イブリーフ静注20mg
添付文書情報2024年08月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 動脈管依存性の先天性心疾患(肺動脈閉鎖、ファロー四徴症、大動脈縮窄症等)のある患者[これらの患者では、十分な肺又は全身血流確保のために、動脈管の開存が必要であり、本剤による動脈管の閉鎖はこれらの症状を悪化させるおそれがある]。
2.2. 重篤な腎機能障害のある患者〔9.2.1参照〕。
2.3. 高度黄疸のある患者[ビリルビンの血中濃度が上昇し、黄疸が悪化するおそれがある]。
2.4. 消化管出血のある患者[プロスタグランジン合成阻害作用に基づくとされる胃粘膜防御能の低下により、消化管出血が悪化するおそれがある]。
2.5. 壊死性腸炎又はその疑いのある患者[壊死性腸炎が悪化するおそれがある]。
2.6. 頭蓋内出血のある患者[頭蓋内出血が悪化するおそれがある]。
2.7. 血小板減少症の患者[血小板減少症が悪化するおそれがある]。
2.8. 血液凝固障害のある患者[血小板凝集能を抑制するため、血液凝固障害が悪化するおそれがある]。
- 効能・効果
- 次記疾患で保存療法(水分制限、利尿剤投与等)が無効の場合:未熟児動脈管開存症。
(効能又は効果に関連する注意)
未熟性を伴う新生児に対して投与すること。
- 用法・用量
- 通常3回、イブプロフェンとして初回は10mg/kg、2回目及び3回目は5mg/kgを15分以上かけて24時間間隔で静脈内投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 投与時間の上限は1時間を目安とすること。
7.2. 無尿又は著しい乏尿<尿量:0.6mL/h/kg未満>が明らかな場合は2回目又は3回目の投与を行わないこと〔8.3、11.1.1参照〕。
7.3. 初回又は2回目の投与後、動脈管の閉鎖が得られた場合は、再開通の可能性と副作用のリスクを慎重に検討した上で投与継続の要否を検討すること。
7.4. 本剤を希釈して投与する場合は、日本薬局方ブドウ糖注射液(5又は10%)又は日本薬局方生理食塩液を用いること。
7.5. 中心静脈栄養と同じ静脈ラインで投与する際は、中心静脈栄養を中断し、日本薬局方ブドウ糖注射液(5又は10%)又は日本薬局方生理食塩液を本剤の投与前後15分間かけて静脈内投与すること。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、最新の治療ガイドラインを参考にすること。
8.2. 新生児医療及び未熟児動脈管開存症患者の管理に習熟した医師が使用するか、又はそれら医師の監督下で使用すること。
8.3. 腎障害、尿量減少、重篤な無尿を起こすことがあるので、定期的に腎機能に関する検査を行うこと〔7.2、11.1.1参照〕。
8.4. 頭蓋内出血を起こすことがあるので、頭部超音波検査を行うなど観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
8.5. 他のプロスタグランジン合成阻害剤と同時に投与しないこと。
9.1.1. 総ビリルビン上昇がみられる患者:黄疸の発現に注意し、慎重に投与すること(イブプロフェンはアルブミン結合部位からビリルビンを置換させることがある)。
9.2.1. 重篤な腎機能障害のある患者:投与しないこと(血管拡張性のプロスタグランジンによって腎血流が維持されている患者では、本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、腎機能障害が悪化するおそれがある)〔2.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤は主に肝代謝酵素CYP2C9によって代謝される。
10.2. 併用注意:1). 利尿剤(フロセミド、ヒドロクロロチアジド等)[利尿作用を減弱させるおそれがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、水・ナトリウムの体内貯留が生じるためと考えられる)]。
2). 副腎皮質ステロイド剤(プレドニゾロン等)[消化管出血の発現が高まるおそれがある(プロスタグランジン合成阻害作用を増強するためと考えられる)]。
3). ジギタリス[ジギタリスの作用を増強することがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、ジギタリスの腎排泄が減少するためと考えられる)]。
4). 抗凝血剤(ワルファリン等)、抗血小板剤(アスピリン等)[出血の危険性が増大するおそれがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、血小板凝集抑制が生じ、相互に作用を増強するためと考えられる)]。
5). アミノグリコシド系抗生物質(ゲンタマイシン等)[アミノグリコシド系抗生物質の作用を増強することがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により腎血流量が減少し、アミノグリコシド系抗生物質の腎排泄が減少するためと考えられる)]。
6). 一酸化窒素[出血の危険性が増大するおそれがある(本剤のプロスタグランジン合成阻害作用により、血小板凝集抑制が生じ、相互に作用を増強するためと考えられる)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 急性腎障害(1.1%)、無尿(頻度不明)〔7.2、8.3参照〕。
11.1.2. 肺高血圧症(頻度不明)。
11.1.3. 壊死性腸炎(5.7%)、消化管穿孔(2.3%)、イレウス(2.3%):腹部膨満、血便等の症状があらわれることがある。
11.1.4. 血小板減少症(4.5%)、出血(2.3%)、胃腸出血(1.1%)、肺出血(頻度不明)。
11.1.5. 頭蓋内出血(15.9%)〔8.4参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 腎臓:(5%以上)腎機能障害、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、尿量減少、(5%未満)乏尿、尿中血陽性。
2). 消化管:(5%未満)腹部膨満、胃食道逆流症、胃炎。
3). 血液:(5%未満)貧血、好中球減少、白血球減少。
4). 代謝異常:(5%未満)低ナトリウム血症、高ナトリウム血症、血中重炭酸塩減少、血中カルシウム減少。
5). 循環器:(5%未満)血圧上昇、低血圧、頻脈、心雑音、(頻度不明)高血圧、徐脈。
6). 呼吸器:(5%以上)無呼吸、(5%未満)呼吸不全、呼吸窮迫、高炭酸ガス血症、低酸素症、(頻度不明)気胸。
7). 感染症:(5%以上)敗血症、(5%未満)尿路感染症。
8). 肝臓:(5%未満)抱合ビリルビン増加、黄疸、高ビリルビン血症、(頻度不明)胆汁うっ滞。
9). その他:(5%以上)低血糖、代謝性アシドーシス、(5%未満)CRP増加、高血糖、酸素飽和度低下、便潜血陽性、哺乳障害、(頻度不明)甲状腺機能低下症、水頭症、全身性炎症反応症候群。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意本剤を希釈する場合は用時調製すること。
14.2. 薬剤投与時の注意投与されなかった薬液は廃棄すること。
外箱開封後は、遮光して保存すること。
16.1 血中濃度
日本人未熟児動脈管開存症患者に本剤を用法及び用量どおりに投与(イブプロフェンとして初回10mg/kg、2回目及び3回目5mg/kgを24時間間隔で静脈内投与)したとき、1回目投与後1時間における血漿中イブプロフェン濃度は37.0±6.54μg/mL(18例)、2回目及び3回目投与直前における血漿中イブプロフェン濃度はそれぞれ24.3±6.06μg/mL(17例)及び25.5±10.6μg/mL(15例)であった。
本剤をイブプロフェンとして初回10mg/kg、2回目及び3回目5mg/kgを24時間間隔で静脈内投与された外国人未熟児動脈管開存症患者54例から得た血漿中イブプロフェン濃度データを用いて、母集団薬物動態解析により薬物動態パラメータを推定した。出生後1日目の患者におけるイブプロフェンのクリアランスは2.96mL/h/kg、分布容積は320mL/kgと推定された。出生後日数はイブプロフェンの薬物動態に有意な影響を及ぼすと推定され、出生後日数を経るに従いクリアランスは増加すると予測された。
16.3 分布
新生児血漿を用いたin vitroにおけるイブプロフェンの血漿蛋白結合率は95.0%であった。
16.5 排泄
外国人健康成人にイブプロフェンとして200mgを1日3回経口投与したとき、24時間までに尿中に約60%が代謝物(側鎖イソブチル基が酸化されたもの2種、及びそれらの抱合体)として排泄され、未変化体は認められなかった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験
出生後72時間以内の日本人未熟児動脈管開存症患者(出生時体重500g以上1500g以下、在胎32週未満)を対象に、本剤をイブプロフェンとして初回に10mg/kg、2回目及び3回目に5mg/kgを24時間間隔で静脈内投与した非対照非遮蔽試験において、有効性及び安全性を検討した。その結果、死亡又は脱落した症例を含まない、試験開始後14日以内に救済治療を必要とした症例の割合(本剤から他の治療法に切り替えが必要となった割合)は15.0%(3/20例)であり、本治験における有効性判断基準30%未満を満たした。
本剤での副作用は20例中17例(85.0%)に認められ、主な副作用は尿量減少5例(25.0%)、腎機能障害5例(25.0%)、血中クレアチニン増加4例(20.0%)、血中尿素増加3例(15.0%)、乏尿3例(15.0%)、イレウス2例(10.0%)、低血糖2例(10.0%)であった。
17.1.2 海外第III相比較試験
出生後72時間未満の外国人未熟児動脈管開存症患者(出生時体重500g以上1000g以下、在胎30週以下)を対象に、本剤をイブプロフェンとして初回に10mg/kg、2回目及び3回目に5mg/kg、又はプラセボを24時間間隔で3回静脈内投与したプラセボ対照二重遮蔽比較試験において、有効性及び安全性を検討した。その結果、死亡又は脱落した症例を含む、試験開始後14日以内に救済治療を必要とした症例の割合(本剤から他の治療法に切り替えが必要となった割合)は本剤群30.9%(21/68例)、プラセボ群52.9%(36/68例)であり、群間に有意差(p=0.005)が認められた(投与群及び施設を要因としたロジスティック回帰モデル、有意水準は両側1%、以下同様)。また、死亡又は脱落した症例を含まない、試験開始後14日以内に救済治療を必要とした症例の割合は本剤群25.0%(17/68例)、プラセボ群48.5%(33/68例)であり、群間に有意差(p=0.003)が認められた。
本剤群での副作用は68例中35例(51.5%)に認められ、主な副作用は頭蓋内出血13例(19.1%)、敗血症8例(11.8%)、無呼吸6例(8.8%)、代謝性アシドーシス6例(8.8%)、壊死性腸炎5例(7.4%)、血小板減少症4例(5.9%)、呼吸窮迫3例(4.4%)、高血糖3例(4.4%)、低血糖3例(4.4%)、呼吸不全2例(2.9%)、頻脈2例(2.9%)、出血2例(2.9%)、哺乳障害2例(2.9%)、消化管穿孔2例(2.9%)、腹部膨満2例(2.9%)、高ビリルビン血症2例(2.9%)、低ナトリウム血症2例(2.9%)、血中尿素増加2例(2.9%)、血中重炭酸塩減少2例(2.9%)、便潜血陽性2例(2.9%)であった。
18.1 作用機序
本剤の動脈管閉鎖作用に関する詳細な作用機序は明らかにされていないが、その効果はプロスタグランジンの合成酵素阻害作用によるものであると考えられている。
18.2 早産ヒヒ未熟児動脈管開存症モデルに対する作用
ヒトの未熟児動脈管開存症に類似するとされている早産ヒヒ未熟児動脈管開存症モデルのin vivo試験において、本剤は開存動脈管を閉鎖することが報告されている。また、同モデルにおいて、イブプロフェンは全身血圧の上昇、肺体血流量比及び左室拡張末期径の低下を示したことが報告されている。
- 製造販売会社
- 千寿製薬
- 販売会社
- 武田薬品
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
わからないことがあったら、
気軽にすぐ質問しよう!
このコミュニティは、各種法令・通達が実務の現場で実際にはどう運用されているのか情報共有に使われることもあります。解釈に幅があるものや、関係機関や担当者によって対応が異なる可能性のあることを、唯一の正解であるかのように断言するのはお控えください。「しろぼんねっと」編集部は、投稿者の了承を得ることなく回答や質問を削除する場合があります。