薬剤(カルバマゼピン、クロバザム、トピラマート等)[本剤又はこれらの薬剤の作用が増強されるおそれがある(これらの薬剤との併用
により、代謝が競合的に阻害され、本剤及びこれらの薬剤の血中濃度が上昇することが考えられている)]。
3). CYP3A4を阻害する薬剤(アゾール系抗菌剤(ケトコナゾール、フルコナゾール、イトラコナゾール)、マクロライド系抗生物質(エリスロマイシン、クラリスロマイシン)、カルシウム拮抗剤(ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩)、シメチジン、アトルバスタチンカルシウム水和物等)[鎮静や呼吸抑制があらわれるおそれがある(これらの薬剤のCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する)]。
4). 抗悪性腫瘍剤(ビノレルビン酒石酸塩、パクリタキセル等)[骨髄抑制等の副作用が増強するおそれがある(本剤がチトクロームP450を阻害し、これらの薬剤の代謝を阻害し血中濃度が上昇することが考えられている)]。
5). グレープフルーツジュース[鎮静や呼吸抑制があらわれるおそれがある(グレープフルーツジュースのCYP3A4に対する阻害作用により、本剤の血中濃度が上昇する)]。
6). CYP3A4を誘導する薬剤(カルバマゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、リファンピシン等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(これらの薬剤のCYP3A4の誘導作用により、本剤の血中濃度が減少する)]。
7). ドパミン作動薬(レボドパ等)[ドパミン作動薬の作用に影響を及ぼすおそれがある(本剤がドパミン作動性神経系に影響を及ぼす可能性がある)]。
8). キサンチン製剤(テオフィリン等)[本剤の作用が減弱するおそれがある(キサンチンにより本剤の作用が阻害される可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 呼吸抑制(4.0%):無呼吸、呼吸困難、呼吸停止等があらわれるおそれがある〔8.1、8.2、8.4.5、9.1.1、9.1.2、9.5妊婦の項、9.7.2、13.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 神経系障害:(1~10%)鎮静、傾眠、(頻度不明)意識レベル低下。
2). 胃腸障害:(1~10%)悪心、嘔吐。
3). 皮膚及び皮下組織障害:(頻度不明)皮膚そう痒症、発疹、じん麻疹、血管浮腫。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること〔11.1.1参照〕。
(1). 妊娠中に他のベンゾジアゼピン系薬剤の投与を受け、出生した新生児に口唇裂(口蓋裂を伴うものを含む)等が対照群と比較して有意に多いとの疫学的調査報告がある。
(2). 妊娠末期の妊婦へ投与したとき、胎児に心拍数不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれ、又は分娩中の患者に高用量を投与したとき、胎児に心拍数不整、新生児に低血圧、哺乳困難、低体温、呼吸抑制があらわれたとの報告がある。
なお、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に哺乳困難、嘔吐、活動低下、筋緊張低下、過緊張、嗜眠、傾眠、呼吸抑制・無呼吸、チアノーゼ、易刺激性、神経過敏、振戦、低体温、頻脈等を起こすことが報告されており、これらの症状は、離脱症状あるいは新生児仮死として報告される場合もある(また、ベンゾジアゼピン系薬剤で新生児に黄疸増強を起こすことが報告されている)。
(3). 分娩前に連用した場合、出産後新生児に離脱症状があらわれることが、ベンゾジアゼピン系薬剤で報告されている。
授乳しないことが望ましい(ヒト乳汁中への移行が報告されており、また、新生児に嗜眠、体重減少等を起こすことが他のベンゾジアゼピン系化合物で報告されており、黄疸増強する可能性がある)。
- 小児等
- 9.7.1. 0~3ヵ月の乳幼児を対象とした試験は実施していない。
9.7.2. 3~6ヵ月の乳幼児に本剤を投与した場合に遅発性呼吸抑制があらわれるおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.7.3. 小児等において、激越、不随意運動(強直性痙攣/間代性痙攣、筋振戦を含む)、運動亢進、敵意、激しい怒り、攻撃性、発作性興奮、暴行などの逆説反応が起こりやすいとの報告がある。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤は1回投与分の規定量を充填した頬粘膜投与用のプレフィルドシリンジであり、その他の投与経路には用いないこと。
14.1.2. 本剤は注射剤ではないため、針、静脈内投与用チューブ又はその他の非経口投与用器具をシリンジに装着しないこと。
14.1.3. 本剤の偶発的な吸引を避けるため、咽頭気管へ挿入しないこと。
14.1.4. 誤飲・誤嚥を避けるため、本剤投与前にシリンジキャップを外し、確実に2つのキャップ(赤色キャップとその内側の白色キャップ)が外れていることを確認すること。
14.1.5. 使用済みのシリンジは再使用せず、安全に廃棄すること。
14.2. 薬剤交付時の注意シリンジはプラスチックチューブに封入された状態でプラスチックチューブのふた側を上向きにして立てて保管するよう指導すること〔20.取扱い上の注意の項参照〕。
シリンジはプラスチックチューブに封入された状態でプラスチックチューブのふた側を上向きにして立てて保管すること。プラスチックチューブのふた側を下向き又は水平方向に保管した場合、シリンジの構成部品に有効成分が吸収され、含量が低下するおそれがある〔14.2参照〕。
16.1 血中濃度
けいれん性てんかん重積状態の日本人小児患者(16例)に本剤2.5~10mg(年齢区分別用量)を単回で頬粘膜投与したときの母集団薬物動態解析の結果、血漿中ミダゾラムの個別推定値の最高血漿中濃度(Cmax)の平均値(標準偏差)は78.0(16.4)ng/mL、AUC∞の平均値(標準偏差)は5847(2599)ng・min/mLであった。
16.2 吸収
健康成人(8例)にミダゾラム5mgを頬粘膜投与した試験及び小児マラリア重症患者(8例)にミダゾラム0.3mg/kgを頬粘膜投与した試験では、ミダゾラムは速やかに吸収され、小児患者では30分以内に最高血漿中濃度に達した。健康成人にミダゾラム5mgを頬粘膜投与時の絶対的バイオアベイラビリティは、74.5%であった。小児マラリア重症患者にミダゾラム0.3mg/kgを頬粘膜投与(8例)したときのAUC∞の平均値は、静脈内投与(12例)の87%であった(外国人データ)。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したとき、母集団薬物動態解析によるミダゾラムの中央コンパートメント分布容積の母集団平均値は49.0L/5歳と推定された。
16.3.2 血漿蛋白結合率
ミダゾラムの血漿蛋白結合率は約96%であった(外国人データ)。
16.4 代謝
ミダゾラムはCYP3A4/5(新生児ではCYP3A7)によって水酸化され、グルクロン酸抱合を経て尿中に排泄される。1-OH-ミダゾラムは薬理活性物質であり、ミダゾラムの代謝物の50~70%を占める。小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したときの1-OH-ミダゾラム/ミダゾラムのAUC∞比の平均値は、年齢区分別(3ヵ月齢以上1歳未満、1歳以上5歳未満、5歳以上10歳未満、10歳以上18歳未満)で0.40~0.85であった(外国人データ)。[10.参照]
16.5 排泄
小児患者(50例)にミダゾラム約0.2mg/kgを頬粘膜投与したときの薬物動態データを用いて構築した母集団薬物動態モデルにおいて、血漿中ミダゾラムの消失半減期(t1/2)の平均値は、年齢区分別(3ヵ月齢以上1歳未満、1歳以上5歳未満、5歳以上10歳未満、10歳以上18歳未満)で2.42~4.08時間であった。
未変化体として尿中への排泄は1%未満であった(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 心不全患者
成人のうっ血性心不全患者(6例)にミダゾラム3.75mgを静脈内投与及び7.5mgを経口投与したとき、t1/2は健康成人よりも延長し(4~4.5時間vs3時間未満)、全身クリアランスは低下した(376vs551mL/分)。経口投与後のCmaxは高かったが(76vs42ng/mL)、tmaxに変化はみられなかった(外国人データ)。[9.1.3、9.1.4参照]
16.6.2 腎機能障害患者
成人の慢性腎不全患者(15例)にミダゾラム0.2mg/kgを静脈内ボーラス投与したとき、慢性腎不全患者の非結合型薬物の総クリアランス及び分布容積には健康成人との差がみられなかった(外国人データ)。
16.6.3 肝機能障害患者
成人の慢性肝疾患(肝硬変)患者(7名)にミダゾラム7.5mgを静脈内投与したとき、健康成人と比較して、血漿中ミダゾラムのクリアランスは低下し(3.34vs5.63mL/分/kg)、t1/2は延長した(7.36vs3.80時間)(外国人データ)。[9.3.1参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相臨床試験(医療機関内投与)
けいれん性てんかん重積状態を有する修正在胎52週以上18歳未満かつ体重5kg超の日本人小児患者(25例、体重範囲6.2~28.4kg)を対象に、本剤2.5~10mg(年齢区分別用量)を単回で頬粘膜投与したとき、主要有効性評価項目である奏効率〔目に見える発作が本剤単回投与後10分以内に消失し、かつ目に見える発作が単回投与後30分間認められなかった被験者の割合(%)〕は、80.0%(20/25例、95%信頼区間:[64.3、95.7]%)であり、Wald検定を用いて奏効率と事前に設定した閾値奏効率30%を比較したときの差は有意であった(p<0.001)。
副作用発現頻度は12.0%(3/25例)であり、下痢4.0%(1/25例)、鎮静4.0%(1/25例)及び呼吸抑制4.0%(1/25例)であった。[5.1参照]
17.1.2 国内第III相臨床試験(医療機関外投与)
国内第III相臨床試験(医療機関内投与)を完了した患者のうち、2例(年齢5.6歳及び6.3歳、体重14.8kg及び19.2kg)を対象に、保護者又はそれに代わる適切な者により本剤7.5mgを頬粘膜投与したとき、いずれも治療は奏効した。
副作用は傾眠1例、悪心及び嘔吐1例であった(データカットオフ日:2019年8月31日)。
18.1 作用機序
脳内における重要な抑制性神経伝達物質であるγ-アミノ酪酸(GABA)は、神経細胞のシナプス後膜上のGABAA受容体に結合すると、クロルイオンチャネルが開口し、神経細胞の興奮性が低下する。ミダゾラムはGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位に結合し、GABAA受容体とGABAの親和性を増加させ、GABAの抑制性神経伝達物質としての作用を亢進すると考えられている。
18.2 抗けいれん作用
マウスの扁桃核内カイニン酸誘発てんかん重積発作モデルにミダゾラムを腹腔内投与した結果、脳波のてんかん波形様活動低下が認められた。ラットのペンチレンテトラゾール誘発性発作モデルにおいて、ミダゾラムの静脈内投与は血漿中濃度依存的な発作抑制作用を示した。ラットの直接電気皮質刺激発作モデルにおいて、ミダゾラムの静脈内投与により抗けいれん活性の増加が示された。
- 製造販売会社
- クリニジェン
- 販売会社
おくすりのQ&A
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。
