モノヴァー静注1000mg
添付文書情報2022年03月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 鉄欠乏状態にない患者[鉄過剰を来すおそれがある]。
- 効能・効果
- 鉄欠乏性貧血。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は経口鉄剤の投与が困難又は不適当な場合に限り使用すること。
- 用法・用量
- 通常、体重50kg以上の成人には、鉄として1回あたり1000mgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。
通常、体重50kg未満の成人には、鉄として1回あたり20mg/kgを上限として週1回点滴静注、又は鉄として1回あたり500mgを上限として最大週2回緩徐に静注する。
なお、治療終了時までの総投与鉄量は、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じるが、鉄として2000mg(体重50kg未満の成人は1000mg)を上限とする。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の投与に際しては、次を参考に、過量投与にならないよう、総投与鉄量に注意すること。また、1回投与鉄量及び投与間隔は用法及び用量を踏まえ、適切に設定すること。
[本剤の総投与鉄量]
1). 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL以上:
①. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL以上で体重40kg未満:次記の計算式を用いて算出する。
②. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL以上で体重40kg以上50kg未満:本剤の総投与鉄量750mg。
③. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL以上で体重50kg以上70kg未満:本剤の総投与鉄量1000mg。
④. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL以上で体重70kg以上:本剤の総投与鉄量1500mg。
2). 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL未満:
①. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL未満で体重40kg未満:次記の計算式を用いて算出する。
②. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL未満で体重40kg以上50kg未満:本剤の総投与鉄量1000mg。
③. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL未満で体重50kg以上70kg未満:本剤の総投与鉄量1500mg。
④. 投与前ヘモグロビン濃度10g/dL未満で体重70kg以上:本剤の総投与鉄量2000mg。
体重40kg未満の患者における総投与鉄量(mg)=[2.2×(16-投与前ヘモグロビン濃度g/dL)+10]×(体重kg)。
7.2. 分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血の患者の総投与鉄量の決定には、妊娠前の体重、本剤投与前のヘモグロビン濃度に基づき算出すること。
7.3. 再治療の必要性は、投与終了後8週以降を目安にヘモグロビン濃度、血清フェリチン値、患者の状態等から、鉄過剰に留意して慎重に判断すること〔12.2参照〕。
7.4. 本剤を点滴静注する場合は、生理食塩液で希釈し15分以上かけて投与すること。静脈内投与する場合は、希釈せずもしくは生理食塩液で希釈して2分以上かけて緩徐に投与すること〔14.1.1参照〕。
- 肝機能障害患者
- 9.1.1. 発作性夜間ヘモグロビン尿症を合併している患者:溶血を誘発するおそれがある。
本剤投与による肝機能の悪化に注意すること(鉄過剰により肝機能障害が悪化する可能性がある)、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 過敏症(頻度不明):ショック、アナフィラキシー等の重篤な過敏症があらわれることがある。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器:(1%未満)ほてり。
2). 消化器:(1~5%未満)腹部不快感、下痢、悪心、(1%未満)腹痛、上腹部痛、便秘。
3). 肝臓:(5%以上)肝酵素上昇、(1~5%未満)肝機能異常。
4). 代謝異常:(5%以上)低リン酸血症、(1~5%未満)血清フェリチン増加、高フェリチン血症、(1%未満)食欲減退。
5). 筋骨格系:(1~5%未満)関節痛、背部痛、(1%未満)筋肉痛。
6). 精神神経系:(1~5%未満)頭痛、(1%未満)傾眠。
7). 呼吸器:(1%未満)呼吸困難。
8). 皮膚:(5%以上)蕁麻疹、(1~5%未満)湿疹、紅斑、皮膚そう痒症、発疹、(1%未満)皮膚変色。
9). その他:(5%以上)発熱、(1~5%未満)倦怠感、月経過多、(1%未満)溢出、注射部位変色、顔面浮腫、疲労、血圧上昇、CRP増加。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。海外で妊婦に本剤を静脈内投与したとき、胎児の徐脈が報告されている。ラット及びウサギを用いた生殖発生毒性試験において胎仔奇形が認められており、母動物における鉄過剰に伴う毒性の二次的影響と考えられている(デキストラン鉄が胎仔へ移行することが確認されていることから、本剤も胎仔へ移行する可能性がある)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトの母乳中へ移行することが認められている)〔16.3参照〕。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤(100mg/mL)を希釈する場合は、生理食塩液で用時希釈すること(点滴静注の場合は総液量が最大500mLまで、静脈内投与の場合は総液量が最大20mLまでとし、鉄として1mg/mL未満に希釈してはならない)〔7.4参照〕。
14.1.2. 本剤のバイアルは1回使い切りであり、残液をその後の投与に使用しないこと。
14.1.3. 調製後は速やかに使用すること(希釈後にやむを得ず保存する場合は、室温で保存し、8時間以内に投与を終了すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤と生理食塩液以外の輸液や他の静注用薬剤<生理食塩液以外>等との配合又は同じラインでの同時注入は避けること。
14.2.2. 注射に際しては血管外に漏出しないよう十分注意すること。血管外に漏出した場合には、漏出部位周辺に皮膚炎症及び長期にわたる色素沈着を起こすことがある。血管外漏出が認められた場合は、適切な処置を行うこと。
凍結を避けること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤を鉄として500mg以上投与した場合、血清褐色を呈することが報告されている。
16.1 血中濃度
20歳以上65歳未満で体重50kg以上の日本人鉄欠乏性貧血患者24例に、本剤を鉄として100mg又は500mgを約2分かけて単回静脈内投与、750mg又は1000mgを約15分かけて単回点滴静注したときの薬物動態パラメータは次のとおりであった。
本剤を鉄として100mg、500mgを静脈内投与、750mg、1000mgを点滴静注したときの血清中総鉄注1)濃度推移(平均値)
注1)総鉄:デルイソマルトース、生体内の鉄結合性タンパク質(トランスフェリン等)と結合した鉄及び遊離鉄
本剤を鉄として100mg、500mgを静脈内投与、750mg、1000mgを点滴静注したときの血清中総鉄注1)の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.3 分布
鉄欠乏性貧血患者24例に本剤を鉄として100~1000mgを投与したときの分布容積(平均値)は、1.940~2.475Lであった。分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血患者21例に、本剤をDay1に鉄として840~1000mg、Day8に鉄として40~1000mg投与した時の乳汁中鉄濃度(平均値)は、Day4で0.98mg/Lであり、Day15まで0.55~0.75mg/Lを推移した。
16.4 代謝
本剤は、細網内皮系の細胞に取り込まれた後、エンドリソソーム内で鉄が分離される。
16.5 排泄
炎症性腸疾患患者12例に本剤を鉄として100mg及び200mgを単回静脈内投与したときの尿中鉄排泄率(平均値)は約1%であった(外国人データ)。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相試験(NS32‐P3‐01試験)
18歳以上49歳以下の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする過多月経に伴う鉄欠乏性貧血患者(ヘモグロビン濃度:11.0g/dL未満、血清フェリチン値:12ng/mL未満)355例を対象に、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤又は含糖酸化鉄を静脈内投与する無作為化非盲検並行群間比較試験を実施した。本剤群の初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量(調整済み平均値)の群間差(本剤群-含糖酸化鉄群)[95%信頼区間]は0.06g/dL[-0.13、0.24]であり、本剤群の含糖酸化鉄群に対する非劣性が検証された(非劣性限界値-0.5g/dL)。
12週時までのヘモグロビン濃度の最大変化量
→図表を見る(PDF)
投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の推移図は添付文書のとおりであった。
副作用の発現率は、46.8%(111/237例)であった。主な副作用(発現率5%以上)は、発熱8.4%(20/237例)、蕁麻疹8.0%(19/237例)、低リン酸血症5.9%(14/237例)、血清フェリチン増加5.5%(13/237例)であった。[12.1参照]
17.1.2 国内第III相試験(NS32‐P3‐02試験)
18歳以上の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする消化管障害に伴う鉄欠乏性貧血患者(ヘモグロビン濃度:11.0g/dL未満、血清フェリチン値:30ng/mL未満(CRPが基準値上限超の場合100ng/mL未満))40例を対象に、患者のヘモグロビン濃度及び体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤を静脈内投与(被験者をA群とB群に3:1の割合でランダム割付)するオープンラベル試験を実施した。A群では初回投与は鉄として500mgとし、その後1日1回最大500mgを1週間に2回の頻度で最小回数により、総投与量を分割して静脈内投与した。B群では初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量[95%信頼区間]は全体:4.33g/dL[3.82、4.83]、A群(30例):4.27g/dL[3.83、4.71]、B群(10例):4.49g/dL[2.69、6.29]であった。
投与開始12週後までのヘモグロビン濃度の推移図は添付文書のとおりであった。
副作用の発現率は、30.0%(12/40例)であった。主な副作用(発現率5%以上)は、低リン酸血症10.0%(4/40例)、蕁麻疹7.5%(3/40例)、発熱5.0%(2/40例)であった。[12.1参照]
17.1.3 国内第III相試験(NS32‐P3‐03試験)
20歳以上かつ分娩予定日に40歳未満の経口鉄剤に忍容性がない若しくは効果不十分、又は急速な鉄補給を必要とする分娩後出血に伴う鉄欠乏性貧血患者(妊娠36週の血清フェリチン値:25.0ng/mL未満、分娩後24時間から48時間までのヘモグロビン濃度:10g/dL未満、分娩後24時間までの分娩に伴う出血量:500mL以上)21例を対象に、患者の分娩後(24時間以降48時間未満)のヘモグロビン濃度及び妊娠前の体重に応じて総投与鉄量を決定し、本剤を静脈内投与するオープンラベル試験を実施した。初回投与は、1回あたり鉄として最大1000mg(体重50kg未満の場合は20mg/kg)を点滴静注することとし、分娩後48時間までに点滴静注を開始することとした。2回目の投与は、総投与量と初回投与量の差を緩徐に静脈内投与又は点滴静注することとした。投与開始8週後までのヘモグロビン濃度の最大変化量[95%信頼区間]は4.77g/dL[4.34、5.20]であった。
投与開始8週後までのヘモグロビン濃度の推移図は添付文書のとおりであった。
副作用の発現率は、33.3%(7/21例)で、主な副作用(発現率5%以上)は、肝酵素上昇14.3%(3/21例)であった。[12.1参照]
18.1 作用機序
本薬は鉄とデルイソマルトースの複合体であり、静脈内投与後は細網内皮系の細胞に取り込まれる。デルイソマルトースから分離した鉄はトランスフェリンと結合して骨髄へと運搬され、ヘモグロビン合成に利用される。
18.2 造血作用
鉄欠乏性貧血ブタに本剤を静脈内投与することにより、ヘモグロビン濃度の上昇が認められた。
- 製造販売会社
- 日本新薬
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