リバスチグミンテープ18mg「サワイ」

添付文書情報2023年08月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分又はカルバメート系誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 軽度及び中等度のアルツハイマー型認知症における認知症症状の進行抑制。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. アルツハイマー型認知症と診断された患者にのみ使用すること。
5.2. 本剤がアルツハイマー型認知症の病態そのものの進行を抑制するという成績は得られていない。
5.3. アルツハイマー型認知症以外の認知症性疾患において本剤の有効性は確認されていない。
5.4. 他の認知症性疾患との鑑別診断に留意すること。
5.5. 本剤の使用が適切であるか、次に示す本剤の特性を十分に理解した上で慎重に判断すること。
5.5.1. 国内臨床試験において、本剤の貼付により高頻度に適用部位皮膚症状が認められている。
5.5.2. 通常、本剤は維持量に到達するまで12週間以上を要する(開始用量を1日1回4.5mgとし、原則として4週毎に4.5mgずつ増量する場合)。
- 用法・用量
- 通常、成人にはリバスチグミンとして1日1回4.5mgから開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持量として1日1回18mgを貼付する。また、患者の状態に応じて、1日1回9mgを開始用量とし、原則として4週後に18mgに増量することもできる。
本剤は背部、上腕部、胸部のいずれかの正常で健康な皮膚に貼付し、24時間毎に貼り替える。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. リバスチグミンとして1日1回9mgより投与を開始し、原則として4週後に1日1回18mgまで増量する投与方法については、副作用(特に、消化器系障害(悪心、嘔吐等))の発現を考慮し、本剤の忍容性が良好と考えられる場合に当該漸増法での投与の可否を判断すること。
7.2. 本剤を慎重に投与することが推奨される患者については、リバスチグミンとして1日1回4.5mgより投与を開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ1日1回18mgまで増量する投与方法を選択すること〔9.1.1-9.1.8、9.3.1参照〕。
7.3. 1日18mg未満は有効用量ではなく、漸増又は一時的な減量を目的とした用量であるので、維持量である18mgまで増量すること。
7.4. 本剤は、維持量に到達するまでは、1日量として18mgを超えない範囲で症状により適宜増減が可能である。消化器系障害(悪心、嘔吐等)がみられた場合は、減量するかこれらの症状が消失するまで休薬する(休薬期間が4日程度の場合は、休薬前と同じ用量又は休薬前に忍容であった用量で投与を再開し、休薬期間が4日程度以外の場合は本剤の開始用量(4.5mg又は9mg)を用いて投与を再開し、投与再開後は、再開時の用量を2週間以上投与し、忍容性が良好であることを確認した上で、減量前の用量までは2週間以上の間隔で増量する)。
7.5. 原則として、1日1回につき1枚のみ貼付すること〔14.2.6参照〕。
7.6. 他のコリンエステラーゼ阻害作用を有する同効薬<アルツハイマー型認知症>(ドネペジル等)と併用しないこと。
7.7. 医療従事者又は介護者等の管理のもとで投与すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤投与で効果が認められない場合には、漫然と投与しないこと。
8.2. アルツハイマー型認知症は自動車の運転等の機械操作能力を低下させる可能性があり、又、本剤は主に投与開始時又は増量時にめまい・傾眠を誘発することがあるので自動車の運転等の危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意すること。
8.3. 本剤の貼付により皮膚症状があらわれることがあるため、貼付箇所を毎回変更すること。皮膚症状があらわれた場合には、ステロイド軟膏又は抗ヒスタミン外用剤等を使用するか、本剤の減量又は一時休薬、あるいは使用を中止するなど適切な処置を行うこと〔14.2.5参照〕。
8.4. 本剤を同一箇所に連日貼付・除去を繰り返した場合、皮膚角質層剥離等が生じ、血中濃度増加するおそれがあるため、貼付箇所を毎回変更すること〔14.2.5参照〕。
8.5. 本剤の貼り替えの際、貼付している製剤を除去せずに新たな製剤を貼付したために過量投与となり、重篤な副作用が発現した例が報告されているので、貼り替えの際は先に貼付している製剤を除去したことを十分確認するよう患者及び介護者等に指導すること〔13.1参照〕。
8.6. 嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがある。脱水により、重篤な転帰をたどるおそれがあるので、嘔吐あるいは下痢がみられた場合には、観察を十分に行い適切な処置を行うこと〔11.1.7参照〕。
8.7. アルツハイマー型認知症患者では、体重減少が認められることがあり、また、本剤を含むコリンエステラーゼ阻害剤の投与により、体重減少が報告されているので、治療中は体重の変化に注意すること。
9.1.1. 洞不全症候群又は伝導障害(洞房ブロック、房室ブロック)等の心疾患のある患者:迷走神経刺激作用により徐脈又は不整脈が起こるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.2. 心筋梗塞、弁膜症、心筋症等の心疾患、電解質異常(低カリウム血症等)等のある患者、QT延長又はその既往歴・家族歴のある患者:徐脈、房室ブロック、QT延長、Torsade de pointes等が起こるおそれがあるため、重篤な不整脈に移行しないよう観察を十分に行うこと〔7.2、11.1.1参照〕。
9.1.3. 胃潰瘍又は十二指腸潰瘍のある患者、あるいはこれらの既往歴のある患者:胃酸分泌量が増加し、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.4. 尿路閉塞のある患者又はこれを起こしやすい患者:排尿筋を収縮させ症状を誘発又は悪化させるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.5. てんかん等の痙攣性疾患又はこれらの既往歴のある患者:痙攣閾値を低下させ痙攣発作を誘発させるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.6. 気管支喘息又は閉塞性肺疾患、あるいはこれらの既往歴のある患者:気管支平滑筋の収縮及び気管支粘液分泌の亢進により症状を悪化させるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.7. 錐体外路障害(パーキンソン病、パーキンソン症候群等)のある患者:線条体のコリン系神経を亢進することにより、症状を悪化させるおそれがある〔7.2参照〕。
9.1.8. 低体重の患者:消化器系障害(悪心、嘔吐等)を発現しやすくなるおそれがある〔7.2参照〕。
9.3.1. 重度の肝機能障害患者:治療上やむを得ないと判断される場合にのみ投与すること(血中濃度が上昇するおそれがあり、また、重度肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)〔7.2、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。本剤のチトクロームP450(CYP)による代謝はわずかである。
10.2. 併用注意:1). コリン作動薬(アセチルコリン、カルプロニウム、ベタネコール、アクラトニウム)、コリンエステラーゼ阻害剤(アンベノニウム、ジスチグミン、ピリドスチグミン、ネオスチグミン等)[コリン刺激作用が増強されコリン系副作用<悪心・嘔吐・徐脈等>を引き起こす可能性がある(本剤と同様にコリン作動性作用を有している)]。
2). 抗コリン作用を有する薬剤(トリヘキシフェニジル、ピロヘプチン、マザチコール、メチキセン、ビペリデン等)、アトロピン系抗コリン剤(ブチルスコポラミン、アトロピン等)[本剤と抗コリン作用を有する薬剤のそれぞれの効果が減弱する可能性がある(本剤と抗コリン作用を有する薬剤の作用が相互に拮抗する)]。
3). サクシニルコリン系筋弛緩剤(スキサメトニウム等)[サクシニルコリン系筋弛緩剤の作用が過剰にあらわれるおそれがある(本剤がコリンエステラーゼを阻害し、脱分極性筋弛緩剤の分解を抑制する)]。
4). 非ステロイド性消炎鎮痛剤[胃潰瘍又は十二指腸潰瘍を誘発又は悪化させるおそれがある(コリン系の賦活により胃酸分泌量が増加する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 狭心症(0.3%)、心筋梗塞(0.3%)、徐脈(0.8%)、房室ブロック(0.2%)、洞不全症候群(頻度不明)、QT延長(0.6%)〔9.1.2参照〕。
11.1.2. 脳卒中(0.3%)、痙攣発作(0.2%):一過性脳虚血発作、脳出血及び脳梗塞を含む脳卒中、痙攣発作があらわれることがある。
11.1.3. 食道破裂を伴う重度嘔吐、胃潰瘍(いずれも頻度不明)、十二指腸潰瘍、胃腸出血(いずれも0.1%)。
11.1.4. 肝炎(頻度不明)。
11.1.5. 失神(0.1%)。
11.1.6. 幻覚(0.2%)、激越(0.1%)、せん妄、錯乱(いずれも頻度不明)。
11.1.7. 脱水(0.4%):嘔吐あるいは下痢の持続により脱水があらわれることがあるので、このような場合には、補液の実施及び本剤の減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと〔8.6参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1%未満)尿路感染。
2). 血液及びリンパ系障害:(1%未満)貧血、好酸球増加症。
3). 代謝及び栄養障害:(5%以上)食欲減退、(1%未満)糖尿病。
4). 精神障害:(1%未満)不眠症、うつ病、落ち着きのなさ、(頻度不明)不安、攻撃性、悪夢。
5). 神経系障害:(1~5%未満)浮動性めまい、頭痛、(1%未満)傾眠、振戦。
6). 心臓障害:(1%未満)上室性期外収縮、頻脈、心房細動。
7). 血管障害:(1~5%未満)高血圧。
8). 胃腸障害:(5%以上)嘔吐、悪心、(1~5%未満)下痢、腹痛、胃炎、(1%未満)消化不良、(頻度不明)膵炎。
9). 皮膚及び皮下組織障害:(5%以上)接触性皮膚炎、(1%未満)発疹、湿疹、紅斑、皮膚そう痒症、多汗症、アレルギー性皮膚炎、(頻度不明)蕁麻疹、皮膚水疱。
10). 腎及び尿路障害:(1~5%未満)血尿、(1%未満)頻尿、蛋白尿、尿失禁。
11). 全身障害:(1%未満)疲労、無力症、けん怠感。
12). 適用部位障害:(5%以上)適用部位紅斑、適用部位そう痒感、適用部位浮腫、(1~5%未満)適用部位皮膚剥脱、適用部位疼痛、適用部位亀裂、適用部位皮膚炎、(1%未満)適用部位反応、適用部位腫脹、適用部位刺激感、(頻度不明)適用部位過敏反応。
13). 臨床検査:(1~5%未満)体重減少、血中アミラーゼ増加、(1%未満)肝機能検査異常、コリンエステラーゼ減少。
14). その他:(1%未満)転倒・転落、末梢性浮腫、(頻度不明)縮瞳。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(ラット、ウサギ)において、リバスチグミン又はその代謝物の胎仔への移行が認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット)において、乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. 使用するまでは小袋内で保管すること。
14.1.2. 小児の手及び目の届かない、高温にならない所に保管すること。
14.2. 薬剤貼付時の注意14.2.1. 本剤は、背部、上腕部又は胸部の正常で健康な皮膚で、清潔で乾燥した体毛が少ない、密着した衣服を着用してもこすれない箇所に貼付すること。
14.2.2. 貼付箇所の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。
14.2.3. 皮膚の損傷又は湿疹・皮膚炎等がみられる箇所には貼付しないこと。
14.2.4. 貼付する箇所にクリーム、ローション又はパウダーを塗布しないこと。
14.2.5. 皮膚刺激を避けるため、貼付箇所を毎回変更し、繰り返し同一箇所には貼付しないこと〔8.3、8.4参照〕。
14.2.6. 原則、1回につき1枚のみ貼付し、貼付24時間後に新しい製剤に貼り替えること〔7.5参照〕。
14.2.7. 本剤が剥がれた場合は、その時点で新しい製剤に貼り替え、翌日より通常通りの時間に貼り替えを行うこと。
14.3. 薬剤貼付後の注意14.3.1. 貼付24時間後も本剤の成分が残っているので、使用済みの製剤は接着面を内側にして折りたたみ、小児の手及び目の届かない所に安全に廃棄すること。
14.3.2. 本剤を扱った後は、手を眼に触れず、手を洗うこと。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
健康成人にリバスチグミン経皮吸収型製剤9mgもしくは18mgを1日1回反復投与(5日間貼付)したときの投与5日目の薬物動態パラメータは次のとおりであった。血漿中リバスチグミンは貼付8時間後に最高血漿中濃度(Cmax)に到達し、貼付24時間後(貼付終了時)まで緩やかに減少した。Cmaxはリバスチグミン経皮吸収型製剤9mgで3.39±1.44ng/mL、18mgで8.27±2.31ng/mL(平均値±標準偏差)であった。
健康成人にリバスチグミン経皮吸収型製剤9mgもしくは18mgを5日間反復投与したときの投与5日目の血漿中薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
リバスチグミン経皮吸収型製剤18mgを除去後の血漿中リバスチグミン濃度の消失半減期は3.3時間であった。いずれの用量でもリバスチグミンのリバスチグミン経皮吸収型製剤からの放出率は含量の約50%であった。
血漿中リバスチグミン濃度は投与開始3日で定常状態に到達した。リバスチグミン経皮吸収型製剤9mgの初回投与日及び投与5日目のAUC0-24h比から求めた累積率は1.34であった。
16.1.2 生物学的同等性試験
リバスチグミンテープ18mg「サワイ」とイクセロンパッチ18mgを健康成人男子にそれぞれ1枚(リバスチグミンとして18mg)単回経皮投与(貼付時間24時間)し、血漿中リバスチグミン濃度を測定した(クロスオーバー法)。得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.80)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。
各製剤1枚貼付時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度ならびにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
16.2 吸収
背部、上腕部、胸部に貼付したとき、リバスチグミンの曝露量には貼付部位間で差が認められなかった(外国人のデータ)。
16.3 分布
リバスチグミンの血漿中蛋白結合率は、リバスチグミン経皮吸収型製剤投与後の血漿中濃度付近で約40%であった(in vitro)。
16.4 代謝
リバスチグミンは、主にエステラーゼにより加水分解され、その後硫酸抱合を受ける。CYPによる代謝はわずかである。
16.5 排泄
リバスチグミンの排泄は代謝物の腎排泄が主である。健康成人に[14C]標識リバスチグミンを経口投与したとき、90%以上が尿中へ排泄され、糞中への排泄は1%未満であった(外国人のデータ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
リバスチグミン経皮吸収型製剤で肝機能障害患者を対象とした薬物動態試験は実施されていない。なお、リバスチグミンの経口剤(国内未承認)を、Child‐Pughスコアが5~12の肝硬変患者に単回投与したとき、健康成人と比較してリバスチグミンのAUCが約130%、Cmaxが約60%上昇した(外国人のデータ)。[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
リバスチグミン経皮吸収型製剤の薬物間相互作用を検討した試験はない。リバスチグミンの経口剤(国内未承認)について、ジゴキシン、ワルファリン、ジアゼパム、フルオキセチンとの薬物動態学的相互作用を検討した結果、リバスチグミンの薬物動態に対する併用薬の影響は認められなかった。リバスチグミンは主にエステラーゼにより代謝され、CYPによる代謝はわずかであることから、CYPを阻害する薬物と併用してもリバスチグミンの薬物動態は影響を受けないと考えられる。また、リバスチグミン経皮吸収型製剤18mgを貼付したときのリバスチグミンのCmaxはCYPに対するIC50値より十分低いことから、CYPにより代謝される併用薬の薬物動態に影響を及ぼす可能性は低いと考えられる。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相/第III相試験
軽度及び中等度(ミニメンタルステート検査(MMSE):10~20点)のアルツハイマー型認知症患者を対象としたリバスチグミン経皮吸収型製剤のプラセボ対照二重盲検比較試験(24週間投与)の概要は次のとおりである。
(1)認知機能検査(ADAS‐J cog)
投与24週時のベースラインからの変化量(平均値)は、プラセボ群で1.3点、リバスチグミン経皮吸収型製剤18mg群で0.1点であり、プラセボ群とリバスチグミン経皮吸収型製剤18mg群間には統計学的に有意な差がみられた(p=0.005、共分散分析)。
日本人患者に対する投与24週時のADAS‐J cogの群間比較
→図表を見る(PDF)
(2)全般臨床評価(CIBIC plus‐J)
投与24週時の全般臨床評価では、プラセボ群とリバスチグミン経皮吸収型製剤18mg群間には統計学的に有意な差はみられなかった(p=0.067、Wilcoxon順位和検定)。
日本人患者に対する投与24週時のCIBIC plus‐Jの群間比較
→図表を見る(PDF)
副作用の発現率はリバスチグミン経皮吸収型製剤18mg群で73.2%(210/287例)であった。主な副作用は、適用部位紅斑39.4%(113/287例)、適用部位そう痒感34.8%(100/287例)、接触性皮膚炎23.7%(68/287例)、適用部位浮腫10.8%(31/287例)、悪心6.6%(19/287例)、嘔吐5.9%(17/287例)等であった。
17.1.2 国内第IIIb相試験
軽度及び中等度(MMSE:10~20点)のアルツハイマー型認知症患者を対象に、2種類の漸増法(1ステップ漸増法:リバスチグミン経皮吸収型製剤1日1回9mgから投与を開始し、原則として4週後に1日1回18mgに増量し、維持用量として1日1回18mgを投与した群、3ステップ漸増法:リバスチグミン経皮吸収型製剤1日1回4.5mgから投与を開始し、原則として4週毎に4.5mgずつ増量し、維持用量として1日1回18mgを投与した群)の忍容性を比較した、二重盲検比較試験(24週間投与)の概要を次に示す。
有害事象による中止率は1ステップ漸増法で15.0%(16/107例)、3ステップ漸増法で18.5%(20/108例)であった。有害事象による中止率の群間差(1ステップ漸増法-3ステップ漸増法)は-3.6%(95%信頼区間;-17.0~9.6)であった。
副作用の発現率は1ステップ漸増法で58.9%(63/107例)、3ステップ漸増法で58.3%(63/108例)であった。主な副作用は、1ステップ漸増法で適用部位そう痒感22.4%(24/107例)、適用部位紅斑15.9%(17/107例)、接触性皮膚炎11.2%(12/107例)等、3ステップ漸増法で適用部位そう痒感22.2%(24/108例)、適用部位紅斑15.7%(17/108例)、接触性皮膚炎11.1%(12/108例)等であった。
18.1 作用機序
リバスチグミンは、アセチルコリンを分解する酵素であるコリンエステラーゼを阻害することにより脳内アセチルコリン量を増加させ、脳内コリン作動性神経を賦活する。
18.2 脳内コリンエステラーゼ阻害作用及びアセチルコリン増加作用
ラットの脳内アセチルコリンエステラーゼ及びブチリルコリンエステラーゼを阻害し、アセチルコリンレベルを増加させる。
18.3 学習記憶改善作用
コリン作動性神経遮断モデル(スコポラミン処置ラット)やアルツハイマー病モデル(アミロイドβ脳内注入マウス及びAPP23マウス)の学習記憶障害を改善する。
- 製造販売会社
- 沢井製薬
- 販売会社
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