ムンデシンカプセル100mg
添付文書情報2022年07月改定(第2版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識と経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、本剤による治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと。
- 用法・用量
- 通常、成人にはフォロデシンとして1回300mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤の投与により副作用が発現した場合には、次の基準を目安に、本剤の休薬等を考慮すること。
[本剤の休薬・減量・中止の基準]
Grade3以上の非血液毒性、Grade4の好中球減少及びGrade4の血小板減少:副作用が回復するまで休薬し、再開する場合には本剤の減量を考慮する(なお、減量後に再度増量はしないこと)、減量しても投与再開後に副作用が発現した場合には本剤の投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE v4.0による。
- 腎機能障害患者
- 8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔9.1.2、11.1.2参照〕。
8.2. 本剤投与により、重篤な感染症が発現又は重篤な感染症増悪や日和見感染が発現又は日和見感染増悪することがあり、B型肝炎ウイルス再活性化、帯状疱疹ウイルス再活性化等するおそれがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認し、本剤投与前に適切な処置を行うこと。本剤投与中は感染症の発現又は増悪に十分注意すること〔9.1.1、11.1.1参照〕。
9.1.1. 感染症を合併している患者:感染症が増悪するおそれがある〔8.2、11.1.1参照〕。
9.1.2. 重篤な骨髄機能低下のある患者:リンパ球減少増悪、好中球減少増悪及び血小板減少増悪するおそれがある〔8.1、11.1.2参照〕。
腎機能障害患者:本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、有害事象の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇することが報告されている)〔16.6.1参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 感染症:帯状疱疹(14.6%)、サイトメガロウイルス感染(10.4%)、肺炎(8.3%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(2.1%)、帯状疱疹性髄膜炎(2.1%)等の感染症があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルス再活性化等があらわれることがある〔8.2、9.1.1参照〕。
11.1.2. 骨髄抑制:リンパ球減少(97.9%)、白血球減少(60.4%)、貧血(35.4%)、好中球減少(33.3%)、血小板減少(14.6%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.1、9.1.2参照〕。
11.1.3. エプスタイン・バーウイルス関連悪性リンパ腫(EBV関連悪性リンパ腫)(8.3%)。
- 11.2. その他の副作用
1). 精神・神経系:(10%以上)頭痛、不眠症、(5%未満)ヘルペス後神経痛、抑うつ症状、浮動性めまい、味覚異常、痙攣発作、強直性痙攣、末梢性感覚ニューロパチー、感覚鈍麻、末梢性ニューロパチー、末梢性運動ニューロパチー。
2). 血液・リンパ系:(5%未満)リンパ節炎、好酸球増加、白血球増加、血中免疫グロブリンA減少、血中免疫グロブリンE減少、血中免疫グロブリンG減少、血中免疫グロブリンM減少、免疫グロブリン減少。
3). 呼吸器:(5%未満)咳嗽、低酸素症、鼻炎、気管支炎、(頻度不明)喉頭炎、上気道炎症、口腔咽頭不快感。
4). 心・血管系:(頻度不明)心不全、うっ血性心不全。
5). 消化器:(10%以上)便秘、(5%~10%未満)悪心、口内炎、(5%未満)胃腸炎、口唇炎、下痢、口内乾燥、小腸穿孔、嘔吐、心窩部不快感、(頻度不明)上腹部痛、消化不良、胃潰瘍。
6). 内分泌:(頻度不明)甲状腺機能低下症。
7). 皮膚:(10%以上)発疹、(5%~10%未満)皮膚そう痒症、(5%未満)毛包炎、皮膚炎、水疱性皮膚炎、皮膚乾燥、湿疹、紅斑、嵌入爪、陰茎潰瘍形成、乾癬、脂漏性皮膚炎、中毒性皮疹、多形紅斑、膿疱性乾癬、斑状丘疹状皮疹。
8). 眼:(5%未満)眼異常感、眼精疲労、アレルギー性結膜炎、眼そう痒症、結膜炎。
9). 筋・骨格系:(5%未満)筋力低下、関節痛、背部痛、滑液包炎、筋痙縮、筋攣縮。
10). 泌尿器:(10%以上)尿中蛋白陽性、(5%未満)出血性膀胱炎、蛋白尿、腎機能障害、膀胱炎、尿中血陽性、血中クレアチニン増加、血中尿素増加、(頻度不明)排尿困難。
11). 代謝:(10%以上)低アルブミン血症、(5%未満)糖尿病、高カリウム血症、低カリウム血症、低ナトリウム血症、低リン酸血症、血中トリグリセリド増加、総蛋白減少、(頻度不明)低蛋白血症。
12). 肝臓:(10%以上)ALT増加(GPT増加)、AST増加(GOT増加)、(5%未満)血中ビリルビン増加、肝機能異常、γ-グルタミルトランスフェラーゼ増加、B型肝炎DNA測定陽性、(頻度不明)肝機能検査値異常、血中乳酸脱水素酵素増加。
13). その他:(5%~10%未満)倦怠感、発熱、(5%未満)末梢性浮腫、体重減少、過敏症、疲労、食欲減退、浮腫、限局性浮腫、血圧上昇、血中アルカリホスファターゼ増加、C-反応性蛋白増加、(頻度不明)異常感、血圧低下、腫瘍疼痛。
- 高齢者
- 患者の状態を観察しながら投与すること。一般に生理機能が低下していることが多い。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には治療上の有益性が胎児への危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(ラット及びウサギ胚・胎仔発生に関する試験では、臨床曝露量(AUC)の約12.1倍及び1.1倍で骨化遅延が認められた)。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(乳汁中に移行する可能性がある)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床成績は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤交付時PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている)。
小児の手の届かない、高温にならないところに保管すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報国内外の臨床試験において、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫等の悪性腫瘍(二次発がん)の発現が報告されている。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人の末梢性T細胞リンパ腫患者7例に本剤300mgを1日2回反復経口投与したときの、投与1日目及び15日目における薬物動態パラメータ及び血漿中フォロデシン濃度推移は次のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
再発又は難治性の日本人末梢性T細胞リンパ腫患者に本剤300mgを1日2回反復経口投与した時の血漿中フォロデシン濃度の推移(平均値±標準偏差)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
外国人の健康成人に本剤300mgを絶食下及び食後経口投与注3)したときの絶対的バイオアベイラビリティは、絶食下で19.5%、食後経口で23.2%であった。食後投与では絶食下投与に比べて最高濃度(Cmax)及びAUCはそれぞれ13%及び18%増加する傾向が認められた。
16.3 分布
本剤の血漿タンパク結合率をin vitroで評価したところ、0.1~100μmol/Lの濃度範囲で0.2%~32%であった。
16.4 代謝
本剤はヒト肝ミクロソーム中で安定であったことから、ほとんど代謝されないと考えられた。
16.5 排泄
外国人の健康成人に本剤300mgを絶食下及び食後に単回経口投与注3)したときの、投与72時間後までの本剤の尿中排泄率は、絶食下で12.5%、食後投与で14.1%であった。また、外国人の健康成人に本剤40mg/m2を単回静脈内投与したときの、投与72時間後までの本剤の尿中排泄率は91.0%であった。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 腎機能障害患者における薬物動態
外国人の腎機能障害患者に本剤100mgを単回経口投与注3)したとき、腎機能の低下とともにAUCが増加し、高度腎機能障害患者では正常被験者の1.8倍であった。
外国人腎機能障害患者に本剤100mgを単回経口投与した時の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)
注3)承認用法・用量は300mgを1日2回反復経口投与
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相臨床試験(FDS‐J02試験)
直近の治療で部分奏効以上が認められた、再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫注4)患者48例(第I相部分4例、第II相部分44例)を対象に、本剤300mgを1日2回経口投与した。第II相部分の有効性解析対象41例における奏効は9例に認められ、主要評価項目とされた奏効率は、22.5%(90%信頼区間:12.0%~35.3%)と推定された(一様最小分散不変推定量)。
また、第I相部分及び第II相部分を合わせた有効性の解析対象45例を対象とした病理組織型別の奏効率は、次表のとおりであった。
注4)対象とされた病理組織型は、末梢性T細胞性リンパ腫、非特定型(PTCL‐NOS)、血管免疫芽球性T細胞性リンパ腫(AITL)、ALK陽性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)、ALK陰性ALCL、節外性NK/T細胞リンパ腫、鼻型、形質転換菌状息肉症、腸管症関連T細胞リンパ腫、肝脾T細胞リンパ腫及び皮下脂肪組織炎様T細胞リンパ腫。
→図表を見る(PDF)
安全性評価対象48例中、48例(100%)に副作用が認められた。主な副作用(10%以上)は、リンパ球減少47例(97.9%)、白血球減少29例(60.4%)、貧血17例(35.4%)、好中球減少16例(33.3%)、鼻咽頭炎8例(16.7%)、頭痛8例(16.7%)、帯状疱疹7例(14.6%)、低アルブミン血症7例(14.6%)、発疹7例(14.6%)、血小板減少7例(14.6%)、アラニンアミノトランスフェラーゼ増加7例(14.6%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ増加7例(14.6%)、尿中蛋白陽性7例(14.6%)、便秘6例(12.5%)、サイトメガロウイルス感染5例(10.4%)、不眠症5例(10.4%)であった。
18.1 作用機序
フォロデシンは、PNPを阻害し、細胞内に蓄積された2’‐デオキシグアノシン(dGuo)がリン酸化され、2’‐デオキシグアノシン三リン酸(dGTP)が蓄積されることにより、アポトーシスを誘導し、腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。フォロデシンは、ヒト赤血球由来PNPを阻害し、そのIC50(50%阻害濃度)値は1.19nmol/Lであった。
- 一包可:不可
抗悪性腫瘍剤
- 分割:不可
- 粉砕:不明
抗悪性腫瘍剤
- 製造販売会社
- ムンディファーマ
- 販売会社
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