ケイツーカプセル5mg
添付文書情報2023年03月改定(第1版)
商品情報
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- 効能・効果
- ビタミンK欠乏による次の疾患及び症状:1)新生児低プロトロンビン血症、2)分娩時出血、3)抗生物質投与中に起こる低プロトロンビン血症、4)クマリン系殺鼠剤中毒時に起こる低プロトロンビン血症。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. ビタミンK拮抗作用を有し、低プロトロンビン血症を生じる殺鼠剤として、ワルファリン、フマリン、クマテトラリル、ブロマジオロン、ダイファシノン、クロロファシノン等がある。投与にあたっては抗凝血作用を有する殺鼠剤の中毒であることを血液凝固能検査にて確認すること。
5.2. 本剤の対象はビタミンKの欠乏による疾患及び症状であり、例えば、プロトロンビン時間等によりビタミンK依存性凝固因子の異常が認められた症例にのみ投与すること。
- 用法・用量
- 〈新生児低プロトロンビン血症、分娩時出血〉
妊婦に分娩1週間前より1日メナテトレノンとして20mg(4カプセル)を連日投与する。
〈抗生物質投与中に起こる低プロトロンビン血症〉
通常、成人には1日メナテトレノンとして20mg(4カプセル)を朝・夕2回に分けて食後に経口投与する。
〈クマリン系殺鼠剤中毒時に起こる低プロトロンビン血症〉
通常、成人には1日メナテトレノンとして40mg(8カプセル)を朝・夕2回に分けて食後に経口投与するが、症状、血液凝固能検査結果に応じて適宜増減する。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 8.1. 本剤の投与は出来るだけ短期にとどめ、効果がないのに長期間漫然と投与しないこと。
8.2. 本剤を継続的に使用する場合には定期的に血液凝固能検査を行うこと。
8.3. 出血の見られる場合又は血液凝固能検査より出血の危険性が高いと考えられる場合にはメナテトレノン注射剤の投与を考慮すること。なお、重篤な出血が見られる場合には、メナテトレノン注射剤の投与と共に新鮮凍結血漿の輸注等の適切な処置を行うこと。
8.4. クマリン系殺鼠剤の中には長時間作用型のものもあるので、一時的に凝固能が戻った場合でも引き続き凝固能検査を実施し、完全に回復するまで投与を継続すること。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:クマリン系抗凝血薬(ワルファリンカリウム)[併用に注意すること(ワルファリンの作用を減弱する)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)胃部不快感、悪心・嘔吐、下痢。
2). 過敏症:(0.1~5%未満)発疹。
発現頻度は製造販売後調査を含む。
- 授乳婦
- 治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜に刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
20.1. 外箱開封後は光を遮り保存すること(光により分解し、含量が低下する)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男子10名に、メナテトレノンとして30mg(6カプセル)を食後経口投与したとき、最高血漿中濃度(Cmax)は322ng/mLで、Cmaxに達する時間(tmax)は4.9時間であった。また血漿中濃度-時間曲線下面積(AUC)は1130ng・hr/mLであった。
本剤6カプセル経口投与時の血漿中メナテトレノン濃度
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内臨床試験(分娩時出血)
妊娠末期の婦人に本剤1日20mgを1週間経口投与し、母体の分娩時出血量と新生児の凝固障害に対する効果を、プラセボを対照とした二重盲検試験により比較検討した。その結果、ビタミンK2(以下K2)群は、プラセボ群に比較し、平均出血量及び400mL以上の出血の発生頻度を有意に減少させ、止血効果が確認された。
副作用発現頻度は、K2群で2.2%(7/313例)であり、主な副作用は胃不快感、もたれが1.0%(3/313例)、嘔吐が0.6%(2/313例)であった。
17.1.2 国内臨床試験(抗生物質投与中に起こる低プロトロンビン血症)
抗生物質投与中に起こる低プロトロンビン血症に対する改善効果が一般臨床試験、二重盲検試験により確認されている。
二重盲検試験では本剤1日20mg内服投与と、ビタミンK1(以下K1)1日30mg内服投与を比較した。
その結果K2群は、投与後3日目のプロトロンビン時間の値がK1群に比べ有意に高く、K2の速効性が確認された。
副作用発現頻度は、K2群で2.4%(1/41例)であり、肝機能検査値の異常変動に基づくものであった。
17.1.3 外国臨床成績(クマリン系殺鼠剤中毒時に起こる低プロトロンビン血症)
外国において、クマリン系殺鼠剤中毒患者にビタミンK製剤を投与し、回復したとの報告がある。
18.1 作用機序
ビタミンK2(以下K2)は、血液凝固因子(プロトロンビン、VII、IX、X)の蛋白合成過程で、グルタミン酸残基が、生理活性を有するγ‐カルボキシグルタミン酸に変換する際のカルボキシル化反応に関与する。
すなわち、K2は、正常プロトロンビン等の肝での合成を促進し、生体の止血機構を賦活して生理的に止血作用を発現する。
18.2 低プロトロンビン血症改善作用
18.2.1 ワルファリンカリウムにより低プロトロンビン血症を誘発した雄ラット(正常動物の約15%の凝血活性)にK2 1mg/kgを経口投与し、2、4、6時間後に凝血活性をヘパプラスチンテストで測定したところ、K2投与後2時間から効果が発現し、時間経過と共に凝血能が改善され、6時間後では正常動物の65%の凝血活性を示した。
18.2.2 健康成人男子5名にワルファリンカリウム40mgを経口投与して低プロトロンビン血症を誘発させ、低下した凝血能に対する回復効果をクロスオーバー法でビタミンK1(以下K1)30mgあるいはK2 30mgを単回経口投与して比較検討した。プロトロンビン時間(%)の回復はK2投与群がK1投与群より速やかであった。
18.2.3 健康成人男子4名にワルファリンカリウム20mgを経口投与して低プロトロンビン血症を誘発させ、凝血能改善におけるK2単回経口投与の用量検討を行った。K2 60mg注)、90mg注)投与で6時間後から有意な凝血能の改善効果が認められ、30mg群では12時間後から有意な改善効果があった。K2経口投与後6時間、9時間、12時間、24時間、36時間のいずれの時点においてもK2の用量・反応関係が認められた。
注)本剤の承認最大用量は40mgである。
18.2.4 雄ラットを角砂糖で飼育しながら、N‐メチルテトラゾールチオール基側鎖を持つ抗生剤ラタモキセフを300mg/kg/日を3日間腹腔内投与して作製した低プロトロンビン血症モデルにK2 0.08、0.4、2mg/kgを経口投与して経時的に凝血能の回復を観察した。K2投与後3時間から作用が発現し、3時間後及び6時間後ともにK2の用量に依存した改善効果が認められた。
18.2.5 ラタモキセフ投与により低プロトロンビン血症を誘発した雄ラットにK2 0.01~1mg/kgを経口投与したところ、3時間後のヘパプラスチンテスト、活性化部分トロンボプラスチン時間、正常プロトロンビン及び異常プロトロンビン(PIVKA‐II:protein induced by vitamin K absence or antagonists factor‐II)は投与量に応じて改善し、K2 0.1mg/kg以上の用量で対照群に対して有意差が認められた。なお、この病態モデルにK2 0.1mg/kgを1日1回、2日間経口投与したところ、ヘパプラスチンテスト活性及び正常プロトロンビン量は正常値に回復した。
18.3 止血作用
抗凝血薬ジクマロール50mg/kg/日を10日間反復投与によるマウスの出血死を、K1群は5mg/kg/日経口投与の併用により50%阻止したのに対して、K2群ではK1群と同量の経口投与で100%阻止した。
- 一包可:不明
無包装状態試験:規格内変化のみ
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- エーザイ
- 販売会社
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