ペンレステープ18mg
添付文書情報2023年04月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分又はアミド型局所麻酔薬に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 静脈留置針穿刺時の疼痛緩和。
2). 伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和。
3). 皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和。
- 用法・用量
- 〈静脈留置針穿刺時の疼痛緩和〉
本剤を1回1枚、静脈留置針穿刺予定部位に約30分間貼付する。
〈伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和〉
通常、小児には本剤1回2枚までを、伝染性軟属腫摘除予定部位に約1時間貼付する。
〈皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〉
通常、成人には本剤1回6枚まで、小児には次記枚数までを、レーザー照射予定部位に約1時間貼付する。
1). 3歳以下:1回あたりの最大貼付枚数2枚。
2). 4歳~5歳:1回あたりの最大貼付枚数3枚。
3). 6歳~7歳:1回あたりの最大貼付枚数4枚。
4). 8歳~9歳:1回あたりの最大貼付枚数5枚。
5). 10歳以上:1回あたりの最大貼付枚数6枚。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤除去後直ちに処置等を行うこと。
7.2. 〈伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和〉本剤を患部に応じた適切な大きさに切って貼付すること。
7.3. 〈皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〉小児における本剤の貼付枚数は、体重、患部の大きさを考慮して、必要最小限にとどめること〔9.7小児等の項、17.1.4参照〕。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 相互作用
- 本剤は、主として肝代謝酵素CYP1A2及びCYP3A4で代謝される。
10.2. 併用注意:クラス3抗不整脈剤(アミオダロン、ニフェカラント等)[心機能抑制作用が増強するおそれがあるので、心電図検査等によるモニタリングを行うこと(作用が増強することが考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):不快感、口内異常感、喘鳴、眩暈、便意、耳鳴、発汗、全身潮紅、呼吸困難、血管浮腫(顔面浮腫、喉頭浮腫等)、血圧低下、顔面蒼白、脈拍異常、意識障害等の異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行うこと(なお、本剤除去後にも、同様の症状を起こすことがあるので、注意すること)。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発赤、そう痒、(0.1%未満)蕁麻疹、(頻度不明)接触皮膚炎、刺激感、熱感。
2). 皮膚:(頻度不明)皮膚色素沈着、適用部位疼痛、*皮膚剥離[*:本剤除去時に起こることがあるので注意すること]。
貼付が長時間にわたると皮膚症状が強くあらわれるおそれがあるので注意すること。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児、新生児及び乳児を対象とした臨床試験は実施していない〔7.3参照〕。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 〈効能共通〉湿疹又は発疹の部位に使用しないこと。
14.1.2. 〈効能共通〉損傷皮膚及び粘膜に使用しないこと。
14.1.3. 〈効能共通〉本剤を切って使用した場合、残薬は廃棄すること。
14.1.4. 〈効能共通〉使用期限内であっても、開封後はなるべく速やかに使用すること。
14.1.5. 〈静脈留置針穿刺時の疼痛緩和〉静脈留置針穿刺時の疼痛緩和に使用する場合、本剤を皮膚からはがした後、穿刺部位を消毒すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 〈効能共通〉ポルフィリン症の患者に投与した場合、急性腹症、四肢麻痺、意識障害等の急性症状を誘発するおそれがある。
15.1.2. 〈皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〉シミ、シワ、ニキビ跡、脱毛等(半導体レーザーや炭酸ガスレーザー等を用いた皮膚レーザー照射療法)に対する本剤の有効性及び安全性は検討されていない〔17.1.3、17.1.4参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 健康成人
健康成人男子6例の上肢内側に本剤2枚(リドカインとして36mg)を単回貼付(4時間)注)したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。また、貼付開始24時間後の血清中リドカイン濃度は定量限界(2ng/mL)未満であった。
表 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 伝染性軟属腫患者
6~8歳の小児伝染性軟属腫患者18例の体幹又は四肢に、本剤2枚(リドカインとして36mg)を非分割群12例又は分割群(1枚につき8分割)6例に単回貼付(2時間)注)したときの血清中リドカイン濃度を測定した。各時点における血清中リドカイン濃度は次のとおりであった。なお、被験者毎の測定ポイントは2点であった。
表 血清中リドカイン濃度の推移
→図表を見る(PDF)
16.1.3 皮膚レーザー照射療法患者
成人の太田母斑、扁平母斑患者12例の顔面母斑患部に、本剤1枚(リドカインとして18mg)又は3枚(リドカインとして54mg)を2時間貼付注)したときの薬物動態パラメータ及び血清中リドカイン濃度推移は次のとおりであった。
表 薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
図 血清中リドカイン濃度の経時的推移
また、成人の太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症患者58例に、本剤1枚~6枚を1時間貼付したときの血清中リドカイン濃度の最大値は144.8ng/mL(顔面3枚貼付、除去直後時)、1歳以上の小児及び成人血管腫患者(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症)42例に、本剤1枚~6枚を1時間貼付したときの血清中リドカイン濃度の最大値は小児で322.1ng/mL(1歳、体重11kg、顔面2枚貼付、除去直後時)、成人で206.7ng/mL(52歳、体重46kg、顔面6枚貼付、除去直後時)であった。
16.5 排泄
健康成人男子6例に、本剤2枚(リドカインとして36mg)を単回貼付(4時間)注)したときの除去後24時間(貼付開始後28時間)までのリドカイン未変化体の累積尿中排泄率は、貼付量の0.04%であった。
注)本剤の承認用法・用量と異なる。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈静脈留置針穿刺時の疼痛緩和〉
17.1.1 国内臨床試験
国内21施設で実施された二重盲検比較試験を含む手術予定患者における、本剤貼付部位の疼痛緩和効果の有効率(有効以上)は65.7%(140/213例)であった。副作用は総症例374例中、6例(1.6%)に認められ、その内訳は使用部位の発赤5件(1.3%)、そう痒1件(0.3%)であった。
〈伝染性軟属腫摘除時の疼痛緩和〉
17.1.2 国内第III相試験
国内8施設で実施された小児(4~11歳)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験における、本剤貼付部位の疼痛緩和効果の有効率注1)は83.6%(51/61例)であった。副作用は総症例61例中、2例(3.3%)に認められ、その内訳は適用部位皮膚炎1件(1.6%)、適用部位そう痒感1件(1.6%)であった。
注1)優劣比較判定が評価された例数において疼痛緩和効果が認められた例数の割合
〈皮膚レーザー照射療法時の疼痛緩和〉
17.1.3 国内第III相比較試験
太田母斑、扁平母斑、異所性蒙古斑、外傷性色素沈着症に対する皮膚レーザー照射療法を受ける患者を対象に、国内15施設で実施されたプラセボ対照二重盲検比較試験における、本剤貼付部位のVAS変化率注2)はプラセボに比較して有意に優った。副作用は総症例58例中、4例(6.9%)に認められ、その内訳は適用部位紅斑3件(5.2%)、蕁麻疹1件(1.7%)であった。
なお、本剤の最大使用枚数は、6枚であった。[15.1.2参照]
表 VAS変化率
→図表を見る(PDF)
注2)VAS(Visual Analogue Scale):100mmのスケールを用い痛みを評価する視覚アナログスケール。数値が大きい方が痛みは強い。
VAS変化率:-(非貼付部位のVAS値-貼付部位のVAS値)/非貼付部位のVAS値×100
17.1.4 国内第III相一般臨床試験
国内4施設で実施された1歳以上の小児及び成人の血管腫(単純性血管腫、苺状血管腫、毛細血管拡張症)患者を対象とした非盲検非対照試験において、痛みの評価が可能であった患者における本剤貼付部位の痛みは「痛くないまたはレーザー照射の感覚はあるが痛くない」が34.5%(10/29例)、「少し痛い」が58.6%(17/29例)、「痛い」が6.9%(2/29例)であり、「すごく痛い」は0%(0/29例)であった。副作用は総症例42例中、1例(2.4%)に適用部位紅斑が認められた。
なお、本剤の最大使用枚数は、成人で6枚、小児で2枚(1歳以上、体重10.1kg以上)であった。[7.3、15.1.2参照]
18.1 作用機序
リドカインは、神経膜のナトリウムチャネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経及び運動神経を遮断する。
18.2 局所麻酔作用
本剤は、基剤と比較して、モルモットによる背部皮膚ピンプリック法で局所麻酔作用が認められている。
- 製造販売会社
- 日東電工
- 販売会社
- マルホ
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