アルギU配合顆粒
添付文書情報2023年04月改定(第1版)
商品情報
- 禁忌
- 2.1. アルギナーゼ欠損症の患者[アルギニン血症を増悪させる]。
2.2. リジン尿性蛋白不耐症の患者でアルギニンの吸収阻害の程度が大きい患者[本剤投与により下痢を起こすことがある]。
- 効能・効果
- 次記疾患における血中アンモニア濃度の上昇抑制:先天性尿素サイクル異常症[カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(シトルリン血症)、アルギニノコハク酸分解酵素欠損症(アルギニノコハク酸尿症)]又はリジン尿性蛋白不耐症<アルギニンの吸収阻害が強い患者を除く>。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤は、先天性尿素サイクル異常症(アルギナーゼ欠損症を除く)又はリジン尿性蛋白不耐症(ただし、アルギニンの吸収阻害が強い患者を除く)と診断された患者に投与すること。
5.2. 本剤の適用患者の維持期(高アンモニア血症による非発作時)の基本は栄養治療であり、食事管理(低蛋白食)及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に本剤を投与する必要があるので、食事指導を行うこと。
- 用法・用量
- 通常、1日量として、体重1kg当たり0.15~0.50g(L-アルギニンとして0.12~0.38g)を3~6回に分割し、経口投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。
一般に少量より開始し、血中アンモニア濃度、自他覚症状等を参考に十分な効果が得られるまで漸増する。また、食事管理(低蛋白食)及び必須アミノ酸補給等の十分な栄養管理の下に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
風邪、過激な運動、食事及び便秘等により高アンモニア血症が悪化した場合は適宜増量する。また、急激に血中アンモニア濃度が上昇した場合にはアルギニン注射剤あるいは他の治療法を検討すること。
- 特定の背景を有する患者に関する注意
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 11.2. その他の副作用
1). 消化器:(0.1~5%未満)嘔吐、下痢、悪心・嘔気。
2). 皮膚:(0.1~5%未満)皮膚そう痒感。
3). 肝臓:(0.1~5%未満)肝機能異常(AST上昇、ALT上昇、AL-P上昇)。
4). 精神神経系:(0.1~5%未満)眠気。
発現頻度は、承認時までの臨床試験及び市販後の使用成績調査の結果を合わせて算出した。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 取扱い上の注意
- 容器開封後は吸湿に注意して保管すること。
16.1 血中濃度
絶食したイヌにL‐アルギニン塩酸塩とL‐アルギニンの等モル混合末を0.959mmol/kg(アルギニンとして0.167g/kg)の用量で経口投与したとき、投与後15分からアルギニンの血漿中濃度の上昇が認められ、投与1時間後に最高血漿中濃度の42.2μmol/dL(投与前値の約3.8倍)に達した。その後、アルギニンの血漿中濃度は徐々に減少し、投与後6時間には20.5μmol/dL(投与前値の約1.8倍)に減少し、投与後24時間で投与前値に復した。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第III相一般臨床試験
先天性尿素サイクル異常症21例(カルバミルリン酸合成酵素欠損症2例、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症9例、シトルリン血症4例、アルギニノコハク酸尿症3例、リジン尿性蛋白不耐症3例)を対象とした一般臨床試験において、血中アンモニア濃度、血中アルギニン濃度及び自他覚症状等の経時的変化をみた有効率(「有効」以上)は76.2%(16/21)であった。安全性解析対象症例25例中、5例(20.0%)に副作用が認められ、その内訳は、AST、ALTの上昇及び嘔吐各2件(8.0%)、悪心・嘔気、そう痒感及び眠気各1件(4.0%)であった。
17.1.2 国内第II相長期臨床試験
先天性尿素サイクル異常症7例(オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症3例、シトルリン血症1例、アルギニノコハク酸尿症2例、リジン尿性蛋白不耐症1例)を対象に最長430日間投与した長期臨床試験において、血中アンモニア濃度、血中アルギニン濃度、尿中オロト酸量、臨床検査値及び自他覚症状より評価した有効率(「有効」以上)は100%(7/7)であった。また、本試験期間中、本剤に起因すると思われる副作用の発現はなかった。
17.2 製造販売後調査等
市販後に実施した使用成績調査において、血中アンモニア値のコントロールの程度が有効であった症例数は、評価症例数156例中127例(81.4%)、全般的コントロールの程度が有効であった症例数は、評価症例数156例中133例(85.3%)であった。
副作用(臨床検査値異常を含む)は安全性評価対象症例222例中、18例(8.1%)24件に認められ、主な副作用は、肝機能異常4件(1.8%)、下痢4件(1.8%)等であった。
18.1 作用機序
尿素サイクルではオルニチン、シトルリン、アルギニノコハク酸、アルギニンの4種類のアミノ酸が酵素を利用し尿素サイクルを形成している。
アルギナーゼ欠損症を除く尿素サイクル異常症については、基質であるアルギニンを外部から補充することにより、残存酵素が活性化され、部分的に欠損している尿素サイクルが円滑に回転して、尿中排泄性の高い尿素、シトルリン、アルギニノコハク酸による窒素排泄が促進され、血中アンモニアが減少する。
18.2 血中アンモニア濃度の上昇抑制
カルバミルリン酸合成酵素欠損症、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症、シトルリン血症及びアルギニノコハク酸尿症の患者において蛋白制限治療とともにアルギニンを投与した結果、臨床症状の改善、血中アンモニア及びグルタミン濃度の低下、尿素生成量の増加並びに尿中オロト酸排泄量の減少などの生化学的指標の改善が認められている。
18.3 アンモニア代謝促進
・ラット肝ホモジネートあるいは単離ミトコンドリアを用いたin vitroでのオルニチントランスカルバミラーゼ及びカルバミルリン酸合成酵素活性に対するアルギニン添加試験において、いずれの酵素活性も有意に上昇させることが認められた。
・ラット及びマウスの肝ミトコンドリアを用いたin vitro試験で、アルギニンがN‐アセチルグルタミン酸合成酵素活性を亢進することが認められた。
- 一包可:不明
バラ包装
- 分割:可能
- 粉砕:可能
- 製造販売会社
- EAファーマ
- 販売会社
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