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ベトノバールG軟膏0.12%

販売名
ベトノバールG軟膏0.12%
薬価
1g 27.70円
製造メーカー
佐藤製薬

添付文書情報2024年02月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
抗生物質及び副腎皮質ホルモン混合製剤
一般名
ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏
禁忌
2.1. ゲンタマイシン耐性菌による皮膚感染又はゲンタマイシン非感性菌による皮膚感染のある場合[皮膚感染が増悪するおそれがある]。
2.2. 真菌皮膚感染症・スピロヘータ皮膚感染症・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、けじらみ等)[これらの疾患が増悪するおそれがある]。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.4. 鼓膜に穿孔のある湿疹性外耳道炎[穿孔部位の治癒の遅延及び感染のおそれがある]。
2.5. 潰瘍<ベーチェット病は除く>、第2度深在性以上の熱傷・第2度深在性以上の凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が遅延するおそれがある]。
2.6. ストレプトマイシン、カナマイシン、ゲンタマイシン、フラジオマイシン等のアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発している次の疾患:湿疹・皮膚炎群(進行性指掌角皮症、脂漏性皮膚炎を含む)、乾癬、掌蹠膿疱症。
2). 外傷・熱傷及び手術創等の二次感染。
(効能又は効果に関連する注意)
湿疹・皮膚炎群、乾癬、掌蹠膿疱症、外傷・熱傷及び手術創等に対しては、湿潤、びらん、結痂を伴うか、又は二次感染を併発しているものにのみ使用し、これらの症状が改善した場合には、速やかに使用を中止し、抗生物質を含有しない薬剤に切り替えること。
用法・用量
通常、1日1~数回、適量を塗布する。
なお、症状により適宜増減する。
特定の背景を有する患者に関する注意
8.1. 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には使用を中止すること。
8.2. 大量又は長期にわたる広範囲の使用により、副腎皮質ホルモン剤を全身投与した場合と同様な症状があらわれることがある〔9.5妊婦、9.7小児等、9.8高齢者の項、11.1.1参照〕。
8.3. 症状改善後は、できるだけ速やかに使用を中止すること。
8.4. 長期連用を避けること〔11.2参照〕。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 眼圧亢進、緑内障、後嚢白内障(いずれも頻度不明):眼瞼皮膚への使用に際しては眼圧亢進、緑内障を起こすことがある。
大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により、緑内障、後嚢白内障等があらわれることがある〔8.2参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 過敏症:(頻度不明)皮膚刺激感、接触性皮膚炎、発疹。
2). 眼:(頻度不明)中心性漿液性網脈絡膜症。
3). 皮膚:(0.1~5%未満*)魚鱗癬様皮膚変化。
4). 皮膚感染症:(頻度不明)ゲンタマイシン耐性菌又は非感性菌による感染症[このような症状があらわれた場合には、本剤の使用を中止し、適切な抗菌剤、抗真菌剤等に切り替えること(密封法(ODT)の場合に起こりやすい)]、皮膚真菌症(皮膚カンジダ症、皮膚白癬等)、皮膚ウイルス感染症[このような症状があらわれた場合には、本剤の使用を中止し、適切な抗菌剤、抗真菌剤等に切り替えること(密封法(ODT)の場合に起こりやすい)]。
5). その他の皮膚症状:(頻度不明)ざ瘡様発疹、酒さ様皮膚炎・口囲皮膚炎(ほほに潮紅、口囲潮紅等、丘疹、膿疱、毛細血管拡張)、ステロイド皮膚(皮膚萎縮、毛細血管拡張、紫斑)、多毛、皮膚色素脱失[長期連用により、このような症状があらわれた場合にはその使用を差し控え、副腎皮質ホルモンを含有しない薬剤に切り替えること]。
6). 下垂体・副腎皮質系:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制[大量又は長期にわたる広範囲の使用、密封法(ODT)により発現した事象。投与中止により急性副腎皮質機能不全に陥る危険性があるため、投与を中止する際は患者の状態を観察しながら徐々に減量すること]。
7). ※長期連用:(頻度不明)腎障害、難聴。
*)再評価結果を含む。
※)〔8.4参照〕。
高齢者
大量又は長期にわたる広範囲の密封法(ODT)等の使用に際しては特に注意すること(一般に副作用があらわれやすい)〔8.2参照〕。
妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性に対しては大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること〔8.2参照〕。
小児等
ベタメタゾン吉草酸エステルの長期・大量使用又はベタメタゾン吉草酸エステルの密封法(ODT)により発育障害を来すとの報告がある。
また、おむつは密封法(ODT)と同様の作用があるので注意すること〔8.2参照〕。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意患者に対し次の点に注意するよう指導すること。
14.1.1. 使用時:化粧下、ひげそり後等に使用することのないよう注意すること。
14.1.2. 使用部位:眼科用として使用しないこと。
チューブを開封後は遮光して保存すること。

16.2 吸収
正常なヒト腋窩皮膚に0.15%3H‐標識ベタメタゾン吉草酸エステル注)クリームを30分、1時間、2時間、4時間、8時間密封法(ODT)により塗布後、薬剤を除去し、オートラジオグラフ法により経表皮吸収及び経皮膚付属器官吸収を検討した結果、共に吸収が良好であった。
経表皮吸収及び経皮膚付属器官吸収
→図表を見る(PDF)

16.5 排泄
乾癬患者2例及び天疱瘡患者1例に0.1%3H‐標識ベタメタゾン吉草酸エステル注)軟膏を密封法(ODT)により塗布した場合、7日間の尿中回収率は塗布量の2.0~18.5%であった(外国人データ)。
尿中回収率
→図表を見る(PDF)

注)本剤はベタメタゾン吉草酸エステルとゲンタマイシン硫酸塩の配合剤である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈湿疹・皮膚炎群〉
17.1.1 国内臨床試験
ベタメタゾン吉草酸エステル軟膏を対照薬とし、湿潤性湿疹・皮膚炎群を有する患者を対象とした比較試験(1日2~3回、7~21日間使用14例)において有効性を比較した結果、ベタメタゾン吉草酸エステル・ゲンタマイシン硫酸塩軟膏はベタメタゾン吉草酸エステル軟膏と同等又は同等以上であった。本剤による副作用の発現はなかった。

18.1 作用機序
18.1.1 ベタメタゾン吉草酸エステル
ステロイドは細胞質に存在する熱ショック蛋白質、抑制蛋白質と複合体を形成したステロイド受容体に結合後核内に移行し、ステロイド反応性の遺伝子を活性化させ、その薬理作用を発揮すると考えられている。また、血管内皮細胞やリンパ球等の細胞膜の障害を抑制するような膜の安定性に関与する作用や、フォスフォリパーゼA2と呼ばれる細胞膜リン脂質からロイコトリエンやプロスタグランジンなど種々の炎症惹起物質を誘導する重要な酵素の機能を抑える作用も知られている。
その作用機序としては、単量体のステロイドとその受容体が複合体を形成することで、NFκBやAP‐1と呼ばれるサイトカイン産生の誘導や細胞接着分子の発現等を調節している細胞内転写因子の機能を抑制することで、2量体の受容体と結合した場合、リポコルチン等の誘導を介して、炎症を制御すると考えられている。免疫抑制作用に関しては、リンパ球に対する直接的な機能抑制、アポトーシスの誘導によると考えられている。
18.1.2 ゲンタマイシン硫酸塩
細菌の蛋白合成を阻害することにより抗菌作用を発揮し、その作用は殺菌的である。
18.2 薬理作用
18.2.1 皮膚血管収縮試験
ベタメタゾン吉草酸エステルは健康成人20例における皮膚血管収縮試験において、フルオシノロンアセトニドに比べて3.6倍の皮膚血管収縮能を示した(外国人データ)。
18.3 生物学的同等性試験
18.3.1 抗炎症作用
(1)カラゲニン足浮腫抑制作用
SD系雄性ラット(1群12匹)を用いたカラゲニン足浮腫法で、カラゲニン誘発足浮腫抑制効果を検討した結果、ベトノバールG軟膏0.12%とリンデロン-VG軟膏0.12%間、またベトノバールGクリーム0.12%とリンデロン-VGクリーム0.12%間に有意差は認められなかった。
(2)クロトン油誘発耳浮腫抑制作用
SD系雄性ラット(1群10匹)を用いたクロトン油誘発耳浮腫モデルにおいて、浮腫抑制作用を検討した結果、ベトノバールG軟膏0.12%とリンデロン-VG軟膏0.12%間、またベトノバールGクリーム0.12%とリンデロン-VGクリーム0.12%間に有意差は認められなかった。
18.3.2 抗菌効果
チャールスリバーの雄性ラットに実験的熱傷を作成し、緑膿菌を感染させた後、ベトノバールG軟膏0.12%及びリンデロン-VG軟膏0.12%を塗布し抗菌効果について検討した結果、両製剤間に有意差は認められなかった。また、ベトノバールGクリーム0.12%とリンデロン-VGクリーム0.12%の両製剤間にも有意差は認められなかった。

製造販売会社
佐藤製薬
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