ヒノポロン口腔用軟膏
添付文書情報2024年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. メトヘモグロビン血症のある患者[症状を悪化させるおそれがある]。
- 効能・効果
- 急性歯肉炎、辺縁性歯周炎。
- 用法・用量
- 十分清拭乾燥した患部に1日1回適量を注入する。又は、塗布する場合、患部を清拭したのち、通常1日1~3回適量を使用する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:ヨード製剤、その他の金属塩を含む薬剤[ヒノキチオールの効果を減弱させるおそれがあるので併用を避けること(機序は不明である)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック(頻度不明):血圧降下、顔面蒼白、脈拍異常、呼吸抑制等の症状があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行うこと(アミノ安息香酸エチルによる)。
11.1.2. 振戦、痙攣(いずれも頻度不明):振戦、痙攣等の中毒症状があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、ジアゼパム又は超短時間作用型バルビツール酸製剤(チオペンタールナトリウム等)の投与等の適切な処置を行うこと(アミノ安息香酸エチルによる)。
- 11.2. その他の副作用
1). 中枢神経:(頻度不明)眠気、不安、興奮、霧視、眩暈、悪心・嘔吐等(アミノ安息香酸エチルによる)[このような症状があらわれた場合は、ショックあるいは中毒への移行に注意すること]。
2). 過敏症:(頻度不明)過敏症状。
3). 下垂体・副腎皮質系:(頻度不明)下垂体・副腎皮質系機能抑制(大量又は長期にわたる使用による)。
4). 血液:(頻度不明)メトヘモグロビン血症(アミノ安息香酸エチルによる)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用すること。また、長期使用を避けること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤使用時の注意14.1.1. 眼科用として使用しないこと。
20.1. 本剤は、光や温度及び金属の影響により徐々に変色する性質があるので、使用後はキャップをしっかり締めて保管すること。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験
医師による注入199例(辺縁性歯周炎197例、歯肉炎2例)、患者自身による塗布84例(辺縁性歯周炎72例、歯肉炎12例)を対象とし、臨床所見として出血、排膿の停止及び減少、歯肉発赤、腫脹の減退、疼痛の消失、歯牙の動揺度の減少と歯肉の緊張等について評価したところ、成績と著効及び有効例を含めた有効率は表のとおりであった。なお、臨床全例において副作用は認められなかった。
→図表を見る(PDF)
18.1 作用機序
18.1.1 抗菌作用
ヒノキチオールは歯周疾患の炎症や化膿に関与するアクチノミセスや溶血性ストレプトコッカスなどの好気性菌には100万分の3~100の濃度で、また症状が進み盲嚢が深くなるに従い歯肉組織の崩壊に大きく関与するとみられるバクテロイデスや、フソバクテリウムなどの嫌気性菌には、100万分の3~50の濃度で発育を阻止する。
18.1.2 抗炎症作用
ヒドロコルチゾン酢酸エステルは、糖質コルチコイドであり、細胞質あるいは核内に存在する受容体に結合すると、核内に移行して特定の遺伝子の転写を開始あるいは阻害する。転写が開始されて合成される代表的なたん白質はリポコルチン‐1であるが、これはホスホリパーゼA2を阻害して結果的にプロスタグランジン類、トロンボキサン類、ロイコトリエン類などの起炎物質の産生を低下させる。起炎物質の生合成抑制と炎症細胞の遊走抑制により抗炎症作用を現すと考えられる。
18.1.3 鎮痛作用
アミノ安息香酸エチルは、神経細胞膜のNa+チャンネルを抑制することによって神経の活動電位発生を抑制するという局所麻酔薬共通の作用により、知覚神経の求心性伝導を抑制する。水に難溶で、軟膏や坐剤として外用で用いる。
- 製造販売会社
- ジーシー昭和薬品
- 販売会社
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