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バビースモ硝子体内注射液120mg/mL

販売名
バビースモ硝子体内注射液120mg/mL
薬価
6mg0.05mL1瓶 163894.00円
製造メーカー
中外製薬

添付文書情報2025年05月改定(第6版)

商品情報

薬効分類名
その他の眼科用剤
一般名
ファリシマブ(遺伝子組換え)注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現するおそれがある]。
2.3. 眼内に重度炎症のある患者[炎症が悪化するおそれがある]。
効能・効果
1). 中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性。
2). 糖尿病黄斑浮腫。
3). 網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫。
4). 脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈効能共通〉本剤による治療を開始するに際し、視力等の予後を考慮し、本剤投与の要否を判断すること。
5.2. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉不可逆的な虚血性視機能喪失の臨床的徴候が認められる網膜静脈閉塞症患者への投与は、避けることが望ましい。
用法・用量
〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉
ファリシマブ(遺伝子組換え)として6.0mg(0.05mL)を4週ごとに1回、通常、連続4回(導入期)硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後の維持期においては、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、8週以上あけること。
〈糖尿病黄斑浮腫〉
ファリシマブ(遺伝子組換え)として6.0mg(0.05mL)を4週ごとに1回、通常、連続4回硝子体内投与するが、症状により投与回数を適宜減じる。その後は、投与間隔を徐々に延長し、通常、16週ごとに1回、硝子体内投与する。なお、症状により投与間隔を適宜調節するが、4週以上あけること。
〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫、脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条〉
ファリシマブ(遺伝子組換え)として1回あたり6.0mg(0.05mL)を硝子体内投与する。投与間隔は、4週以上あけること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉臨床試験においては、両眼治療は行われていない。両眼に治療対象となる病変がある場合は、両眼同時治療の有益性と危険性を慎重に評価した上で本剤を投与する(なお、初回治療における両眼同日投与は避け、片眼での安全性を十分に評価した上で対側眼の治療を行う)。
7.2. 〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉導入期における投与回数については、疾患活動性の評価に基づき連続3回とすることも考慮すること。また、中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性の場合、維持期においては、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合は、投与間隔を8週又は12週とすること等を考慮すること〔17.1.1、17.1.2参照〕。
7.3. 〈糖尿病黄斑浮腫〉投与開始後、投与回数にかかわらず治療反応性に応じて投与間隔を徐々に延長することを考慮すること(その後は、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合は、投与間隔を4週、8週又は12週とすること等を考慮すること)〔17.1.3、17.1.4参照〕。
7.4. 〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉4週ごとに1回投与で開始した後、治療反応性に応じて投与間隔を徐々に延長することを考慮すること(その後は、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合は、投与間隔を短縮すること等を考慮すること)〔17.1.5、17.1.6参照〕。
7.5. 〈脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条〉4週ごとに1回投与で開始した後、治療反応性に応じて、本剤投与の要否を判断すること(その後は、定期的に疾患活動性を評価し、疾患活動性を示唆する所見が認められた場合に本剤投与の要否を判断すること)〔17.1.7参照〕。
生殖能を有する者
8.1. 網膜疾患に関する専門知識を有し、硝子体内注射の投与手技に関する十分な知識・経験のある眼科医のみが本剤を投与すること。
8.2. 硝子体内注射に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行うこと。
8.3. 硝子体内注射の際には、次記の点に注意しながら行うとともに、投与手技に起因する有害事象として結膜出血、眼圧上昇、眼痛、眼異物感、硝子体浮遊物が報告されているので注意すること。
8.3.1. 硝子体内注射は、無菌条件下で行うこと(手術用手指消毒を行い、滅菌手袋、ヨウ素系洗眼殺菌剤、滅菌ドレープ及び滅菌開瞼器等を使用すること)。
8.3.2. 本剤投与前に、適切な麻酔と眼周囲の皮膚、眼瞼及び眼表面を消毒するための広域局所抗菌薬を投与すること。
8.3.3. 過量投与を防ぐため、投与量が0.05mLであることを投与前に確認すること。
8.3.4. 眼内炎、眼内炎症、裂孔原性網膜剥離、網膜裂孔等が発現することがあるので、これらの事象を示唆する症状が認められた場合には、直ちに連絡するよう患者に指導すること〔11.1.1参照〕。
8.4. 硝子体内注射により眼圧を一過性に上昇させるおそれがあるので、本剤投与後、眼圧及び視神経乳頭血流を適切に観察及び管理すること〔9.1.1参照〕。
8.5. 本剤の硝子体内注射後、一時的に視覚障害があらわれることがあるため、視機能が十分に回復するまで機械類の操作や自動車等の運転には従事させないよう注意すること。
8.6. 定期的に有効性を評価し、視力予後の改善が期待できない場合には漫然と投与を継続しないこと。
9.1.1. 緑内障、高眼圧症の患者〔8.4参照〕。
9.1.2. 脳卒中又は一過性脳虚血発作の既往歴等の脳卒中の危険因子のある患者〔11.1.2、15.1.1参照〕。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後少なくとも3カ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 眼障害:眼内炎症[ぶどう膜炎(0.3%)、硝子体炎(0.4%)、網膜血管炎(頻度不明)、網膜血管閉塞(頻度不明)等]、網膜色素上皮裂孔(0.2%)、眼内炎(頻度不明)、裂孔原性網膜剥離及び網膜裂孔(頻度不明)があらわれることがある。本剤投与により眼内炎症があらわれた患者に対して再投与した場合に、眼内炎症が再発した症例が報告されている〔8.3.4参照〕。
11.1.2. 脳卒中(0.3%)〔9.1.2、15.1.1参照〕。
11.2. その他の副作用
眼障害:(1%未満)眼圧上昇、硝子体浮遊物、高眼圧症、角膜擦過傷、眼痛、眼部不快感、結膜出血、白内障、硝子体剥離、眼充血、霧視、視力低下。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤は、そのVEGF阻害作用及びAng-2阻害作用から潜在的に催奇形性並びに胚毒性・胎児毒性を有する可能性が否定できない。カニクイザルを用いた胚・胎仔発生に関する試験(1又は3mg/kgを器官形成期に週1回、計5回、静脈内投与)において、母動物及び催奇形性を含む胚・胎仔への毒性は認められなかった)〔9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中への移行は不明である)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は投与前に外箱のまま室温に戻し、室温で保存した時間が24時間を超えないように使用すること。
14.1.2. 振とうしないこと。
14.1.3. 薬液に変色や濁り、粒子が認められた場合は使用しないこと。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は硝子体内にのみ投与すること。
14.2.2. 30ゲージ程度の眼科用針を使用すること。添付の専用フィルター付き採液針は、硝子体内注射には絶対に使用しないこと。
14.2.3. 1バイアルは1回(片眼)のみの使用とすること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 動脈血栓塞栓事象:本剤投与により、全身のVEGF阻害に起因する動脈血栓塞栓事象が発現する可能性がある。新生血管を伴う加齢黄斑変性患者を対象とした第3相試験(各2試験の統合解析)における動脈血栓塞栓事象の発現率は本剤投与群全体で2.6%、糖尿病黄斑浮腫患者を対象とした第3相試験(各2試験の統合解析)における動脈血栓塞栓事象の発現率は本剤投与群全体で5.2%及び網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者を対象とした第3相試験(各2試験の統合解析)における動脈血栓塞栓事象の発現率は本剤投与群全体で3.8%であった。脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条を対象とした第3相試験において動脈血栓塞栓事象は認められなかった〔9.1.2、11.1.2参照〕。
15.1.2. 抗ファリシマブ抗体:新生血管を伴う加齢黄斑変性患者を対象とした第3相試験(TENAYA試験及びLUCERNE試験)において、本剤の52週間投与後までの薬剤誘発性抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は11.0%(77/697例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性<投与前の陽性例を含む>患者では10.7%(9/84例)、抗体陰性患者では1.3%(8/613例)であった。糖尿病黄斑浮腫患者を対象とした第3相試験(YOSEMITE試験及びRHINE試験)において、本剤の56週間投与後までの薬剤誘発性の抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は8.4%(105/1243例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性(投与前の陽性例を含む)患者では10.6%(12/113例)、抗体陰性患者では0.5%(6/1130例)であった。網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者を対象とした第3相試験(BALATON試験及びCOMINO試験)において、本剤の72週時までの薬剤誘発性の抗ファリシマブ抗体陽性患者の割合は10.9%(136/1244例)であり、眼内炎症の発現割合は、抗ファリシマブ抗体陽性(投与前の陽性例を含む)患者では7.6%(11/145例)、抗体陰性患者では1.5%(16/1099例)であった。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
外国人の新生血管を伴う加齢黄斑変性患者に本剤0.5、1.5、3.0及び6.0mg注1)を単回硝子体内投与したとき、血漿中ファリシマブの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
本剤単回硝子体内投与時の血漿中ファリシマブの薬物動態パラメータ
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注1)本剤の承認用量は6.0mgである。
16.1.2 反復投与
日本人の新生血管を伴う加齢黄斑変性患者(2例)及び糖尿病黄斑浮腫患者(4例)に本剤1.5及び6.0mg注1)を4週ごとに3回硝子体内投与したとき、血漿中ファリシマブ濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。また、蓄積率の平均値は1.06~1.65であった。
本剤反復硝子体内投与時の血漿中ファリシマブ濃度(平均値±標準偏差)

本剤反復硝子体内投与時の血漿中ファリシマブの薬物動態パラメータ
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16.2 吸収
16.2.1 房水中濃度
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者334例(日本部分集団26例を含む)に、本剤6.0mgを4週ごとに4回反復硝子体内投与したときの房水中ファリシマブ濃度(平均値±標準偏差)注3)は、4回目投与4週後において23.0±16.9μg/mL(31例)、8週後において2.04±2.30μg/mL(33例)、12週後において1.14±4.49μg/mL(29例)、16週後において0.0464±0.0497μg/mL(18例)であった。
糖尿病黄斑浮腫患者628例(日本部分集団40例を含む)に、本剤6.0mgを4週ごとに4回反復硝子体内投与したときの房水中ファリシマブ濃度(平均値±標準偏差)注3)は、4回目投与4週後において12.2±10.4μg/mL(固定投与群、26例)及び15.7±12.4μg/mL[personalized treatment interval(PTI)投与群、29例]であり、4回目投与8週後において2.12±2.49μg/mL(PTI投与群、15例)であった。
注3)房水サンプルは追加で同意を取得した患者から採取した。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性〉
17.1.1 国際共同第III相試験(TENAYA試験)
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者671例(日本部分集団52例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを導入期として4週ごとに4回投与し、その後維持期においては20週時・24週時の疾患活動性評価注1)に基づき本剤6.0mgを60週まで8週、12週もしくは16週ごとに投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに3回投与し、その後8週ごとに投与した。
主要評価項目である40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
なお、本剤投与群では、45.7%の患者が16週ごと、34.0%の患者が12週ごと、20.3%の患者が8週ごとの投与を48週目まで継続した。
40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注2)
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注2)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦54文字、73-55文字、≧74文字)、低輝度条件下での視力低下(<33文字、≧33文字)、及び地域)

安全性は、日本延長コホートの追加症例を含む52週までのデータで評価した。本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.3%(5/373例)であった。本剤投与群において0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、網膜色素上皮裂孔5例(1.3%)、ぶどう膜炎2例(0.5%)、虹彩炎2例(0.5%)であった。[7.2参照]
注1)疾患活動性は、視力及び中心領域網膜厚の変化、黄斑出血の有無に基づき評価された。
17.1.2 海外第III相試験(LUCERNE試験)
新生血管を伴う加齢黄斑変性患者658例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを導入期として4週ごとに4回投与し、その後維持期においては20週時、24週時の疾患活動性評価注1)に基づき本剤6.0mgを60週まで8週、12週もしくは16週ごとに投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに3回投与し、その後8週ごとに投与した。
主要評価項目である40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
なお、本剤投与群では、44.9%の患者が16週ごと、32.9%の患者が12週ごと、22.2%の患者が8週ごとの投与を48週目まで継続した。
40、44、48週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注2)
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注2)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦54文字、73-55文字、≧74文字)、低輝度条件下での視力低下(<33文字、≧33文字)、及び地域)

安全性は、52週までのデータで評価した。本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.5%(5/331例)であった。本剤投与群において0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、網膜色素上皮裂孔3例(0.9%)、ぶどう膜炎2例(0.6%)、硝子体炎2例(0.6%)、虹彩毛様体炎2例(0.6%)であった。[7.2参照]
〈糖尿病黄斑浮腫〉
17.1.3 国際共同第III相試験(YOSEMITE試験)
糖尿病黄斑浮腫患者940例(日本部分集団60例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、8週ごとに投与する固定投与群、もしくは本剤6.0mgを4週ごとに4回投与後、PTI注3)投与するPTI投与群の2群であった。アフリベルセプト投与群は4週ごとに5回投与し、その後8週ごとに投与した。
主要評価項目である48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(97.5%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群との群間差の97.5%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
なお、本剤PTI投与群では、52週時点で52.8%の患者が16週ごと、21.0%の患者が12週ごと、15.4%の患者が8週ごと、10.8%の患者が4週ごとの投与間隔であった。
48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(97.5%信頼区間)注4)
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注4)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(<64文字、≧64文字)、抗VEGF薬の硝子体内投与歴、及び地域)

本剤統合群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.3%(8/626例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、眼圧上昇6例(1.0%)、ぶどう膜炎4例(0.6%)であった。[7.3参照]
注3)視力及び中心領域網膜厚の変化に基づき最短4週間隔、最長16週間隔で投与間隔を調整した。
17.1.4 海外第III相試験(RHINE試験)
糖尿病黄斑浮腫患者951例を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、8週ごとに投与する固定投与群、もしくは本剤6.0mgを4週ごとに4回投与後、PTI注3)投与するPTI投与群の2群であった。アフリベルセプト投与群は4週ごとに5回投与し、その後8週ごとに投与した。
主要評価項目である48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(97.5%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群との群間差の97.5%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤の固定投与群及びPTI投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
なお、本剤PTI投与群では、52週時点で51.0%の患者が16週ごと、20.1%の患者が12週ごと、15.6%の患者が8週ごと、13.3%の患者が4週ごとの投与間隔であった。
48、52、56週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(97.5%信頼区間)注4)
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注4)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(<64文字、≧64文字)、抗VEGF薬の硝子体内投与歴、及び地域)

本剤統合群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は0.2%(1/636例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、硝子体浮遊物5例(0.8%)、眼圧上昇4例(0.6%)であった。[7.3参照]
〈網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫〉
17.1.5 国際共同第III相試験(BALATON試験)
網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫患者553例(日本部分集団34例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、PTI注5)投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに6回投与後、本剤6.0mgをPTI投与した。
主要評価項目である24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注6)
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注6)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦54文字、≧55文字)、及び地域)

主要評価時点である24週までのデータにおいて、本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用は認められなかった(0/276例)。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用はなく、0.5%未満の頻度で眼圧上昇1例(0.4%)が認められた。[7.4参照]
24週時以降は、本剤投与群は本剤PTI投与へ移行し(F‐F群)、アフリベルセプト投与群は本剤PTI投与へ移行した(A‐F群)。72週時までの最終解析結果において、64、68、72週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。
64、68、72週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注6)
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注6)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦54文字、≧55文字)、及び地域)

24週時から72週時までの最終解析結果において、眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は、F‐F群において0.4%(1/270例)、A‐F群には認められなかった(0/267例)。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、F‐F群において眼圧上昇5例(1.9%)、A‐F群において眼圧上昇4例(1.5%)、硝子体浮遊物3例(1.1%)、霧視2例(0.7%)であった。[7.4参照]
注5)視力及び中心領域網膜厚の変化に基づき最短4週間隔、最長16週間隔で投与間隔を調整した。なお、疾患の悪化により投与間隔を短縮した被験者は、4週間隔まで短縮された被験者を除き、投与間隔を再度延長しないこととした。4週間隔まで短縮された被験者は、短縮前の最長の投与間隔よりも4週短い投与間隔を超えた投与間隔に延長しないこととした。
17.1.6 国際共同第III相試験(COMINO試験)
網膜中心静脈閉塞症又は半側網膜静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫患者729例(日本部分集団49例を含む)を対象に、アフリベルセプトを対照としたランダム化二重遮蔽比較試験を実施した。本剤投与群は本剤6.0mgを4週ごとに6回投与後、PTI注5)投与した。アフリベルセプト投与群は4週ごとに6回投与後、本剤6.0mgをPTI投与した。
主要評価項目である24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。本剤投与群とアフリベルセプト投与群の群間差の95%信頼区間の下限が非劣性限界値(-4文字)を上回ったことから、本剤投与群のアフリベルセプト投与群に対する非劣性が示された。
24週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注7)
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注7)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦34文字、35-54文字、≧55文字)、及び地域)

主要評価時点である24週までのデータにおいて、本剤投与群における眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は1.9%(7/365例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、硝子体炎3例(0.8%)、白内障2例(0.5%)、ぶどう膜炎2例(0.5%)、硝子体浮遊物2例(0.5%)であった。[7.4参照]
24週時以降は、本剤投与群は本剤PTI投与へ移行し(F‐F群)、アフリベルセプト投与群は本剤PTI投与へ移行した(A‐F群)。72週時までの最終解析結果において、64、68、72週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(95%信頼区間)は、次表のとおりであった。
64、68、72週時の平均最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(95%信頼区間)注7)
→図表を見る(PDF)

注7)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:投与群、時点、投与群と時点の交互作用、ベースラインの最高矯正視力(連続量)、ベースラインの最高矯正視力(≦34文字、35-54文字、≧55文字)、及び地域)

24週時から72週時までの最終解析結果において、眼内炎症(ぶどう膜炎、硝子体炎等)の副作用の発現頻度は、F‐F群において2.8%(10/359例)、A‐F群において0.9%(3/342例)であった。0.5%以上の頻度で認められた試験眼の副作用は、F‐F群において硝子体炎4例(1.1%)、虹彩毛様体炎3例(0.8%)、眼圧上昇2例(0.6%)、虹彩炎2例(0.6%)、A‐F群において虹彩毛様体炎2例(0.6%)、緑内障2例(0.6%)であった。[7.4参照]
〈脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条〉
17.1.7 国内第III相試験(NIHONBASHI試験)
脈絡膜新生血管を伴う網膜色素線条患者24例を対象に、非対照、非遮蔽の多施設共同試験を実施した。本剤6.0mgを4週ごとに3回投与後、PRN(pro re nata)注8)で投与した。
主要評価項目である12週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(90%信頼区間)注9)は、5.8文字(3.0~8.5文字)であった。最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量の90%信頼区間の下限が閾値(0文字)を上回ったことから、本剤の有効性が示された。
12週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(90%信頼区間)注9)
注9)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:時点、ベースラインの最高矯正視力(連続量))

全患者が12週を迎えた日までのデータで評価したところ、本試験において、試験眼への本剤投与における副作用は認められなかった。[7.5参照]
12週時以降はPRN投与へ移行した。48週時までの中間解析結果において、48週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(90%信頼区間)注9)は、7.3文字(4.5~10.0文字)であった。
48週時の最高矯正視力スコアのベースラインからの変化量平均値(文字)(90%信頼区間)注9)
注9)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:時点、ベースラインの最高矯正視力(連続量))

48週時の中間解析結果において、試験眼への本剤投与における副作用は認められなかった。[7.5参照]
注8)疾患活動性の所見が認められた場合に投与を行う必要時投与法。本試験では、疾患の活動によると判断される視力低下、新規もしくは持続的な網膜下液、網膜内滲出液もしくは黄斑出血、又はその他連続投与が必要と判断された場合に最短4週間隔で投与を実施した。
注9)mixed‐effect models for repeated measures(MMRM)による解析(モデルの因子:時点、ベースラインの最高矯正視力(連続量))

18.1 作用機序
ファリシマブは、VEGF‐A及びAng‐2に対するヒト化二重特異性モノクローナルIgG1抗体であり、眼疾患における血管新生や血管漏出に重要な役割を果たすVEGF‐A及びAng‐2を同時に阻害することで、新生血管を伴う加齢黄斑変性等に対して治療効果を発揮すると考えられている。
18.2 標的抗原に対する結合作用及び細胞アッセイによる中和活性
ファリシマブは、in vitroにおいて、VEGF‐A及びAng‐2に対して特異的に結合し、解離定数がそれぞれ3及び22nmol/Lの高親和性を示した。また、細胞アッセイにおいて、組換えヒトVEGF‐165によるヒト臍帯静脈内皮細胞増殖及びAng‐2によるTie‐2受容体リン酸化を、それぞれ濃度依存的に抑制したことから、VEGF‐A及びAng‐2を中和することが確認された。
18.3 動物モデルにおける作用
ファリシマブは、カニクイザルのレーザー誘発脈絡膜新生血管モデルを用いたin vivo試験において、血管新生及び血管透過性の亢進を抑制した。

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