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ジフォルタ注射液20mg

販売名
ジフォルタ注射液20mg
薬価
20mg1mL1瓶 91292.00円
製造メーカー
ムンディファーマ

添付文書情報2022年01月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の代謝拮抗剤
一般名
プララトレキサート注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
禁忌
2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
効能・効果
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
用法・用量
通常、成人には、プララトレキサートとして、1日1回30mg/㎡(体表面積)を3~5分間かけて、週1回、静脈内投与する。これを6週連続で行い、7週目は休薬する。これを1サイクルとして、投与を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与前に患者が次の基準を満たすことを確認すること。
[投与可能条件]粘膜炎:Grade1以下、血小板数:初回投与時は10万/μL以上、2回目投与時以降は5万/μL以上、好中球数:1000/μL以上。
GradeはNCI-CTCAE v3.0による。
7.3. 本剤の投与により、副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は投与中止すること(なお、減量後、再度増量はしないこと)。
[休薬、減量又は中止基準]
1). 粘膜炎:
①. Grade2の粘膜炎;a.Grade1以下に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は30mg/㎡とする、b.30mg/㎡で再開後に再発した場合には、Grade1に回復するまで休薬し、再度再開する場合の用量は20mg/㎡とする、c.20mg/㎡で再開後に再発した場合には、投与中止する。
②. Grade3の粘膜炎;a.Grade1以下に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は20mg/㎡とする、b.20mg/㎡で再開後に再発した場合には、投与中止する。
③. Grade4の粘膜炎;投与中止する。
2). 血小板数:血小板数5万/μL未満;a.5万/μL以上に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は次の用量とする(持続期間が2週間未満の場合:休薬前と同一用量、持続期間が2週間以上(1回目)の場合:20mg/㎡)、b.持続期間が3週間以上の場合又は持続期間2週間以上(2回目)の場合には、投与中止する。
3). 好中球数:
①. 好中球数500/μL以上1000/μL未満<発熱なし>;a.1000/μL以上に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は休薬前と同一用量とする、b.持続期間が3週間以上の場合には、投与中止する。
②. 好中球数500/μL以上1000/μL未満<発熱あり>又は好中球数500/μL未満;a.1000/μL以上に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は次の用量とする(持続期間が2週間未満の場合:休薬前と同一用量、持続期間が2週間以上(1回目)の場合:20mg/㎡)、b.持続期間が3週間以上の場合又は持続期間2週間以上(2回目)の場合には、投与中止する。
4). 前記以外:
①. Grade3;a.Grade1以下に回復するまで休薬し、再開する場合の用量は20mg/㎡とする、b.20mg/㎡で再開後に再発した場合には、投与中止する。
②. Grade4;投与中止する。
GradeはNCI-CTCAE v3.0による。
7.4. 本剤による副作用を軽減するため、次のように葉酸及びビタミンB12を投与すること。
・ 本剤初回投与日の10日以上前から、葉酸として1日1回1.0~1.25mgを連日経口投与し、本剤の投与終了日から30日間は投与を継続する。
・ 本剤初回投与日の10日以上前から、ビタミンB12として1回1mgを8~10週ごとに筋肉内投与し、本剤投与中は、投与を継続する。
7.5. 本剤によると思われる口内炎等の副作用を軽減するため、ホリナートの経口投与を考慮すること(ホリナートを経口投与する場合、葉酸及びビタミンB12の投与は本剤初回投与日の7日以上前からとすることができる)。
生殖能を有する者
8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるため、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行うなど、患者の状態を十分に観察し、日和見感染等の発現に注意すること〔9.1.1、11.1.2参照〕。
8.2. 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるので、血清中電解質濃度及び腎機能検査を行う等、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.5参照〕。
9.1.1. 骨髄機能低下患者:骨髄機能低下が悪化し、重篤化するおそれがある〔8.1、11.1.2参照〕。
9.2.1. 重度腎機能障害患者:本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇することが報告されている)〔16.6.1参照〕。
妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性:妊娠可能な女性及びパートナーが妊娠する可能性のある男性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
10.2. 併用注意:プロベネシド〔16.7.1参照〕[本剤の血中濃度が上昇するおそれがあるので、併用
を避け、代替の治療薬への変更を考慮し、併用が必要な場合は、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(機序は不明である)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 口内炎(65.8%)。
11.1.2. 骨髄抑制:血小板減少症(43.0%)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)(34.9%)、好中球減少症(27.5%)、白血球減少症(18.8%)、リンパ球減少症(15.4%)、発熱性好中球減少症(4.0%)等があらわれることがある〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.3. 感染症:細菌、真菌又はウイルスによる重篤な感染症(敗血症(2.7%)、帯状疱疹(2.7%)、肺炎(2.0%)、ニューモシスチス肺炎(1.3%)等)があらわれることがある。
11.1.4. 重度の皮膚障害:中毒性表皮壊死融解症(Toxic Epidermal Necrolysis:TEN)(頻度不明)、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(頻度不明)、多形紅斑(頻度不明)、皮膚潰瘍(4.7%)等の重度皮膚障害があらわれることがある。
11.1.5. 腫瘍崩壊症候群(0.7%):異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置(生理食塩液、高尿酸血症治療剤等の投与、透析等)を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔8.2参照〕。
11.1.6. 間質性肺疾患(0.7%)。
11.2. その他の副作用
1). 精神・神経系:(5%~10%未満)頭痛、(5%未満)味覚異常、不眠症、錯感覚、浮動性めまい、うつ病、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、蟻走感、記憶障害、神経痛、末梢性感覚ニューロパチー、感覚消失、失神、不安、激越、錯乱状態、妄想。
2). 血液・リンパ系:(5%未満)リンパ節痛、脾腫、好酸球増加症、白血球数増加。
3). 循環器(心・血管系):(5%未満)頻脈、心肺停止、心拡大、駆出率減少、低血圧、頚静脈血栓症、鎖骨下静脈血栓症、血圧上昇。
4). 呼吸器:(10%以上)鼻出血、(5%~10%未満)咽喉頭疼痛、咳嗽、呼吸困難、(5%未満)発声障害、咽頭炎症、咽喉乾燥、胸水、湿性咳嗽、しゃっくり、低酸素症、肺硬化、鼻閉、胸膜痛、肺うっ血、肺塞栓症、逆流性喉頭炎、鼻漏、頻呼吸、咽喉絞扼感、鼻炎症、上気道炎症。
5). 消化器:(10%以上)悪心、嘔吐、下痢、便秘、(5%~10%未満)上腹部痛、(5%未満)口腔内痛、胃食道逆流性疾患、腹部不快感、口唇炎、肛門炎症、口の感覚鈍麻、腹痛、口渇、消化不良、痔核、鼓腸、胃炎、食道炎、口唇症、口唇乾燥、嚥下障害、歯肉浮腫、歯肉痛、痔出血、口唇障害、口唇痛、口唇潰瘍、嚥下痛、食道痛、口腔障害、口腔粘膜紅斑、膵炎、口の錯感覚、肛門周囲紅斑、直腸出血、舌変色、歯痛、早期満腹、腹部膨満、口角口唇炎、心窩部不快感、軟便、齲歯。
6). 眼:(5%未満)眼刺激、眼充血、流涙増加、結膜充血、霧視、結膜炎、眼乾燥、眼瞼紅斑、眼そう痒症、眼瞼浮腫、眼瞼下垂、眼瞼そう痒症、光視症、強膜充血、ぶどう膜炎、視力低下。
7). 耳:(5%未満)耳鳴、難聴、聴力低下、回転性めまい。
8). 筋・骨格系:(5%~10%未満)四肢痛、(5%未満)筋痙縮、筋肉痛、背部痛、関節痛、筋骨格痛、頚部痛、肋軟骨炎、関節硬直、関節腫脹、筋骨格系胸痛、筋骨格不快感、筋骨格硬直、肉離れ。
9). 腎臓・泌尿器:(5%未満)腎不全、排尿躊躇、血中クレアチン増加、頻尿、腎機能障害、血中クレアチニン増加。
10). 乳房・生殖器:(5%未満)亀頭包皮炎、性器発疹、性器潰瘍形成、外陰腟そう痒症、包茎、精巣痛。
11). 代謝:(5%~10%未満)食欲減退、低カリウム血症、体重減少、(5%未満)低マグネシウム血症、高カリウム血症、高尿酸血症、脱水、低リン酸血症、細胞死、高カルシウム血症、高血糖、低血糖、血中尿酸増加、血中カリウム減少、血中ブドウ糖増加、血中リン増加、体重増加、低アルブミン血症。
12). 肝臓:(10%以上)ALT増加、AST増加、(5%未満)高ビリルビン血症、胆管炎、肝脾腫大、血中ビリルビン増加、肝機能検査異常、血中アルカリホスファターゼ増加、血中乳酸脱水素酵素増加、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、肝機能検査値上昇。
13). 投与部位:(5%未満)注入に伴う反応、注射部位反応。
14). その他:(10%以上)末梢性浮腫、発熱、疲労、(5%~10%未満)粘膜炎症、(5%未満)無力症、顔面浮腫、寝汗、疼痛、腋窩痛、悪寒、インフルエンザ様疾患、限局性浮腫、局所腫脹、粘膜乾燥、挫傷、擦過傷、胸痛、肛門性器疣贅、倦怠感、浮腫、湿疹。
高齢者
患者の状態を観察しながら投与すること(一般に生理機能が低下していることが多い)。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(動物実験(ラット及びウサギ)において胚毒性・胎仔毒性(胚死亡数高値・胎仔死亡数高値及び着床後胚損失率高値等)が認められている)〔2.2、9.4生殖能を有する者の項、15.2参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(ヒト乳汁中への移行は不明である)。
小児等
小児等を対象とした臨床成績は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤は黄色澄明の液である。開封前に容器内溶液の状態を観察し、色調の異常や粒子状物質が認められる場合は、使用しないこと。
14.1.2. 体表面積に応じて算出された本剤投与量を無菌的に注射筒で吸引し、速やかに使用すること。
14.1.3. 本剤は細胞障害性抗がん剤であるため、投与前の調製の際は手袋を使用
する等、注意すること。本剤が皮膚に接触した場合は直ちに石鹸及び水で完全に洗い流し、また、本剤が粘膜に接触した場合、水でしっかりと洗い流すこと〔14.2.2参照〕。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤は投与速度を守り、静脈内投与によってのみ使用すること。皮下、筋肉内には投与しないこと。
14.2.2. 投与の際は手袋を使用する等、注意すること。本剤が皮膚に接触した場合は直ちに石鹸及び水で完全に洗い流すこと。また、本剤が粘膜に接触した場合、水でしっかりと洗い流すこと〔14.1.3参照〕。
本剤の包装を開封した後も、バイアルを箱に入れて保管すること。
その他の注意
15.2. 非臨床試験に基づく情報本剤の遺伝毒性試験のうち、ラット小核試験の用量設定試験で遺伝毒性試験陽性を示唆する結果が報告されている。また、他の葉酸代謝拮抗剤を用いたマウス小核試験で陽性の結果が報告されている。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者6例に、ビタミンB12及び葉酸併用下で、本剤30mg/m2を3~5分間かけて静脈内投与したときの本剤(S‐ジアステレオマー(PDX‐10a)及びR‐ジアステレオマー(PDX‐10b))の薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を次に示す。いずれのジアステレオマーも、単回投与(第1サイクルVisit 1)及び反復投与(第1サイクルVisit 6)後の薬物動態パラメータに顕著な差はなく、本剤の週1回投与による蓄積はみられなかった。
静脈内投与したときの薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

単回静脈内投与したときの血漿中薬物濃度推移
(平均±標準偏差、n=6)

16.3 分布
本剤の定常状態における分布容積は102±138L(PDX‐10a)及び30.0±20.1L(PDX‐10b)であった。In vitroでのヒト血漿蛋白結合率は約67%~86%であった。
16.4 代謝
ヒト肝細胞、ヒト肝ミクロソーム、S9分画、CYP発現系及びモノアミンオキシダーゼ発現系を用いたin vitro試験では、本剤の代謝物は検出されず、本剤は広範な代謝を受けないことが示唆された。
16.5 排泄
16.5.1 日本人再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者6例に、ビタミンB12及び葉酸併用下で本剤30mg/m2を3~5分間かけて静脈内投与したとき、投与量に対する未変化体の投与後72時間累積尿中排泄率は、約22%(PDX‐10a)及び約30%(PDX‐10b)であった。
16.5.2 外国人進行癌患者6例に本剤225mg注2)(1.85MBqの14C標識体を含む)を投与したとき、投与後144時間までの投与量に対する尿中排泄率は放射能(32%)と未変化体(39%)でほぼ同様であったことから、尿中への代謝物の排泄はないと考えられた。また、投与後144時間までの投与量に対する糞中放射能排泄率は34%であり、糞中に脱グルタミン酸代謝物の存在が示唆された。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者
正常な腎機能又は軽度から重度の腎機能障害を有する進行がん患者に本剤を静脈内投与したときの薬物動態パラメータを次に示す。(外国人における成績)
腎機能正常患者及び軽度から重度の腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.7 薬物相互作用
16.7.1 プロベネシド
外国人進行固形癌患者17例に本剤40mg/m2注2)とプロベネシド(70mg/m2~233mg/m2)を併用したとき、プロベネシドの用量漸増に伴い、t1/2は1.8時間から3.4時間に延長し、本剤のラセミ体のAUCは27%増大した。[10.2参照]
16.7.2 その他
in vitro試験において、本剤はMRP3を阻害した(IC50値0.3μmol/L未満)。
注2)承認用法・用量は30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相臨床試験
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者注3)25例(第I相部分:3例、第II相部分:22例)に、ビタミンB12及び葉酸注4)併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとして、投与を繰り返した。第II相部分の有効性解析対象20例における奏効率は45.0%(9/20例、完全奏効2例、部分奏効7例)(90%信頼区間:25.9~65.3%)であった。WHO分類第4版に基づく病理組織型別の奏効率を次に示す。
注3)対象とされた病理組織型は、末梢性T細胞リンパ腫、非特定型(PTCL‐NOS)、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)、ALK陰性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、ALK陽性ALCL、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、形質転換菌状息肉症、腸管症関連T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫及び皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。
→図表を見る(PDF)

注4)本剤初回投与日の10日以上前から投与することとされた。
安全性評価対象25例中、25例(100%)に副作用が認められた。主な副作用(30%以上)は、口内炎84.0%(21例)、血小板減少症64.0%(16例)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)増加60.0%(15例)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)60.0%(15例)、リンパ球減少症52.0%(13例)、好中球減少症44.0%(11例)、白血球減少症44.0%(11例)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)増加40.0%(10例)であった。
17.1.2 海外第II相臨床試験
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者111例に、ビタミンB12及び葉酸併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとして、投与を繰り返した。有効性解析対象109例における奏効率は29.4%(32/109例、完全奏効11例、不確定完全奏効1例、部分奏効20例)(95%信頼区間:21.0%~38.8%)であった。
安全性評価対象111例中、106例(95.5%)に副作用が認められた。主な副作用(25%以上)は、口内炎66.7%(74例)、血小板減少症39.6%(44例)、悪心33.3%(37例)、貧血(ヘモグロビン減少を含む)32.4%(36例)、疲労29.7%(33例)であった。
17.1.3 国内第II相臨床試験
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者13例に、ビタミンB12及び葉酸注5)併用下で、本剤30mg/m2を週1回6週連続投与し1週休薬する7週間を1サイクルとした。本試験における本剤及びホリナートの投与期間は第1サイクルまでとされた。本剤の初回投与時は本剤投与24時間後からホリナート1回25mgを8時間ごとに6回経口投与した。本剤の2回目投与以降は、ホリナート25mg(前回の本剤投与時に口内炎が発現した場合)又はホリナート15mg(前回の本剤投与時に口内炎が発現しなかった場合)を、本剤投与24時間後から8時間ごとに6回経口投与することとされ、ホリナート投与から次の本剤投与までの間隔は72時間以上あけることとされた。主要評価項目である第1サイクル中に発現したグレード2以上の口内炎の発現率は7.7%(1/13例)(90%信頼区間:0.4~31.6%)であった。副次評価項目である奏効率は38.5%(5/13例、完全奏効2例、部分奏効3例)(95%信頼区間:13.9~68.4%)であった。
安全性評価対象13例中、11例(84.6%)に副作用が認められた。主な副作用(30%以上)は、リンパ球減少症61.5%(8例)、白血球減少症38.5%(5例)、血小板減少症30.8%(4例)であった。
注5)本剤初回投与日の7日以上前から投与することとされた。

18.1 作用機序
プララトレキサートは、葉酸からジヒドロ葉酸、及びジヒドロ葉酸からテトラヒドロ葉酸への還元反応を触媒するジヒドロ葉酸還元酵素を競合的に阻害することにより、腫瘍細胞のDNA合成を阻害し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。

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