ポプスカイン0.25%注25mg/10mL

添付文書情報2024年01月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 〈効能共通〉本剤の成分又はアミド型局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 〈術後鎮痛〉大量出血やショック状態の患者[過度の血圧低下が起こることがある]。
2.3. 〈術後鎮痛〉注射部位又はその周辺に炎症のある患者[化膿性髄膜炎症状を起こすことがある]。
2.4. 〈術後鎮痛〉敗血症の患者[敗血症性髄膜炎を生じるおそれがある]。
- 効能・効果
- 1). 術後鎮痛。
2). 伝達麻酔。
(効能又は効果に関連する注意)
〈伝達麻酔〉伝達麻酔時子宮頸管傍ブロックへは使用しないこと〔9.5.3参照〕。
- 用法・用量
- 〈術後鎮痛〉
手術終了時に、通常、成人に6mL/時(レボブピバカインとして15mg/時)を硬膜外腔に持続投与する。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により4~8mL/時の範囲で適宜増減する。
〈伝達麻酔〉
通常、成人に1回40mL(レボブピバカインとして100mg)までを目標の神経あるいは神経叢近傍に投与する。複数の神経ブロックを必要とする場合でも、総量として60mL(レボブピバカインとして150mg)を超えないこと。
なお、期待する痛覚遮断域、手術部位、年齢、身長、体重、全身状態等により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤に血管収縮剤(アドレナリン)を添加しても、作用持続時間の延長は認められない〔17.1.4参照〕。
7.2. 〈術後鎮痛〉血圧低下、運動障害等の副作用の発現が増加するおそれがあるので、本剤6mL/時を超える投与速度で硬膜外に投与する場合は、患者の状態を考慮しながら慎重に判断し、注意深く観察を行うこと〔11.1.1、11.1.3参照〕。
7.3. 〈術後鎮痛〉持続投与開始時に手術部位(手術創傷部位及び手術操作部位)に痛覚遮断域が到達していない場合は、レボブピバカイン塩酸塩等の局所麻酔剤を硬膜外腔に単回投与し、適切な痛覚遮断域を確保すること。
7.4. 〈術後鎮痛〉あらかじめ痛覚遮断域を確保するために、術前又は術中からレボブピバカイン塩酸塩等の局所麻酔剤を投与することが望ましい。
7.5. 〈術後鎮痛〉術後に局所麻酔剤を単回投与する場合は、血圧低下に注意しながら投与すること。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 〈効能共通〉まれにショックあるいは中毒症状を起こすことがあるので、本剤の投与に際しては、十分な問診により患者の全身状態を把握するとともに、異常が認められた場合に直ちに救急処置のとれるよう、常時準備をしておくこと。なお、事前の静脈路確保が望ましい〔11.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 〈効能共通〉本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の点に留意すること〔11.1.1、11.1.2、13.1参照〕。
8.2.1. 〈効能共通〉患者のバイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数等)及び全身状態の観察を十分に行うこと。
8.2.2. 〈効能共通〉できるだけ必要最少量にとどめること(追加投与及び持続投与時には過量投与時の発現症状に注意すること)。
8.2.3. 〈効能共通〉注射針が、血管又はくも膜下腔に入っていないことを確かめること。血管内へ誤投与された場合、中毒症状が発現することがあり、また、くも膜下腔へ誤投与された場合、全脊椎麻酔となることがある。
8.2.4. 〈効能共通〉前投薬や術中に投与した鎮静剤、鎮痛剤等による呼吸抑制が発現することがあるので、鎮静剤、鎮痛剤等を使用する際は少量より投与し、必要に応じて追加投与することが望ましい(なお、高齢者、小児、全身状態不良な患者、肥満者、呼吸器疾患を有する患者では特に注意し、異常が認められた際には、適切な処置を行うこと)〔9.1.1、9.7小児等、9.8高齢者の項参照〕。
8.3. 〈効能共通〉注射針又はカテーテルが適切に位置していない等により、神経障害が生じることがあるので、穿刺に際し異常を認めた場合には本剤の注入を行わないこと〔11.1.3参照〕。
8.4. 〈術後鎮痛〉本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の点に留意すること。
8.4.1. 〈術後鎮痛〉術後鎮痛の場合、試験的に注入(test dose)し、注射針又はカテーテルが適切に留置されていることを確認すること。
8.4.2. 〈術後鎮痛〉麻酔範囲が予期した以上に広がることにより、過度の血圧低下、徐脈、呼吸抑制を来すことがあるので、麻酔範囲に注意すること。
8.5. 〈伝達麻酔〉本剤の投与に際し、その副作用を完全に防止する方法はないが、ショックあるいは中毒症状をできるだけ避けるために、次の点に留意すること。
8.5.1. 〈伝達麻酔〉注射の速度はできるだけ遅くすること。
8.5.2. 〈伝達麻酔〉血管の多い部位(頭部、顔面、扁桃等)に注射する場合には、吸収が速いので、できるだけ少量を投与すること。
9.1.1. 〈効能共通〉全身状態不良な患者:生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下していることがある〔8.2.4参照〕。
9.1.2. 〈効能共通〉心刺激伝導障害のある患者:症状を悪化させることがある。
9.1.3. 〈術後鎮痛〉中枢神経系疾患:髄膜炎、灰白脊髄炎、脊髄ろう等の患者及び脊髄に腫瘍・脊椎に腫瘍又は脊髄に結核・脊椎に結核等のある患者:硬膜外麻酔により病状が悪化するおそれがある。
9.1.4. 〈術後鎮痛〉血液凝固障害や抗凝血剤投与中の患者:やむを得ず投与する場合は観察を十分に行うこと(出血しやすいため、血腫形成や脊髄障害を起こすことがある)。
9.1.5. 〈術後鎮痛〉脊柱に著明な変形のある患者:やむを得ず投与する場合は患者の全身状態の観察を十分に行うこと(脊髄損傷や神経根損傷のおそれがあり、また麻酔範囲の予測も困難である)。
9.1.6. 〈術後鎮痛〉腹部腫瘤のある患者:投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行うこと(仰臥位性低血圧を起こすことがあり、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中はさらに増悪することがある)。
9.1.7. 〈術後鎮痛〉重篤な高血圧症、心弁膜症等の心血管系に著しい障害のある患者:患者の全身状態の観察を十分に行うこと(血圧低下や病状の悪化が起こりやすい)。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
9.3.1. 重篤な肝機能障害のある患者:中毒症状が発現しやすくなる。
- 相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP1A2で代謝される。
10.2. 併用注意:1). CYP3A4阻害剤(ケトコナゾール、エリスロマイシン、リトナビル、サキナビル、ベラパミル塩酸塩等)及びCYP1A2阻害剤(シメチジン、フルボキサミン、キノロン系抗菌剤等)[本剤の血中濃度が上昇することがある(本剤の代謝には主にCYP3A4及びCYP1A2が関与しているため、CYP3A4及びCYP1A2阻害剤との併用で、本剤の代謝が阻害され、血中濃度が上昇するおそれがある)]。
2). ジゴキシン[レボブピバカインによる中毒症状が発現しやすくなる(ラットを用
いた研究で、ジゴキシンとの併用により、本剤のラセミ体であるブピバカインの中毒閾値が低下したとの報告がある)]。
3). アミド型局所麻酔剤[中毒症状が相加的に起こるおそれがある(他の局所麻酔剤との併用で中毒症状が相加的に起こることが考えられる)]。
4). クラス3抗不整脈剤(アミオダロン等)[心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと(作用が増強することが考えられる)]。
5). 催眠鎮静剤、全身麻酔剤:①. 催眠鎮静剤(デクスメデトミジン塩酸塩等)、全身麻酔剤[鎮静・麻酔・鎮痛作用
が増強し、血圧低下、心拍数低下、呼吸数低下などの症状があらわれるおそれがあるので、併用する場合には投与速度を減速するなど慎重に投与すること(相互に作用(鎮静・麻酔・鎮痛作用、循環動態への作用)を増強すると考えられる)]。
②. 催眠鎮静剤(デクスメデトミジン塩酸塩等)、全身麻酔剤[抜管後に他の鎮静剤、鎮痛剤などと併用する場合は、鎮静効果が相加的に増強するおそれがあるので、本剤あるいは他の鎮静剤、鎮痛剤の投与量を減量するなどの注意が必要である(相互に作用(鎮静・麻酔・鎮痛作用、循環動態への作用)を増強すると考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):徐脈、不整脈、血圧低下、呼吸抑制、チアノーゼ、意識障害等を生じ、まれに心停止を来すことがある。また、まれにアナフィラキシーショックを起こすおそれがある〔7.2、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 意識障害、振戦、痙攣(いずれも頻度不明):意識障害、振戦、痙攣等の中毒症状があらわれることがある〔8.1、8.2、13.1参照〕。
11.1.3. 異常感覚、知覚・運動障害(いずれも頻度不明):注射針又はカテーテルの留置時に神経(神経幹、神経根)に触れることにより一過性異常感覚が発現することがある。また、神経が注射針や薬剤あるいは虚血によって障害を受けると、まれに持続的異常感覚、疼痛、知覚障害、運動障害、硬膜外麻酔及び術後鎮痛では膀胱直腸障害等の神経学的疾患があらわれることがある〔7.2、8.3参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器系:(5%以上)血圧低下(23.5%)、(1%未満)徐脈、洞性徐脈、上室性頻脈、心室性期外収縮、ST低下、(頻度不明)狭心症、期外収縮、頻脈、高血圧、固有心室調律。
2). 呼吸器系:(1%未満)鼻閉、呼吸抑制、酸素飽和度低下、(頻度不明)喘息、呼吸困難、低換気、低酸素症、呼吸障害、肺出血。
3). 中枢・末梢系:(1%以上5%未満)感覚鈍麻、(1%未満)頭痛、頭部不快感、運動機能障害、運動障害、耳鳴、(頻度不明)浮動性めまい、錯感覚、麻痺、感覚障害、傾眠、昏迷、失神、振戦、運動低下、脳浮腫、脳症。
4). 消化器系:(5%以上)悪心、嘔吐、(1%未満)腹痛、(頻度不明)便秘、下痢、便失禁、吐血。
5). 血管系:(1%未満)出血、総蛋白減少、(頻度不明)潮紅、静脈炎、末梢性虚血。
6). 泌尿器系:(1%未満)排尿困難、膀胱膨満、(頻度不明)乏尿、尿失禁、尿閉、尿流量減少、アルブミン尿、血尿、無尿、ビリルビン尿。
7). 皮膚:(頻度不明)皮膚そう痒症、多汗症、発疹、紅斑性皮疹、水疱性皮膚炎。
8). 血液・リンパ系:(頻度不明)白血球数減少、低カリウム血症、血液量減少、好塩基球数増加。
9). 精神神経系:(1%未満)悪寒、(頻度不明)発熱、激越、不安、無感情、錯乱状態、幻覚。
10). 筋骨格筋系:(頻度不明)背部痛、筋痙縮、筋力低下、四肢痛。
11). 肝臓:(1%未満)AST増加/ALT増加/γ-GTP増加/ALP増加、(頻度不明)高ビリルビン血症。
12). 腎臓:(頻度不明)尿検査異常。
13). その他:(頻度不明)処置疼痛、胸痛、注射部位疼痛、疼痛、創部分泌、偶発的針穿刺。
- 高齢者
- 投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等慎重に投与すること(一般に麻酔範囲が広がりやすく、生理機能の低下により麻酔に対する忍容性が低下している)〔8.2.4、16.1.4参照〕。
- 授乳婦
- 9.5.1. 〈効能共通〉妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.5.2. 〈術後鎮痛〉妊娠後期の患者には、投与量の減量を考慮するとともに、患者の全身状態の観察を十分に行う等、慎重に投与すること(妊娠末期は、仰臥位性低血圧を起こしやすく、麻酔範囲が広がりやすい;麻酔中はさらに増悪することがある)。
9.5.3. 〈伝達麻酔〉子宮頸管傍ブロックへは使用しないこと(子宮頸管傍ブロックにより胎児の徐脈を起こすことが知られている)〔5.効能又は効果に関連する注意の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物試験(ラット)において、乳汁移行性が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない〔8.2.4参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意局所静脈内麻酔<Bier’s block>として投与しないこと。
14.2. 薬剤投与後の注意アンプルを複数の患者に使用しないこと。また、残液は廃棄すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報球後麻酔、眼球周囲麻酔に際し、類薬(リドカイン塩酸塩等)で持続性眼筋運動障害が発現することが報告されている(本邦における本剤での球後麻酔、眼球周囲麻酔に対する使用経験はない)。
16.1 血中濃度
16.1.1 術後鎮痛(持続硬膜外投与)
全身麻酔による下腹部開腹手術の患者8名にレボブピバカイン0.25%10mL(25mg)をボーラス投与し、引き続いて0.25%288mL(720mg)を6mL/時の投与速度で48時間持続硬膜外投与(総量として745mg)を行った。投与終了時の平均血漿中未変化体濃度は、2.93μg/mLであった。
16.1.2 硬膜外投与
レボブピバカイン0.5%15mL(75mg)、0.5%20mL(100mg)、0.75%10mL(75mg)、0.75%15mL(112.5mg)及び0.75%20mL(150mg)を下腹部あるいは下肢手術を受ける患者に硬膜外腔注1)へ投与した時、血漿中未変化体濃度は約0.3~0.5時間後に最高に達し、約9~16時間の半減期で消失した(添付文書の図1及び表1)。
図1 硬膜外投与時のレボブピバカイン血漿中未変化体濃度(平均値±標準偏差)
表1 硬膜外投与時におけるレボブピバカインの薬物動態パラメータ
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16.1.3 伝達麻酔(腕神経叢投与)
レボブピバカイン0.25%20mL(50mg)、0.25%30mL(75mg)、0.25%40mL(100mg)、0.5%20mL(100mg)、0.5%30mL(150mg)及び0.5%40mL(200mg)注2)を腋窩部腕神経叢ブロックによる上肢手術を受ける患者に腋窩部神経血管鞘内へ投与した時、血漿中未変化体濃度は約0.3~0.4時間後に最高に達し、約11~16時間の半減期で消失した(添付文書の図2及び表2)。
図2 腕神経叢投与時のレボブピバカイン血漿中未変化体濃度(平均値±標準偏差)
表2 腕神経叢投与時におけるレボブピバカインの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.4 静脈内投与
健康成人男子及び男性健康高齢者にレボブピバカイン0.25%8mL(20mg)を1mL/minの投与速度で前腕部皮下静脈内注3)に投与した時、血漿中未変化体濃度は速やかに低下し、最高血中濃度は、それぞれ、1.27及び1.29μg/mL、消失半減期は2.1及び2.5時間、クリアランスは543.9及び380.0mL/minであり高齢者で排泄が遅延する可能性が示唆された。[9.8参照]
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
in vitroにおける14C‐レボブピバカインの血漿蛋白結合率は、0.1μg/mLの濃度では94.8%であり、10μg/mLの濃度では74.5%と高濃度で血漿蛋白結合の飽和がみられた。また、精製蛋白に対する結合率では、ヒト血清アルブミン、ヒトα1‐酸性糖蛋白及びヒトグロブリンに対する結合率は0.1μg/mLでそれぞれ49.7%、82.0%及び11.1%、10μg/mLでそれぞれ53.7%、55.0%及び8.3%であり、ヒトα1‐酸性糖蛋白において蛋白結合の飽和が認められた。
16.4 代謝
本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP1A2で代謝を受け、CYP3A4はデスブチル体、CYP1A2は3‐ヒドロキシ体への代謝に関与することが示されている。
健康成人男子及び男性健康高齢者にレボブピバカイン0.25%8mL(20mg)を1mL/minの投与速度で前腕部皮下静脈内注3)に投与したところ、静脈内投与後の尿中主要代謝物としてデスブチル体、3‐ヒドロキシ体及び4‐ヒドロキシ体が検出された。
16.5 排泄
健康成人男子及び男性健康高齢者にレボブピバカイン0.25%8mL(20mg)を1mL/minの投与速度で静脈内投与注3)した結果、投与終了後48時間までに、未変化体、代謝物であるデスブチル体、3‐ヒドロキシ体(抱合体を含む)及び4‐ヒドロキシ体(抱合体を含む)が、健康成人男子でそれぞれ0.18%、3.01%、5.18%及び0.25%が、男性健康高齢者でそれぞれ0.26%、3.37%、6.38%及び0.27%が尿中に排泄された。
→図表を見る(PDF)
注1)0.5%製剤に対し承認されている用法は、伝達麻酔(目標の神経あるいは神経叢近傍に投与)である。
注2)0.5%製剤の伝達麻酔に対し承認されている用量は、1回30mLまでである。
注3)本剤の承認された用法は、術後鎮痛(硬膜外腔投与)及び伝達麻酔(目標の神経あるいは神経叢近傍に投与)である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈術後鎮痛〉
17.1.1 国内第III相試験
全身麻酔と硬膜外麻酔の併用による下腹部開腹手術患者87例(レボブピバカイン群42例、ロピバカイン群45例)を対象にレボブピバカイン及びロピバカイン0.75%6~10mL(45~75mg)を術前に硬膜外投与し、術中は必要に応じて0.75%5mL(37.5mg)を追加投与、術後投与にはレボブピバカイン0.25%126mL(315mg)、ロピバカイン0.2%126mL(252mg)をそれぞれ6mL/時の投与速度で21時間持続硬膜外投与した二重盲検比較試験(穿刺部位:L1-2)を実施した。
その結果、主要評価項目であるPPSにおける覚醒確認後0~21時間のペンタゾシンの使用量(平均値±標準偏差)は、本剤群20.8±25.7mg、ロピバカイン群23.5±21.6mgであり、本剤群のロピバカイン群に対する非劣性が検証された(片側p=0.013、△上乗せによる2標本t検定、△=9.3mg)。両群間の差とその95%信頼区間は-2.7mg[-13.2、7.8]であった。さらに、鎮痛剤を必要としなかった症例の割合は、レボブピバカイン44.4%(16/36例)、ロピバカイン20.5%(9/44例)であり、レボブピバカインが有意に多かった。また、痛覚神経遮断域(無痛域)の皮膚分節数はレボブピバカインがロピバカインに比して多く、運動神経遮断効果は時間経過に沿って改善された。覚醒確認後21時間の痛覚神経遮断の推移及び運動神経遮断の程度の推移を添付文書の図1及び図2に示した。
副作用発現頻度は、レボブピバカイン群で88.1%(37/42例)であった。主な副作用は、血圧低下88.1%(37/42例)、嘔吐23.8%(10/42例)、悪心19.0%(8/42例)及び感覚減退7.1%(3/42例)であった。
図1 痛覚神経遮断:最高位・最低位の推移(平均値±標準偏差)
図2 運動神経遮断の程度の推移:Bromage Scaleの推移
〈伝達麻酔〉
17.1.2 国内第III相比較試験
伝達麻酔(腋窩部腕神経叢ブロック)による上肢手術患者61例(レボブピバカイン群31例、ブピバカイン群30例)を対象に、レボブピバカイン0.25%40mL(100mg)の知覚神経遮断効果についてブピバカイン0.25%40mL(100mg)を対照薬として用いた二重盲検比較試験を実施した。その結果、主要評価項目であるPPSでの知覚神経遮断における痛覚消失効果の平均作用持続時間(平均値±標準偏差)※は、本剤群8.86±1.53時間、ブピバカイン群8.44±1.82時間であり、本剤群のブピバカイン群に対する非劣性が検証された(片側p=0.0014、△上乗せによる2標本t検定、△=1時間)。両群間の差とその95%信頼区間は0.42時間[-0.49、1.33]であった。
副作用発現頻度は、レボブピバカイン群で3.2%(1/31例)であった。発現した副作用は、頭痛及び悪心であった。
17.1.3 国内第III相一般試験
伝達麻酔(腋窩部腕神経叢ブロック)による上肢手術患者24例を対象にレボブピバカイン0.5%30mL(150mg)を投与し、その知覚神経遮断効果を評価する臨床試験を実施した。その結果、主要評価項目であるFASでの知覚神経遮断における痛覚消失効果の平均作用持続時間(平均値±標準偏差)※は9.09±2.91時間であり、95%信頼区間は[7.86、10.31]であった。
副作用発現頻度は8.3%(2/24例)であった。発現した副作用は、悪心4.2%(1/24例)、血圧低下4.2%(1/24例)及び酸素飽和度低下4.2%(1/24例)であった。
※橈骨、正中、尺骨、筋皮、内側前腕皮及び内側上腕皮の6つの各神経支配領域での作用持続時間の平均値を示す。
〈効能共通〉
17.1.4 海外第III相試験(アドレナリンとの併用)
外国人背部手術患者117例(各群39例)を対象に二重盲検下で0.5%レボブピバカイン単独(LEVO Plain群)、0.5%レボブピバカイン+アドレナリン(1:400,000)(LEVO400群)又は0.5%レボブピバカイン+アドレナリン(1:200,000)(LEVO200群)を15~20mL硬膜外腔に投与し麻酔効果について比較した。ITT集団における知覚神経ブロック及び運動神経ブロックの作用持続時間は次表のとおりであり、いずれにおいても3群間で統計学的に有意な差は認められなかった。
副作用発現頻度は、LEVO Plain群で38.5%(15/39例)、LEVO400群で51.3%(20/39例)及びLEVO200群で46.2%(18/39例)であった。主な副作用は低血圧であり、その発現頻度はLEVO Plain群で17.9%(7/39例)、LEVO400群で35.9%(14/39例)及びLEVO200群で38.5%(15/39例)であった。[7.1参照]
感覚神経遮断の持続時間(ITT集団)
→図表を見る(PDF)
運動神経遮断の作用持続時間(ITT集団)
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断することで局所麻酔作用を発現する。
18.2 局所麻酔作用
18.2.1 ラットへの硬膜外投与(0.25、0.5、0.75及び1.0%)により、痛覚神経遮断作用が認められた。その強度及び持続性は、ブピバカインと同程度であり、その効力比は約1であった。また、0.25%における運動神経遮断作用の持続時間はブピバカインと比べ短く、その効力比は0.78であった。
18.2.2 ラットへの硬膜外投与(0.25、0.5及び1.0%)により、痛覚神経遮断作用が認められた。その強度及び持続性は、ロピバカインの約2倍であった。また、1.0%における運動神経遮断作用の持続時間はロピバカインの約1.5倍であった。
18.3 中枢神経系に対する作用
イヌに静脈内投与(2mg/kg/分)したときの痙攣誘発用量は、レボブピバカインで5.34mg/kg、ブピバカインで4.23mg/kg、ロピバカインで6.43mg/kgであり、差は認められなかった。
18.4 心循環系に対する作用
イヌにレボブピバカイン、ブピバカイン及びロピバカインを痙攣誘発量の2倍量(それぞれ10.68mg/kg、8.46mg/kg、12.86mg/kg)を静脈内投与し痙攣を誘発させた。その後の痙攣に対する処置(ペントバルビタール投与及び酸素吸入)により、レボブピバカインでは不整脈の発現は認められなかったが、ブピバカインでは6例中2例で発現(内1例死亡)、ロピバカインでは6例中3例で発現(内2例死亡)した。
- 製造販売会社
- 丸石製薬
- 販売会社
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