ラクツロース・シロップ60%分包15mL「コーワ」
添付文書情報2023年11月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- ガラクトース血症の患者[本剤はガラクトース(13w/v%以下)及び乳糖(7w/v%以下)を含有する]。
- 効能・効果
- 高アンモニア血症に伴う次記症候の改善:精神神経障害、脳波異常、手指振戦。
- 用法・用量
- 通常成人1日量30~60mLを2~3回に分けて経口投与する。症状により適宜増減する。
なお、本剤の投与により、下痢が惹起されることがあるので少量より投与を開始して漸増し、1日2~3回の軟便がみられる量を投与する。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 9.1.1. 糖尿病の患者:本剤はガラクトース(13w/v%以下)及び乳糖(7w/v%以下)を含有する。
- 相互作用
- 10.2. 併用注意:α-グルコシダーゼ阻害剤(アカルボース、ボグリボース、ミグリトール)[消化器系副作用が増強される可能性がある(併用薬剤により増加する未消化多糖類及びラクツロースは、共に腸内細菌で分解されるため、併用により腸内ガスの発生や下痢等が増加する可能性がある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
消化器:(5%以上)下痢[水様便が惹起された場合には投与量を減ずるか、又は投与を中止すること]、(0.1~5%未満)腹鳴、鼓腸、腹痛、食欲不振、嘔気。
発現頻度は副作用頻度調査を含む。
- 高齢者
- 少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら、慎重に投与すること(生理機能が低下していることが多く、副作用があらわれやすい)。
- 妊婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意分包品は服用直前まで開封しないこと。服用後の残液は廃棄し、保存しないこと。
20.2. 本剤は保存条件により、多少色調の変化が見られることがあるが、薬効には影響はない。
16.2 吸収
ラットに[1‐14C]ラクツロースを投与量1.2g/kgで経口投与したとき、未変化体での消化管吸収は0.6%と微量であった。
16.4 代謝
ラットに[1‐14C]ラクツロースを投与量1.2g/kgで経口投与したとき、僅かに吸収されたラクツロースは体内で代謝されなかった。
16.5 排泄
ラットに[1‐14C]ラクツロースを投与量1.2g/kgで経口投与したとき、ラクツロースは小腸で吸収をほとんど受けずに大腸に達し、腸内の微生物により利用されて、六炭糖(フラクトース、グルコース)、有機酸(乳酸、ピルビン酸等)及びその他の分解物となり、これらは更に代謝され、主に呼気中に二酸化炭素として排泄された。ラクツロース及び分解物の排泄率は投与後72時間迄に呼気中に49%、尿中に4%、糞便中には24時間迄に24%であることが確認された。なお、消化管で僅かに吸収されたラクツロースはそのまま尿中に排泄された。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内二重盲検試験
高アンモニア血症及び肝性脳症患者を対象としたクロスオーバー二重盲検試験において有用性が認められた。副作用は本剤投与時に1/22例(4.5%)認められ、症状は下痢であった。
18.1 作用機序
ヒト消化管粘膜には、ラクツロースを分解する酵素が存在しないため、経口投与されたラクツロースは消化・吸収されることなく、下部消化管に達し、ビフィズス菌、乳酸菌によって利用・分解され、有機酸(乳酸・酢酸)を産生する。この有機酸は次の作用を有することが報告されている。
・腸管内pHの酸性化をもたらす。
・アンモニア産生菌の発育を抑制する。
・腸管内アンモニアの吸収を抑制する。
- 一包可:
- 分割:
- 粉砕:
- 製造販売会社
- 興和
- 販売会社
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