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テオドール顆粒20%

販売名
テオドール顆粒20%
薬価
20%1g 14.40円
製造メーカー
田辺三菱製薬

添付文書情報2024年05月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
キサンチン系製剤
一般名
テオフィリン徐放顆粒
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤又は他のキサンチン系薬剤に対し重篤な副作用の既往歴のある患者。
2.2. 12時間以内にアデノシン<アデノスキャン>を使用する患者〔10.1参照〕。
効能・効果
1). 気管支喘息。
2). 喘息性<様>気管支炎。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈喘息性<様>気管支炎〉発熱を伴うことが多く、他の治療薬による治療の優先を考慮すること(テオフィリン投与中に発現した痙攣の報告は、発熱した乳幼児に多い)。
用法・用量
通常、テオフィリンとして、成人1回200mg(本剤1g)を、小児1回100~200mg(本剤0.5~1g)を、1日2回、朝及び就寝前に経口投与する。また、気管支喘息については、テオフィリンとして成人1回400mg(本剤2g)を、1日1回就寝前に経口投与することもできる。
なお、年齢、症状により適宜増減する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 〈効能共通〉本剤投与中は、臨床症状等の観察や血中濃度のモニタリングを行うなど慎重に投与すること。
7.2. 〈気管支喘息〉小児の気管支喘息に投与する場合の投与量、投与方法等については、学会のガイドライン等、最新の情報を参考に投与すること〔9.7.1参照〕。
〈参考:日本小児アレルギー学会:小児気管支喘息治療・管理ガイドライン〉
6~15歳では8~10mg/kg/日(1回4~5mg/kg1日2回)より開始し、臨床効果と血中濃度を確認しながら調節する。
肝機能障害患者
8.1. テオフィリンによる副作用の発現は、テオフィリン血中濃度の上昇に起因する場合が多いことから、血中濃度のモニタリングを適切に行い、患者個々人に適した投与計画を設定することが望ましい。
8.2. 小児、特に乳幼児に投与する場合には、保護者等に対し、発熱時には一時減量あるいは中止するなどの対応を、あらかじめ指導しておくことが望ましい〔9.7.1参照〕。
8.3. 小児では一般に自覚症状を訴える能力が劣るので、本剤の投与に際しては、保護者等に対し、患児の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には速やかに主治医に連絡するなどの適切な対応をするように注意を与えること〔9.7.1参照〕。
9.1.1. てんかんの患者:中枢刺激作用によって発作を起こすことがある。
9.1.2. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進に伴う代謝亢進、カテコールアミンの作用を増強することがある。
9.1.3. うっ血性心不全の患者:血中濃度測定等の結果により減量すること(テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある)。
9.2.1. 急性腎炎の患者:腎臓に対する負荷を高め、尿蛋白が増加するおそれがある。
肝機能障害患者:血中濃度測定等の結果により減量すること(テオフィリンクリアランスが低下し、テオフィリン血中濃度が上昇することがある)。
相互作用
本剤は主として肝代謝酵素CYP1A2で代謝される〔16.4参照〕。
10.1. 併用禁忌:アデノシン<アデノスキャン>〔2.2参照〕[本剤によりアデノシンによる冠血流速度の増加及び冠血管抵抗の減少を抑制し、虚血診断に影響を及ぼすことがあるので、アデノシン(アデノスキャン)を投与する場合は12時間以上の間隔をあけること(本剤はアデノシン受容体に拮抗するため、アデノシンの作用を減弱させる)]。
10.2. 併用注意:1). 他のキサンチン系薬剤(アミノフィリン水和物、ジプロフィリン、カフェイン等)、中枢神経興奮薬(エフェドリン塩酸塩、マオウ等)〔13.1参照〕[過度の中枢神経刺激作用があらわれることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(併用により中枢神経刺激作用が増強される)]。
2). 交感神経刺激剤(β刺激剤)(イソプレナリン塩酸塩、クレンブテロール塩酸塩、ツロブテロール塩酸塩、テルブタリン硫酸塩、プロカテロール塩酸塩水和物等)[低カリウム血症、心・血管症状<頻脈・不整脈等>等のβ刺激剤の副作用症状を増強させることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(心刺激作用をともに有しており、β刺激剤の作用を増強するためと考えられる。低カリウム血症の増強についての機序は不明である)]。
3). ハロタン[不整脈等の副作用が増強することがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)、また、ハロタンとの連続併用によりテオフィリン血中濃度が上昇することがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリンとハロタンの心臓に対する作用の相加又は相乗効果と考えられる)]。
4). ケタミン塩酸塩[痙攣があらわれることがあるので、痙攣の発現に注意し、異常が認められた場合には抗痙攣剤の投与など適切な処置を行うこと(痙攣閾値が低下するためと考えられる)]。
5). シメチジン、メキシレチン塩酸塩、プロパフェノン塩酸塩、アミオダロン塩酸塩、ピペミド酸水和物、シプロフロキサシン、ノルフロキサシン、トスフロキサシントシル酸塩水和物、パズフロキサシンメシル酸塩、プルリフロキサシン、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、ロキシスロマイシン、チクロピジン塩酸塩、ベラパミル塩酸塩、ジルチアゼム塩酸塩、フルボキサミンマレイン酸塩、フルコナゾール、ジスルフィラム、デフェラシロクス〔13.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(肝代謝酵素が阻害され、テオフィリンクリアランスが低下するため、テオフィリン血中濃度が上昇すると考えられる)]。
6). アシクロビル、バラシクロビル塩酸塩、インターフェロン、イプリフラボン、シクロスポリン、アロプリノール〔13.1参照〕[テオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(テオフィリン血中濃度の上昇によると考えられる)]。
7). リファンピシン、フェノバルビタール、ランソプラゾール、リトナビル[テオフィリンの効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行うこと(肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。
8). フェニトイン、カルバマゼピン[テオフィリン及び相手薬の効果が減弱することがあり、テオフィリン血中濃度が低下することがあるので、適切な処置を行い、また、相手薬の効果減弱や血中濃度の低下に注意すること(肝代謝酵素の誘導によりテオフィリンクリアランスが上昇するため、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられる)]。
9). ジピリダモール[ジピリダモールの作用を減弱させることがある(アデノシン拮抗作用による)]。
10). ラマトロバン[ラマトロバンの血中濃度が上昇することがある(ラマトロバンの血中濃度上昇についての機序は不明である)]。
11). リルゾール[リルゾールの作用を増強<副作用発現>するおそれがある(invitro試験でリルゾールの代謝を阻害することが示唆されている)]。
12). タバコ〔13.1参照〕[禁煙<禁煙補助剤のニコチン製剤使用時を含む>によりテオフィリンの中毒症状があらわれることがあるので、副作用の発現に注意し、異常が認められた場合には減量又は投与を中止するなど適切な処置を行うこと(喫煙により肝代謝酵素が誘導され、テオフィリンクリアランスが上昇し、テオフィリン血中濃度が低下すると考えられ、また、禁煙により血中濃度が上昇すると考えられる)]。
13). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の代謝が促進され血中濃度が低下するおそれがあるので、本剤投与時はセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取しないよう注意すること(セイヨウオトギリソウにより誘導された肝代謝酵素が本剤の代謝を促進し、クリアランスを上昇させるためと考えられている)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。なお、副作用の発現に伴い本剤を減量又は投与を中止した場合には、テオフィリン血中濃度を測定することが望ましい。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 痙攣、意識障害(いずれも頻度不明):痙攣又はせん妄、昏睡等の意識障害があらわれることがあるので、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.2. 急性脳症(頻度不明):痙攣、意識障害等に引き続き急性脳症に至ることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、抗痙攣剤の投与等適切な処置を行うこと。
11.1.3. 横紋筋融解症(頻度不明):脱力感、筋肉痛、CK上昇等に注意し、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うとともに横紋筋融解症による急性腎障害の発症に注意すること。
11.1.4. 消化管出血(頻度不明):消化管潰瘍等による消化管出血(吐血、下血等)があらわれることがある。
11.1.5. 赤芽球癆(頻度不明):貧血があらわれた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.6. アナフィラキシーショック(頻度不明):アナフィラキシーショック(蕁麻疹、蒼白、発汗、血圧低下、呼吸困難等)があらわれることがある。
11.1.7. 肝機能障害、黄疸(いずれも頻度不明):肝機能障害(AST上昇、ALT上昇等)、黄疸があらわれることがある。
11.1.8. 頻呼吸、高血糖症(いずれも頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%未満)そう痒感、発疹、(頻度不明)蕁麻疹、固定薬疹、紅斑(多形滲出性紅斑等)。
2). 精神神経系:(0.1~5%未満)頭痛、不眠、めまい、振戦、(0.1%未満)しびれ、不随意運動、筋緊張亢進、(頻度不明)神経過敏(興奮、不機嫌、いらいら感)、不安、耳鳴。
3). 循環器:(0.1~5%未満)動悸、不整脈(心室性期外収縮等)、(0.1%未満)頻脈、顔面潮紅、顔面蒼白。
4). 消化器:(0.1~5%未満)悪心、嘔吐、食欲不振、腹痛、腹部膨満感、下痢、消化不良(胸やけ等)、(0.1%未満)しゃっくり。
5). 泌尿器:(0.1~5%未満)蛋白尿、(頻度不明)頻尿。
6). 代謝異常:(0.1~5%未満)血清尿酸値上昇、CK上昇。
7). 肝臓:(0.1~5%未満)ALT上昇、ALP上昇、LDH上昇、(0.1%未満)AST上昇、(頻度不明)γ-GTP上昇。
8). 血液:(0.1~5%未満)貧血、(頻度不明)好酸球増多。
9). その他:(0.1%未満)倦怠感、むくみ、胸痛、(頻度不明)関節痛、四肢痛、発汗、低カリウム血症、鼻出血、しびれ(口しびれ、舌周囲しびれ)。
発現頻度は、製造販売後調査の結果を含む。
高齢者
副作用の発現に注意し、慎重に投与すること(高齢者では、非高齢者に比べ最高血中濃度上昇及びAUC増加が認められたとの報告がある)〔16.6.1参照〕。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(動物実験(マウス、ラット、ウサギ)で催奇形作用等の生殖毒性が報告されており、また、ヒトで胎盤を通過して胎児に移行し、新生児に嘔吐、神経過敏等の症状があらわれることがある)〔16.3.4参照〕。
本剤投与中は授乳しないことが望ましい(ヒト母乳中に移行し、乳児に神経過敏を起こすことがある)〔16.3.5参照〕。
小児等
9.7.1. テオフィリン血中濃度のモニタリングを行うなど、学会のガイドライン等の最新の情報も参考に、慎重に投与すること(特に次の小児にはより慎重に投与すること)、成人に比べて痙攣を惹起しやすく、また、テオフィリンクリアランスが変動しやすい〔7.2、8.2、8.3参照〕。
・ てんかんの既往歴のある小児及び痙攣の既往歴のある小児:痙攣を誘発することがある。
・ 発熱している小児:テオフィリン血中濃度上昇や痙攣等の症状があらわれることがある。
・ 6ヵ月未満の乳児:6ヵ月未満の乳児ではテオフィリンクリアランスが低く、テオフィリン血中濃度が上昇することがある(乳児期にはテオフィリンクリアランスが一定していない)。
9.7.2. 低出生体重児、新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意発熱時には一時減量あるいは中止する等、投与量の調整が必要となることがあるので、他の薬剤と配合しないことが望ましい。
14.2. 薬剤交付時の注意14.2.1. 本剤は徐放性製剤なので、かまずに服用するよう指導すること。
14.2.2. 水とともに経口投与するよう指導すること。
14.2.3. 便に白色粒子が排泄されることがあるが、これは賦形剤の一部である。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人にテオドール錠50mg×6錠(テオフィリンとして300mg)を単回経口投与した場合の薬物動態パラメータ及び血清中テオフィリン濃度推移は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)


16.2 吸収
消化管からほぼ100%吸収される。
16.3 分布
16.3.1 分布容積
一般に約0.45L/kgとされている。
16.3.2 蛋白結合率
約60%
16.3.3 組織への移行性
ラットに14C‐theophyllineを経口投与した場合、テオフィリン及びその代謝物が特異的に分布、蓄積する臓器は認められなかった。
16.3.4 胎児への移行性
12例の喘息を有する母親の妊娠中の平均血清中テオフィリン濃度は9.69μg/mLであり、同時に得られた平均臍帯血テオフィリン濃度は10.21μg/mLであり、有意差を認めなかった。[9.5参照]
16.3.5 乳汁中への移行性
5例の授乳婦を対象にテオフィリンの血清中濃度と乳汁中濃度を検討したところ、乳汁/血清中濃度比は平均で0.7であった。[9.6参照]
16.4 代謝
健康成人にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を経口投与した場合、テオフィリンは主として肝臓で代謝され、尿中代謝物は1,3‐dimethyluric acid、1‐methyluric acid及び3‐methylxanthineが同定された。
テオフィリンの代謝にはP450の分子種のうちCYP1A2が主たる分子種として、3A4や2E1がマイナーな分子種として関与することが示唆されている。[10.参照]
16.5 排泄
テオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を投与後48時間に健康成人の尿中に排泄される未変化のテオフィリンは投与量の約8%、代謝物は約80%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 高齢者
健康高齢者及び健康非高齢者にテオドール錠100mg×2錠(テオフィリンとして200mg)を12時間ごとに9回連続経口投与した場合の薬物動態パラメータは次表のとおりである。[9.8参照]
→図表を見る(PDF)

16.8 その他
テオフィリンの治療上有効な血清中濃度は5~20μg/mLであり、20μg/mLを超えると中毒作用が発現することがある。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 一般臨床試験(1日2回投与)
気管支喘息患児を対象に実施された臨床試験において277例中、脱落、除外例を除いた250例のうち、改善以上と評価されたのは188例(75.2%)であった。

18.1 作用機序
本剤の作用機序は、phosphodiesteraseの作用を阻害して細胞内cyclic 3’,5’‐AMP濃度を高めることによるとされている。
このほかにも、アデノシン受容体に対する拮抗作用、細胞内カルシウムイオンの分布調節作用、内因性カテコールアミンの遊離促進作用及びプロスタグランジンに対する拮抗作用等が報告されており、いまだ作用機序については不明な点が多い。
18.2 気管支拡張作用等
気管支拡張、肺血管拡張、呼吸中枢刺激、気道の粘液線毛輸送能の促進、横隔膜の収縮力増強、肥満細胞からの化学伝達物質(気管支収縮因子)の遊離抑制等の作用により、気管支喘息等の諸症状を改善する。
18.3 抗炎症作用
喘息患者の気管支生検において活性化好酸球数、総好酸球数の減少等の抗炎症作用を示す。
18.4 その他の薬理作用(in vitro)
ヒト炎症細胞からの活性酸素及びサイトカインの産生に対する抑制作用、IL‐5のヒト好酸球寿命延長に対する抑制作用、ヒト好酸球の接着因子発現の抑制作用等が報告されている。

一包可:条件付可

【添】投与量の調整が必要となることがあるので、他の薬剤と配合しないことが望ましい。@【IF】配合変化に関する情報あり

分割:条件付可
粉砕:条件付可

徐放性製剤なので、かまずに服用するよう指導する。

製造販売会社
田辺三菱製薬
販売会社
 

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