クロルヘキシジングルコン酸塩エタノール消毒液0.5%R「カネイチ」
添付文書情報2023年12月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. クロルヘキシジン製剤に対し過敏症の既往歴のある者〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
2.2. 脳、脊髄、耳(内耳、中耳、外耳)には使用しないこと[聴神経及び中枢神経に対して直接使用した場合は、難聴、神経障害を来すことがある]〔14.3.1参照〕。
2.3. 腟、膀胱、口腔等の粘膜面には使用しないこと[クロルヘキシジン製剤の前記部位への使用により、ショック、アナフィラキシーの症状の発現が報告されている]〔14.2.2、14.3.1参照〕。
2.4. 損傷皮膚及び粘膜には使用しないこと[刺激作用を有する]。
2.5. 眼には使用しないこと[角膜障害等の眼障害を来すおそれがある]〔14.2.3参照〕。
- 効能・効果
- 手術部位(手術野)の皮膚の消毒、医療機器の消毒。
- 用法・用量
- 〈手術部位(手術野)の皮膚の消毒〉
本剤をそのまま消毒部位に用いる。
〈医療機器の消毒〉
本剤をそのまま用いる。
- 合併症・既往歴等のある患者
- ショック、アナフィラキシー等の反応を予測するため、使用に際してはクロルヘキシジン製剤に対する過敏症の既往歴、薬物過敏体質の有無について十分な問診を行うこと〔2.1、9.1.1、11.1.1参照〕。
9.1.1. 薬物過敏症<クロルヘキシジン製剤に対する過敏症を除く>の既往歴のある者〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
9.1.2. 喘息等のアレルギー疾患の既往歴、家族歴のある者。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には使用を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(0.1%未満)、アナフィラキシー(頻度不明):血圧低下、じん麻疹、呼吸困難等があらわれた場合は、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと〔8.重要な基本的注意の項参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(0.1%未満)発疹、じん麻疹。
2). 皮膚:(頻度不明)皮膚刺激症状。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤使用前の注意14.1.1. 血清・膿汁等の有機性物質は殺菌作用を減弱させるので、これらが付着している場合は十分に洗い落としてから使用すること。
14.1.2. 石鹸類は本剤の殺菌作用を弱めるので、石鹸分を洗い落としてから使用
すること。
14.2. 薬剤使用時の注意14.2.1. 本剤は希釈せず、原液のまま使用すること。
14.2.2. 産婦人科用<腟・外陰部の消毒等>、泌尿器科用<膀胱・外性器の消毒等>には使用しないこと〔2.3参照〕。
14.2.3. 眼に入らないように注意する(眼に入った場合は直ちによく水洗する)〔2.5参照〕。
14.2.4. 溶液の状態で長時間皮膚と接触させた場合に皮膚化学熱傷を起こしたとの報告があるので、注意すること。
14.2.5. エタノール蒸気に大量に又は繰り返しさらされた場合、粘膜への刺激、頭痛等を起こすことがあるので、広範囲又は長期間使用する場合には、蒸気の吸入に注意すること。
14.2.6. 同一部位に反復使用した場合には、脱脂等による皮膚荒れを起こすことがあるので注意すること。
14.2.7. 合成ゴム製品、合成樹脂製品、光学器具、鏡器具、塗装カテーテル等には、変質するものがあるので、このような器具は長時間浸漬しないこと。
14.2.8. 引火性があり、爆発の危険性もあるため、火気(電気メス使用等も含む)には十分注意すること。
14.2.9. 電気メス等を使用する場合には本剤を乾燥させ、アルコール蒸気の拡散を確認してから使用すること(電気メスによる発火事故が報告されている)。
14.3. 薬剤使用後の注意14.3.1. 注射器、カテーテル等の神経や粘膜面に接触する可能性のある器具を本剤で消毒した場合は、滅菌水でよく洗い流した後使用すること〔2.2、2.3参照〕。
14.3.2. 本剤の付着したカテーテルを透析に用いると、透析液の成分により難溶性の塩を生成することがあるので、本剤で消毒したカテーテルは、滅菌水でよく洗い流した後使用すること。
14.3.3. 本剤の付着した白布を次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系漂白剤で漂白すると、褐色のシミができることがあるので、漂白には過炭酸ナトリウム等の酸素系漂白剤が適当である。
20.1. 火気を避けて保存すること。
20.2. 小分け後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報クロルヘキシジングルコン酸塩製剤の使用によりショック症状を起こした患者のうち数例について、血清中にクロルヘキシジンに特異的なIgE抗体が検出されたとの報告がある。
18.1 作用機序
低濃度では細菌の細胞膜に障害を与え、細胞質成分の不可逆的漏出や酵素阻害を起こし、抗菌作用(殺菌作用)を示す。高濃度では細胞内のタンパク質や核酸の沈着を起こすことにより、抗菌作用を示す。
18.2 殺菌作用
18.2.1 広範囲の微生物に作用するが、特にグラム陽性菌には低濃度でも有効である。グラム陰性菌にも比較的低濃度で殺菌作用を示すが、グラム陽性菌に比べて抗菌力に幅がある。グラム陰性菌のうち、Alcaligenes、Pseudomonas、Achromobacter、Flavobacterium属などにはまれに抵抗菌株もある。芽胞形成菌の芽胞には無効である。結核菌に対し水溶液では静菌作用、アルコール溶液では迅速な殺菌作用がある。真菌類の多くに対し抗菌力を示すが細菌類より弱い。ウイルスに対する効力は確定していない。
18.2.2 各種細菌・真菌に対する0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩エタノール溶液の殺菌力(in vitro)
→図表を見る(PDF)
MIC(最小発育阻止濃度)はクロルヘキシジングルコン酸塩としての濃度を示す。
18.2.3 HIVに対する効果
HIV不活化効果についてプラーク法を用いて検討した結果、0.5%クロルヘキシジングルコン酸塩エタノール溶液は、HIVを15秒以内に検出限界以下まで不活化した。
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