ネリザ坐剤
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 局所に結核性感染症、局所に化膿性感染症又は局所に梅毒性感染症、局所にウイルス性疾患のある患者[症状を悪化させることがある]。
2.2. 局所に真菌症(局所カンジダ症、局所白癬等)のある患者[症状を悪化させることがある]。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.4. ジフルコルトロン吉草酸エステル、リドカインに対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 痔核に伴う症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解。
(効能又は効果に関連する注意)
局所に感染症又は局所に真菌症がある場合には、使用しないことを原則とするが、やむを得ず使用する必要がある場合には、あらかじめ適切な抗菌剤、抗真菌剤による治療を行うか、又はこれらとの併用を考慮すること。
- 用法・用量
- 通常、成人には1回1個を1日2回肛門内に挿入する。
(用法及び用量に関連する注意)
本剤での治療は対症療法であるため、概ね1週間を目処として使用し、その後の継続投与については、臨床効果及び副作用の程度を考慮しながら慎重に行うこと。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 他のリドカイン製剤併用投与される患者:リドカインの血中濃度が上昇するおそれがある。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 皮膚感染症:(頻度不明)皮膚真菌症(皮膚カンジダ症、皮膚白癬等)及び陰部真菌症(陰部カンジダ症、陰部白癬等)、皮膚ウイルス性感染症及び皮膚細菌性感染症。
2). 過敏症:(0.1~1%未満)そう痒感、皮膚刺激感、下痢。
3). 下垂体・副腎皮質系機能:(頻度不明)大量又は長期使用による下垂体・副腎皮質系機能抑制。
4). 長期連用:(頻度不明)長期連用による全身投与の場合と同様な症状。
5). 消化器:(0.1~1%未満)鼓腸放屁。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら使用すること。一般に副作用があらわれやすい。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。また、大量又は長期にわたる使用を避けること。
- 小児等
- 9.7.1. 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. ステロイド剤の大量又は長期の使用により発育障害をきたすという報告がある。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意本剤は直腸投与にのみ使用するよう指導すること。
14.2. 薬剤投与時の注意高温になると硬度が低下し挿入しにくいことがあるので、その場合には被包のまま坐剤の先端を下に向け冷水等で冷し固くしてから使用すること〔20.2参照〕。
20.1. 小児の手のとどかない所に保管するよう指導すること。
20.2. 高温を避けて保存すること〔14.2参照〕。
20.3. 坐剤の先端が下に向く様に箱のマークに従い保存すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験
ネリザ坐剤とネリプロクト坐剤を、クロスオーバー法によりそれぞれ1個(ジフルコルトロン吉草酸エステルとして0.2mg、リドカインとして40mg)健康成人男子に絶食時単回肛門内投与してリドカインの血漿中濃度を測定し、得られた薬物動態パラメータ(AUC、Cmax)について90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両製剤の生物学的同等性が確認された。
→図表を見る(PDF)
血漿中濃度並びにAUC、Cmax等のパラメータは、被験者の選択、体液の採取回数・時間等の試験条件によって異なる可能性がある。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内後期第II相臨床試験
内痔核及び内外痔核患者を対象にジフルコルトロン吉草酸エステル0.2mg・リドカイン40mg坐剤(以下、DFV0.2mg・LID40mg坐剤)、ジフルコルトロン吉草酸エステル倍量坐剤、リドカイン坐剤及びプラセボ坐剤をそれぞれ1回1個、1日2回、2週間連続投与した二重盲検比較試験の結果は次のとおりである。
全般改善度における改善率(改善以上)は、DFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群69.0%(40/58例)、ジフルコルトロン吉草酸エステル倍量坐剤投与群45.5%(25/55例)、リドカイン坐剤投与群52.9%(27/51例)、プラセボ坐剤投与群60.7%(34/56例)であった。
副作用発現頻度はDFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で1.5%(1/67例)であった。発現した副作用は下痢1例であった。
17.1.2 国内追加第II相臨床試験
内痔核及び内外痔核患者を対象にDFV0.2mg・LID40mg坐剤及びジフルコルトロン吉草酸エステル半量坐剤をそれぞれ1回1個、1日2回、2週間連続投与した二重盲検比較試験の結果は次のとおりである。
全般改善度における改善率(改善以上)は、DFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で69.5%(73/105例)、ジフルコルトロン吉草酸エステル半量坐剤投与群で61.5%(67/109例)であった。
副作用発現頻度はDFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で1.9%(2/107例)であった。発現した副作用は痒感、頭痛・微熱が各1例であった。
17.1.3 国内第III相比較臨床試験
内痔核及び内外痔核及び裂肛患者を対象にDFV0.2mg・LID40mg坐剤及びカプロン酸ヒドロコルチゾン・塩酸ジブカイン・ヘキサクロロフェン・ウンデシル酸クレミゾール坐薬をそれぞれ1回1個、1日2回、2週間連続投与した二重盲検比較試験の結果は次のとおりである。
全般改善度における改善率(改善以上)は、DFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で67.4%(87/129例)、カプロン酸ヒドロコルチゾン・塩酸ジブカイン・ヘキサクロロフェン・ウンデシル酸クレミゾール坐薬投与群で61.7%(82/133例)であった。
副作用発現頻度はDFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で2.9%(4/140例)であった。発現した副作用は腹部膨満感、薬疹、かゆみ、刺激感が各1例であった。
17.1.4 国内第III相比較臨床試験
内痔核及び内外痔核患者を対象にDFV0.2mg・LID40mg坐剤及びトリベノシド・リドカイン坐剤をそれぞれ1回1個、1日2回、2週間連続投与した群間比較試験の結果は次のとおりである。
全般改善度における改善率(改善以上)は、DFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で65.0%(67/103例)、トリベノシド・リドカイン坐剤投与群で64.0%(64/100例)であった。
DFV0.2mg・LID40mg坐剤投与群で副作用の発現はなかった。
18.1 作用機序
18.1.1 ジフルコルトロン吉草酸エステル
合成副腎皮質ホルモンで、糖質コルチコイドと同じ機序により抗炎症作用及び免疫抑制作用を発現する。糖質コルチコイドの抗炎症作用の機序は多岐にわたるが、結局は起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制による。
18.1.2 リドカイン
神経細胞膜のNa+チャネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する。
18.2 抗炎症作用
DFV0.2mg・LID40mg坐剤は、クロトン油誘発痔疾モデル(ラット)、擦過刺激痔疾モデル(ラット)のいずれにおいても、ヒドロコルチゾンカプロン酸エステルを含有する痔疾用剤と同等ないしはより強力な抗炎症作用を示した。また、ヒドロコルチゾン含有痔疾用剤及び副腎皮質ホルモンを含有しない痔疾用剤に比し抗炎症作用が強力であった。
18.3 鎮痛作用
DFV0.2mg・LID40mg坐剤は、カラゲニン・カオリン足蹠浮腫(ラット)において、疼痛に対しリドカインによる速効性の鎮痛効果とジフルコルトロン吉草酸エステルによる炎症痛の経時的な軽減が認められた。
18.4 生物学的同等性試験
抗炎症作用
ネリザ坐剤及びネリプロクト坐剤をラットクロトン油混合液誘発痔疾モデル、ラット擦過刺激痔疾モデルに対して単回投与した後に、肛門・直腸部湿重量により抗炎症作用を評価した。この試験において、両剤ともいずれのモデルにおいても抗炎症作用を示し、生物学的に同等と判断された。
- 製造販売会社
- ジェイドルフ製薬
- 販売会社
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