スピオルトレスピマット60吸入
添付文書情報2022年06月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 閉塞隅角緑内障の患者[眼内圧を高め、症状を悪化させるおそれがある]〔8.5、11.1.3参照〕。
2.2. 前立腺肥大による排尿障害等排尿障害のある患者[更に尿を出にくくすることがある]〔9.1.7参照〕。
2.3. アトロピン及びその類縁物質あるいは本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎、肺気腫)の気道閉塞性障害に基づく諸症状の緩解(長時間作用性吸入抗コリン剤及び長時間作用性吸入β2刺激剤の併用が必要な場合)。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は慢性閉塞性肺疾患(COPD:慢性気管支炎、肺気腫)の維持療法に用いること。本剤は急性症状の軽減を目的とした薬剤ではない。
5.2. 本剤は気管支喘息治療を目的とした薬剤ではないため、気管支喘息治療の目的には使用しないこと。
- 用法・用量
- 通常、成人には1回2吸入(チオトロピウムとして5μg及びオロダテロールとして5μg)を1日1回吸入投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤を他の長時間作用性抗コリン薬、長時間作用性β2刺激薬又は長時間作用性抗コリン薬を含む配合剤、長時間作用性β2刺激薬を含む配合剤と同時に使用しないこと〔15.1参照〕。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 用法及び用量どおり正しく使用しても効果が認められない場合には、本剤が適当ではないと考えられるので、漫然と投与を継続せず中止すること。
8.2. 急性症状を緩和するためには、短時間作用性吸入β2刺激薬等の他の適切な薬剤を使用するよう患者に注意を与えること。
また、短時間作用性吸入β2刺激薬等の使用量が増加したり、あるいは効果が十分でなくなってきた場合には、疾患の管理が十分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるよう患者に注意を与えること。
8.3. 本剤の投与中に短時間作用性吸入β2刺激薬を使用する場合は、急性の気管支痙攣等、急性呼吸器症状の緩和のみに使用するよう患者に注意を与えること。
8.4. 吸入薬の場合、薬剤の吸入により気管支痙攣が誘発される可能性があるので、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.5. 本剤の投与時に、本剤が眼に入らないように患者に注意を与えること。また、結膜充血及び角膜浮腫に伴う赤色眼とともに眼痛、眼不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合、急性閉塞隅角緑内障の徴候の可能性がある。結膜の充血及び角膜浮腫に伴う赤色眼とともに眼痛、眼の不快感、霧視、視覚暈輪あるいは虹輪が発現した場合には、可及的速やかに医療機関を受診するように患者に注意を与えること〔2.1、11.1.3参照〕。
8.6. 過度に使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないよう注意すること。また、患者に対し、本剤の過度の使用による危険性があることを理解させ、1日1回、できるだけ同じ時間帯に吸入し、1日1回を超えて投与しないよう注意を与えること〔13.1、16.8.1、17.3参照〕。
9.1.1. 心不全、心房細動、期外収縮の患者、又はそれらの既往歴のある患者:心不全、心房細動、期外収縮が発現することがある〔11.1.1参照〕。
9.1.2. 心血管障害(冠不全、不整脈、肥大型閉塞性心筋症)のある患者:交感神経刺激作用により症状を悪化させるおそれがあり、また、QT延長があらわれるおそれがある。
9.1.3. 高血圧の患者:血圧を上昇させるおそれがある。
9.1.4. 痙攣性疾患のある患者:痙攣の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.5. 糖尿病の患者:高用量のβ2刺激薬を投与すると、血糖値が上昇するおそれがある。
9.1.6. 甲状腺機能亢進症の患者:甲状腺機能亢進症の症状を悪化させるおそれがある。
9.1.7. 前立腺肥大<排尿障害がある場合を除く>のある患者:排尿障害が発現するおそれがある〔2.2参照〕。
9.1.8. 気管支喘息を合併した患者:気管支喘息を合併した患者の場合、気管支喘息の治療が適切に行われるよう注意すること。
9.2.1. 腎機能高度低下あるいは腎機能中等度低下している患者(クレアチニンクリアランス値が50mL/min以下の患者):血中濃度の上昇がみられる(チオトロピウムは腎排泄型である)〔16.5、16.6.1参照〕。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:1). QT間隔延長を起こすことが知られている薬剤(MAO阻害剤、三環系抗うつ剤等)[QT間隔が延長され心室性不整脈等のリスクが増大するおそれがある(いずれもQT間隔を延長させる可能性がある)]。
2). 交感神経刺激剤[オロダテロールの交感神経刺激作用が増強され、心拍数増加、血圧上昇等がみられるおそれがある(交感神経刺激剤との併用により、アドレナリン作動性神経刺激が増大する可能性がある)]。
3). キサンチン誘導体[低カリウム血症による心血管事象を起こすおそれがあるため、血清カリウム値に注意すること(キサンチン誘導体はアドレナリン作動性神経刺激を増大させるため、血清カリウム値の低下が増強する可能性がある)]。
4). ステロイド剤、非カリウム保持性利尿剤[低カリウム血症による心血管事象を起こすおそれがあるため、血清カリウム値に注意すること(ステロイド剤及びこれらの利尿剤は尿細管でのカリウム排泄促進作用があるため、血清カリウム値の低下が増強する可能性がある)]。
5). β遮断剤[オロダテロールの作用が減弱するおそれがあるので、やむを得ず併用
する場合には、心選択性β遮断剤が望ましいが、注意すること(β遮断剤との併用により、オロダテロールの作用が拮抗される可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 心不全(頻度不明)、心房細動(1%未満)、期外収縮(1%未満)〔9.1.1参照〕。
11.1.2. イレウス(頻度不明)。
11.1.3. 閉塞隅角緑内障(頻度不明):視力低下、眼痛、頭痛、眼充血等があらわれた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと〔2.1、8.5参照〕。
11.1.4. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(じん麻疹、血管浮腫、呼吸困難等)が発現することがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 眼:(1%未満)霧視、(頻度不明)眼圧上昇。
2). 皮膚:(1%未満)皮膚そう痒、じん麻疹、脱毛、(頻度不明)発疹、皮膚感染、皮膚潰瘍、皮膚乾燥。
3). 中枢神経系:(1%未満)浮動性めまい、不眠。
4). 感覚器:(1%未満)味覚倒錯、(頻度不明)嗅覚錯誤。
5). 消化器:(1%以上)口渇(1.3%)、(1%未満)便秘、(頻度不明)消化不良、口内炎、舌炎、嚥下障害、胃食道逆流性疾患、歯肉炎。
6). 代謝:(1%未満)高尿酸血症、(頻度不明)脱水。
7). 循環器:(1%未満)動悸、頻脈、上室性頻脈、高血圧。
8). 血液:(頻度不明)好酸球増多、白血球減少。
9). 呼吸器:(1%未満)発声障害、咳嗽、鼻出血、咽頭炎、鼻咽頭炎、喉頭炎、中咽頭カンジダ症、咽喉刺激感、呼吸困難、(頻度不明)喘鳴、副鼻腔炎、気管支痙攣。
10). 泌尿器:(1%未満)排尿障害、尿閉、(頻度不明)血尿、夜間頻尿、クレアチニン上昇、腎機能異常、尿路感染。
11). 筋骨格系:(1%未満)関節痛、背部痛、(頻度不明)関節腫脹。
12). 一般的全身障害:(1%未満)過敏症(血管浮腫を含む)。
- 高齢者
- 副作用の発現に注意すること(一般に腎クリアランス等の生理機能が低下しており、血中濃度が上昇するおそれがある)〔16.6.3参照〕。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(高用量オロダテロール(2489μg/kg/日)の妊娠ウサギへの吸入投与により、その胎仔骨格発生異常、胎仔眼発生異常及び胎仔心血管発生異常が報告されており、チオトロピウム及びオロダテロールいずれも、動物実験(ラット)で胎仔に移行することが認められている)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(チオトロピウム及びオロダテロールいずれも、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意患者には専用の吸入用器具レスピマット及び使用説明書を渡し、使用方法を指導すること。
20.1. 本剤は冷凍しないこと。
20.2. 地方自治体により定められた廃棄処理方法に従うこと。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤と短時間作用型抗コリン性気管支拡張剤(イプラトロピウム臭化物水和物、オキシトロピウム臭化物等)との併用に関しては、臨床試験成績はなく、併用による有効性及び安全性は確立していないことから、併用は推奨できない〔7.用法及び用量に関連する注意の項参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 チオトロピウム及びオロダテロール併用投与時
日本人COPD患者を対象に本剤を3週間反復吸入投与したときのチオトロピウム及びオロダテロールの血漿中濃度は約5分、約10分で最高値に達した。
血漿中濃度推移(算術平均±標準偏差)及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
<血漿中濃度推移>
チオトロピウム
T5/O5配合剤:チオトロピウム5μg+オロダテロール5μg配合剤
オロダテロール
T5/O5配合剤:チオトロピウム5μg+オロダテロール5μg配合剤
<薬物動態パラメータ>
→図表を見る(PDF)
<チオトロピウムとオロダテロールの相互作用>
COPD患者に、チオトロピウム5μg及びオロダテロール10μg注)を1日1回3週間反復吸入投与したとき、チオトロピウム及びオロダテロールとも、単独投与時と比較して顕著な薬物相互作用は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、通常、成人には1回2吸入(チオトロピウムとして5μg及びオロダテロールとして5μg)を1日1回吸入投与である。
16.2 吸収
チオトロピウム(吸入液剤)を健康成人に吸入投与したとき、投与量の33%が全身循環血中に吸収されることが尿中排泄データから示された(外国人データ)。
オロダテロールを健康成人に吸入投与したときの絶対的バイオアベイラビリティは、約30%と推定された(外国人データ)。
16.3 分布
チオトロピウムの血漿蛋白との結合率(in vitro試験)は72%で、分布容積は32L/kgであった(外国人データ)。
オロダテロールの血漿蛋白との結合率(in vitro試験)は約60%で、分布容積は1110Lであった(外国人データ)。
16.4 代謝
健康成人にチオトロピウムを静脈内投与注)したとき、チオトロピウムの代謝はわずかであった。エステル化合物であるチオトロピウム臭化物は、非酵素的にエステル結合が加水分解され、N‐メチルスコピン及びジチニールグリコール酸の生成がみられた。また、ヒト肝ミクロソーム及びヒト肝細胞を用いた試験でチトクロームP‐450によって酸化された代謝物及びそのグルタチオン抱合体がわずかにみられ、この代謝はCYP2D6及び3A4の阻害薬により抑制された(外国人データ)。
In vivo試験において、オロダテロールの主な代謝経路は直接的なグルクロン酸抱合化及びメトキシ部分のO‐脱メチル化であった。オロダテロールのO‐脱メチル化には、CYP2C8及びCYP2C9が関与しており、オロダテロールのグルクロン酸抱合体生成には、UDPグルクロン酸転移酵素UGT1A1、UGT1A7、UGT1A9及びUGT2B7が関与していた。
注)本剤の承認された用法及び用量は、通常、成人には1回2吸入(チオトロピウムとして5μg及びオロダテロールとして5μg)を1日1回吸入投与である。
16.5 排泄
健康成人にチオトロピウムを静脈内投与注)したとき、全身クリアランスは880mL/minで、尿中未変化体排泄率は74%であった。
健康成人にオロダテロールを静脈内持続投与注)したとき、全身クリアランスは872mL/minであった(外国人データ)。
健康成人に[14C]標識オロダテロールを静脈内投与注)したとき、投与した放射能の38%が尿中に、53%が糞中に排泄された。静脈内投与時の尿中未変化体排泄率は19%であり、6日以内に投与した放射能の90%以上が排泄された(外国人データ)。[9.2.1、16.6.1参照]
注)本剤の承認された用法及び用量は、通常、成人には1回2吸入(チオトロピウムとして5μg及びオロダテロールとして5μg)を1日1回吸入投与である。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能低下患者
軽度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50~80mL/minの患者)では、チオトロピウム4.8μgを静脈内投与注)後のAUC0-4hは健康成人に比較して39%高い値を示した。また、高度あるいは中等度の腎機能低下患者(クレアチニンクリアランスが50mL/min未満の患者)では血漿中未変化体濃度は約2倍高い値を示した(AUC0-4hは82%高かった)(外国人データ)。
高度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランスが30mL/min未満)では、オロダテロールを単回吸入投与注)したときのAUC0-4hは健康成人に比較して約40%増加した(外国人データ)。[9.2.1、16.5参照]
16.6.2 肝機能低下患者
オロダテロールのCmax及びAUC(投与量補正値)の肝機能障害患者/健康成人の比(90%信頼区間)は、軽度で112%(84%~151%)及び97%(75%~125%)、中等度で99%(73%~135%)及び105%(79%~140%)であった(外国人データ)。
16.6.3 高齢者
高齢者にチオトロピウム(粉末吸入剤)を吸入投与したとき、チオトロピウムの腎クリアランスは低下した(腎クリアランスは58歳以下のCOPD患者で326mL/min、69歳以上のCOPD患者で163mL/min)が、これは加齢に伴う腎機能の低下によるものと考えられた(外国人データ)。
一方、チオトロピウム(粉末吸入剤)を1日1回反復吸入投与後のAUC0-4h(幾何平均値[範囲])は、非高齢者では18.2(10.0~61.7)pg・h/mL、高齢者では26.1(10.5~56.0)pg・h/mLで、高齢者で非高齢者に比較して高かったが、個体間変動を考慮すると、血中濃度に加齢による大きな差はないと考えられた(外国人データ)。[9.8参照]
16.7 薬物相互作用
オロダテロールとフルコナゾール
健康成人にオロダテロール10μg注)(吸入投与)とフルコナゾール400mg(経口投与)を1日1回14日間併用したとき、オロダテロールのCmax及びAUCの併用時/非併用時の比(90%信頼区間)は、それぞれ109%(102%~117%)及び113%(106%~121%)であった(外国人データ)。
オロダテロールとケトコナゾール
健康成人にオロダテロール10μg注)(吸入投与)とケトコナゾール400mg(経口投与)を1日1回14日間併用したとき、オロダテロールのCmaxが66%、AUCが68%上昇した(外国人データ)。
注)本剤の承認された用法及び用量は、通常、成人には1回2吸入(チオトロピウムとして5μg及びオロダテロールとして5μg)を1日1回吸入投与である。
16.8 その他
16.8.1 心電図への影響
日本人COPD患者に本剤を3週間投与したときのベースラインからのQTcF間隔の変化量の平均値は-7.6(投与15分前)~-2.3ms(投与後1時間)であった。[8.6、13.1、17.3参照]
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国際共同第III相試験(52週間投与検証試験1)
COPD患者2,624名(日本人204名を含む)を対象とした、実薬対照、ランダム化二重盲検並行群間比較試験(TONADO1)で、本剤をCOPD患者522名(日本人45名を含む)に1日1回52週間吸入投与した。本剤は投与5分で肺機能(FEV1)の改善がみられ、投与24週後のFEV1AUC0-3h及びトラフFEV1並びにSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)による生活の質(QOL)は単剤(チオトロピウム5μg及びオロダテロール5μg)に対して、統計学的に有意な差が示された。また、日本人集団でも同様の結果が得られた。
(1)投与24週後のFEV1AUC0-3h(L)
→図表を見る(PDF)
(2)投与24週後のトラフFEV1(L)
→図表を見る(PDF)
(3)安全性
副作用は本剤投与症例522例中36例(6.9%)で報告され、主な副作用は口渇11例(2.1%)であった。
17.1.2 国際共同第III相試験(52週間投与検証試験2)
COPD患者2538名(日本人209名を含む)を対象とした、実薬対照、ランダム化二重盲検並行群間比較試験(TONADO2)で、本剤をCOPD患者507名(日本人34名を含む)に1日1回52週間吸入投与した。本剤は投与5分で肺機能(FEV1)の改善がみられ、投与24週後のFEV1AUC0-3h及びトラフFEV1並びにSt. George’s Respiratory Questionnaire(SGRQ)による生活の質(QOL)は単剤(チオトロピウム5μg及びオロダテロール5μg)に対して、統計学的に有意な差が示された。また、日本人集団でも同様の結果が得られた。
(1)投与24週後のFEV1AUC0-3h(L)
→図表を見る(PDF)
(2)投与24週後のトラフFEV1(L)
→図表を見る(PDF)
(3)生活の質(QOL)に関する成績
同じ試験デザインで実施した国際共同第III相試験(52週間投与検証試験)2試験の併合データにおいて、投与24週でのSGRQ総スコアは、本剤はベースラインから6.8改善(減少)し、本剤とオロダテロール5μgの差は-1.693(p=0.0022)、本剤とチオトロピウム5μgの差は-1.233(p=0.0252)で、本剤は各単剤と比較して統計学的に有意に優れていた。本剤のレスポンダー割合注)は57.5%で、オロダテロール5μg(44.8%、オッズ比1.6703、[p<0.0001])及びチオトロピウム5μg(48.7%、オッズ比1.4261[p=0.0001])と比較して統計学的に有意に優れていた。
注)投与24週のSGRQ総スコアがベースラインと比較して臨床的に意味のある最小の差である4以上の改善があった患者の割合
(4)安全性
副作用は本剤投与症例507例中37例(7.3%)で報告され、主な副作用は咳嗽6例(1.2%)であった。
17.1.3 国内第III相試験
COPD患者122名を対象とした、実薬対照、ランダム化二重盲検並行群間比較試験で、本剤をCOPD患者41名に1日1回52週間吸入投与した。本剤投与例41例中3例(7.3%)で副作用が報告され、振戦、便秘、日光皮膚炎が各1例(2.4%)報告された。本試験及び国際共同第III相試験に参加した日本人患者(本剤投与120名)で、投与52週時のベースラインからの変化量は、FEV1AUC0-3hで0.247L、トラフFEV1で0.148Lであり、日本人患者集団における52週までの効果の継続が確認された。
17.3 その他
健康成人にオロダテロールを単回吸入投与したときの、QTcI間隔(個体ごとに補正したQT間隔)のベースラインからの変化量のプラセボとの差の最大値(調整済み平均値[両側90%信頼区間])は、オロダテロール10、20、30及び50μg投与でそれぞれ2.1ms[-1.4、5.5]、6.3ms[2.3、10.2]、7.7ms[3.7、11.8]、8.6ms[4.7、12.6]であった(外国人データ)。[8.6、13.1、16.8.1参照]
18.1 作用機序
18.1.1 チオトロピウム
チオトロピウムは長時間持続型の選択的ムスカリン受容体拮抗薬であり、ムスカリン受容体のサブタイプであるM1~M5受容体にほぼ同程度の親和性を示す。気道においては、気道平滑筋のM3受容体に対するアセチルコリンの結合を阻害して気管支収縮抑制作用を発現する。
18.1.2 オロダテロール
オロダテロールは長時間持続型ヒトβ2受容体刺激薬であり、in vitro試験において、オロダテロールはhβ1‐AR及びhβ3‐ARと比較するとhβ2‐ARに対して241倍及び2299倍の刺激作用を示した。吸入による局所投与後、オロダテロールはhβ2‐ARを活性化することで細胞内のアデニル酸シクラーゼを活性化し、環状アデノシン一リン酸(cAMP)の生成を促し、気管支平滑筋を弛緩させる。
18.2 気管支収縮抑制作用及び作用持続時間
18.2.1 チオトロピウム
非臨床試験(摘出標本及びウサギ、イヌの生体位)において示された気管支収縮抑制作用は用量依存的であり、この作用は24時間以上持続する。摘出標本を用いた検討により、気管支収縮に対する抑制作用(M3受容体拮抗作用)はアセチルコリン遊離増強作用(M2受容体拮抗作用)に比べ持続することが明らかとなっている。
18.2.2 オロダテロール
モルモット及びイヌのアセチルコリン誘発性気管支収縮モデルにおいて、オロダテロールは用量に依存した気管支収縮抑制作用を示し、その作用は24時間持続した。
- 製造販売会社
- 日本ベーリンガーインゲルハイム
- 販売会社
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