レバミピド懸濁性点眼液2%「参天」
添付文書情報2024年02月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- ドライアイ。
(効能又は効果に関連する注意)
涙液異常に伴う角結膜上皮障害が認められ、ドライアイと診断された患者に使用すること。
- 用法・用量
- 通常、1回1滴、1日4回点眼する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤の点眼後、一時的に目がかすむことがあるので、機械類の操作や自動車等の運転には注意させること。
8.2. 涙道閉塞、涙嚢炎があらわれることがあるので、眼科検査を実施するなど観察を十分に行うこと〔11.1.1参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 涙道閉塞(0.1~5%未満)、涙嚢炎(頻度不明):涙道閉塞、涙嚢炎が認められた症例では涙道内白色物質が認められることがある〔8.2、14.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹、蕁麻疹。
2). 眼:(0.1~5%未満)眼脂、眼充血、眼痛、眼異物感、眼刺激感、霧視、眼不快感、流涙増加、眼そう痒、眼瞼炎、眼瞼浮腫、結膜炎、眼乾燥感、角膜障害、角膜炎、潰瘍性角膜炎、視神経乳頭出血、視力障害、視力低下、複視。
3). 消化器:(5%以上)苦味、(0.1~5%未満)胃部不快感、悪心、嘔吐、食欲不振、口渇、舌炎、舌変色。
4). その他:(0.1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、コレステロール上昇、LDH上昇、白血球減少、カリウム上昇、BUN上昇、尿糖陽性、気管支炎、副鼻腔炎、鼻炎、歯肉膿瘍、浮動性めまい、頭痛。
- 高齢者
- 一般に生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(動物実験(ラット:経口)で乳汁中への移行が報告されている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
・ 点眼前にキャップをしたまま点眼容器をよく振ること。
・ 薬液汚染防止のため、点眼のとき、容器の先端が直接目に触れないように注意すること。
・ 患眼を開瞼して結膜嚢内に点眼し、1~5分間閉瞼して涙嚢部を圧迫した後、開瞼すること。
・ 眼周囲等に流出した液は拭きとること。
・ 他の点眼剤を併用する場合には、少なくとも5分間以上間隔をあけてから点眼すること。
・ 本剤は、保管の仕方によっては振り混ぜても粒子が分散しにくくなる場合があるので、点眼口を下向きにして保管しないこと。
・ 眼表面、涙道等に本剤の成分が凝集することがあるので、目や鼻の奥に違和感を感じたときは眼科医に相談すること〔11.1.1参照〕。
・ 本剤の有効成分はソフトコンタクトレンズに吸着することがあるので、目に違和感を感じたときは眼科医に相談すること。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回点眼
健康成人に2%レバミピド点眼液を両眼に1滴単回点眼した時の血漿中薬物動態パラメータを示す(表1)。
表1. 単回点眼後の血漿中薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.1.2 反復点眼
健康成人6例に2%レバミピド点眼液を両眼に1回1滴、1日4回、14日間反復点眼した時、1日目の1日4回点眼後の最高血漿中濃度は約2.2ng/mL、14日間反復点眼後の最高血漿中濃度は約1.7ng/mLであった。14日間反復点眼後で血漿中レバミピド濃度の上昇は認められなかった。
16.3 分布
ウサギに1%14C‐レバミピド点眼液を単回点眼した時、眼組織内の標識化合物は点眼15分後には角膜、結膜及び瞬膜に高濃度に検出された。
16.4 代謝
レバミピドの代謝物である8位水酸化体は、ヒト肝代謝酵素CYP3A4により生成した(in vitro)。
16.5 排泄
健康成人に2%レバミピド点眼液を両眼に1滴単回点眼した時のレバミピドの尿中排泄率は、3.95%であった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内後期第II相試験
ドライアイ患者を対象に、プラセボ点眼液を対照薬とした二重盲検比較試験において、2%レバミピド点眼液又はプラセボ点眼液を1回1滴、1日4回、4週間点眼した。2%レバミピド点眼液(シェーグレン症候群患者14例を含む102例)は、プラセボ点眼液(対照薬、シェーグレン症候群患者17例を含む103例)に比較して、角膜におけるフルオレセイン染色スコア注)及び結膜におけるリサミングリーン染色スコア注)を有意に低下させた(表2)。
表2. 国内後期第II相試験の成績
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、2%レバミピド点眼液で102例中19例(18.6%)であった。副作用は、味覚異常16例(15.7%)、眼刺激2例(2.0%)、霧視、眼そう痒症、気管支炎、尿中ブドウ糖陽性及び白血球数減少が各1例(1.0%)であった。
17.1.2 国内第III相試験
ドライアイ患者を対象に、0.1%精製ヒアルロン酸ナトリウム点眼液を対照薬とした二重盲検比較試験において、2%レバミピド点眼液(1回1滴、1日4回)又は対照薬(1回1滴、1日6回)を4週間点眼した。2%レバミピド点眼液(シェーグレン症候群患者17例を含む93例)と対照薬(シェーグレン症候群患者17例を含む95例)の角膜におけるフルオレセイン染色スコア注)で非劣性(群間差の95%信頼区間の上限-0.24は、非劣性マージン0.4を下回った)を示し(表3、添付文書の図1)、結膜におけるリサミングリーン染色スコア注)で優越性を示した(添付文書の図2)。
表3. フルオレセイン角膜染色の非劣性の解析
→図表を見る(PDF)
図1. フルオレセイン角膜染色スコアの変化量
平均値±標準誤差(例数)、**:p<0.01(t検定)
図2. リサミングリーン結膜染色スコアの変化量
平均値±標準誤差(例数)、**:p<0.01(t検定)
副作用発現頻度は、2%レバミピド点眼液で93例中15例(16.1%)であった。副作用は、味覚異常9例(9.7%)、視力障害及び白血球数減少が各2例(2.2%)、霧視、眼そう痒症、腹部不快感、口渇及びアスパラギン酸トランスフェラーゼ増加が各1例(1.1%)であった。
17.1.3 国内長期投与試験
ドライアイ患者(シェーグレン症候群患者26例、スティーブンス・ジョンソン症候群患者5例を含む154例)を対象にした長期投与試験において、2%レバミピド点眼液を1回1滴、1日4回、52週間点眼した。角膜におけるフルオレセイン染色スコア注)及び結膜におけるリサミングリーン染色スコア注)は、点眼開始2週後より低下を示し、その効果は52週後まで維持された。
副作用発現頻度は、2%レバミピド点眼液で154例中36例(23.4%)であった。主な副作用は、味覚異常21例(13.6%)、霧視5例(3.2%)、眼刺激4例(2.6%)及び血中尿素増加2例(1.3%)であった。
17.1.4 臨床効果の類似性
ドライアイ患者76例(本剤群:37例、標準製剤/ムコスタ点眼液UD2%群:39例)を対象とした、評価者遮蔽試験において、本剤又は標準製剤を1回1滴、1日4回、4週間点眼した結果、フルオレセイン角膜染色スコア注)において、両剤の臨床効果の類似性が検証された(表4)。
表4. フルオレセイン角膜染色の比較
→図表を見る(PDF)
注)臨床試験でのスコアリング方法
・フルオレセイン角膜染色:
角膜を上側、中央、下側、鼻側及び耳側に5分画し、それぞれ0点から3点で角膜障害の程度をスコア化し、合計15点満点として評価した。
・リサミングリーン結膜染色:
結膜を耳側、上耳側、下耳側、鼻側、上鼻側及び下鼻側に6分画し、それぞれ0点から3点で結膜障害の程度をスコア化し、合計18点満点として評価した。
18.1 作用機序
レバミピドは、角膜上皮細胞のムチン遺伝子発現を亢進し、ムチン産生を促進させる。また、角膜上皮細胞の増殖を促進し、結膜ゴブレット細胞数を増加させる。
18.2 結膜ムチン産生促進作用
レバミピド点眼液を正常あるいは眼ムチン減少モデルのウサギに反復点眼したところ、用量依存的に結膜組織ムチン量は増加した。
18.3 角膜ムチン産生促進作用
1%レバミピド点眼液を正常あるいは眼ムチン減少モデルのウサギに反復点眼したところ、角膜組織ムチン量は増加した。
18.4 角結膜上皮障害改善作用
1%レバミピド点眼液を眼ムチン減少モデルのウサギに反復点眼したところ、角膜及び結膜上皮障害は改善した。
18.5 薬理効果の同等性
本剤と標準製剤(ムコスタ点眼液UD2%)の角膜上皮障害改善作用を、眼窩外涙腺摘出ラット・ドライアイモデルを用いて検討した。ドライアイモデルラットに本剤もしくは標準製剤を1日4回、2週間点眼し、点眼2週間後に角膜上皮障害の程度をフルオレセイン染色によってスコア化した。その結果、両製剤間差の90%信頼区間の比は生物学的同等性基準の範囲内であり、薬理効果の同等性が確認された。
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- 参天製薬
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