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ガニレスト皮下注0.25mgシリンジ

販売名
ガニレスト皮下注0.25mgシリンジ
薬価
0.25mg0.5mL1筒 8904.00円
製造メーカー
オルガノン

添付文書情報2023年03月改定(第4版)

商品情報

薬効分類名
他に分類されないホルモン剤(抗ホルモン剤を含む)
一般名
ガニレリクス酢酸塩キット
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
2.1. 本剤の有効成分又はその他の添加剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. ゴナドトロピン放出ホルモン(GnRH)又は他のGnRH誘導体に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.4. 授乳婦〔9.6授乳婦の項参照〕。
効能・効果
調節卵巣刺激下における早発排卵の防止。
用法・用量
原則として卵胞刺激ホルモン製剤投与の6日目から開始し、ガニレリクスとして0.25mgを1日1回皮下に連日投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 卵胞刺激ホルモン(FSH)製剤を用いた調節卵巣刺激は月経周期の2日目又は3日目から行う。
7.2. 本剤の投与開始時期はFSH製剤の投与開始6日目とし、医師の判断により投与開始時期を調節できる。
7.3. FSH製剤の投与量は発育卵胞の数及びサイズに基づき調整し、本剤の投与は適当な大きさの卵胞が十分発育するまで続け、本剤の最終投与後は、卵胞の最終的な成熟を行うこと。
7.4. 本剤とFSH製剤はほぼ同時期に投与すべきであるが、注射液は混合せず、注射部位は別にすること。
7.5. ガニレリクスの消失半減期を考慮し、本剤投与間隔並びに本剤の最終投与と卵胞の最終成熟に使用する薬剤(hCG、GnRH アゴニスト等)投与との間隔は30時間を超えないようにすること(30時間を超えると早期黄体形成ホルモン(LH)サージが起きる可能性がある)。
肝機能障害患者
8.1. 本剤に関連する重要な基本的注意8.1.1. 本剤は、不妊治療に十分な知識と経験のある医師のもとで使用すること。
調節卵巣刺激により予想されるリスク及び注意すべき症状について、あらかじめ患者に説明を行うこと。
8.1.2. FSH製剤とともに本剤を投与した患者に、頻度は低いが、発疹・顔面腫脹・呼吸困難等の過敏症があらわれたとの報告がある。
8.1.3. 本剤の注射針のシールドは乾燥天然ゴム(ラテックス類縁物質)を含むため、アレルギー反応を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
8.2. 生殖補助医療に関連する基本的注意8.2.1. 本剤の投与開始前に、患者の婦人科的及び内分泌学的検査(配偶者の受精能検査も含まれる)を十分に行うこと。
8.2.2. 不妊治療において、卵巣過剰刺激症候群があらわれることがあるので、患者に対しては、自覚症状(下腹部痛、下腹部緊迫感、悪心、腰痛等)や急激な体重増加が認められた場合には直ちに医師等に相談するよう、あらかじめ説明すること。
8.2.3. 調節卵巣刺激及びそれに引き続いて行う体外受精又は卵細胞質内精子注入後に、妊娠率を高めるため2個以上の受精卵が子宮内に移植されることがあるが、その反面、多胎妊娠の危険性も高くなる。多胎妊娠は単胎妊娠に比し、流・早産が多いこと、妊娠高血圧症候群等の合併症を起こしやすいこと、低出生体重児出生や奇形等のために周産期死亡率が高いこと等の異常が発生しやすいのでその旨をあらかじめ患者に説明すること。
日本産科婦人科学会の登録・調査小委員会報告において、体外受精・胚移植の治療成績として、妊娠数中の単胎、双胎、三胎、四胎等の数が報告されている。
8.2.4. 体外受精・胚移植等の生殖補助医療を受ける不妊女性では卵管異常がしばしば認められ、子宮外妊娠の可能性が高くなるので、超音波断層法による子宮内妊娠の初期確認が重要である。
8.2.5. 生殖補助医療を受ける女性の流産率は一般女性より高いのでその旨を患者に十分説明すること。
8.2.6. 生殖補助医療後の先天異常の発生率は、自然受胎後に比べわずかに高いとの報告がある。1000例以上の新生児を調査した臨床試験において、本剤を用いた調節卵巣刺激後に誕生した児における先天性奇形の発現率は、GnRHアゴニストを用いた調節卵巣刺激後の発現率と同等であったとの報告がある。
8.3. 在宅自己注射に関連する基本的注意8.3.1. 在宅自己注射を行う場合は、患者に投与法及び安全な廃棄方法の指導を行うこと。
(1). 自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施したのち、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導のもとで実施すること。また、在宅自己注射を行う場合は、投与する際の操作方法を指導すること。自己投与適用後、本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な場合には、直ちに自己投与を中止させるなど適切な処置を行うこと。
(2). 在宅自己注射を行う場合は、使用済みの針付きシリンジを再使用しないように患者に注意を促すこと。
(3). 在宅自己注射を行う場合は、全ての器具の安全な廃棄方法について指導を徹底し、同時に、使用済みの針付きシリンジ等を廃棄する容器を提供することが望ましい。
(4). 在宅自己注射を行う前に、本剤の「自己注射ガイド」を必ず読むよう指導すること。
9.1.1. アレルギー素因のある患者。
9.2.1. 腎機能に中程度障害又は腎機能に高度障害が認められる患者。
9.3.1. 肝機能に中程度障害又は肝機能に高度障害が認められる患者。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(0.1~0.3%未満)頭痛、緊張性頭痛。
2). 消化管:(0.3~0.5%未満)悪心、(0.1~0.3%未満)腹部膨満。
3). 生殖系:(0.1~0.3%未満)骨盤痛。
4). 投与部位:(0.3~0.5%未満)注射部位紅斑、(0.1~0.3%未満)注射部位浮腫、注射部位そう痒感、注射部位腫脹、易刺激性、(頻度不明)注射部位反応、注射部位発疹。
5). 過敏症:(頻度不明)発疹、顔面腫脹、呼吸困難、血管性浮腫、蕁麻疹。
6). その他:(0.1~0.3%未満)疲労、倦怠感。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと〔2.3参照〕。
授乳婦には投与しないこと〔2.4参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 皮下注射にあたっては次の点に注意すること。
・ 投与部位として下腹部又は大腿部が望ましい。
・ 注射による局所刺激を最小限にするために、注射部位は毎回変更して同一部位への反復投与は避けること。
・ 注射針が血管内に刺入していないことを確認すること。
外箱開封後は遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報本剤を3治療周期にわたって投与した後にも、抗ガニレリクス抗体の形成は認められなかった。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康な日本人女性に本剤0.5mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移を添付文書の図1に示した。また、このときの薬物動態パラメータを表1に示した。
図1 健康な日本人女性に単回皮下投与したときの血清中濃度推移

表1 健康な日本人女性に単回皮下投与した後の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

(注)本剤の承認用量は、1回0.25mgである。
16.1.2 反復投与
健康な日本人女性に本剤0.25mgを1日1回7日間反復皮下投与したときの血清中濃度推移を添付文書の図2に示した。反復投与後5日目には定常状態に達し、最低血清中濃度は0.49±0.08ng/mLであった。
また、このときの薬物動態パラメータを表2に示した。
図2 健康な日本人女性に1日1回7日間反復皮下投与したときの血清中濃度推移
採血ポイント:2-7日の投与前及び最終投与(7日目)後4日間の種々の時点

表2 健康な日本人女性に反復皮下投与した後の定常状態における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

また、生殖補助医療のための調節卵巣刺激を受ける日本人女性患者に、本剤0.25mgを1日1回反復皮下投与したとき、投与3日目より定常状態に達し、この時の最低血清中濃度(投与前値)は0.515±0.140ng/mL、投与後1時間の血清中濃度は7.81±2.55ng/mLであった。
16.3 分布
16.3.1 蛋白結合率
本剤の血漿蛋白結合率は、100ng/mL~10μg/mLの濃度範囲において81.9±0.8†%であった(外国人データ)。
†平均値±標準誤差
16.4 代謝
本剤の主要な血漿中物質は未変化体であった。また尿中には主に未変化体として排泄されたが、糞中には代謝物のみが認められた。代謝物は酵素によって加水分解された小さなペプチドフラグメントであった。ヒトにおける本剤の代謝プロファイルは動物のものと類似していた。
16.5 排泄
3例の健康成人女性に、14Cで標識した本剤を静脈内投与したとき、14C放射活性のおよそ90%が投与後192時間以内に尿中及び糞中に排泄された。投与量の97.2%が観察期間中に尿中及び糞中に排泄された(尿中:22.1%、糞中:75.1%)(外国人データ)。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相臨床試験
調節卵巣刺激及び体外受精を受ける日本人女性を対象とした臨床試験において、卵巣刺激下で本剤0.25mgを皮下投与した。本剤投与例数は86例、胚移植例数は78例であった。本剤投与例あたりの血清中LH濃度上昇(≧10IU/L)発現率は1.2%(1例/86例)であった。本剤投与例86例における採卵数は8.6±6.03†個、良好胚数は3.4±3.50†個であった。また、本剤投与例あたりの胎児心拍陽性妊娠率は23.8%(20例/84例‡)、胚移植例あたりの胎児心拍陽性妊娠率は25.6%(20例/78例)であった。
†平均値±標準偏差
‡併用禁止薬が投与された2例を除く
本剤0.25mg投与87例中1例(1.1%)に副作用が認められた。注射部位紅斑、注射部位浮腫が各1件(1.1%)であった。
17.1.2 海外第III相臨床試験
GnRHアゴニストとの比較を行った外国臨床試験において、本剤の結果は次のとおりであった。調節卵巣刺激及び体外受精を受ける外国人女性を対象とした臨床試験のうちの1試験において、卵巣刺激下で本剤0.25mgを皮下投与した。本剤投与例数は463例、胚移植例数は399例であった。本剤投与例あたりの血清中LH濃度上昇(≧10IU/L)発現率は3.7%(17例/463例)であった。本剤投与例463例における採卵数は8.7±5.6†個、良好胚数は3.3±3.0†個であった。また、本剤投与例あたりの胎児心拍陽性妊娠率は22.0%(102例/463例)、胚移植あたりの胎児心拍陽性妊娠率は25.1%(100例/399例)であった。
†平均値±標準偏差
本剤投与462例中11例(2.4%)に副作用が認められた。主なものは、頭痛、悪心が各3件(0.6%)、緊張性頭痛が2件(0.4%)であった。

18.1 作用機序
ガニレリクス酢酸塩はGnRHアンタゴニストであり、下垂体のGnRH受容体に競合的に結合することにより、視床下部-下垂体-性腺軸を調節する。その結果、迅速に強く可逆的な内因性ゴナドトロピン分泌抑制が起こる。
18.2 受容体結合能
In vitroにおいて本薬はヒト及びラットGnRH受容体に対して高い親和性及び特異性を示し、そのKi値はそれぞれ0.56nMと0.36nMであった。また、本薬のヒトGnRH受容体への親和性は、3種類の代謝物(1‐4、1‐6及び1‐7ペプチド)と比較して約100倍高かった。
18.3 抗ゴナドトロピン活性
In vitroにおいて、本薬はGnRHによるラット脳下垂体細胞からのLH及びFSHの遊離を濃度依存的に抑制した。
In vivoでは、発情前期の雌ラットに本薬を投与すると用量依存的な排卵抑制作用がみられ、そのED50値は0.31μg/ラットであった。発情前期の前日に本薬を投与した場合、排卵抑制のED50値は3.88μg/ラットであり、発情前期に投与した場合より約10倍の用量が必要であった。
18.4 LH分泌抑制作用
健康な日本人女性に本剤0.25mgを1日1回7日間皮下投与したところ、血清中LH濃度は減少し、投与4時間後に最低血清中濃度となった。最終投与後24時間で血清中LH濃度は投与前値に回復した。

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