ロペラミド錠1mg「EMEC」
添付文書情報2023年07月改定(第15版)
商品情報
- 禁忌
- 1.出血性大腸炎の患者[腸管出血性大腸菌(O157等)や赤痢菌等の重篤な感染性下痢患者では、症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
2.抗生物質の投与に伴う偽膜性大腸炎の患者[症状の悪化、治療期間の延長を来す恐れがある]。
3.低出生体重児、新生児及び6カ月未満の乳児[外国で、過量投与により、呼吸抑制、全身性痙攣、昏睡等の重篤な副作用の報告がある]。
4.本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 下痢症。
- 用法・用量
- ロペラミド塩酸塩として、1日1~2mgを1~2回に分割経口投与する。なお、症状により適宜増減する。
- 慎重投与
- 重篤な肝障害のある患者[本剤の代謝及び排泄が遅延する恐れがある]。
- 重要な基本的注意
- 1.止瀉剤による治療は下痢の対症療法であるので、脱水症状がみられる場合、輸液等適切な水・電解質の補給に留意する。
2.本薬の薬理作用上、便秘が発現することがあるので、用量に留意し、便秘が発現した場合は投与を中止する。また、特に便秘を避けねばならない肛門疾患等の患者には注意して投与する。
3.眠気、眩暈が起こることがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないよう注意する。
- 相互作用
- 本剤は主として肝代謝酵素CYP3A4及びCYP2C8で代謝されることから、CYP3A4を阻害する薬剤又はCYP2C8を阻害する薬剤と併用した際、本剤の代謝が阻害され血中濃度が上昇する可能性がある。また、本剤はP-糖蛋白の基質である。
併用注意:1.ケイ酸アルミニウム<経口>、タンニン酸アルブミン<経口>[本剤の効果が減弱する恐れがあるので、投与間隔をあけるなど注意する(これらの薬剤により、本剤が吸着されることが考えられる)]。
2.リトナビル、キニジン[本剤の血中濃度が上昇することがある(これらの薬剤のP-糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の排出が阻害されると考えられる)]。
3.イトラコナゾール[本剤の血中濃度が上昇することがある(イトラコナゾールのCYP3A4及びP-糖蛋白に対する阻害作用により、本剤の代謝及び排出が阻害されると考えられる)]。
4.デスモプレシン<経口>[デスモプレシンの血中濃度が上昇することがある(本剤の消化管運動抑制作用により、デスモプレシンの消化管吸収が増加すると考えられる)]。
- 副作用
- 本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用(頻度不明):次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて使用
を中止するなど適切な処置を行う。
1).イレウス、巨大結腸:消化器症状とともにイレウス、巨大結腸が現れることがあるので、このような場合には投与を中止する。
2).ショック、アナフィラキシー:ショック、アナフィラキシーが現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
3).中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群):中毒性表皮壊死融解症、皮膚粘膜眼症候群が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が現れた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用:次のような副作用が現れた場合には、症状に応じて使用を中止するなど適切な処置を行う。
1).過敏症:(頻度不明)血管浮腫[このような症状が現れた場合には、投与を中止する]。
2).中枢神経系:(頻度不明)頭痛、傾眠傾向、鎮静、筋緊張低下、意識レベル低下、筋緊張亢進、意識消失、昏迷、協調運動異常。
3).肝臓:(頻度不明)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、γ-GTP上昇。
4).消化器:(頻度不明)消化不良、口内不快感、味覚変調、便秘、鼓腸、腹部膨満、腹部不快感、悪心、腹痛、嘔吐、食欲不振。
5).皮膚:(頻度不明)多形紅斑、水疱性皮膚炎、発疹、蕁麻疹、皮膚そう痒感。
6).泌尿器:(頻度不明)尿閉。
7).その他:(頻度不明)疲労、体温低下、発熱、散瞳、縮瞳、口渇、眠気、眩暈、発汗、倦怠感。
- 高齢者への投与
- 用量に留意するなど、注意して投与する[一般に高齢者では生理機能が低下している]。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 1.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊娠中の投与に関する安全性は確立していない]。
2.授乳中の婦人には本剤投与中の授乳は避けさせる[ヒトで母乳中に移行することが報告されている]。
- 小児等への投与
- 1.小児等に対する安全性は確立していないので、投与しないことが望ましい。
2.外国で、乳幼児<特に2歳未満>に過量投与した場合、中枢神経系障害、呼吸抑制、腸管壊死に至る麻痺性イレウスを起こしたとの報告がある。
- 取扱い上の注意
- 薬剤交付時:PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導する(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
加速試験:加速試験(40℃、相対湿度75%、6カ月)の結果、ロペラミド錠1mg「EMEC」(最終包装)は、通常の市場流通下において3年間安定であることが推測された。
- その他の注意
- 1.乱用、誤用、又は故意により過量投与した患者において、休薬後に薬物離脱症候群の症例が認められたとの報告があるので、観察を十分に行い、用量に注意する。
2.動物実験において、大量投与で薬物依存性が認められているので、観察を十分に行い、用量及び使用期間に注意する。
1.生物学的同等性試験
ロペラミド錠1mg「EMEC」と標準製剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ2錠(ロペラミド塩酸塩として2mg)健康成人男性に絶食下単回経口投与して血漿中のロペラミド濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について統計解析を行った結果、両剤の生物学的同等性が確認された。
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
→図表を見る(PDF)
2錠投与時の平均血漿中薬物濃度推移
2.溶出挙動
ロペラミド錠1mg「EMEC」は、日本薬局方外医薬品規格第3部に定められた塩酸ロペラミド錠の溶出規格に適合していることが確認されている。
ロペラミドは小腸の受容体に作用し、輪送筋と縦送筋の運動を抑制する。腸管内容物の通過時間を遅らせ、小腸粘膜との接触時間を増加させることにより止瀉作用を示す。また、体液及び電解質の分泌の直接阻害、並びに塩類や水の吸収促進等により止瀉作用を示すと考えられている。
- 一包可:不可
- 分割:不可
- 粉砕:不明
- 製造販売会社
- アルフレッサ ファーマ
- 販売会社
- 日医工 エルメッド
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