ペリオクリン歯科用軟膏
添付文書情報2024年03月改定(第3版)
商品情報
- 禁忌
- テトラサイクリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 歯周組織炎。
- 用法・用量
- 通常1週に1回、患部歯周ポケット内に充満する量を注入する。
(用法及び用量に関連する注意)
局所にミノサイクリン耐性菌又は非感性菌による感染症があらわれた場合には投与を中止すること。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 感作されるおそれがあるので、観察を十分に行い、感作されたことを示す兆候(そう痒、発赤、腫脹、丘疹、小水疱等)があらわれた場合には投与を中止すること。
8.2. 過敏症状があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止すること。
8.3. 本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめること。
8.4. 症状の改善が見られない場合は、漫然と使用しないこと。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明):蕁麻疹、そう痒、全身潮紅、喉頭浮腫、呼吸困難、血圧低下等の異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 口腔・粘膜障害:(1%以上)口腔・粘膜疼痛、(1%未満)口腔・粘膜刺激(口腔・粘膜発赤等)、口腔・粘膜知覚異常(歯挺出感)。
2). その他:(1%未満)片頭痛、発疹、(頻度不明)倦怠感、発熱、悪心・嘔吐。
発現頻度は使用成績調査を含む。
- 授乳婦
- 妊婦及び妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本剤の投与に際しては、次のことに留意すること。
(1). ブラッシング等の歯肉縁上プラークコントロール下で本剤の投与を行うこと。
(2). 投与前にスケーリングを実施しておくことが望ましい。
(3). 歯周ポケット底に薬物が到達するよう注入器の先端部を十分な深さまで挿入し、注入すること。
(4). 注入直後の激しい洗口及び飲食は避けること。
(5). 本剤はディスポーザブル製品であるので1シリンジは1患者1回限りの使用とすること。
14.1.2. 本剤を注入するとき、患部に一時的疼痛・一時的刺激があらわれることがあるので注意すること。
本剤は遮光保存のため、アルミパウチは使用直前に開封すること。
16.1 血中濃度
16.1.1 歯周炎患者3例の歯周ポケット内に本剤0.5g(ミノサイクリン塩酸塩10mg(力価))を週1回4週投与した場合、第1回目、第4回目投与とも投与後4時間で約0.1μg/mLの血清中ミノサイクリン濃度を示したが、第4回目投与直前には検出されなかった。
16.1.2 健康成人2例に本剤0.5g(ミノサイクリン塩酸塩10mg(力価))を1回経口投与注)した場合、最高血清中ミノサイクリン濃度は0.19μg/mL、最高血清中濃度に達する時間は2時間であった。
注)歯周組織炎の治療に対して承認されている本剤の用法及び用量は、「通常1週に1回、患部歯周ポケット内に充満する量を注入する。」である。
16.3 分布
16.3.1 歯周ポケット内濃度
歯周炎患者の歯周ポケット内に本剤を1歯あたり約0.05mL(ミノサイクリン塩酸塩1.3mg(力価))を投与したとき、歯周ポケット内ミノサイクリン濃度は、投与後長時間にわたって認められ、168時間において0.1μg/mLであった。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験 二重盲検試験
歯周炎患者62例124歯を対象とした二重盲検試験成績では、全有効性解析対象歯における本剤投与群の臨床症状に対する総合的な改善率は、次表のとおり、プラセボ群に比べ有意に高かった(p<0.01 Fisherの直接確率法)。
→図表を見る(PDF)
当該試験の副作用として、局所刺激が62例中1例に認められたが、歯周ポケット内への注入直後に発現し、発現後直ちに消失する一過性のものであった。
17.1.2 国内第III相試験 一般臨床試験
歯周炎患者87例87歯を対象とした一般臨床試験において、全有効性解析対象歯における臨床症状に対する総合的な改善率は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
当該試験の副作用として、局所刺激が87例中3例に認められたが、いずれも歯周ポケット内への注入直後に発現し、発現後直ちに消失する一過性のものであった。
17.2 製造販売後調査等
再審査申請のために実施した使用成績調査の全有効性解析対象歯における臨床症状に対する総合的な改善率は次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
当該調査の安全性解析対象症例3291例における副作用発現頻度は1.19%(39/3291)で、主な副作用は投与部位の疼痛1.03%(34/3291)であった。
18.1 作用機序
細菌の蛋白合成阻害により抗菌作用を発揮する。
18.2 抗菌作用
ミノサイクリン塩酸塩は、ブドウ球菌、肺炎球菌などのグラム陽性菌及び大腸菌、クレブシエラ、エンテロバクターなどのグラム陰性菌に対して広範な抗菌作用を示す。歯科領域におけるミノサイクリン塩酸塩の抗菌作用については、上田ら、石川ら、中島らの報告があり、歯周炎の病原性菌並びに歯肉縁下プラーク中の細菌に対する抗菌力が強いことが認められている。又、実験的イヌ歯周炎モデルにおいて、ペリオクリン歯科用軟膏の投与により、臨床的及び微生物学的効果が認められた。
18.3 コラゲナーゼ活性阻害作用
ミノサイクリン塩酸塩は歯周組織破壊や歯周ポケット形成に関与するコラゲナーゼ活性を阻害した(in vitro)。ミノサイクリン塩酸塩50μg/mLの濃度でポルフィロモナス・ジンジバリス由来のコラゲナーゼ活性を約50%、100μg/mLの濃度でヒト好中球由来コラゲナーゼ活性を約65%阻害した。
- 製造販売会社
- サンスター
- 販売会社
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