ユリーフOD錠2mg
添付文書情報2021年07月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 前立腺肥大症に伴う排尿障害。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤による治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合は、手術療法など、他の適切な処置を考慮すること。
- 用法・用量
- 通常、成人にはシロドシンとして1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤は副作用の発現率が高く、特徴的な副作用として射精障害が高頻度に認められているため、本剤の使用にあたっては、本剤のリスクを十分に検討の上、患者に対しては副作用の説明を十分に行った上で使用すること〔11.2参照〕。
8.2. 起立性低血圧があらわれることがあるので、体位変換による血圧変化に注意すること〔9.1.1参照〕。
8.3. めまいなどがあらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う作業に従事する場合には注意させること。
8.4. 本剤投与開始時に降圧剤投与の有無について問診を行い、降圧剤が投与されている場合には血圧変化に注意し、血圧低下がみられたときには、減量又は中止するなど適切な処置を行うこと〔10.2参照〕。
9.1.1. 起立性低血圧のある患者:症状が悪化するおそれがある〔8.2参照〕。
腎機能障害患者:患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること(シロドシンの血漿中濃度が上昇する)〔16.6.1参照〕。
肝機能障害患者:患者の状態を観察しながら低用量(1回2mg)から投与を開始するなどを考慮すること(シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある)〔16.1.5参照〕。
- 相互作用
- シロドシンは主としてチトクロームP450 3A4(CYP3A4)により代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 降圧剤〔8.4参照〕[起立性低血圧があらわれることがあるので、減量するなど注意すること(降圧剤服用中の患者は起立時の血圧調節力が低下している場合がある)]。
2). ホスホジエステラーゼ5阻害作用を有する薬剤(シルデナフィルクエン酸塩、バルデナフィル塩酸塩水和物等)[併用により症候性低血圧があらわれるとの報告がある(本剤はα遮断作用を有するため、併用によりこれらの血管拡張作用による降圧作用を増強するおそれがある)]。
3). アゾール系抗真菌剤(イトラコナゾール等)〔16.7.1参照〕[強力にCYP3A4を阻害するケトコナゾール(経口剤:国内未発売)との併用によりシロドシンの血漿中濃度の上昇が認められており、アゾール系抗真菌剤との併用により、シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがあるので、減量するなど注意すること(アゾール系抗真菌剤はCYP3A4を阻害することから、これらの薬剤との併用時には、シロドシンの血漿中濃度が上昇するおそれがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 失神・意識喪失(頻度不明):血圧低下に伴う一過性意識喪失等があらわれることがある。
11.1.2. 肝機能障害(頻度不明)、黄疸(頻度不明):AST上昇、ALT上昇等を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 泌尿・生殖器:(5%以上)*射精障害(逆行性射精等)(17.2%)、(1~5%未満)インポテンス、尿失禁。
2). 消化器:(5%以上)口渇、(1~5%未満)胃不快感、下痢、軟便、便秘、(1%未満)嘔吐、嘔気、食欲不振、胃痛、腹痛、腹部膨満感、上腹部異和感、下腹部痛、胃潰瘍、胃炎、萎縮性胃炎、胸やけ、胃もたれ感、十二指腸潰瘍、放屁増加、排便回数増加、残便感、肛門不快感、(頻度不明)口内炎。
3). 精神神経系:(1~5%未満)めまい、立ちくらみ、ふらつき、頭痛、(1%未満)肩こり、頭がボーとする感じ、眠気、性欲減退、頭重感、(頻度不明)しびれ。
4). 呼吸器:(1~5%未満)鼻出血、鼻閉、(1%未満)鼻汁、咳。
5). 循環器:(1%未満)心房細動、動悸、頻脈、不整脈、上室性期外収縮、起立性低血圧、血圧低下、血圧上昇。
6). 過敏症:(1%未満)発疹、皮疹、湿疹、蕁麻疹、そう痒感、(頻度不明)口唇腫脹、舌腫脹、咽頭浮腫、顔面腫脹、眼瞼浮腫。
7). 眼:(1%未満)眼充血、目のかゆみ、結膜出血、(頻度不明)術中虹彩緊張低下症候群(IFIS)、かすみ目。
8). 肝臓:(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、γ-GTP上昇、総ビリルビン上昇、Al-P上昇、LDH上昇。
9). 腎臓:(1%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇。
10). 血液:(1~5%未満)白血球数減少、赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット値減少、(1%未満)白血球数増多、血小板数減少。
11). その他:(5%以上)トリグリセリド上昇、(1~5%未満)倦怠感、CRP上昇、総コレステロール上昇、尿糖上昇、尿沈渣上昇、(1%未満)顔のほてり、耳鳴、苦味、胸痛、腰痛、下肢脱力感、発汗、ほてり、気分不良、血清カリウム値上昇、総蛋白低下、前立腺特異抗原増加、尿酸上昇、尿蛋白上昇、(頻度不明)浮腫、女性化乳房。
*)〔8.1参照〕。
- 高齢者
- 肝機能又は腎機能が低下している場合は低用量(1回2mg)から投与を開始するなど、患者の状態を十分に観察しながら投与すること(高齢者では一般に生理機能が低下している)〔16.1.5、16.6.1参照〕。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は舌の上にのせて唾液を浸潤させると崩壊するため、水なしで服用
可能である(また、水で服用することもできる)。
14.1.3. 本剤は寝たままの状態では、水なしで服用しないこと。
20.1. アルミピロー包装開封後は遮光して保存すること。
20.2. 製剤の特性上、吸湿により錠剤表面がざらつくことがある。
20.3. 錠剤表面に使用色素による茶色、赤色及び黄色の斑点がみられることがある。
20.4. アルミピロー包装開封後は湿気を避けて保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報α1遮断薬を服用中又は過去に服用経験のある患者において、α1遮断作用によると考えられる術中虹彩緊張低下症候群(Intraoperative Floppy Iris Syndrome)があらわれるとの報告がある〔11.2参照〕。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. マウスでの104週間投与試験:20mg/kg/日以上の投与群で精嚢腺拡張の頻度上昇が認められたとの報告がある。
15.2.2. ラットでの受胎能及び着床までの初期胚発生に関する試験:200mg/kg/日以上の投与群で精細管に精子細胞脱落が、600mg/kg/日投与群で精細管萎縮・精細管変性、精子生存率減少及び精子数減少が認められたとの報告がある。
16.1 血中濃度
16.1.1 生物学的同等性試験(錠、カプセル)
健康成人男性にシロドシン4mg(錠又はカプセル)を空腹時に単回経口投与したとき注)の血漿中シロドシン濃度及び薬物動態パラメータは表1に示すとおりであり、4mg錠及び4mgカプセルは生物学的に同等であった。
表1 健康成人男性に空腹時4mg(錠又はカプセル)単回投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.2 単回投与
健康成人男性(各群6例)にシロドシン0.5mgから12mg(カプセル)を単回経口投与したとき注)、血漿中シロドシン濃度は投与量の増加に伴って上昇し、Cmax及びAUC0-∞は線形性を示した。シロドシン2mg又は4mg(カプセル)を単回経口投与したときの血漿中シロドシン濃度推移は添付文書の図1に示すとおりであった。
図1 健康成人男性に空腹時2mg又は4mg単回投与時の血漿中シロドシン濃度推移
6例の平均値+SDを示す
16.1.3 生物学的同等性試験(錠、OD錠)
シロドシン4mgOD錠(水なし又は水で服用)とシロドシン4mg錠(標準製剤、水で服用)をクロスオーバー法によりそれぞれを1錠(シロドシンとして4mg)健康成人男性に絶食単回経口投与して注)、血漿中シロドシン濃度を測定して得られた薬物動態パラメータ(AUC0-48hr、Cmax)について、90%信頼区間法にて統計解析を行った結果、log(0.8)~log(1.25)の範囲内であり、両剤の生物学的同等性が確認された。薬物動態パラメータは表2及び表3に、血漿中濃度推移は添付文書の図2及び図3に示すとおりであった。
表2 健康成人男性に空腹時4mgOD錠(水なしで服用)又は4mg錠(水で服用)単回投与時の薬物動態パラメータ
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図2 健康成人男性に空腹時4mgOD錠(水なしで服用)又は4mg錠(水で服用)単回投与時の血漿中シロドシン濃度推移
表3 健康成人男性に空腹時4mgOD錠(水で服用)又は4mg錠(水で服用)単回投与時の薬物動態パラメータ
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図3 健康成人男性に空腹時4mgOD錠(水で服用)又は4mg錠(水で服用)単回投与時の血漿中シロドシン濃度推移
16.1.4 反復投与
健康成人男性5例にシロドシン4mg(カプセル)を1日2回7日間反復経口投与したとき(1日目及び7日目は1日1回投与)、血漿中シロドシン濃度は投与3日後には定常状態に達し、初回投与からの累積率は1.1倍であった(表4)。
表4 健康成人男性における食後4mg投与時の薬物動態パラメータ
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16.1.5 前立腺肥大症に伴う排尿障害患者での薬物動態
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象とした長期投与試験(カプセル)における探索的な母集団薬物動態解析(258例)の結果、定常状態時の投与2時間後及び12時間後の推定血漿中シロドシン濃度(平均値±SD)はそれぞれ24.8±8.0ng/mL及び7.4±3.3ng/mLであった。血漿中シロドシン濃度に対する変動要因について検討した結果、シロドシンのクリアランスは体重、年齢、CRP、ALT及び血清クレアチニンによって、分布容積は体重、年齢、CRP及びALTによって影響を受けることが示唆された。これら影響因子のうち、ALTについて、シロドシンの血漿中濃度に対する影響が大きいことが推察され、ALTの上昇(23→83IU/L)によりシロドシンのクリアランス及び分布容積はそれぞれ約47%及び約27%低下する可能性が示唆された。[9.3、9.8参照]
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人男性11例にシロドシン4mg(カプセル)を食後30分及び空腹時に単回経口投与したとき注)、食後投与及び空腹時投与でそれぞれ、Cmaxは23.0及び28.0ng/mL、AUC0-48hrは128.8及び135.9ng・hr/mL、Tmaxは2.1及び1.4時間、t1/2は6.0及び4.7時間であった(表5)。
表5 健康成人男性における4mg投与時の薬物動態パラメータ
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16.2.2 生物学的利用率
シロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したときの生物学的利用率は32.2%であった。
16.3 分布
健康成人男性11例にシロドシン2mg(溶液)を4時間静脈内点滴投与時注)のクリアランス及び分布容積はそれぞれ167.0±33.8mL/min及び49.5±17.3Lであった。シロドシンのヒト血漿タンパクに対する結合率は、95.6%(100ng/mL添加時)であり、主な結合タンパクはα1‐酸性糖タンパクであった(in vitro)。
16.4 代謝
シロドシンは主としてCYP3A4、UDP‐グルクロン酸転移酵素、アルコール脱水素酵素及びアルデヒド脱水素酵素により代謝され、血漿中の主な代謝物はシロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物であった。健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注)、血漿中の総放射能AUC0-12hrに対して、血漿中のシロドシン、シロドシンのグルクロン酸抱合体及び酸化代謝物のAUC0-12hrは、それぞれ24.0、21.9及び34.9%であった。その他の代謝物の割合は、いずれも5%以下であった。[10.参照]
16.5 排泄
健康男性(外国人)6例に「14C」標識シロドシン8mg(溶液)を単回経口投与したとき注)、投与後240時間までに、投与放射能の33.5%が尿中に、54.9%が糞中に排泄された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能低下者(クレアチニンクリアランス27~49mL/min)6例及び腎機能正常者(クレアチニンクリアランス125~176mL/min)7例にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与したとき注)、腎機能低下者では腎機能正常者に比べて、シロドシンの血漿中総薬物濃度の上昇がみられた(Cmax3.1倍、AUC0-∞3.2倍)。この血漿中総薬物濃度の上昇は血清中α1‐酸性糖タンパクとのタンパク結合による可能性があり、血漿中総薬物濃度と血清中α1‐酸性糖タンパク濃度の間には高い相関が認められた。なお、シロドシンの薬効及び副作用発現に直接関与すると考えられる血漿中非結合形シロドシン濃度の上昇は総薬物濃度より小さかった(Cmax1.5倍、AUC0-∞2.0倍)(表6)。[9.2、9.8参照]
表6 腎機能低下者及び腎機能正常者に空腹時4mg単回投与時の薬物動態パラメータ
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16.6.2 高齢者
高齢男性(65~75歳)12例にシロドシン4mg(カプセル)を食後に単回経口投与したとき、非高齢男性(21~31歳)9例との薬物動態に明らかな違いはみられなかった(表7)。
また、投与後48時間までの尿中累積排泄率は高齢男性、非高齢男性でそれぞれシロドシンが2.3及び2.4%、シロドシンのグルクロン酸抱合体が1.6及び1.8%、酸化代謝物が4.5及び4.9%であった。
表7 高齢男性及び非高齢男性における食後4mg単回投与時の薬物動態パラメータ
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16.7 薬物相互作用
16.7.1 ケトコナゾール(経口剤:国内未発売)併用
健康男性(外国人)16例にケトコナゾール200mgを1日1回4日間経口投与し、2日目にシロドシン4mg(カプセル)を単回経口投与した場合注)、併用時のシロドシンのCmax及びAUC0-∞は、シロドシン単独投与時に比べてそれぞれ3.7及び2.9倍に増加した。[10.2参照]
注)本剤の承認されている用法・用量は「1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相二重盲検比較試験
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象に、シロドシンカプセル1回2mg注)、4mg又はプラセボを、1日2回、4週間経口投与した結果、シロドシンカプセル1回4mg投与はプラセボと比較して自覚症状(I‐PSSトータルスコア)を有意に改善した(表8)。副作用発現割合は、15.6%(42/270例)であった。用量別の副作用発現割合は、プラセボ群7.9%(7/89例)、4mg/日群16.9%(15/89例)、8mg/日群21.7%(20/92例)であった。主な副作用は、射精障害0%(0/89例)、11.2%(10/89例)、6.5%(6/92例)(プラセボ、4mg/日、8mg/日の順、以下同様)、口渇1.1%(1/89例)、0%(0/89例)、5.4%(5/92例)であった。副作用(臨床検査値)発現割合は、6.7%(18/270例)であった。用量別の副作用(臨床検査値)発現割合は、プラセボ群5.6%(5/89例)、4mg/日群6.7%(6/89例)、8mg/日群7.6%(7/92例)であった。主な副作用(臨床検査値)は、トリグリセリド上昇2.3%(2/86例)、3.7%(3/82例)、2.4%(2/84例)(プラセボ群、4mg/日群、8mg/日群)であった。
表8 I‐PSSa)トータルスコアの投与前後の変化
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17.1.2 国内第III相二重盲検比較試験
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者を対象に、シロドシンカプセル1回4mg1日2回又はプラセボを12週間経口投与した結果、終了時のI‐PSSトータルスコアは投与開始時に比較して、シロドシンで8.3及びプラセボで5.3それぞれ低下した(添付文書の図4、表9)。また、投与開始時に比較してI‐PSSトータルスコアが25%以上改善した症例の割合は、シロドシン76.4%(133/174例)及びプラセボ50.6%(45/89例)であり、重症度が軽症(I‐PSSトータルスコア8未満)まで改善した症例の割合は、シロドシン47.7%(83/174例)及びプラセボ31.5%(28/89例)であった。シロドシンでは自覚症状は投与1週後の早期から改善し、重症例に対しても改善効果が認められた。副作用発現割合は、シロドシン群54.9%(96/175例)、プラセボ群22.5%(20/89例)であった。主な副作用は、シロドシン群で射精障害22.3%(39/175例)、軟便及び口渇各8.6%(15/175例)、尿失禁5.7%(10/175例)、下痢4.6%(8/175例)、鼻閉4.0%(7/175例)、プラセボ群で軟便、口渇及び頭痛各4.5%(4/89例)であった。副作用(臨床検査値)発現割合は、シロドシン群31.4%(55/175例)、プラセボ群21.6%(19/88例)であった。主な副作用(臨床検査値)は、シロドシン群ではトリグリセリド上昇12.0%(21/175例)、CRP上昇5.7%(10/175例)、γ‐GTP上昇3.4%(6/175例)、プラセボ群ではトリグリセリド上昇10.2%(9/88例)、LDH上昇及びCRP上昇各3.4%(3/88例)であった。
図4 I‐PSSトータルスコア測定値の推移
表9 I‐PSSトータルスコアの測定値、変化量及び群間差
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17.1.3 国内長期投与試験
前立腺肥大症に伴う排尿障害患者364例を対象としたシロドシンカプセル1回4mg1日2回52週間による長期投与試験では、持続的な改善効果と安全性が確認され、安定した自覚症状(I‐PSSトータルスコア)及び最大尿流率の改善が認められた。副作用発現割合は、65.4%(238/364例)であった。主な副作用は、射精障害25.0%(91/364例)、下痢7.4%(27/364例)、口渇7.1%(26/364例)、立ちくらみ6.6%(24/364例)、鼻閉5.8%(21/364例)、ふらつき(感)5.2%(19/364例)であった。副作用(臨床検査値)発現割合は、31.1%(112/360例)であった。主な副作用(臨床検査値)は、トリグリセリド上昇9.2%(33/359例)、ALT上昇4.2%(15/360例)、白血球数減少3.9%(14/358例)、ヘモグロビン量減少3.6%(13/357例)、ヘマトクリット値減少3.6%(13/357例)、AST上昇3.6%(13/360例)、赤血球数減少3.4%(12/358例)及びCRP上昇3.1%(11/359例)であった。
注)本剤の承認されている用法・用量は「1回4mgを1日2回朝夕食後に経口投与する。なお、症状に応じて適宜減量する。」である。
18.1 作用機序
下部尿路組織である前立腺、尿道及び膀胱三角部に分布するα1A‐アドレナリン受容体サブタイプを介する交感神経系を遮断することにより、下部尿路組織平滑筋の緊張を緩和し、尿道内圧の上昇を抑制し、前立腺肥大症に伴う排尿障害を改善する。
18.2 ヒト組織での作用
18.2.1 交感神経系α‐アドレナリン受容体に対する親和性
ヒトα1‐アドレナリン受容体に対する受容体結合試験において、α1A‐アドレナリン受容体サブタイプへの高い親和性を示した(in vitro)。
18.2.2 前立腺に対する作用
ヒト前立腺膜標本を用いた受容体結合試験において、α1A‐アドレナリン受容体サブタイプへの高い親和性を示した。
ノルアドレナリンによるヒト前立腺平滑筋の収縮を抑制した(in vitro)。
18.3 動物での作用
18.3.1 下部尿路組織(前立腺、尿道及び膀胱三角部)に対する作用
摘出ウサギ前立腺、尿道及び膀胱三角部において、ノルアドレナリンによる収縮に対して強い拮抗作用を示した(in vitro)。
18.3.2 尿道内圧に対する作用
麻酔雄性ラットにおいて、血圧低下作用を示すよりも低い用量で、フェニレフリンによる前立腺部尿道内圧上昇を選択的に抑制した。
麻酔雄性イヌにおいても、血圧低下作用を示すよりも低い用量で、下腹神経の電気刺激による前立腺部尿道内圧上昇を選択的に抑制した。
18.3.3 前立腺肥大モデルに対する作用
性ホルモン投与にて作製した雄性ラット前立腺肥大モデルにおいて、蓄尿時に生じた膀胱刺激症状を抑制した。
- 一包可:条件付可
- 分割:条件付可
- 粉砕:条件付可
- 製造販売会社
- キッセイ薬品
- 販売会社
- 第一三共
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