コセンティクス皮下注300mgペン

添付文書情報2024年10月改定(第10版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 1.1. 本剤は結核等の感染症を含む緊急時に十分に対応できる医療施設において、本剤についての十分な知識と適応疾患の治療に十分な知識・経験をもつ医師のもとで、本剤による治療の有益性が危険性を上回ると判断される症例のみに使用すること。
本剤は感染のリスクを増大させる可能性があり、また結核の既往歴を有する患者では結核活動化させる可能性がある。また、本剤との関連性は明らかではないが、悪性腫瘍の発現が報告されている。治療開始に先立ち、本剤が疾病を完治させる薬剤でないことも含め、本剤の有効性及び危険性を患者に十分説明し、患者が理解したことを確認した上で治療を開始すること〔8.1-8.3、9.1.1、9.1.2、15.1.3参照〕。
1.2. 重篤な感染症ウイルス、細菌及び真菌等による重篤な感染症が報告されているため、十分な観察を行うなど感染症の発症に注意し、本剤投与後に感染の徴候又は症状があらわれた場合には、直ちに主治医に連絡するよう患者を指導すること〔8.1、8.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照〕。
1.3. 本剤の治療を開始する前に、適応疾患の既存治療の適用を十分に勘案すること〔5.1参照〕。
- 禁忌
- 2.1. 重篤な感染症の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.1参照〕。
2.2. 活動性結核の患者[症状を悪化させるおそれがある]〔9.1.2参照〕。
2.3. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 既存治療で効果不十分な次記疾患:尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 次のいずれかを満たす患者に投与すること[1)紫外線療法を含む既存の全身療法(生物製剤を除く)で十分な効果が得られず、皮疹が体表面積の10%以上に及ぶ患者、2)難治性の皮疹、関節症状又は膿疱を有する患者]〔1.3参照〕。
- 用法・用量
- 通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。
通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤と他の生物製剤の併用について安全性及び有効性は確立していないので併用を避けること。
7.2. 本剤による治療反応は、通常投与開始から16週以内に得られるため、16週以内に治療反応が得られない場合は、本剤の治療計画の継続を慎重に再考すること。
7.3. 体重60kg以下の成人患者では1回150mgの投与を考慮すること〔17.1.2参照〕。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 8.1. 本剤は、感染のリスクを増大させる可能性がある。そのため本剤の投与に際しては、十分な観察を行い、感染症の発症や感染症増悪に注意すること。感染の徴候又は症状があらわれた場合には、速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること〔1.1、1.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 本剤投与に先立って結核に関する十分な問診及び胸部X線(レントゲン)検査に加えインターフェロンγ遊離試験又はツベルクリン反応検査を行い、適宜胸部CT検査等を行うことにより、結核感染の有無を確認すること。
また、本剤投与中も、胸部X線検査等の適切な検査を定期的に行うなど結核症の発現には十分に注意し、結核を疑う症状(持続する咳、体重減少、発熱等)が発現した場合には速やかに担当医に連絡するよう患者に指導すること。なお、結核の活動性が確認された場合は結核の治療を優先し、本剤を投与しないこと〔1.1、1.2、9.1.2、11.1.1参照〕。
8.3. 臨床試験において皮膚悪性腫瘍及び皮膚以外の悪性腫瘍の発現が報告されている。本剤との因果関係は明確ではないが、悪性腫瘍の発現には注意すること〔1.1、15.1.3参照〕。
8.4. 本剤投与中は、生ワクチン接種による感染症発現のリスクを否定できないため、生ワクチン接種は行わないこと。
8.5. 他の生物製剤から変更する場合は感染症の徴候について患者の状態を十分に観察すること。
8.6. 本剤の投与開始にあたっては、医療施設において、必ず医師によるか、医師の直接の監督のもとで投与を行うこと。自己投与の適用については、医師がその妥当性を慎重に検討し、十分な教育訓練を実施した後、本剤投与による危険性と対処法について患者が理解し、患者自ら確実に投与できることを確認した上で、医師の管理指導の下で実施すること。自己投与の適用後、感染症等の本剤による副作用が疑われる場合や自己投与の継続が困難な状況となる可能性がある場合には、直ちに自己投与を中止させ、医師の管理下で慎重に観察するなど適切な処置を行うこと。また、自己投与の適用後、本剤投与後に副作用の発現が疑われる場合は、医療施設へ連絡するよう患者に指導を行うこと。使用済みの注射器を再使用しないように患者に注意を促し、すべての器具の安全な廃棄方法に関する指導を行うと同時に、使用済みの注射器を廃棄する容器を提供すること。
9.1.1. 感染症<重篤な感染症を除く>の患者又は感染症が疑われる患者:感染症が悪化するおそれがある〔1.1、1.2、2.1、8.1参照〕。
9.1.2. 結核の既往歴を有する患者又は結核感染が疑われる患者。
(1). 結核の既往歴を有する患者では、結核を活動化させるおそれがある〔2.2、8.2参照〕。
(2). 結核の既往歴を有する場合及び結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談すること。次のいずれかの患者には、原則として抗結核薬を投与した上で、本剤を投与すること〔1.1、1.2、2.2、8.2参照〕[1)胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する患者、2)結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する患者、3)インターフェロンγ遊離試験やツベルクリン反応検査等の検査により、結核既感染が強く疑われる患者、4)結核患者との濃厚接触歴を有する患者]。
9.1.3. 炎症性腸疾患の患者:炎症性腸疾患の患者に投与する場合は観察を十分に行うこと(症状を悪化させるおそれがある)。活動期にあるクローン病の患者を対象とした海外臨床試験において、プラセボ群に比べて本剤群において活動期のクローン病の症状が悪化する傾向がみられている〔11.1.4参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 重篤な感染症(1.5%):ウイルス、細菌あるいは真菌等による重篤な感染症があらわれることがある〔1.2、8.1、8.2参照〕。
11.1.2. 過敏症反応:アナフィラキシー(頻度不明)、蕁麻疹(1.0%)、血管性浮腫(0.5%)等の過敏症反応があらわれることがある。
11.1.3. 好中球数減少(0.5%)。
11.1.4. 炎症性腸疾患(0.5%)〔9.1.3参照〕。
11.1.5. 紅皮症(剥脱性皮膚炎)(頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 感染症:(1%以上)上気道感染(上咽頭炎、上気道感染、鼻炎、咽頭炎、副鼻腔炎、扁桃炎)、カンジダ症、(1%未満)足部白癬、口腔ヘルペス。
2). 眼障害:(頻度不明)結膜炎。
3). 呼吸器、胸郭及び縦隔障害:(1%未満)鼻漏。
4). 胃腸障害:(1%未満)下痢。
5). 皮膚及び皮下組織障害:(1%以上)蕁麻疹、皮膚炎、(頻度不明)異汗性湿疹、壊疽性膿皮症。
6). 肝胆道系障害:(1%未満)肝機能検査値異常。
7). 神経系障害:(頻度不明)頭痛。
8). 全身障害及び投与部位様態:(1%未満)注射部位反応。
- 高齢者
- 感染症等の副作用の発現に留意し、十分な観察を行うこと(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤はカニクイザルにおいて胎仔への移行が報告されているが、胚・胎仔毒性及び催奇形性は認められていない)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒトにおける乳汁への移行は不明であるが、本薬を投与した動物実験(マウス)で乳汁中に移行することが報告されている(代替抗体を投与した動物実験(マウス)で出生仔の血清中への移行を確認した))。
- 小児等
- 9.7.1. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉低出生体重児、新生児、乳児又は6歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない。
9.7.2. 〈膿疱性乾癬〉小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与前の注意14.1.1. 冷蔵庫から取り出し室温に戻しておくこと。
14.1.2. 投与直前まで本剤の注射針のキャップを外さない(キャップを外したら直ちに投与する)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 皮膚が敏感な部位、皮膚に異常のある部位<傷・発赤・鱗屑・硬結・瘢痕・皮膚線条等の部位>、乾癬の部位には注射しないこと。
14.2.2. 投与部位は、大腿部、腹部又は上腕部が望ましい。同一箇所へ繰り返し注射することは避けること。
14.2.3. 本剤は、1回使用の製剤であり、再使用しないこと。
20.1. 室温で保存する場合は、30℃を超えない場所で保存し、4日以内に使用すること。
20.2. 外箱開封後は遮光して保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 〈効能共通〉尋常性乾癬及び乾癬性関節炎を対象とした国際共同及び海外第3相臨床試験で、52週までに19/3364例(0.6%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められ、うち3/3364例(0.1%)の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった(日本人では、1/148例(0.7%)に抗セクキヌマブ抗体が認められ、その1例の抗セクキヌマブ抗体は中和抗体であった)。日本人膿疱性乾癬患者を対象とした国内第3相試験においては、12例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。
強直性脊椎炎患者を対象として日本で実施した非盲検試験及び海外第3相試験において、最長156週までに12/1192例(1.0%)の患者に抗セクキヌマブ抗体が認められたが、中和抗体ではなかった。X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎を対象とした国際共同試験で、543例中抗セクキヌマブ抗体が認められた患者はいなかった。なお、抗体の発現と効果又は有害事象との関連は明らかではない。
15.1.2. 〈効能共通〉本剤との因果関係は明確ではないが、国内の市販後において自殺既遂の死亡例が報告されている。
15.1.3. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉国際共同試験及び海外第3相臨床試験で、本剤300mgが投与された患者1410例(52週時)について、悪性腫瘍<非黒色腫皮膚癌を除く>(以下同様)の発現頻度は、0.34/100人年(4/1410例)であり、その内容は表皮内悪性黒色腫、悪性黒色腫、腎癌、新生物であり、悪性腫瘍の発現頻度は、一般人口で予測される発現頻度と同様であった(標準化発生比:0.64[95%信頼区間:0.17,1.63])、非黒色腫皮膚癌の発現頻度は、0.43/100人年(5/1410例)であった〔1.1、8.3参照〕。
15.1.4. 〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬〉免疫抑制剤又は光線療法と併用した場合の安全性及び有効性は確立していない。
16.1 血中濃度
日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを単回皮下投与したとき、血清中セクキヌマブ濃度は投与後8日目にCmaxを示し、消失半減期は26~30日であった。また、絶対バイオアベイラビリティは77%であった。
日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを単回皮下投与したときの血清中濃度推移
(平均値+標準偏差)
日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを単回皮下投与したときの薬物動態パラメータ(6例)
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日本人健康成人男子にセクキヌマブ(遺伝子組換え)1~10mg/kgを単回静脈内投与したときのクリアランスは0.114~0.121L/日、分布容積は4.23~5.34Lであった。
日本人乾癬患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後24週目及び52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度(平均値±標準偏差)は、150mg群では16.7±6.18μg/mL(26例)及び17.3±7.65μg/mL(24例)、300mg群では30.9±12.4μg/mL(28例)及び31.9±9.53μg/mL(27例)であった。
母集団薬物動態解析より推定した日本人尋常性乾癬患者(平均体重:73.3kg)のクリアランスは0.181L/日、中央コンパートメントの分布容積は3.25L、末梢コンパートメントの分布容積は2.53Lであった。
日本人強直性脊椎炎患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後24週目及び52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度(平均値±標準偏差)は、20.9±7.07μg/mL(25例)及び19.9±5.25μg/mL(21例)であった。
日本人のX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者にセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で投与後48週目まで皮下投与した。投与後52週目のセクキヌマブ(遺伝子組換え)投与前の血清中濃度は、12.5及び16.5μg/mL(2例)であった。
重症の小児乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者(日本人及び外国人)にセクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重に応じて週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で皮下投与した時の定常状態における投与前の血清中濃度を次表に示す。なお、日本人患者1例(体重25kg以上50kg未満、150mg皮下投与)の24週目及び52週目における投与前の血清中濃度は、66.1及び56.0μg/mLであった。
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中等症又は重症の小児乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者(外国人)にセクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重に応じて週1回の頻度で4週間5回投与後、4週間隔で皮下投与した時の定常状態における投与前の血清中濃度を次表に示す。
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17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈尋常性乾癬、乾癬性関節炎〉
17.1.1 国際共同第III相試験(A2302試験)
中等症又は重症の局面型皮疹を有する乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者737例(日本人87例含む)(局面型皮疹の病変が体表面積(BSA)の10%以上、かつPASI注1)スコアが12以上)を対象とした52週間プラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。
プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mg又は300mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。12週後のPASIスコアがベースラインから75%以上又は90%以上改善した患者の割合(以下、それぞれPASI75反応率又はPASI90反応率)を次表に示す。本剤投与群における12週後のPASI75反応率は、プラセボ群に比べて有意に高かった。その後、52週目までほぼ一定の値で推移した。
注1)Psoriasis Area and Severity Index
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60週時点での副作用発現頻度は、本剤150mg投与群で32.2%(79/245例)及び本剤300mg投与群で27.3%(67/245例)であった。主な副作用は、本剤150mg投与群では鼻咽頭炎4.1%(10/245例)、上気道感染3.7%(9/245例)、本剤300mg投与群では上気道感染2.9%(7/245例)、そう痒症2.9%(7/245例)であった。
17.1.2 国際共同第III相試験(体重別:A2302、A2303、A2308及びA2309試験の併合)
中等症又は重症の局面型皮疹を有する乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者を対象とした臨床試験の体重別の12週後のPASI75反応率又はPASI90反応率を次表に示す。[7.3参照]
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17.1.3 国際共同第III相試験(小児:A2310試験)
重症の局面型皮疹を有する6歳以上18歳未満の小児の乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者162例(日本人5例含む)(局面型皮疹の病変が体表面積(BSA)の10%以上、かつPASIスコアが20以上)を対象としたプラセボ及び実薬対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。
プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重25kg未満の場合は低用量群及び高用量群ともに75mg、25kg以上50kg未満の場合は低用量群は75mg、高用量群は150mg、体重50kg以上の場合は低用量群は150mg、高用量群は300mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。12週後のPASI75反応率、IGAスコアの0又は1への改善率及びPASI90反応率を次表に示す。本剤投与群における12週後のPASI75反応率及びIGAスコアの0又は1への改善率は、いずれもプラセボ群に比べて有意に高かった。その後、PASI75反応率、IGAスコアの0又は1への改善率及びPASI90反応率は、52週目までほぼ一定の値で推移した。
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52週時点での副作用発現頻度は、低用量群で27.5%(11/40例)及び高用量群で32.5%(13/40例)であった。主な副作用は、低用量群では上咽頭炎7.5%(3/40例)、上気道感染5.0%(2/40例)、扁桃炎5.0%(2/40例)、注射部位疼痛5.0%(2/40例)、高用量群では上咽頭炎7.5%(3/40例)、咽頭炎5.0%(2/40例)、注射部位紅斑5.0%(2/40例)、咳嗽5.0%(2/40例)であった。
17.1.4 海外第III相試験(小児:A2311試験)
中等症又は重症の局面型皮疹を有する6歳以上18歳未満の小児の乾癬(尋常性乾癬及び乾癬性関節炎)患者84例(局面型皮疹の病変が体表面積(BSA)の10%以上、かつPASIスコアが12以上)を対象としたランダム化非盲検試験を実施した。
セクキヌマブ(遺伝子組換え)を体重25kg未満の場合は低用量群及び高用量群ともに75mg、25kg以上50kg未満の場合は低用量群は75mg、高用量群は150mg、体重50kg以上の場合は低用量群は150mg、高用量群は300mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。本剤投与12週後のPASI75反応率は、低用量群、高用量群のいずれも92.9%(39/42例)であり、IGAスコアの0又は1への改善率は、低用量群で78.6%(33/42例)、高用量群で83.3%(35/42例)であった。また、12週後のPASI90反応率は、低用量群で69.0%(29/42例)、高用量群で76.2%(32/42例)であった。その後、PASI75反応率、IGAスコアの0又は1への改善率及びPASI90反応率は、52週目までほぼ一定の値で推移した。
本剤投与52週時点での副作用発現頻度は、低用量群で14.3%(6/42例)及び高用量群で23.8%(10/42例)であった。主な副作用は、低用量群では白血球減少症7.1%(3/42例)、好中球減少症4.8%(2/42例)、高用量群では上気道感染4.8%(2/42例)であった。
〈膿疱性乾癬〉
17.1.5 国内第III相試験(A1302試験)
日本人汎発型膿疱性乾癬患者12例(膿疱を伴う紅斑面積が総体表面積の10%以上を占める患者)を対象とした非盲検試験を実施した。
セクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。8週目以降はあらかじめ規定された基準に応じて300mgへの増量を可とした。16週後において、83.3%(10/12例)で奏功注2)が認められた(著明改善9例、中等度改善1例)。
注2)著明改善、中等度改善、又は軽度改善と判断された被験者と定義
52週時点での副作用発現頻度は、本剤投与群で33.3%(4/12例)であった。副作用は、薬物性肝障害、肝機能異常、上室性不整脈、紅色陰癬、灼熱感、腎機能障害が各8.3%(1/12例)であった。
〈乾癬性関節炎〉
17.1.6 海外第III相試験(F2312試験)
非ステロイド性抗炎症薬、疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)又は抗TNFα製剤による治療で効果不十分もしくは忍容性不良の活動性乾癬性関節炎患者397例(腫脹関節及び圧痛関節数がそれぞれ3関節以上)を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)75mg#、150mg又は300mgを0、1、2、3、4週に皮下投与し、その後4週間隔でプラセボ又は75mg、150mg又は300mgを皮下投与した。患者の約35%(139/397例)は抗TNFα製剤治療による効果不十分例であり、約45%(185/397例)はメトトレキサートを併用していた。本剤(75mg群、150mg群、300mg群)の24週後のACR20反応率はプラセボ群に比較して有意に高かった。
→図表を見る(PDF)
24週時点での副作用発現頻度は、本剤75mg投与群で24.2%(24/99例)、本剤150mg投与群で17.5%(25/143例)及び本剤300mg投与群で29.0%(42/145例)であった。主な副作用は、本剤75mg投与群では上気道感染7.1%(7/99例)、本剤150mg投与群では鼻咽頭炎2.8%(4/143例)、上気道感染2.1%(3/143例)、本剤300mg投与群では上気道感染4.8%(7/145例)、鼻咽頭炎3.4%(5/145例)であった。
17.1.7 海外第III相試験(F2306試験)
非ステロイド性抗炎症薬、DMARD又は抗TNFα製剤による治療で効果不十分もしくは忍容性不良の活動性乾癬性関節炎患者606例(腫脹関節及び圧痛関節数がそれぞれ3関節以上)を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)10mg/kgを0、2、4週に静脈内投与し、その後4週間隔で75mg(IV‐75mg群)#、150mg(IV‐150mg群)又はプラセボを皮下投与した。患者の約30%(178/606例)は抗TNFα製剤治療による効果不十分例であり、約60%(368/606例)はメトトレキサートを併用していた。本剤(IV‐75mg群及びIV‐150mg群)の24週後のACR20反応率はプラセボ群に比較して有意に高かった。
→図表を見る(PDF)
また、24週後の関節破壊進展を手及び足のX線スコア(modified Total Sharp Score:mTSS)で評価した結果、セクキヌマブ(遺伝子組換え)投与群(IV‐75mg群及びIV‐150mg群)のベースラインからの変化量はプラセボ群に比べて有意に小さかった。
→図表を見る(PDF)
52週時点での副作用発現頻度は、本剤75mg投与群で30.5%(89/292例)及び本剤150mg投与群で38.6%(114/295例)であった。主な副作用は、本剤75mg投与群では上気道感染6.5%(19/292例)、鼻咽頭炎3.8%(11/292例)、本剤150mg投与群では上気道感染7.8%(23/295例)、鼻咽頭炎3.7%(11/295例)であった。
〈強直性脊椎炎〉
17.1.8 海外第III相試験(F2310試験)
非ステロイド性抗炎症薬による治療で効果不十分又は忍容不良な強直性脊椎炎患者219例(BASDAI注3)総スコアが4以上かつBASDAIの脊椎痛VAS注4)が4cm以上)を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検並行群間比較試験を実施した。プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)75mg#又は150mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。150mg群の16週後のASAS注5)20反応率はプラセボ群に比べて有意に高かった。
注3)Bath Ankylosing Spondylitis Disease Activity Index
注4)Visual Analogue Scale
注5)Assessment of SpondyloArthritis international Society
→図表を見る(PDF)
156週での副作用発現頻度は、本剤75mg投与群で41.0%(43/105例)、本剤150mg投与群で45.9%(51/111例)であった。主な副作用は、本剤75mg投与群では上気道感染7.6%(8/105例)、鼻咽頭炎4.8%(5/105例)、下痢、気管支炎及びインフルエンザ3.8%(4/105例)、本剤150mg投与群では上気道感染及び鼻咽頭炎6.3%(7/111例)、インフルエンザ4.5%(5/111例)であった。
17.1.9 国内第III相試験(H1301試験)
非ステロイド性抗炎症薬による治療で効果不十分又は忍容不良な強直性脊椎炎患者30例(BASDAI総スコアが4以上かつBASDAIの脊椎痛VASが4cm以上)を対象とした非盲検試験を実施した。セクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与した。16週後のASAS20反応率は70.0%(21/30例)、ASAS40反応率は46.7%(14/30例)であり、52週目までほぼ一定の値で推移した。
52週での副作用発現頻度は、本剤投与群で46.7%(14/30例)であった。主な副作用は、上咽頭炎7例(23.3%)、口内炎4例(13.3%)等であった。
〈X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎〉
17.1.10 国際共同第III相試験(H2315試験)
非ステロイド性抗炎症薬による治療で効果不十分又は忍容不良なX線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎患者555例(BASDAI総スコアが4以上、BASDAIの脊椎痛VASが4cm以上、かつCRP高値(基準値超)又はMRI画像所見上の仙腸関節炎が認められる)を対象としたプラセボ対照ランダム化二重盲検比較試験を実施した。プラセボ又はセクキヌマブ(遺伝子組換え)150mgを0、1、2、3及び4週、その後4週間隔で皮下投与(プラセボ、導入投与)又は150mgを4週間隔注6)で皮下投与(非導入投与#)した。主要な解析対象集団である抗TNFα製剤未治療患者において、主要評価項目である16週後のASAS40反応率は、本剤導入投与群でプラセボ群に比べて有意に高かった。
注6)1、2及び3週後にプラセボを皮下投与
→図表を見る(PDF)
52週での副作用発現頻度は、本剤導入投与群で44.9%(83/185例)であった。主な副作用は、本剤導入投与群で上咽頭炎9.2%(17/185例)、上気道感染及び尿路感染4.9%(9/185例)、頭痛3.2%(6/185例)であった。
#本剤の尋常性乾癬、乾癬性関節炎、膿疱性乾癬における承認用法及び用量は、「通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回300mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。また、体重により、1回150mgを投与することができる。通常、6歳以上の小児にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、体重50kg未満の患者には1回75mgを、体重50kg以上の患者には1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。なお、体重50kg以上の患者では、状態に応じて1回300mgを投与することができる。」である。
また、本剤の強直性脊椎炎、X線基準を満たさない体軸性脊椎関節炎における承認用法及び用量は、「通常、成人にはセクキヌマブ(遺伝子組換え)として、1回150mgを、初回、1週後、2週後、3週後、4週後に皮下投与し、以降、4週間の間隔で皮下投与する。」である。
18.1 作用機序
セクキヌマブは、ヒト抗ヒトIL‐17Aモノクローナル抗体であり、炎症性サイトカインであるIL‐17Aと結合し、IL‐17AのIL‐17受容体への結合を阻害することにより、その活性を中和する。
18.2 In vitroにおける薬理活性
セクキヌマブは、選択的にヒトIL‐17Aに結合し(解離定数:約200pM)、ヒト線維芽細胞様滑膜細胞及びヒト皮膚線維芽細胞において、ヒトIL‐17Aにより誘導したIL‐6産生作用を中和した。
18.3 In vivoにおける薬理活性
セクキヌマブは、ヒト遺伝子組換えIL‐17Aにより誘発した関節炎モデルマウスにおいて、関節炎を誘発する24時間前及び2時間前にセクキヌマブを腹腔内投与することにより、関節の腫脹及び軟骨に対する作用を完全に抑制した。また、ヒト遺伝子組換えIL‐17Aで誘発されるマウス空気嚢への好中球浸潤を、好中球浸潤誘発前にセクキヌマブを単回腹腔内投与することにより、用量依存的に抑制した。
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- ノバルティス ファーマ
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