オプフォルダカプセル65mg

添付文書情報2025年08月改定(第2版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 遅発型ポンペ病に対するシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用療法。
(効能又は効果に関連する注意)
本剤は2剤併用療法として用いるため、本剤の適用にあたっては、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の電子添文も参照すること。
- 用法・用量
- シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)との併用において、通常、成人にはミグルスタットとして体重40kg以上50kg未満の場合は1回195mg、体重50kg以上の場合は1回260mgを隔週経口投与する。なお、食事の前後2時間は投与を避けること。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤を投与してから1時間後にシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与を開始すること。
7.2. 本剤の曝露量は食事の影響を受けるため、食事の前後2時間を避けて投与すること〔16.2参照〕。
7.3. 本剤の投与後3時間以内にシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の投与を開始できない場合は、最後に本剤を投与してから24時間以上経過後に改めて本併用療法を開始すること。
7.4. 中等度以上の腎機能障害患者においては、本剤の排泄が遅延し全身曝露量が増加するため、次を参考に腎機能の程度及び体重に応じて、用量を調整すること。末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス<CLcr>15mL/min未満)に対しては本剤の投与は推奨されない〔9.2.1、9.2.2、18.1、18.2参照〕。
1). 中等度腎機能障害で体重範囲50kg以上(CLcr30以上60mL/min未満で体重範囲50kg以上)、重度腎機能障害で体重範囲50kg以上(CLcr15以上30mL/min未満で体重範囲50kg以上):195mg。
2). 中等度腎機能障害で体重範囲40kg以上50kg未満(CLcr30以上60mL/min未満で体重範囲40kg以上50kg未満)、重度腎機能障害で体重範囲40kg以上50kg未満(CLcr15以上30mL/min未満で体重範囲40kg以上50kg未満):130mg。
- 生殖能を有する者
- 9.2.1. 中等度腎機能障害又は重度腎機能障害(クレアチニンクリアランス15mL/min以上60mL/min未満)患者:腎機能の程度及び体重に応じて、本剤の用
量を適宜減量すること(本剤の血中濃度が上昇するおそれがある)〔7.4、18.1、18.2参照〕。
9.2.2. 末期腎不全患者(クレアチニンクリアランス15mL/min未満):投与は推奨されない(本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるが、本剤の臨床推奨用量は検討されていない)〔7.4、18.1、18.2参照〕。
妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤及びシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の併用投与中及び最終投与後2週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 神経系:(5%未満)味覚不全、頭痛、片頭痛、平衡障害、認知障害、振戦。
2). 心臓:(5%未満)頻脈。
3). 呼吸器:(5%未満)呼吸困難。
4). 消化器:(5%以上10%未満)下痢、(5%未満)腹部膨満、悪心、腹痛、腹部不快感、便秘、鼓腸、食道痙攣、直腸出血。
5). 筋骨格系:(5%未満)筋痙縮、筋力低下、筋骨格硬直、筋肉痛。
6). 全身及び局所反応:(5%未満)発熱、顔面痛。
7). 臨床検査:(5%未満)血中尿素増加、リンパ球数減少。
8). 眼:(5%未満)眼瞼痙攣。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験において、ラットに本剤60mg/kg/隔日(臨床曝露量の約30倍に相当)を投与した時に着床前胚損失率増加が、ウサギにシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)175mg/kg/隔日(臨床曝露量の約111倍に相当)及び本剤25mg/kg/隔日(臨床曝露量の約23倍に相当)を併用投与した時に心血管系奇形が報告されている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒトで哺乳中の児における影響は不明であるが、動物実験(ラット)で乳汁中に移行することが報告されている)。
- 小児等
- 18歳未満の患者を対象とした臨床試験成績は得られていない。
16.1 血中濃度
16.1.1 遅発型ポンペ病患者を対象とした投与
酵素補充療法の治療歴のある遅発型ポンペ病患者に本剤とシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を隔週で反復併用投与したときの投与1回目及び3回目の本剤の薬物動態パラメータを表1に示す。(外国人データ)
表1 ミグルスタットの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
16.2 吸収
食事によりCmaxが36%低下しtmaxが2時間遅延したが、AUCへの大きな影響はみられなかった。[7.2参照]
16.3 分布
16.3.1 分布容積
ミグルスタットの消失相の分布容積は約90Lであった。
16.3.2 蛋白結合率
In vitro試験において蛋白結合率を検討した結果、血漿蛋白との結合は認められず、赤血球に対する結合率(平均値)は38.8%であった。
16.4 代謝
In vitro試験で各CYP分子種(CYP1A2、2A6、2C9、2C19、2D6、2E1、3A4及び4A11)に対する阻害作用を検討した結果、CYP1A2及び2E1ではわずかな阻害作用が認められたが、他のCYP分子種では阻害は認められなかった。
16.5 排泄
本剤65mg経口投与後、投与量の約66%が尿中に回収され、腎クリアランスは約7.4L/hであった。
[14C]-ミグルスタット100mgを健康成人6例に単回投与したとき、放射能の83%が尿中、12%が糞中から回収された。尿中及び糞中から数種類の代謝物が同定された。尿中に多量に存在した代謝物はミグルスタットグルクロニドで、投与量の5%に相当する。(外国人データ)
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
腎機能障害患者、遅発型ポンペ病患者等(112例)にミグルスタットを単独又はシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と併用で投与したときの血漿中ミグルスタット濃度に基づく母集団薬物動態解析を用いて、本剤及びシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)を臨床推奨用量で投与したときの腎機能障害の程度の異なる被験者(CLcrの測定値に基づいて分類)における薬物動態パラメータの推定値を腎機能が正常な被験者と比較検討した結果を表2に示す。
表2 腎機能障害及び腎機能正常被験者の薬物動態パラメータの比較(推定値)
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 遅発型ポンペ病を有する成人患者を対象とした二重盲検無作為化国際共同第III相試験
酵素補充療法の治療歴のある及び治療歴のない遅発型ポンペ病患者を対象として、シパグルコシダーゼ アルファ(1回体重1kgあたり20mgを隔週点滴静脈内投与)と本剤(体重40kg以上50kg未満の場合は1回195mg、体重50kg以上の場合は1回260mgを隔週経口投与)(本併用群)又はアルグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)とプラセボ(対照群)を52週間投与し、有効性及び安全性を比較した。主要評価項目である6分間歩行距離(以下、「6MWD」)(m)のベースラインから投与52週時までの変化量は表1のとおりであり、本併用の対照に対する優越性は示されなかった。また、副次評価項目である座位努力性肺活量の予測正常値に対する割合(%)のベースラインから投与52週時までの変化量の平均値±標準偏差(評価例数)は、本併用群で-1.14±6.32(74例)、対照群で-3.63±4.70(32例)であった。
表1 ベースラインから投与52週時までの6MWDの変化量
→図表を見る(PDF)
本併用群での副作用は投与52週時までに30.6%(26/85例)に認められ、主な副作用は頭痛7.1%(6/85例)、下痢5.9%(5/85例)であった。
18.1 作用機序
本剤はイミノ糖であり、血中でシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と結合して物理的安定性を高め、変性や不活性化を抑制すると考えられる。シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)と本剤の結合は一過性であり、結合された状態でライソゾームへ送達され、ライソゾーム内で解離すると考えられるが、本剤はシパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)の活性部位と結合すると考えられることから、生体内での本剤の曝露が過剰となる場合、グリコーゲン低下作用が減弱する可能性がある。[7.4、9.2.1、9.2.2参照]
18.2 薬理作用
ポンペ病動物モデルである酸性α-グルコシダーゼノックアウトマウスにおいて、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)20mg/kgと本剤0~30mg/kgを併用投与したとき、シパグルコシダーゼ アルファ(遺伝子組換え)単独投与時と比較して、骨格筋のグリコーゲン量の低下作用は、本剤10mg/kg併用時までは用量依存的に大きくなる傾向が認められたが、本剤30mg/kg併用時のグリコーゲン量の低下作用は、本剤10mg/kg併用時よりも減弱する傾向が認められた。なお、本剤10mg/kgを単独で投与したとき、骨格筋のグリコーゲン量の低下作用は認められなかった。[7.4、9.2.1、9.2.2参照]
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- アミカス・セラピューティクス
- 販売会社
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