リルゾール錠50mg「タナベ」

添付文書情報2023年11月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 重篤な肝機能障害のある患者〔8.2、9.3.1、11.1.4参照〕。
2.2. 本剤又は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある患者〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療。
2). 筋萎縮性側索硬化症(ALS)の病勢進展の抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 努力性肺活量が理論正常値の60%未満に低下している患者では効果が期待できないので、投与を行わないこと。
5.2. 米国神経学会の勧告では、次記の(1)~(4)を満たす患者への適用を推奨するとされている。
(1). World Federation of Neurology(WFN;世界神経学会)の基準(他の原因によって進行性筋萎縮となった場合は除く)で“definite”または“probable”であること。
(2). 罹病期間が5年未満であること。
(3). 努力性肺活量が理論正常値の60%以上であること。
(4). 気管切開未実施例であること。
- 用法・用量
- 通常、成人には本剤を1回1錠、1日2回(朝及び夕食前)、リルゾールとして1日量100mg(本剤2錠)を経口投与する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤を投与する場合は次の本剤の有効性及び安全性にかかる事項について、患者又は患者に十分な同意の能力がない場合は代諾者に説明し、本剤投与にあたっての同意を得ること。
・ 国内第3相二重盲検試験における安全性は18ヵ月の期間で確認された〔17.1.1参照〕。
・ 国内第3相二重盲検試験において、プライマリ・エンドポイントである「一定の病勢進展」又は「死亡」までの期間について、プラセボに対する本剤の有効性は検証されなかった。また、観察期間18ヵ月の使用成績調査における生存率は、国内第3相二重盲検試験と同程度であった〔17.1.1、17.2.1参照〕。
8.2. 本剤は肝疾患の既往歴のない患者でも血清トランスアミナーゼ上昇等(AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、ビリルビン上昇等)させることがあるので、本剤の投与に際しては、適応患者の選択を適切に行うこと。なお、本剤投与前及び投与中はALTを含むトランスアミナーゼを定期的に測定することが望ましく、また、ALT上昇がみられた場合には、より頻回にALTを測定し、必要ならば、投与中止を検討すること。
海外でのALS患者約800例を対象とした試験より、ALTについては約8%に正常値上限の3倍以上、約2%に正常値上限の5倍以上の上昇がみられた〔2.1、9.3.1、9.3.2、11.1.4参照〕。
8.3. 赤血球数減少がみられることがあるので、本剤投与前及び投与中は赤血球数を測定することが望ましい。
8.4. 増量しても効果の増強は期待できず、また副作用の頻度及び程度が増大するおそれがあるので、定められた用量を守ること。
8.5. 本剤の投与中に、めまい又は眠気が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作には従事させないように注意すること。
9.1.1. 発熱を有し感染症が疑われる患者:好中球減少があらわれることがある〔11.1.2参照〕。
腎機能低下している患者を対象とした臨床試験は実施していない。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:投与しないこと〔2.1、8.2、11.1.4参照〕。
9.3.2. 肝機能異常の既往歴のある患者又は肝機能障害<重篤な肝機能障害を除く>のある患者:肝機能を悪化させるおそれがある(本剤は主として肝で代謝される)〔8.2、11.1.4参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:CYP1A2阻害剤(テオフィリン、カフェイン、クロミプラミン、アミトリプチリン、イミプラミン、ジクロフェナク、ニューキノロン系薬剤のエノキサシン水和物等)[慎重に投与(ヒト肝ミクロソームを用いたin vitro試験においてチトクロームP-450の分子種であるCYP1A2はリルゾールの酸化的代謝を伴う主要な酵素であることが示唆されており、これらの薬剤は、本剤の排泄を遅延させる可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):血管浮腫、呼吸困難、喘鳴、発汗等の異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
11.1.2. 好中球減少:重篤な好中球減少(0.1%未満)の報告があるので、発熱が認められた場合には直ちに白血球数を測定し、好中球減少が認められた場合には投与を中止すること〔9.1.1参照〕。
11.1.3. 間質性肺炎(0.1%):発熱、咳嗽、呼吸苦等の呼吸器症状があらわれた場合には、速やかに胸部X線等の検査を実施し適切な処置を行うこと。
11.1.4. 肝機能障害(0.2%)、黄疸(0.1%):著しいAST上昇、著しいALT上昇、著しいγ-GTP上昇、著しいAl-P上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある〔2.1、8.2、9.3.1、9.3.2参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(5%以上*)AST上昇、ALT上昇、(1~5%未満)γ-GTP上昇、Al-P上昇、総ビリルビン上昇。
2). 消化器:(1~5%未満)悪心・嘔吐、食欲不振、便秘、下痢、腹痛、(0.1~1%未満)味覚障害、※膵炎[※:膵炎があらわれるとの報告があるので、突然の激しい腹痛があらわれた場合には膵酵素値上昇に注意すること]、アミラーゼ上昇。
3). 精神神経系:(1~5%未満)めまい、(0.1~1%未満)口内のしびれ感・舌のしびれ感、傾眠、不眠症、うつ、口周囲感覚異常、筋緊張亢進、(0.1%未満)不安。
4). 血液:(1~5%未満)赤血球減少、ヘモグロビン減少、ヘマトクリット値減少。
5). 腎臓:(0.1~1%未満)BUN上昇、尿蛋白上昇。
6). 皮膚:(1~5%未満)発疹、(0.1~1%未満)皮膚そう痒。
7). 循環器:(0.1%未満)頻脈。
8). 筋・骨格系:(0.1~1%未満)筋痙攣、背部痛、(頻度不明)関節炎。
9). その他:(1~5%未満)無力感、(0.1~1%未満)頭痛、倦怠感、発熱、浮腫、(0.1%未満)疼痛、頭重、(頻度不明)体重減少。
*)発現頻度は承認時までの臨床試験、使用成績調査、及び特別調査を合わせて算出したものである。
- 高齢者
- 副作用の発現に注意すること(一般に生理機能(肝機能等)が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと。ラット妊娠前及び妊娠初期投与試験において、高用量投与時(15mg/kg/日)に胎仔骨化遅延が、また、ラット及びウサギの器官形成期投与試験において、軽度の胎仔外表異常及び胎仔内臓異常が用
量非依存的に認められたとの報告がある〔2.3参照〕。
授乳しないことが望ましい(動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
アルミピロー開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 本邦の臨床試験において、術後大腸癌に対しカルモフールを併用していた例で死亡例が1例報告されている。
15.1.2. 海外の臨床試験において、ヘモグロビン減少及びヘマトクリット値減少はリルゾール投与群で多く見られた。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 動物実験(イヌ)において溶血性貧血が報告されている。
15.2.2. 多くの遺伝毒性試験が行われており、ほとんどの試験で陰性の結果が得られている。ただし、マウスリンパ腫細胞を用いた一部の試験で遺伝毒性試験陽性の結果が得られている。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
日本人健康成人男子8例にリルゾール50mg注)を空腹時単回経口投与した時の最高血漿中濃度(Cmax)などは次表のとおりであった。
リルゾール50mg空腹時単回経口投与における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 生物学的同等性試験
リルゾール錠50mg「ニプロ」とリルテック錠50のそれぞれ1錠(リルゾールとして50mg)を、クロスオーバー法により健康成人男子に絶食単回経口投与して血漿中リルゾール濃度を測定した。得られた薬物動態パラメータ(AUC0→24hr、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中リルゾール濃度推移
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.5 排泄
日本人健康成人男子9例にリルゾール50mg注)を1日2回13日間反復経口投与(1日及び13日目は1日1回、3~12日目は1日2回、2日目は休薬、合計22回投与)した時の尿中排泄率は、未変化体として1~2%、未変化体及びそのグルクロン酸抱合体として16~25%(最終投与後48時間)であった。
また、海外健康成人男子16例を対象にリルゾール100mgを単回経口投与した時の絶対生物学的利用率は60~64%であった。
注)本剤の筋萎縮性側索硬化症に対し承認されている用法・用量は100mg/日、1日2回である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第3相臨床試験
全国48施設で実施された第3相二重盲検試験(総投与例数:リルゾール100mg/日投与群101例、プラセボ投与群99例)において、プライマリ・エンドポイントである「一定の病勢進展」又は「死亡」までの期間について、プラセボに対するリルゾールの有効性は検証されなかった(リルゾールの臨床試験期間(18ヵ月)において、プライマリ・エンドポイントを「死亡」とした場合の生存率は、リルゾール群63.3%)。
安全性について、98例中67例(68.4%)に副作用がみとめられた。主な副作用はALT増加29件(29.6%)、AST増加24件(24.5%)、γ‐GTP増加及び赤血球数減少各15件(15.3%)であった。[8.1参照]
17.1.2 海外臨床試験
海外では、「死亡」あるいは「レスピレータ装着のための挿管又は気管切開」までの期間(生存期間)をプライマリ・エンドポイントとした、2つのpivotalな試験が実施された。
7施設で実施された二重盲検試験(総症例数:リルゾール100mg/日投与群77例、プラセボ投与群78例)の結果、生存期間の中央値は全症例に対してリルゾール群532日、プラセボ群は449日、球発症型症例に対してそれぞれ476日、239日であり、統計学的な有意差は認められないもののリルゾール投与群の生存期間が長かった。
7ヵ国(米国、フランス、カナダ、イギリス、ベルギー、ドイツ、スペイン)で実施された二重盲検試験(総症例数:リルゾール50mg/日投与注1)群237例、100mg/日投与群236例、200mg/日投与注1)群244例、プラセボ投与群242例)の結果、18ヵ月後もしくは試験打ち切り日における生存率はリルゾール50mg群55.3%、100mg群56.8%、200mg群57.8%、プラセボ群50.4%であり、統計学的な有意差は認められないもののリルゾール100mg群はプラセボ群よりも生存率が高かった(層別Log‐rank検定、両側p=0.076)。また、リルゾールの全投与量群を合わせた生存率は56.6%であり、プラセボ群との間に有意な差が認められた(層別Log‐rank検定、両側p=0.048)。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 使用成績調査
観察期間18ヵ月の使用成績調査(有効性解析対象症例1,513例)において、「死亡」又は「気管切開を伴うレスピレータ装着」をイベントと定義した場合のイベント非発生率は54.6%であった。
また、「死亡」をイベントと定義した場合のイベント非発生率は63.2%であった。
安全性解析対象症例1,997例中、567例(28.4%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用はALT上昇138件(6.9%)、AST上昇132件(6.6%)、悪心、γ‐GTP上昇各75件(各3.8%)等であった。また、18ヵ月を超えて投与した485例において、副作用発現率は、20.2%であった。[8.1参照]
17.2.2 特別調査
海外第3相二重盲検試験の被験者と同様の患者注2)を対象とした観察期間18ヵ月の特別調査(有効性解析対象症例781例)において、「死亡」又は「気管切開を伴うレスピレータ装着」をイベントと定義した場合のイベント非発生率は64.9%であった。また、「死亡」をイベントと定義した場合のイベント非発生率は73.6%であった。
安全性解析対象症例826例中、232例(28.1%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められ、主な副作用はALT上昇89件(10.8%)、AST上昇79件(9.6%)、γ‐GTP上昇36件(4.4%)、悪心35件(4.2%)等であった。また、18ヵ月を超えて投与した233例において、副作用発現率は、26.6%であった。
注1)本剤の筋萎縮性側索硬化症に対し承認されている用法・用量は100mg/日、1日2回である。
注2)次記、①~⑤を満たす患者
①18歳以上75歳以下であること
②World Federation of Neurologyの基準(他の原因によって進行性萎縮となった場合は除く)で、“definite”又は“probable”であること
③罹病期間が5年未満であること
④調査開始時点より2ヵ月以内の努力性肺活量が理論正常値の60%以上であること
⑤気管切開未実施例であること
18.1 作用機序
本剤の作用機序は完全には解明されていないが、各種in vitro、in vivoの試験において、グルタミン酸遊離阻害、興奮性アミノ酸受容体との非競合的な阻害、電位依存性Na+チャネルの阻害等の作用を有しており、これらが単独あるいは複合して神経細胞保護作用を発現するものと考えられる。
18.2 薬理作用
18.2.1 ALS病態に関連した試験
(1)培養ラット大脳皮質ニューロンを用いたin vitro試験において、リルゾールはALS患者の脳脊髄液への曝露による神経細胞死を抑制することが示された。
(2)家族性ALSの原因遺伝子の1つとして、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD1)の突然変異が同定されている。リルゾールは変異ヒトSOD1遺伝子を過剰発現させたトランスジェニックマウスの生存期間を延長した。
18.2.2 神経細胞保護作用
(1)培養ラット脊髄運動ニューロンを用いたin vitro試験において、リルゾールはグルタミン酸及びグルタミン酸取り込み阻害剤による神経細胞死を抑制した。
(2)ラット脳海馬スライスを用いたin vitro試験において、リルゾールは興奮性アミノ酸受容体アゴニストのNMDA(N‐メチル‐D‐アスパラギン酸)又は電位依存性Na+チャネルアゴニストのベラトリジンによる神経細胞死を抑制した。
- 一包可:条件付可
無包装状態試験:湿度条件→含量規格外低下(1カ月の時点では変化なし)
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- ニプロESファーマ
- 販売会社
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