パパベリン塩酸塩注40mg「日医工」

添付文書情報2025年03月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 房室ブロックのある患者[完全房室ブロックに移行するおそれがある]。
2.2. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 次記疾患に伴う内臓平滑筋の痙攣症状:胃炎、胆道<胆管・胆のう>系疾患。
2). 急性動脈塞栓、急性肺塞栓、末梢循環障害、冠循環障害における血管拡張と症状の改善。
- 用法・用量
- パパベリン塩酸塩として、通常、成人1回30~50mg、1日100~200mgを注射する。主として皮下注射するが、筋肉内注射することもできる。また、急性動脈塞栓には1回50mgを動脈内注射、急性肺塞栓には1回50mgを静脈内注射することができる。なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉通常投与量は次のとおりである。
1回投与量0.75~1.25mL;1日投与量2.5~5mL。
7.2. 〈急性動脈塞栓、急性肺塞栓〉急性動脈塞栓、急性肺塞栓の投与量は次のとおりである。
1). 急性動脈塞栓:1回投与量1.25mL。
2). 急性肺塞栓:1回投与量1.25mL。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 緑内障の患者:眼圧上昇作用により、緑内障を悪化させるおそれがある。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). レボドパ含有製剤[レボドパの作用を減弱しパーキンソン症状を悪化させることがある(機序は不明である)]。
2). メタコリン塩化物[メタコリン塩化物による検査において正確な検査結果が得られない可能性がある(本剤の気管支拡張作用と拮抗するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 呼吸抑制(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 肝臓:(頻度不明)アレルギー性肝障害。
2). 過敏症:(頻度不明)発疹。
3). 循環器:(頻度不明)心悸亢進、不整脈、血圧上昇。
4). 精神神経系:(頻度不明)めまい、眠気、脱力感、頭痛。
5). 消化器:(頻度不明)嘔気、便秘、口渇、食欲不振、心窩部痛。
6). その他:(頻度不明)顔面潮紅、発汗、持続勃起。
- 高齢者
- 減量するなど注意すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 投与時:イオキサグル酸(X線造影剤)と混合すると沈殿を生じる可能性があるので、併用する場合には、別々に使用するか、又はカテーテル内を生理食塩液で洗浄するなど、直接混合しないよう注意すること。
14.1.2. 筋肉内注射時:組織・神経等への影響を避けるため、次記の点に注意すること。
(1). 筋肉内注射時同一部位への反復注射は避けること。
なお、小児等には特に注意すること。
(2). 筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意すること。
(3). 注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位をかえて注射すること。
14.1.3. 投与速度:急激な静注による呼吸停止を避けるため、静脈内に投与する場合には、できるだけゆっくり注射すること。
20.1. 光によって分解するため、外箱開封後は遮光して保存すること。
20.2. 経時したものは若干の着色がみられることがある。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報脳血管れん縮において動脈内注射した場合、一過性神経麻痺や意識障害等が報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 血漿中濃度
成人男子にパパベリン塩酸塩3mg/kgを1回静脈内投与注)した場合の薬物動態パラメータは次のとおりであった(外国人データ)。
薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.4 代謝
16.4.1 主な代謝産物及び代謝経路
投与後、主として肝臓においてほぼ完全に代謝され、フェノール性代謝物及びそのグルクロン酸抱合体になる(外国人データ)。
16.5 排泄
主として尿中に排泄される。
成人男子にパパベリン塩酸塩10mg/kgを1回経口投与注)した場合、投与後48時間までの尿中において、未変化体はほとんど認められず、投与量の約64%はフェノール性代謝物のグルクロン酸抱合体として尿中排泄された(外国人データ)。
注)本剤の成人における承認用法・用量は、通常成人1回30~50mgである。
18.1 作用機序
各種平滑筋に直接作用して平滑筋の異常緊張及び痙れんを抑制する作用を有する。ことに平滑筋が痙れん性に収縮している場合に鎮痙作用は著しい。
基本的な薬理作用は、ホスホジエステラーゼの阻害による細胞内cAMP含量の増加とCa2+の細胞内への流入抑制である。主としてこの両作用により平滑筋弛緩作用を現す。
18.2 内臓平滑筋に対する弛緩、鎮痙作用
イヌの胃では、2~6mg/kgの筋肉内及び静脈内投与で、胃蠕動の停止を伴う緊張下降が常にあらわれ、1~3時間持続した。皮下投与の場合では、少量では作用は軽度であったが、大量では筋肉内及び静脈内投与時と同等の作用が認められている。
また、家兎及びイヌを用いた摘出胃幽門部あるいは生体胃幽門部における作用を検討し、いずれの場合にも運動振幅の縮小ないし運動抑制を認めている。
子ウシ摘出胆管では、BaCl2による痙攣に対する拮抗作用を認めている。
18.3 血管の拡張・血流量の増加作用
家兎耳殻血管灌流において灌流液量の著明な増加がみられ、また、家兎耳介動脈の拡張がみられた。
イヌの摘出脳、冠動脈においてパパベリン1~20μMはカルシウムによる収縮を用量依存性に阻害した。一方、腸管膜動脈においては、パパベリン1μMは効果がなく、5μM以上で有意に減弱させた。脳、冠、腸間膜動脈での平均ID50はそれぞれ3.5、4.9、12μMであった。
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