コムタン錠100mg
添付文書情報2023年10月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 悪性症候群、横紋筋融解症又はこれらの既往歴のある患者〔8.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
- 効能・効果
- レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用によるパーキンソン病における症状の日内変動(wearing-off現象)の改善。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は症状の日内変動(wearing-off現象)が認められるパーキンソン病患者に対して使用すること。
5.2. 本剤はレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩投与による治療(少なくともレボドパとして1日300mg)において、十分な効果の得られない患者に対して使用すること。
- 用法・用量
- 本剤は単独では使用せず、必ずレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用する。
通常、成人にはエンタカポンとして1回100mgを経口投与する。
なお、症状によりエンタカポンとして1回200mgを投与することができる。
ただし、1日8回を超えないこと。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤はレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩との併用により効果が認められる薬剤であり、単剤では効果が認められない。
7.2. 本剤はレボドパの生物学的利用率を高めるため、レボドパによるドパミン作動性の副作用(ジスキネジー等)があらわれる場合があり、このため、本剤の投与開始時又は増量時には患者の状態を十分観察し、ドパミン作動性副作用がみられた場合は、本剤あるいはレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩を調節すること。
7.3. 本剤を1回200mgへ増量した場合、ジスキネジー等が発現することがあるので、増量は慎重に検討すること(また、増量した際は観察を十分に行い、これらの症状が発現した場合には症状の程度に応じて本剤の1回投与量を減量する等適切な処置を行うこと)。
7.4. 本剤の増量は慎重に行い、1回200mg、1日1600mgを超えないこと。
7.5. 肝障害のある患者では、1回200mgへの増量は必要最小限にとどめること(やむを得ず1回200mgに増量する場合には、観察を十分に行いながら特に慎重に投与すること)〔9.3.1、16.6.2参照〕。
7.6. 体重40kg未満の低体重の患者では、1回200mgへの増量は慎重に検討すること〔9.1.2参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤はレボドパの生物学的利用率を高めるため、レボドパによるドパミン作動性副作用(ジスキネジー等)があらわれる場合があり、このため、抗パーキンソン剤を併用する場合には、これらの投与量を調節するなど、患者の状態を注意深く観察しながら投与すること。
8.2. 本剤の投与を中止する場合には、パーキンソン病患者でみられる悪性症候群や横紋筋融解症が発現するおそれがあるので、患者の状態を十分観察しながら投与量を漸減し、必要に応じて併用しているレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩を増量するなど注意深く行うこと〔2.2、11.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 前兆のない突発的睡眠、傾眠、起立性低血圧があらわれることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転、高所での作業等、危険を伴う作業には従事させないように注意すること〔11.1.3参照〕。
8.4. 本剤は常にレボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併せて経口投与されるため、使用前に必ずレボドパ・カルビドパあるいはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩の電子添文に留意すること。
8.5. 本剤とレボドパの併用療法においても、レボドパ又はドパミン受容体作動薬を投与された患者と同様に、病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害が報告されているので、このような症状が発現した場合には、減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと。また、患者及び家族等に病的賭博(個人的生活の崩壊等の社会的に不利な結果を招くにもかかわらず、持続的にギャンブルを繰り返す状態)、病的性欲亢進、強迫性購買、暴食等の衝動制御障害の症状について説明すること。
9.1.1. 褐色細胞腫又はパラガングリオーマの患者:高血圧クリーゼのリスクが増大するおそれがある。
9.1.2. 体重40kg未満の低体重の患者:1回200mgを投与した場合、ジスキネジーの発現が増加することがある〔7.6参照〕。
9.3.1. 肝障害又はその既往歴のある患者:肝障害のある患者で本剤の血中濃度が上昇したとの報告がある〔7.5、16.6.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤はカテコール-O-メチルトランスフェラーゼ(COMT)阻害剤であり、COMTによって代謝される薬剤の血中薬物濃度を増加させる可能性があるので、このような薬剤と併用する場合には注意して投与すること。また、本剤は薬物代謝酵素CYP2C9を阻害することが示唆されていることから、薬物代謝酵素CYP2C9により代謝される薬剤と併用する場合には注意して投与すること〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). COMTにより代謝される薬剤(アドレナリン、ノルアドレナリン、イソプレナリン、ドパミン等)[心拍数増加、不整脈、血圧変動があらわれるおそれがあるので、吸入を含めて投与経路にかかわらず注意すること(カテコール基を有するこれらの薬剤はCOMTにより代謝されるが、本剤はこれらの薬剤の代謝を阻害し、作用を増強させる可能性がある)]。
2). 選択的MAO-B阻害剤(セレギリン等)[血圧上昇等を起こすおそれがあり、本剤とセレギリンとの相互作用は認められていないが、本剤とセレギリンを併用する場合は、セレギリンの1日量は10mgを超えないこと(選択的MAO-B阻害剤は用量の増加とともにMAO-Bの選択的阻害効果が低下し、非選択的MAO阻害による危険性があるため、本剤との併用により、生理的なカテコールアミンの代謝が阻害される可能性がある)]。
3). ワルファリン[本剤はR-ワルファリン(光学異性体)のAUCを18%増加させ、プロトロンビン比<INR値>を13%増加させたとの報告があるので、併用する場合にはINR等の血液凝固能の変動に十分注意すること(機序は不明である)]。
4). 鉄剤<服用>[鉄剤の効果が減弱するので、鉄剤と併用する場合は、少なくとも2~3時間以上あけて服用すること(本剤は消化管内で鉄とキレートを形成することがある)]。
5). イストラデフィリン[ジスキネジーの発現頻度の上昇が認められた(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 悪性症候群(1%未満):本剤の急激な減量又は投与中止により、高熱、意識障害(昏睡)、高度筋硬直、不随意運動、ショック状態、激越、頻脈、不安定血圧等があらわれ、CK上昇を伴う横紋筋融解症又は急性腎障害に至るおそれがあるので、このような場合には本剤を再投与後、漸減し、体冷却、水分補給等適切な処置を行うこと〔2.2、8.2参照〕。
11.1.2. 横紋筋融解症(頻度不明):筋肉痛、脱力感、CK上昇、血中ミオグロビン上昇及び尿中ミオグロビン上昇等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること〔2.2、8.2参照〕。
11.1.3. 突発的睡眠(1%未満)、傾眠(5%以上):前兆のない突発的睡眠、傾眠があらわれることがあるので、このような場合にはレボドパ製剤の減量、休薬又は投与中止等の適切な処置を行うこと〔8.3参照〕。
11.1.4. 幻覚(5%以上)、幻視(1~5%未満)、幻聴(1~5%未満)、錯乱(頻度不明):このような症状があらわれた場合にはレボドパ製剤の減量又は休薬等の適切な処置を行うこと。
11.1.5. 肝機能障害(頻度不明):胆汁うっ滞性肝炎等の肝機能障害があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚障害:(1%未満)多汗症、(頻度不明)紅斑性皮疹又は斑状丘疹状皮疹、蕁麻疹、紫斑、皮膚変色・毛髪変色・髭変色・爪変色。
2). 精神障害:(5%以上)不眠症、(1~5%未満)悪夢、妄想、(1%未満)不安、病的性欲亢進、(頻度不明)激越。
3). 神経系障害:(5%以上)ジスキネジー(37.5%)、ジストニー、(1~5%未満)頭痛、浮動性めまい、体位性めまい、パーキンソニズム悪化(アップダウン現象等)、(1%未満)味覚異常、運動過多、振戦、(頻度不明)失神、回転性めまい、運動低下。
4). 胃腸障害:(5%以上)便秘(20.2%)、悪心、(1~5%未満)上腹部痛、*下痢[*:このような場合には、体重減少等の原因となることがあるため、全身状態等に留意すること]、胃不快感、食欲不振、嘔吐、レッチング、消化不良、胃炎、(1%未満)腹痛、(頻度不明)鼓腸、大腸炎。
5). 肝胆道系障害:(1~5%未満)AST増加、ALT増加、(1%未満)γ-GTP増加。
6). 腎及び尿路障害:(5%以上)着色尿(14.4%)[本剤又は本剤の代謝物により尿が赤褐色に着色することがある]、(1~5%未満)尿潜血陽性、頻尿、BUN上昇。
7). 血液及びリンパ系障害:(5%以上)貧血、(1~5%未満)ヘモグロビン減少、白血球数減少、赤血球数減少、白血球数増加、(1%未満)ヘマトクリット減少、鉄欠乏性貧血。
8). 全身障害:(1~5%未満)けん怠感、末梢性浮腫、口渇、(頻度不明)疲労、無力症。
9). 筋骨格系障害:(1~5%未満)関節痛、筋痛、(1%未満)背部痛、筋痙攣。
10). その他:(1~5%未満)CK増加、LDH増加、ALP増加、血圧低下、起立性低血圧、高血圧、体重減少、転倒、(1%未満)呼吸困難、(頻度不明)細菌感染、血清鉄減少。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能(腎機能、肝機能等)が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。生殖発生毒性試験において、ラットの1000mg/kg/日投与群で胎仔骨化遅延が認められている。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)で母乳中へ移行するとの報告がある)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 麦角系ドパミン作動薬を併用(ブロモクリプチン、ペルゴリド等)した患者において、線維性合併症が報告されている。
15.1.2. 本剤はレボドパ誘発性の起立性低血圧を増悪させるおそれがあるので、起立性低血圧を引き起こすおそれのある薬剤服用中(α遮断剤、α・β遮断剤、交感神経末梢遮断剤等)の場合には注意すること。
15.1.3. 国内臨床試験(8週投与)において、本剤はUPDRS(Unified Parkinson’s Disease Rating Scale)Part1(精神機能、行動及び気分)、Part2(日常生活動作)、Part3(運動能力検査)の改善効果でプラセボ群との間に有意な差は認められなかった。
16.1 血中濃度
本剤100mg及び200mgを日本人患者に単回経口投与したとき、未変化体のCmaxはそれぞれ平均873ng/mL及び1,903ng/mL、AUC0-4はそれぞれ平均979ng・h/mL及び2,246ng・h/mLで、両パラメータは投与量にほぼ比例した。また、日本人患者でのCmax及びAUCは外国人患者での値(100mg投与時でCmax:705ng/mL、AUC0-4:835ng・h/mL、25例の平均値)と比較し高い傾向が認められた。
日本人患者に単回経口投与したときの未変化体に関する薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
日本人患者に単回経口投与したときの血漿中未変化体濃度推移(平均値±標準偏差、22例)
日本人健康成人に25~800mgを単回経口投与したとき、Cmax及びAUCは投与量にほぼ比例し、体内動態は線形であった。また、200mg及び400mgを4時間毎に4回連続投与したとき、明確な累積傾向は認められなかった。
16.2 吸収
外国人健康成人において経口投与時のバイオアベイラビリティーは約32~38%であった。日本人健康成人に空腹時又は食事後30分に経口投与した場合、両投与条件でCmax及びAUCに差はなく、食事の影響は認められなかった。
16.3 分布
本剤は主に血清アルブミンと結合し、血漿タンパク結合率は約98%であった。In vitro試験で、本剤のタンパク結合はワルファリン、サリチル酸、フェニルブタゾン、ジアゼパムによる置換を受けなかった。また、本剤はこれらの薬剤のタンパク結合に影響を与えなかった。本剤は血球へはほとんど移行しない。
16.4 代謝
本剤はZ体(in vitro COMT活性阻害作用は未変化体と同程度)への異性化を受ける。日本人健康成人における25~800mgの単回経口投与においてZ体のCmax及びAUCは未変化体(E体)の3~8%であった。また、未変化体及びZ体はグルクロン酸抱合を受ける。
ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験から、本剤はチトクロームP450 CYP2C9を阻害することが示唆された(IC50は約4μM)。
その他のP450アイソザイム(CYP1A2、CYP2A6、CYP2D6、CYP2E1、CYP3A及びCYP2C19)は阻害しない、もしくは、わずかに阻害する程度である。[10.参照]
16.5 排泄
日本人健康成人における25~800mgの単回経口投与において、未変化体及びZ体の尿中排泄率はそれぞれ0.1~0.2%及び0.1%未満であった。未変化体及びZ体のグルクロン酸抱合体の尿中排泄率はそれぞれ4.6~7.2%及び1.5~2.1%であった。本剤及び代謝物は体内から尿中及び胆汁へ排泄されると考えられる。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
外国人における経口投与において腎機能正常群(クレアチニンクリアランス〉1.12mL/秒/1.73m2)、腎機能中等度障害患者群(クレアチニンクリアランス0.60~0.89mL/秒/1.73m2)、重症障害患者群(クレアチニンクリアランス0.20~0.44mL/秒/1.73m2)、透析患者群の4群間で薬物動態パラメータを比較した結果、本剤の薬物動態に対する腎機能の重大な影響は認められなかった。透析治療患者では投与間隔の延長を必要に応じて考慮する。
16.6.2 肝機能障害患者
アルコール性肝硬変を有する外国人肝障害患者に経口投与した場合、健康成人に比べてAUC及びCmaxが約2倍高かった。本剤の主排泄経路は胆汁排泄であると考えられるため胆管閉塞患者では排泄が遅延する可能性がある。[7.5、9.3.1参照]
16.6.3 高齢者
外国人健康成人を対象とした経口投与において高齢者と非高齢者で薬物動態パラメータに差は認められなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験(Wearing‐off現象を有するパーキンソン病患者における臨床薬理試験)
日本人患者にクロスオーバー法によりレボドパ・カルビドパあるいはレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と本剤100mg、200mg又はプラセボを単回併用投与した結果、プラセボ投与に比べ本剤100mg及び200mg投与のいずれにおいても、血漿中レボドパのAUCは増大し、半減期は延長した。血漿中レボドパのCmaxについてはプラセボ投与と本剤(100mg及び200mg)投与で差は認められなかった。
日本人患者に単回経口投与後の血漿中レボドパ濃度推移(平均値±標準偏差、22例)
(レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩併用)
副作用発現頻度は、本剤100mg投与群で78.3%(18/23例)及び本剤200mg投与群で79.2%(19/24例)であった。主な副作用は、100mg群で血圧低下及びジスキネジーが各30.4%(7/23例)、心拍数減少21.7%(5/23例)、傾眠13.0%(3/23例)、200mg群で血圧低下33.3%(8/24例)、ジスキネジー及び尿変色が各20.8%(5/24例)、心拍数減少16.7%(4/24例)、傾眠12.5%(3/24例)であった。
17.1.2 国内第II相試験(二重盲検比較試験)
Wearing‐off現象を有するパーキンソン病患者341例を対象とした二重盲検比較試験において、本剤1回100mg及び1回200mgはいずれもプラセボと比較し、症状日誌に基づく起きている間のON時間(動きやすい・動けると感じる時間:レボドパ薬効発現時間)を有意に延長させた。
日本人患者に経口投与後のON時間の観察期からの変化(平均値±標準誤差)
国内二重盲検比較試験におけるON時間の変化
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、本剤100mg投与群で52.2%(59/113例)及び本剤200mg投与群で72.8%(83/114例)であった。主な副作用は、100mg群で着色尿15.9%(18/113例)、ジスキネジー増悪14.2%(16/113例)、便秘増悪10.6%(12/113例)、200mg群でジスキネジー増悪21.1%(24/114例)、着色尿14.9%(17/114例)、便秘増悪12.3%(14/114例)であった。
17.1.3 海外第III相試験
Wearing‐off現象を有するパーキンソン病患者を対象として実施された二重盲検比較試験において、本剤200mgはプラセボと比較し、症状日誌に基づく起きている間のON時間(動きやすい・動けると感じる時間:レボドパ薬効発現時間)を有意に延長、増加させた。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、本剤200mg投与群で54.1%(46/85例)であった。主な副作用は、下痢16.5%(14/85例)、悪心及び尿検査異常が各10.6%(9/85例)であった。
17.1.4 海外第III相試験
Wearing‐off現象を有するパーキンソン病患者を対象として実施された二重盲検比較試験において、本剤200mgはプラセボと比較し、症状日誌に基づく起きている時間に占めるON時間の割合を有意に延長、増加させた。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、本剤200mg投与群で82.5%(85/103例)であった。主な副作用は、ジスキネジー47.6%(49/103例)、尿検査異常29.1%(30/103例)、パーキンソニズムの増悪19.4%(20/103例)、浮動性めまい16.5%(17/103例)、悪心10.7%(11/103例)であった。
18.1 作用機序
エンタカポンは末梢COMT阻害剤であり、レボドパ・カルビドパ又はレボドパ・ベンセラジド塩酸塩と併用される。本剤は、レボドパから3‐O‐メチルドパ(3‐OMD)の代謝経路を阻害することでレボドパの生物学的利用率を増大させ、そのため血中レボドパの脳内移行を効率化する。
18.2 COMT阻害作用
18.2.1 COMT活性に対するエンタカポンの阻害作用は強く、ドパミンβ水酸化酵素、チロシン水酸化酵素、ドパ脱炭酸化酵素、MAO‐A及びMAO‐Bに対する阻害作用は弱い(in vitro)。
18.2.2 十二指腸や肝臓等の末梢COMT活性に対するエンタカポンの阻害作用は強く、線条体COMT活性に対する阻害作用は弱い(ex vivo、ラット)。
18.2.3 エンタカポンは血清レボドパのAUCを増加させ、3‐OMDのAUCを減少させる(in vivo、ラット)。
18.2.4 エンタカポンは線条体ドパミン量を増加させる(ex vivo、ラット)。
18.3 パーキンソン病モデルにおけるレボドパ作用の増強効果
18.3.1 エンタカポンはレセルピン処置マウスの運動活性に対するレボドパの作用を増強する。
18.3.2 エンタカポンは片側ドパミン神経破壊ラットの対側回転行動に対するレボドパの作用を増強する。
18.3.3 エンタカポンは1‐Methyl‐4‐phenyl‐1,2,3,6‐tetrahydropyridine(MPTP)処置マーモセットの運動活性及び運動機能障害に対するレボドパの作用を増強する。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- オリオンファーマ・ジャパン
- 販売会社
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