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オルガラン静注1250単位

販売名
オルガラン静注1250単位
薬価
1,250抗第Xa因子活性単位1mL1管 994.00円
製造メーカー
ネオクリティケア製薬

添付文書情報2022年10月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の血液凝固阻止剤
一般名
ダナパロイドナトリウム注射液

-

効能・効果
汎発性血管内血液凝固症(DIC)。
用法・用量
通常、成人にはダナパロイドナトリウムとして1回1250抗第10a因子活性単位を12時間ごとに静脈内注射する(1日量2500抗第10a因子活性単位)。なお、症状に応じ適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤の抗第10a因子活性単位は本薬独自の標準品を用いて測定しており、ヘパリン又は低分子ヘパリン類の抗第10a因子活性単位と同一ではないので注意すること。
7.2. 20日を越える投与は経験が少なく、安全性は確認されていない。
肝機能障害患者
8.1. 類薬で、脊椎・硬膜外麻酔の併用あるいは腰椎穿刺の併用等により、穿刺部位血腫が生じ、神経の圧迫により麻痺に至ったとの報告があるので、このような場合に本剤を使用するときには、患者の神経障害の徴候及び症状を十分観察し、異常がみられた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
9.1.1. 出血している患者:血友病、血小板減少性紫斑病、消化管潰瘍、脳内出血のある患者には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(出血を助長するおそれがある)。
9.1.2. 血液透析が必要な患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(排泄遅延により、出血を起こすおそれがあり、また、投与中に血液透析が必要な状態に至った場合には速やかに投与を中止する)。
9.1.3. 本剤又は亜硫酸塩に対し過敏症の患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(添加剤として乾燥亜硫酸ナトリウムを含有している)。
9.1.4. 出血する可能性が高い患者:急性細菌性心内膜症、重症高血圧症、糖尿病網膜症の患者には、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(血管や臓器の障害部位に出血が起こるおそれがある)。
9.1.5. ヘパリン起因性血小板減少症の既往歴がありヘパリン抗体と本剤との交差反応性(HITの既往歴がありヘパリン抗体と本剤との交差反応性)のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと〔11.1.2参照〕。
9.1.6. 脳手術後日の浅い、脊椎手術後日の浅い、眼科手術後日の浅い又は頭部外傷後日の浅い患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(出血を助長することがある)。
9.1.7. 喘息のある患者:添加剤として使用している乾燥亜硫酸ナトリウムに対して感受性の高い患者ではアナフィラキシー様症状を起こすおそれがある。
9.2.1. 重篤な腎障害のある患者:血清クレアチニン値が2mg/dL以上の場合には、投与量を減らすか投与間隔を延ばす、又は投与の中止を考慮すること(排泄遅延により、出血を起こすおそれがある)。
9.3.1. 重篤な肝障害のある患者:治療上やむを得ないと判断される場合を除き、投与しないこと(凝固因子やアンチトロンビン3の産生が低下しているので、本剤の作用
が変動するおそれがある)。
相互作用
10.2. 併用注意:1). 抗凝固剤[本剤の作用が増強するおそれがある(本剤とこれら薬剤の抗凝固作用
が相加的に作用し、出血作用が増強するおそれがある)]。
2). 血栓溶解剤(ウロキナーゼ、t-PA製剤等)[類似化合物<ヘパリン>でその作用を増強することが報告されている(本剤の抗凝固作用とこれら薬剤のフィブリン溶解作用により相加的に出血傾向が増強するおそれがある)]。
3). 血小板凝集抑制作用を有する薬剤(アスピリン、ジピリダモール、チクロピジン塩酸塩等)、非ステロイド系抗炎症剤等[類似化合物<ヘパリン>でその作用を増強することが報告されている(本剤の抗凝固作用とこれら薬剤の血小板凝集抑制作用により相加的に出血傾向が増強するおそれがある)]。
4). ペニシリン系抗生物質(クロキサシリンナトリウム、チカルシリンナトリウム)[本剤の作用が増強するおそれがある(これら薬剤と相加的に作用し、出血傾向が増強するおそれがある)]。
5). 潰瘍性のある薬剤(コルチコステロイド)[本剤により出血傾向が増強するおそれがある(これら薬剤による潰瘍性出血が増強するおそれがある)]。
6). 強心配糖体(ジゴキシン)[本剤の作用が減弱するおそれがある(本剤の抗第10a因子活性のクリアランスが増加し、消失半減期が短縮する)]。
7). テトラサイクリン系抗生物質、ニトログリセリン製剤[類似化合物<ヘパリン>でその作用を減弱することが報告されている(機序は不明である)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. アナフィラキシー(頻度不明):アナフィラキシー(血圧低下、呼吸困難)があらわれることがある。
11.1.2. 血小板減少症(頻度不明):ヘパリン又は低分子ヘパリンで起因される血小板減少症(HIT)の既往歴のある患者のうち、ときに本剤投与により血小板減少症があらわれることがあるので、既往歴のある患者では本剤投与後に血小板数を測定し、著明な血小板減少がみられたときには、投与を中止すること〔9.1.5参照〕。
11.1.3. 出血(頻度不明):消化管出血等の重篤な出血があらわれることがある。
11.1.4. ショック(頻度不明)。
11.2. その他の副作用
1). 精神神経系:(1%未満)めまい。
2). 過敏症:(頻度不明)発疹、局所過敏反応又は全身過敏反応。
3). 血液:(1%未満)赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少、白血球数減少、好酸球増多、好塩基球増多、単球増多。
4). 肝臓:(1~5%未満)AST上昇、ALT上昇、(1%未満)総ビリルビン上昇、ALP上昇、LAP上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇。
5). 腎臓:(1%未満)BUN上昇、クレアチニン上昇、尿蛋白、尿潜血。
6). 代謝異常:(1%未満)中性脂肪上昇。
7). その他:(頻度不明)血腫。
高齢者
一般に生理機能が低下している。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
授乳中の女性への投与は避けることが望ましいが、やむを得ず投与する場合には、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト母乳中では抗第10a因子活性は認められなかったとの報告があるが、動物実験(ラット)において3H-ダナパロイドナトリウムを投与したとき、放射活性の乳汁中への移行が認められたとの報告がある)。
小児等
小児等を対象として臨床試験は実施していない。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人に本剤を750~3,000抗第Xa因子活性単位の投与量で単回静脈内投与した場合、血漿中抗第Xa因子活性の推移に用量依存性が認められ、その消失半減期は17.4~27.8時間であった。
16.1.2 反復投与
健康成人に本剤1,250抗第Xa因子活性単位を1日1回5日間投与した場合及び1,500抗第Xa因子活性単位を1日2回5.5日間投与した場合、どちらの用法とも血漿中抗第Xa因子活性は5日間で定常状態に達すると考えられ、また、それぞれの薬物速度論的パラメータは単回投与時のそれとほぼ等しかった。
16.3 分布
ラットに3H‐ダナパロイドナトリウムを静脈内投与したとき、比較的高い放射能が血液、大動脈、腎臓に認められたが、他の組織及び臓器での放射能濃度は低かった。
また、胎児への移行量も少なく、乳汁中への移行もわずかであった。
16.4 代謝
ラットでは薬物代謝酵素系への影響は認められなかった。
16.5 排泄
ラットに3H‐ダナパロイドナトリウムを静脈内投与したとき、放射能はほとんど尿中に排泄され、糞、呼気中への排泄はわずかであった。また、排泄の多くは投与24時間以内に観察された。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第II相試験
汎発性血管内血液凝固症(DIC)患者76例を対象に、静注による1,250抗XaU/日、2,500XaU/日を1日2回5日間投与で電話登録法を用いて実施された。投与終了時の全般改善度の改善率(「中等度改善」以上)は1,250抗XaU/日群58.8%(20/34)、2,500XaU/日群80.0%(20/25)であり、群間に有意差はみられなかった(p=0.085、χ2検定)。副作用は2,500XaU/日群で、めまいが1例にみられた。本剤との因果関係が否定できない臨床検査値異常変動は1,250抗XaU/日群で3例5件(LDH上昇、BUN上昇、赤血球数減少、血色素量減少、ヘマトクリット減少)、2,500XaU/日群で3例7件(尿蛋白、尿潜血、AST上昇、ALT上昇、BUN上昇、中性脂肪上昇、白血球数減少)発現した。
17.1.2 国内第III相試験
汎発性血管内血液凝固症(DIC)患者117例を対象として、ヘパリンナトリウムを対照薬として二重盲検比較試験が実施された。本剤は1回量1,250抗XaUを12時間間隔で1日2回静脈内投与、ヘパリンナトリウムは168~240U/kg/日を24時間かけて静脈内に持続投与することとされ、ダブルダミー法が用いられ、投与期間は5日間とされた。臨床症状(出血症状、臓器症状)、凝血学的検査値及びDICスコアの推移を総合的に判断し判定された全般改善度の改善率(「中等度改善」以上)は本剤群65.1%(28/43)、ヘパリンナトリウム群45.2%(19/42)であった(p=0.083、Fisherの直接確立計算法)。副作用はヘパリンナトリウム群で3例(5.2%)5件発現し、その内訳は脳幹部出血、呼吸困難が各1例、IVH刺入部よりのoozing、注射部位の出血傾向、Purpura(紫斑)の発現が同一症例に認められた。本剤との因果関係が否定できない臨床検査値異常変動は本剤群で8例18件(AST上昇5件、他はいずれも2件以下)、ヘパリンナトリウム群で12例22件(いずれも2件以下)発現した。
17.1.3 国内一般臨床試験
汎発性血管内血液凝固症(DIC)またはDICの疑いと診断された患者21例を対照に、本剤1回量1,250抗XaUを12時間間隔で1日2回静脈内投与し、投与期間は3日間以上の連続投与とした。全般改善度の改善率(「中等度改善」以上)は5日後、終了時ともに64.7%であった。副作用は全例を通じて1例も認められなかった。一般臨床検査についても臨床上特に問題となる変動は認められなかった。
17.1.4 国内一般臨床試験
汎発性血管内血液凝固症(DIC)またはDICの疑いと診断された患者12例を対照に、本剤1回量1,250抗XaUを12時間間隔で1日2回静脈内投与し、投与期間は3日間以上の連続投与とした。全般改善度の改善率(「中等度改善」以上)は5日後で42.9%、終了時で57.1%であった。副作用は全例を通じて1例も認められなかった。一般臨床検査についても臨床上特に問題となる変動は認められなかった。
17.1.5 国内一般臨床試験
汎発性血管内血液凝固症(DIC)またはDICの疑いと診断された患者13例を対照に、本剤1回量1,250抗XaUを12時間間隔で1日2回静脈内投与し、投与期間は3日間以上の連続投与とした。全般改善度の改善率(「中等度改善」以上)は5日後で44.4%、終了時で55.6%であった。副作用及び本剤との関係が疑われる臨床検査値の異常変動は認められなかった。

18.1 作用機序
ダナパロイドナトリウムの抗凝固作用はアンチトロンビンIIIによる第Xa因子の阻害作用を増強することが主な作用であると考えられた。同じ第Xa因子の阻害活性を有するヘパリンと比較すると、アンチトロンビンIIIによるトロンビン及び第IXa因子の阻害作用の増強はともに1/10以下と弱かった。ダナパロイドナトリウムはヘパリンコファクターIIによるトロンビンの阻害作用を増強し、この作用は抗凝固作用に一部関与していると考えられた。
18.2 抗血栓作用
ダナパロイドナトリウムはラットでの動静脈シャントモデル及び静脈血栓モデルにおいて血栓形成を用量依存的に抑制した。
18.3 実験的DICモデルに対する作用
ダナパロイドナトリウムはラットでのエンドトキシン誘発DICモデルにおいて、各種血液凝固及び線溶機能検査値を改善し、腎糸球体のフィブリン血栓形成を抑制した。
18.4 血液凝固阻止作用
ダナパロイドナトリウムはヒト血漿において、第Xa因子凝固時間を用量依存的に延長したが、プロトロンビン時間及び活性化部分トロンボプラスチン時間をほとんど延長しなかった(in vitro)。

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