ボラザG軟膏
添付文書情報2022年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. トリベノシド又はアニリド系局所麻酔剤(リドカイン等)に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 1). 痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解。
2). 裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、肛門裂創上皮化の促進。
- 用法・用量
- 〈内痔核〉
通常1回1容器分(注入量でトリベノシドとして200mg、リドカインとして40mg)を、1日2回朝夕肛門内に注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。
〈裂肛、外痔核〉
通常適量を1日2回朝夕患部に塗布又は注入する。症状に応じて適宜回数を増減する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 他の薬剤に対する過敏症や食物に対する過敏症等の既往歴のある患者:発疹等の過敏症状発現頻度が高い傾向にある。
9.1.2. 気管支喘息、アレルギー性鼻炎等アレルギー疾患の患者及びそれらの既往歴のある患者:発疹等の過敏症状発現頻度が高い傾向にある。
9.1.3. 他のトリベノシド製剤併用又はリドカイン製剤併用患者:トリベノシド又はリドカインの血中濃度が上昇する。
9.1.4. 関節リウマチの患者:トリベノシドの経口投与による動物実験(ラット)でアジュバント関節炎を増強させる傾向が報告されている。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:クマリン系抗凝固剤(ワルファリンカリウム)[クマリン系抗凝固剤の作用を増強することがあるので、併用する場合は抗凝固剤の用量を調節するなど注意すること(機序は不明であるが、ラットによるプロトロンビン時間を指標とした試験で、トリベノシドはクマリン系抗凝固剤ジクマロールの作用を増強するとの報告がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):顔面浮腫、蕁麻疹、呼吸困難等があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1~1%未満)発疹、そう痒感、局所刺激感、(頻度不明)接触性皮膚炎。
2). 消化器:(頻度不明)下痢、嘔気。
3). 循環器:(頻度不明)動悸。
- 高齢者
- 一般に生理機能が低下している。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意眼科用として使用しないこと。
16.1 血中濃度
14C‐トリベノシド(28.25mg/kg)及び3H‐リドカイン(5.65mg/kg)を含有する軟膏をラットに経皮及び直腸内投与したとき、薬物動態パラメータは次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
14C‐トリベノシド(28.25mg/kg)及び3H‐リドカイン(5.65mg/kg)を含有する軟膏をラットに経皮及び直腸内投与したとき、投与24時間までの14Cの吸収率は経皮投与1.9%、直腸内投与14.7%であった。また、3Hの吸収率は経皮投与14.0%、直腸内投与78.4%であった。
16.3 分布
14C‐トリベノシド(28.25mg/kg)及び3H‐リドカイン(5.65mg/kg)を含有する軟膏をラットに経皮及び直腸内投与したとき、14Cの組織中ピークは、経皮投与では4時間後、直腸内投与では2時間後にみられ、投与部位における14Cの放射能は他の臓器に比べ著しく高く分布した。また、3Hの組織中ピークは、経皮投与では4時間後、直腸内投与では30分後にみられ、いずれも投与部位において最も高かった。
16.4 代謝
14C‐トリベノシド(28.25mg/kg)及び3H‐リドカイン(5.65mg/kg)を含有する軟膏をラットに経皮及び直腸内投与したとき、投与6時間後の投与部位において、総14Cの経皮投与79.8%、直腸内投与51.7%、また総3Hの経皮投与80.5%、直腸内投与7.2%が未変化体であった。
16.5 排泄
14C‐トリベノシド(28.25mg/kg)及び3H‐リドカイン(5.65mg/kg)を含有する軟膏をラットに経皮及び直腸内投与したとき、投与168時間までの14Cの排泄率は、経皮投与では尿中に2.3%、糞中に2.9%、直腸内投与ではそれぞれ11.4%及び25.7%であった。また、3Hの排泄率は、経皮投与では尿中に18.6%、糞中に3.9%、直腸内投与ではそれぞれ62.7%及び10.1%であり、吸収された3Hは主に尿中に排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解〉
17.1.1 国内第II相試験
内痔核(外痔核合併を含む)患者60例を対象に、本剤を1日2回朝夕、2週間(一部1週間、3週間を含む)肛門内に注入した結果、改善率(改善以上)は73.3%(44/60例)であった。
副作用は、60例中で認められなかった。
17.1.2 国内第III相試験(非盲検群間比較試験)
内痔核(外痔核合併を含む)患者を対象に、本剤を1日2回朝夕、2週間肛門内に注入し、対照薬としてトリベノシド・リドカイン坐剤を1日2回、朝夕1回1個ずつを2週間肛門内に挿入した結果、改善率(改善以上)は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
副作用は、148例中3例(2.0%)に発赤、発疹、局所刺激が発現した。
17.1.3 国内一般臨床試験
外痔核(内痔核併発例を含む)患者68例を対象に、本剤を1日2回朝夕、2週間(一部1週間、3週間を含む)適量を患部に塗布した結果、改善率(改善以上)は69.0%(40/58例)であった。
副作用は、59例中で認められなかった。
〈裂肛に伴う症状(出血、疼痛)の緩解、裂創上皮化の促進〉
17.1.4 国内第II相試験
裂肛患者27例を対象に、本剤を1日2回朝夕、2週間適量を患部に塗布又は注入した結果、改善率(改善以上)は76.0%(19/25例)であった。
副作用は、27例中で認められなかった。
17.1.5 国内第III相試験(非盲検群間比較試験)
裂肛患者を対象に、本剤及び対照薬として大腸菌死菌浮遊液・ヒドロコルチゾン軟膏を1日2回朝夕、2週間適量を患部に塗布又は注入した結果、改善率(改善以上)は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
副作用は、162例中4例(2.5%)に蕁麻疹、下腹部不快感、局所刺激、肛門部そう痒感、肛門湿疹が発現した。
18.1 作用機序
作用機序は明確ではない。
18.2 抗浮腫作用
本剤を直腸内に投与することにより、トリベノシドは、クロトン油混合液によるラットの直腸肛門部浮腫に対して抑制作用を示した。
18.3 創傷治癒促進作用
トリベノシドとリドカインを本剤と同一配合比(5:1)の軟膏状として塗布することにより、トリベノシドは、ラットの背部皮膚に作成した創傷に対して治癒促進作用を示した。
18.4 循環障害改善作用
トリベノシド溶液を直腸粘膜に投与することにより、トロンビンによるラットの直腸粘膜血流量低下に対して抑制作用を示した。
18.5 表面麻酔作用
本剤を眼粘膜に塗布することにより、リドカインは、モルモットの角膜反射を指標とする方法において、表面麻酔作用を示した。
- 製造販売会社
- 天藤製薬
- 販売会社
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