シュアポスト錠0.5mg

添付文書情報2022年04月改定(第3版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 禁忌
- 2.1. 重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は糖尿病性前昏睡、1型糖尿病の患者[輸液及びインスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので本剤の投与は適さない]。
2.2. 重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある患者[インスリン注射による血糖管理が望まれるので本剤の投与は適さない]。
2.3. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
2.4. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 2型糖尿病。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤の適用においては、糖尿病治療の基本である食事療法・運動療法を十分に行ったうえで効果が不十分な場合に限り考慮すること。
5.2. 本剤を投与する際は、空腹時血糖が126mg/dL以上、又は食後血糖1時間値又は2時間値が200mg/dL以上を示す場合に限る。
- 用法・用量
- 通常、成人にはレパグリニドとして1回0.25mgより開始し、1日3回毎食直前に経口投与する。維持用量は通常1回0.25~0.5mgで、必要に応じて適宜増減する。なお、1回量を1mgまで増量することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は食後投与では速やかな吸収が得られず効果が減弱するので、効果的に食後の血糖上昇を抑制するため、本剤の投与は毎食直前(10分以内)とすること。また、本剤は投与後速やかに薬効を発現するため、食事の30分以上前の投与では食事開始前に低血糖を誘発する可能性がある。
7.2. 重度肝機能障害のある患者には低用量(1回0.125mg)から投与を開始するなど、慎重に投与すること〔9.3.1参照〕。
- 肝機能障害患者
- 8.1. 本剤の使用にあたっては、患者に対し低血糖症状及びその対処方法について十分説明すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転等に従事している患者に投与するときには注意すること〔11.1.1参照〕。
8.3. 本剤は、他の速効型インスリン分泌促進剤に比べて作用持続時間が長いため、投与後数時間は低血糖を起こすことがある(また、他の速効型インスリン分泌促進剤に比べて低血糖の発現頻度が高かったので注意すること)〔11.1.1参照〕。
8.4. 本剤投与中は、血糖を定期的に検査するとともに、経過を十分に観察し、本剤を2~3ヵ月投与しても効果が不十分な場合には、より適切と考えられる治療への変更を考慮すること。
8.5. 本剤は速やかなインスリン分泌促進作用を有し、その作用点はスルホニルウレア剤と同じであり、スルホニルウレア剤との相加・相乗の臨床効果及び安全性が確立されていないので、スルホニルウレア剤と併用しないこと。
8.6. 本剤とGLP-1受容体作動薬との併用における有効性及び安全性は検討されていない。
9.1.1. 虚血性心疾患のある患者:外国において心筋梗塞を発症した症例が報告されている〔11.1.3、15.1参照〕。
9.1.2. 低血糖を起こすおそれがある次の患者又は状態。
・ 脳下垂体機能不全又は副腎機能不全。
・ 下痢、嘔吐等の胃腸障害。
・ 栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量不足又は衰弱状態。
・ 激しい筋肉運動。
・ 過度のアルコール摂取者。
〔11.1.1参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害のある患者:血中濃度が上昇し低血糖を起こすおそれがある(なお、国内では透析を必要とする重度の腎機能障害のある患者は臨床試験では除外されている)〔11.1.1、16.6.1参照〕。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇し低血糖を起こすおそれがある(なお、国内では肝機能障害のある患者を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない)〔11.1.1、16.6.2参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害のある患者〔7.2参照〕。
- 相互作用
- 本剤は、主として薬物代謝酵素CYP2C8及び一部CYP3A4で代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:10.2.1. 血糖降下作用を増強する薬剤1). 糖尿病用薬(インスリン製剤、ビグアナイド系薬剤、α-グルコシダーゼ阻害剤、チアゾリジン系薬剤、DPP-4阻害剤、GLP-1受容体作動薬、SGLT2阻害剤、イメグリミン塩酸塩等)〔11.1.1参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(機序の異なる血糖降下作用が相加的に増強される)。特に、インスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあるので、併用時の低血糖のリスクを軽減するため、インスリン製剤の減量を検討すること(機序の異なる血糖降下作用が相加的に増強される)]。
2). β-遮断剤(プロプラノロール等)〔11.1.1参照〕、モノアミン酸化酵素阻害剤〔11.1.1参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(これらの薬剤の肝における糖新生の抑制及び末梢におけるインスリン感受性の増強作用による)]。
3). サリチル酸製剤(アスピリン等)〔11.1.1参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(サリチル酸製剤の血糖降下作用による)]。
4). タンパク同化ホルモン剤〔11.1.1参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(一部の糖尿病患者ではタンパク同化ホルモン剤により血糖低下作用を示すことがある)]。
5). テトラサイクリン系抗生物質(テトラサイクリン、ミノサイクリン等)〔11.1.1参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(テトラサイクリン系抗生物質のインスリン感受性増強作用による)]。
6). シクロスポリン〔11.1.1、16.7.6参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(シクロスポリンはCYP3A4及び肝取り込みトランスポーターOATP1B1を阻害し本剤の血中濃度を増加させる可能性がある)]。
7). デフェラシロクス、クロピドグレル、スルファメトキサゾール・トリメトプリム、ファビピラビル〔11.1.1、16.7.7、16.7.8参照〕[低血糖症状(空腹感・あくび・悪心・無気力・だるさ等の初期症状から、血圧上昇・発汗・ふるえ・顔面蒼白等の症状を経て意識消失・けいれん・昏睡にいたる)、血糖降下作用が増強されることがあるので、血糖値モニター、その他患者の状態を十分に観察し、必要であれば減量する(CYP2C8阻害作用により、本剤の代謝が抑制されると考えられており、併用により、本剤の血中濃度が増加したとの報告がある)]。
10.2.2. 血糖降下作用を減弱する薬剤1). アドレナリン[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(アドレナリンの末梢でのブドウ糖取り込み抑制、肝での糖新生促進、インスリン分泌抑制による)]。
2). 副腎皮質ホルモン(メチルプレドニゾロン等)[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(副腎皮質ホルモンの肝での糖新生促進作用及び末梢組織でのインスリン感受性低下作用による)]。
3). 卵胞ホルモン(エチニルエストラジオール等)[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(機序は不明であるが、卵胞ホルモンによるコルチゾール分泌変化、組織での糖利用変化、成長ホルモンの過剰産生、肝機能の変化、末梢でのインスリン感受性低下等が考えられている)]。
4). ニコチン酸[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(ニコチン酸の肝でのブドウ糖同化抑制による)]。
5). ピラジナミド[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(機序は不明ではあるが、ピラジナミド服用患者では血糖のコントロールがより難しいとの報告がある)]。
6). フェノチアジン系薬剤(クロルプロマジン等)[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(フェノチアジン系薬剤のインスリン遊離抑制作用及び副腎からのアドレナリン遊離作用による)]。
7). 利尿剤(チアジド系利尿剤等)[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(利尿剤による血清カリウムの低下、インスリンの分泌障害、組織におけるインスリンの感受性低下が考えられている)]。
8). フェニトイン[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(フェニトインはインスリン分泌を直接抑制する)]。
9). リファンピシン〔16.7.8参照〕[血糖降下剤の効果を減弱させ血糖値が上昇してコントロール不良になることがあるので、食後の血糖上昇が加わることによる影響に十分注意し、併用する場合は頻回に血糖値を測定するなど血糖コントロールに注意し、必要に応じ投与量を調節すること(リファンピシンの薬物代謝酵素誘導により、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
10.2.3. その他1). イソニアジド[血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(イソニアジドは本剤の主要代謝酵素であるCYP2C8の阻害作用を有するため、本剤の血中濃度が上昇する可能性があり、また、イソニアジドの糖質代謝阻害により血糖値上昇及び耐糖能異常を引き起こす)]。
2). 甲状腺ホルモン(乾燥甲状腺等)[血糖値その他患者の状態を十分観察しながら投与すること(甲状腺ホルモンは糖代謝全般に作用し血糖値を変動させると考えられている)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 低血糖(15.1%):低血糖症状(めまい・ふらつき、ふるえ、空腹感、冷汗、意識消失等)があらわれることがある。低血糖症状が認められた場合には、糖質を含む食品を摂取するなど適切な処置を行うこと。ただし、α-グルコシダーゼ阻害剤との併用により低血糖症状が認められた場合にはブドウ糖を投与すること〔8.1-8.3、9.1.2、9.2.1、9.3肝機能障害患者の項、10.2参照〕。
11.1.2. 肝機能障害(0.4%)。
11.1.3. 心筋梗塞(頻度不明):外国において心筋梗塞の発症が報告されている〔9.1.1参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 代謝:(0.1~5%未満)血清カリウム上昇、尿酸上昇。
2). 消化器:(0.1~5%未満)下痢、便秘、腹痛、悪心、腹部膨満感、逆流性食道炎、胃炎。
3). 精神神経系:(0.1~5%未満)振戦、めまい・ふらつき、しびれ感、頭痛、眠気、イライラ感、浮遊感、集中力低下。
4). 過敏症:(0.1~5%未満)じん麻疹、そう痒、発疹、紅斑。
5). 肝臓:(0.1~5%未満)ビリルビン上昇、AST上昇、ALT上昇、ALP上昇、γ-GTP上昇。
6). 腎臓:(0.1~5%未満)クレアチニン上昇、BUN上昇。
7). 血液:(0.1~5%未満)白血球増加。
8). 眼:(0.1~5%未満)羞明、視野狭窄、霧視。
9). 循環器:(0.1~5%未満)血圧上昇、期外収縮、動悸、頻脈。
10). その他:(0.1~5%未満)空腹感、倦怠感、脱力感、多汗、冷汗、浮腫、体重増加、ほてり、顔面蒼白、冷感、気分不良。
- 高齢者
- 血糖値に留意し、定期的に検査を行うなど経過を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に高齢者では生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(胎仔の器官形成期に投与されたラット及びウサギでは胎仔致死作用及び胎仔骨格異常・胎仔骨格変異の発現頻度の増加がみられ、更に妊娠末期及び授乳期に投与されたラットでは出生仔四肢骨異常が認められている)〔2.3参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ラットで乳汁中への移行が認められている)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
14.1.2. 本剤は吸湿により硬度が低下するため防湿性のPTPを使用しているので、使用直前にPTPから取り出すよう指導すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報本剤と心血管イベントの関連について明確な結論は得られていないが、外国の疫学的研究(matched cohort study)で本剤投与群の急性冠動脈症候群の発現頻度がスルホニルウレア剤投与群に比べ高いことを示唆する報告がある。また、外国の臨床試験において本剤とNPHインスリン併用時に重篤な心筋虚血の発現が認められた症例が報告されている〔9.1.1参照〕。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回投与
健康成人男性に本剤0.25、0.5又は1mgを食直前に単回経口投与したときの血漿中レパグリニドの薬物動態パラメータ及び濃度推移は次のとおりであった。
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16.1.2 反復投与
2型糖尿病患者に本剤1mgを1日3回毎食直前(10分前)5日間経口投与したときの血漿中レパグリニドの薬物動態パラメータは健康成人とほぼ同様であり、反復投与による蓄積性はみられなかった。
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16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
食後投与の場合、食直前投与と比べて血漿中レパグリニドのCmaxの低下及びTmaxの延長が認められた。
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16.2.2 絶対的バイオアベイラビリティ
健康成人男性(外国人、12例)に本剤2mgを経口又は静脈内投与したとき注)の絶対的バイオアベイラビリティは62.5%であった。
16.3 分布
16.3.1 タンパク結合率
98.3~98.6%(in vitro、ヒト血漿、0.01~100μg/mL、限外ろ過法)
16.3.2 分布容積
健康成人男性(外国人、12例)に本剤2mgを静脈内投与したとき注)の分布容積は24.4Lであった。
16.4 代謝
レパグリニドの代謝には主として薬物代謝酵素CYP2C8が、また一部CYP3A4が関与していることがin vitro試験により確認されている。
健康成人男性(日本人及び外国人)に14C標識レパグリニド2mg溶液を単回経口投与したとき、投与後3時間では、血清中には未変化体(約35%)のほか、代謝物としてピペリジン環水酸化体のグルクロン酸抱合体(約20%)及びジカルボン酸体(CYP3A4及びCYP2C8によって生成、約8%)が認められた。[10.参照]
16.5 排泄
健康成人男性(日本人及び外国人)に14C標識レパグリニド2mg溶液を単回経口投与したとき、投与した放射能の約9%は尿中に、約95%は糞中に排泄されたが、尿中及び糞中から未変化体はほとんど検出されなかった。糞中代謝物の組成はジカルボン酸体(63.4%)、ピペリジン環水酸化体(CYP2C8及びCYP3A4によって生成、14.4%)等であった。また、健康成人男性(外国人、12例)に本剤2mgを静脈内投与したとき注)のクリアランスは32.6L/hであった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
2型糖尿病患者(外国人)に本剤2mgを1日3回毎食前5日間経口投与したとき注)、軽~中等度腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス40~80mL/min、12例)では、腎機能正常患者(12例)と比較して血清中レパグリニドのCmaxの上昇及びAUC0-∞の増加は認められなかったが、重度の腎機能障害患者(クレアチニンクリアランス20~39mL/min、10例)では、投与5日目のCmax及びAUC0-∞は腎機能正常患者の1.3倍及び1.7倍であった。[9.2.1参照]
16.6.2 肝機能障害患者
慢性肝疾患患者(外国人、カフェインクリアランス<0.8mL/min/kg、Child‐Pugh分類B9例及びC3例)に本剤4mgを空腹時単回経口投与したとき注)、血清中レパグリニドのCmax及びAUCは健康成人(12例)の2.5倍及び4.3倍であった。[9.3参照]
16.6.3 高齢者
健康成人(非高齢者)、健康高齢者及び2型糖尿病高齢患者(外国人、各12例)に本剤2mgを1日3回毎食直前(15分前)9日間(ただし投与1日目と9日目は空腹時1日1回)経口投与したとき注)の血清中レパグリニドの薬物動態パラメータは、健康高齢者では健康成人と比べて、AUC0-tが1.1倍(1日目)及び0.9倍(9日目)、Cmaxが1.0倍(1日目)及び0.9倍(9日目)であった。また2型糖尿病高齢患者では健康成人と比べて、AUC0-tが1.7倍(1日目)及び2.4倍(9日目)、Cmaxが1.2倍(1日目及び9日目)であった。
16.7 薬物相互作用
ヒト肝ミクロソームを用いた検討(濃度範囲0.05~5.5μmol/L)で、レパグリニドはCYP分子種(CYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6及びCYP3A4)に対して、20%以上の阻害作用を示さなかった(in vitro)。
CYP3A4のレパグリニドの代謝への寄与は小さいが(in vitro)、CYP2C8が阻害された場合、相対的に寄与が高まる可能性がある。レパグリニドの肝臓への取り込みに、トランスポーターOATP1B1の関与を示唆する報告がある。
16.7.1 α‐グルコシダーゼ阻害剤併用時
ボグリボースを服用中の2型糖尿病患者に本剤0.25~1mgを1日3回毎食直前8週間経口投与したとき、単剤投与と比較してレパグリニドの薬物動態パラメータに大きな差はなかった。
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16.7.2 ビグアナイド系薬剤併用時
健康成人にレパグリニド1mgとメトホルミン500mgを同時に単回投与(外国人、55例)したとき、血漿中レパグリニドのCmax及びAUC0-tは12.89ng/mL及び17.11ng・h/mLであり、本剤1mgを単回投与(外国人、15例)したときのCmax及びAUC0-t(13.51ng/mL及び16.55ng・h/mL)とほぼ同様であった。
16.7.3 チアゾリジン系薬剤併用時
健康成人(外国人、12例)に、ピオグリタゾン30mgを1日1回5日間反復経口投与し、5日目に本剤0.25mgを併用したとき、血漿中レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は本剤を単独投与したときの1.0倍及び0.9倍であった。
16.7.4 DPP‐4阻害剤併用時
健康成人にシタグリプチン100mgを1日1回2日間投与し、2日目に本剤1mgを併用したとき、本剤を単独投与したときと比較してレパグリニドの薬物動態パラメータに大きな差はなかった。
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また、シタグリプチンの薬物動態に対する本剤の影響はなかった。
16.7.5 ゲムフィブロジル
健康成人(外国人)に、ゲムフィブロジル(CYP2C8阻害剤、国内未承認、600mg、1日2回)を3日間投与し、3日目に本剤(0.25mg)を併用したとき、レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は、本剤を単独投与したときの2.4及び8.1倍に増加し、t1/2は1.3時間から3.7時間に延長した。また、ゲムフィブロジルに加えてイトラコナゾール(CYP3A4阻害剤、100mg、1日2回3日間、1日目の初回用量は200mg)を併用したところ、レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は本剤を単独投与したときの2.8及び19倍に増加し、t1/2は6.1時間に延長した。
16.7.6 シクロスポリン
健康成人男性(外国人)に、シクロスポリン(CYP3A4及びOATP1B1阻害剤、100mg)又はプラセボを2回投与後(本剤投与前日の夜及び当日の朝)本剤0.25mgを投与したところ、シクロスポリンを併用したときのレパグリニドのCmax及びAUC0-∞は、本剤を単独投与したときの1.82及び2.54倍に増加した。また、t1/2は併用による影響を受けなかった。[10.2.1参照]
16.7.7 クロピドグレル
健康成人(外国人)に、クロピドグレル(1日1回3日間、1日目300mg、2~3日目75mg)を投与し、1日目と3日目に本剤(0.25mg)を併用したとき、レパグリニドのCmax及びAUC0-∞は、本剤を単独投与したときと比較して1日目は2.5及び5.1倍、3日目は2.0及び3.9倍に増加した。また、t1/2は1.4及び1.2倍であった。[10.2.1参照]
16.7.8 その他の薬剤
健康成人(外国人)に本剤と各種薬剤を併用した場合、レパグリニドの薬物動態パラメータが受ける影響は、次のとおりであった。
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また健康成人(外国人)に本剤と各種薬剤を併用した場合、本剤が併用薬の薬物動態パラメータに与える影響は、次のとおりであった。
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注)本剤の承認された用法及び用量は、経口投与で1回1mgまでである。
いずれの試験でもLOCF(Last observation carried forward)法を適用した。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内後期第II相試験・国内長期投与試験(単剤療法)
食事療法・運動療法にて血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者147例を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、1回0.25mg、0.5mg又は1mgを1日3回毎食直前12週間投与したとき、最終評価時におけるHbA1c(NGSP)値の変化量は次のとおりであった。
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副作用発現頻度は、0.25mg/回群では28.9%(11/38例)、0.5mg/回群では35.1%(13/37例)、1mg/回群では37.8%(14/37例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は、0.25mg/回群で低血糖症10.5%(4/38例)、振戦7.9%(3/38例)、倦怠感5.3%(2/38例)、0.5mg/回群で低血糖症18.9%(7/37例)、頭痛5.4%(2/37例)、1mg/日群で低血糖症21.6%(8/37例)、振戦8.1%(3/37例)であった。
長期投与試験(105例、0.25~1mg/回、1日3回毎食直前、52週間投与)において、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は投与開始前の7.50±0.59%に対し最終評価時では6.67±0.63%(変化量-0.84±0.55%)に低下し、良好な血糖コントロールが維持された。更に、HbA1c(NGSP)値7.0%未満の割合は投与開始前17.1%(18/105例)に対し、最終評価時で73.3%(77/105例)に増加した。
副作用発現頻度は、50.5%(53/105例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症28.6%(30/105例)、浮動性めまい9.5%(10/105例)であった。
17.1.2 国内第III相試験(単剤療法)
食事療法・運動療法にて血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者(130例)を対象とした実薬対照二重盲検比較試験において、本剤(1回0.5mg)又はナテグリニド(1回90mg)を1日3回毎食直前16週間投与したとき、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値と副次評価項目である食後血清インスリン値の変化量及び群間差は次のとおりであった。
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副作用発現頻度は、本剤群で28.1%(18/64例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症15.6%(10/64例)であった。
17.1.3 国内後期第II相試験・長期投与試験(α‐グルコシダーゼ阻害剤との併用療法)
食事療法・運動療法に加え、α‐グルコシダーゼ阻害剤を服用しても血糖コントロール不十分な2型糖尿病患者(128例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、1回0.25mg、0.5mg又は1mgを1日3回毎食直前12週間投与したとき、主要評価項目である最終評価時におけるHbA1c(NGSP)値の変化量は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は、0.25mg/回群では3.1%(1/32例)、0.5mg/回群では28.1%(9/32例)、1mg/回群では21.9%(7/32例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は、0.5mg/回群で低血糖症15.6%(5/32例)、無力症6.3%(2/32例)、1mg/回群で低血糖症18.8%(6/32例)であった。
長期投与試験(109例、0.25~1mg/回、1日3回毎食直前、52又は64週間投与)において、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は投与開始前の7.78±0.80%に対し、最終評価時では6.69±0.70%(変化量-1.09±0.76%)に低下し、良好な血糖コントロールが維持された。更に、HbA1c(NGSP)値7.0%未満の割合は投与開始前11.0%(12/109例)に対し、最終評価時で67.9%(74/109例)であった。
副作用発現頻度は、32.1%(35/109例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症22.9%(25/109例)であった。
17.1.4 国内第III相試験・長期投与試験(ビグアナイド系薬剤との併用療法)
食事療法・運動療法に加え、メトホルミン(1日量750mg~2250mg)で効果不十分な2型糖尿病患者(128例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤(1回0.5mg)を1日3回毎食直前16週間投与したとき、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値の変化量及び群間差は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は本剤群で20.2%(19/94例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症11.7%(11/94例)、空腹7.4%(7/94例)であった。
メトホルミン(1日量750mg~2250mg)で効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(119例、本剤0.25~1mg/回、1日3回毎食直前、36又は52週間投与)において、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は投与開始前の7.63±0.82%に対し、最終評価時では6.87±0.84%(変化量-0.76±0.83%)に低下し、良好な血糖コントロールが維持された。更に、HbA1c(NGSP)値7.0%未満の割合は投与開始前21.8%(26/119例)に対し、最終評価時で66.4%(79/119例)であった。
副作用発現頻度は27.5%(33/120例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は、低血糖症13.3%(16/120例)、空腹5.8%(7/120例)であった。
17.1.5 国内第III相試験・長期投与試験(チアゾリジン系薬剤との併用療法)
食事療法・運動療法に加え、ピオグリタゾンで効果不十分な2型糖尿病患者(133例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤(1回0.5mg)を1日3回毎食直前16週間投与したとき、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値の変化量及び群間差は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
副作用発現頻度は本剤群で23.9%(21/88例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症11.4%(10/88例)であった。
ピオグリタゾンで効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(117例、本剤0.25~1mg/回、1日3回毎食直前、36又は52週間投与)において、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は投与開始前の7.63±0.88%に対し、最終評価時では6.66±0.57%(変化量-0.97±0.70%)に低下し、良好な血糖コントロールが維持された。更に、HbA1c(NGSP)値7.0%未満の割合は投与開始前23.9%(28/117例)に対し、最終評価時で68.4%(80/117例)であった。
副作用発現頻度は30.8%(36/117例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症7.7%(9/117例)、振戦6.0%(7/117例)、浮動性めまい5.1%(6/117例)であった。
17.1.6 国内長期投与試験(DPP‐4阻害剤との併用療法)
食事療法・運動療法に加え、シタグリプチンで効果不十分な2型糖尿病患者を対象とした長期投与試験(100例、本剤0.25~1mg/回、1日3回毎食直前、52週間投与)において、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は投与開始前の7.43±0.57%に対し、最終評価時では6.93±0.91%(変化量-0.50±0.82%)に低下し、良好な血糖コントロールが維持された。更に、HbA1c(NGSP)値7.0%未満の割合は投与開始前23.0%(23/100例)に対し、最終評価時で58.0%(58/100例)であった。
副作用発現頻度は21.0%(21/100例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症5.0%(5/100例)、振戦5.0%(5/100例)であった。
17.2 製造販売後調査等
17.2.1 国内製造販売後臨床試験(インスリン製剤との併用療法)
食事療法・運動療法に加え、持効型インスリン製剤を使用しても効果不十分な2型糖尿病患者(117例)を対象としたプラセボ対照二重盲検比較試験において、本剤(1回0.25~0.5mg)を1日3回毎食直前、12週間(二重盲検期)投与したとき、主要評価項目であるHbA1c(NGSP)値の変化量及び群間差は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
12週間の二重盲検期の投与を完了した患者(114例)に、本剤(1回0.25~1mg)を1日3回毎食直前、非盲検下の継続治療期として40週間投与した。二重盲検期から引き続き本剤が投与された症例(58例)のHbA1c(NGSP)値(平均値±標準偏差)は、二重盲検期開始時の8.24±0.89%に対し、52週後では7.75±1.04%に低下した。
試験全体における副作用発現頻度は34.2%(39/114例)であった。主な副作用(発現頻度が5%以上)は低血糖症21.9%(25/114例)、血中ブドウ糖減少7.0%(8/114例)であった。
18.1 作用機序
スルホニルウレア受容体を介し、ATP感受性カリウムチャネルを閉鎖することにより、膵β細胞からのインスリン分泌を促進する。
18.2 血糖上昇抑制作用
18.2.1 健康成人男性6例に本剤1mgを1日3回食直前に5日間反復経口投与したとき、食後早期のインスリン追加分泌が促進され、血糖値上昇が抑制された。
18.2.2 正常ラット及び非肥満糖尿病モデル動物であるGoto‐Kakizakiラットに経口投与すると、インスリン分泌を促進し、グルコース負荷後の血糖上昇を抑制する。
- 一包可:不可
吸湿により硬度が低下するため防湿性のPTPを使用している。使用直前にPTPから取り出すよう指導する。
- 分割:不可
- 粉砕:不可
吸湿により硬度が低下するため防湿性のPTPを使用している。使用直前にPTPから取り出すよう指導する。
- 製造販売会社
- 住友ファーマ
- 販売会社
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