ハイヤスタ錠10mg

添付文書情報2022年11月改定(第7版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤の投与は、緊急時に十分対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される患者のみに行うこと。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分に説明し、同意を得てから投与を開始すること。
- 禁忌
- 2.1. 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
2.2. 妊婦又は妊娠している可能性のある女性〔9.5妊婦の項参照〕。
- 効能・効果
- 1). 再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫。
2). 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉臨床試験に組み入れられた患者の病型及び予後不良因子の有無等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
5.2. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉本剤投与の適応となる疾患の診断は、病理診断に十分な経験を持つ医師又は施設により行うこと。
5.3. 〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉臨床試験に組み入れられた患者の病理組織型等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.2参照〕。
- 用法・用量
- 通常、成人にはツシジノスタットとして1日1回40mgを週2回、3又は4日間隔で食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤の投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を休薬、減量又は中止すること〔8.1、9.1.1参照〕。
[本剤の減量ステップ]
1). 開始用量:40mg。
2). ステップ1(1段階減量):30mg。
3). ステップ2(2段階減量):20mg。
4). ステップ3:投与中止。
[副作用発現時の休薬、減量、中止の目安]
1). 好中球減少:
①. 次記以外の1000/mm3未満の好中球数減少;好中球数が1500/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後は、休薬前の用量で再開することができる(再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後は1段階減量して投与を再開することができる)。
②. 7日間を超えて持続する500/mm3未満の好中球数減少、発熱又は感染症を伴う1000/mm3未満の好中球数減少;好中球数が1500/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
2). 血小板減少:
①. 次記以外の50000/mm3未満の血小板数減少;血小板数が75000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後は、休薬前の用量で再開することができる(再開した後に再び発現した場合、回復するまで休薬し、回復後は1段階減量して投与を再開することができる)。
②. 臨床的に重大な出血を伴う50000/mm3未満の血小板数減少又は血小板輸血を要する50000/mm3未満の血小板数減少;血小板数が75000/mm3以上に回復するまで休薬し、回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
3). 非血液学的事象(臨床的意義のない無症候性の検査値異常を除く):
①. Grade3の非血液学的事象<臨床的意義のない無症候性検査値異常を除く>;Grade1以下に回復するまで休薬し、回復後は、1段階減量して投与を再開することができる。
②. Grade4の非血液学的事象<臨床的意義のない無症候性検査値異常を除く>;投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAEに基づく。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与前及び投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔7.2、9.1.1、11.1.1参照〕。
8.2. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(発熱、咳嗽、呼吸困難等)の確認及び胸部X線検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.2参照〕。
8.3. QT間隔延長、不整脈等があらわれることがあるので、本剤の投与開始前及び投与中に、必要に応じて心機能検査(心電図、心エコー検査等)及び電解質検査(カリウム、カルシウム等)を行い、患者の状態を十分に確認すること(また、必要に応じて、電解質(カリウム、カルシウム等)を補正すること)〔9.1.2、9.1.3、11.1.4参照〕。
9.1.1. 骨髄機能低下のある患者:好中球減少増悪、血小板減少増悪、貧血増悪、リンパ球減少増悪等させるおそれがある〔7.2、8.1、11.1.1参照〕。
9.1.2. 不整脈のある患者又はその既往歴のある患者:不整脈を悪化又は再発させるおそれがある〔8.3、11.1.4参照〕。
9.1.3. QT間隔延長又はその既往歴のある患者:QT間隔延長を起こすおそれがある〔8.3、11.1.4参照〕。
本剤は主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性がある(なお、肝機能障害患者を対象とした臨床試験は実施していない)。
9.4.1. 妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
9.4.2. 生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある場合には、生殖機能低下があらわれる可能性があることを考慮すること(動物試験(ラット及びイヌ)では、ヒトの臨床用量を下回る用量で、雄雌の生殖器所見が認められている(精巣縮小、精巣重量低下、精巣精細管萎縮及び卵巣萎縮・子宮萎縮))。
- 相互作用
- 本剤は主にCYP3A4により代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). 強いCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン等)、グレープフルーツ含有食品〔16.7.1参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、併用する場合には、本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等の強いCYP3A阻害作用により、本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). 抗不整脈薬(アミオダロン、ジソピラミド、プロカインアミド等)、QT間隔を延長させることが知られている他の薬剤(クラリスロマイシン、モキシフロキサシン、ベプリジル等)[QT間隔延長を増強するおそれがあるため、併用を避けることが望ましいが、併用する場合には、患者の状態をより慎重に観察すること(これらの薬剤ではQT間隔を延長するとの報告があり、相加的なQT間隔延長を起こすことがある)]。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制:血小板減少(76.9%)、好中球減少(55.1%)、白血球減少(39.7%)、貧血(26.9%)、リンパ球減少(23.1%)、発熱性好中球減少症(5.1%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.1、9.1.1参照〕。
11.1.2. 間質性肺疾患:肺臓炎(5.1%)、間質性肺疾患(2.6%)等があらわれることがあるので、異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)〔8.2参照〕。
11.1.3. 感染症:ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(2.6%)、尿路感染(1.3%)、肺炎(1.3%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.4. 不整脈、QT間隔延長:QT間隔延長(6.4%)、動悸(3.8%)、第一度房室ブロック(1.3%)、心房細動(1.3%)、不整脈(1.3%)等があらわれることがある〔8.3、9.1.2、9.1.3参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 血液及びリンパ球系障害:(5%~10%未満)好酸球増加、(5%未満)再生不良性貧血。
2). 胃腸障害:(10%以上)下痢、悪心、(5%未満)腹痛、腹部不快感、便秘、齲歯、消化不良、心窩部不快感、胃炎、口内炎、嘔吐。
3). 一般・全身障害:(10%以上)倦怠感、(5%~10%未満)疲労、発熱、(5%未満)末梢性浮腫、悪寒、無力症、胸部不快感、歩行障害。
4). 臨床検査:(10%以上)γ-GTP増加、(5%~10%未満)ALP増加、体重減少、AST増加、ALT増加、(5%未満)血中クレアチニン増加、C-反応性蛋白増加、リパーゼ増加、血中クレアチンホスホキナーゼMB増加、血中クレアチンホスホキナーゼ増加、血中免疫グロブリンA減少、脳性ナトリウム利尿ペプチド増加、心胸郭比増加、心電図T波逆転。
5). 代謝:(10%以上)食欲減退、(5%~10%未満)低アルブミン血症、低ナトリウム血症、(5%未満)低カリウム血症、低カルシウム血症、糖尿病、低リン酸血症。
6). 筋骨格系:(5%未満)筋痙縮、関節痛、関節炎、背部痛、関節腫脹、筋肉疲労、筋骨格硬直、四肢痛。
7). 神経系:(5%~10%未満)味覚異常、(5%未満)頭痛、味覚消失、浮動性めまい、傾眠。
8). 腎泌尿器:(5%未満)蛋白尿、尿瘻。
9). 呼吸器:(5%未満)呼吸困難、鼻出血、咳嗽、胸水。
10). 皮膚:(5%~10%未満)発疹、(5%未満)蕁麻疹、多形紅斑、全身性そう痒症、紫斑、ざ瘡様皮膚炎、全身性剥脱性皮膚炎、紅斑、点状出血、光線過敏性反応、皮膚そう痒症、斑状丘疹状皮疹、皮膚潰瘍。
11). その他:(5%未満)高血圧、回転性めまい、結膜出血、末梢性T細胞リンパ腫・非特定型、心嚢液貯留。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないこと(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、HDAC活性阻害により催奇形性を含む発生毒性が報告されており、本剤が胚・胎児発生に影響を及ぼす可能性がある)〔2.2、9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(本剤のヒト乳汁中への移行は不明である)。
- 小児等
- 小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
- 適用上の注意
- 14.1. 薬剤交付時の注意PTP包装の薬剤は使用前にPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こして縦隔炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
非ホジキンリンパ腫患者14例に本剤30又は40mgを週2回注)、3又は4日間隔で食後に反復経口投与したときの薬物動態パラメータ及び血漿中濃度推移を示す。本剤40mgを投与したときの投与25日目における本剤の蓄積比は1.24であった。
表 本剤のPKパラメータ
→図表を見る(PDF)
図 本剤の血漿中濃度推移(平均値±標準偏差)
16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人16例に本剤20mgを単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ0.757[0.615、0.932]及び1.094[0.968、1.237]であり、空腹時投与と比較して食後投与でtmaxは2.5時間遅延した(外国人データ)。
16.3 分布
本剤のヒト血漿タンパク結合率は88.9~89.4%であり、ヒト血球移行率は59.2~76.0%であった(in vitro)。
16.4 代謝
本剤は主にCYP3A4により代謝される(in vitro)。[10.参照]
16.5 排泄
非ホジキンリンパ腫患者における本剤40mgの単回投与時注)には、本剤の総投与量の25%が投与後72時間までに尿中に未変化体として排泄された。
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人16例において、イトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mgを1日1回反復経口投与し、本剤20mgを単回経口投与注)したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時における本剤のCmax及びAUCinfの幾何平均値の比[90%信頼区間]は、それぞれ1.41[1.02、1.94]及び1.46[1.23、1.72]であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.2 その他
本剤はP‐gp、BCRP及びMRP2の基質であり、CYP2C19及び3Aを阻害した(in vitro)。
注)本剤の承認用法・用量は「1回40mgを週2回経口投与」である。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫〉
17.1.1 国内第IIb相試験(HBI‐8000‐210試験)
再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫患者注1)を対象に、本剤1日1回40mgを週2回、3又は4日間隔で食後に経口投与したときの有効性及び安全性を検討した。その結果、奏効率は、次表のとおりであった。組み入れられた患者の病型別での奏効率は、急性型46.2%(6/13例)、リンパ腫型12.5%(1/8例)、予後不良因子を有する慢性型0%(0/2例)であった。
→図表を見る(PDF)
安全性評価症例23例中23例(100%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少18例(78.3%)、好中球減少12例(52.2%)、白血球減少10例(43.5%)、貧血9例(39.1%)、食欲減退8例(34.8%)及び倦怠感7例(30.4%)であった。[5.1参照]
注1)HBI‐8000‐210試験対象患者の詳細
・モガムリズマブ(遺伝子組換え)治療歴がある又はモガムリズマブ(遺伝子組換え)に不耐容の患者
・急性型、リンパ腫型又は予後不良因子(血中尿素窒素高値、乳酸脱水素酵素高値又は血清アルブミン低値のいずれか)を有する慢性型
〈再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫〉
17.1.2 国際共同第IIb相試験(HBI‐8000‐203試験)
再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫患者注2)を対象に、本剤1日1回40mgを週2回、3又は4日間隔で食後に経口投与したときの有効性及び安全性を検討した。その結果、有効性評価症例46例(日本人患者34例を含む)での奏効率は、45.7%(21/46例)(95%信頼区間:30.9~61.0%)であった。組み入れられた患者の病理組織型別の奏効率は、次表のとおりであった。
→図表を見る(PDF)
安全性評価症例55例中51例(92.7%)に副作用(臨床検査値異常を含む)が認められた。主な副作用は、血小板減少42例(76.4%)、好中球減少31例(56.4%)、白血球減少21例(38.2%)、貧血12例(21.8%)、食欲減退12例(21.8%)及び悪心11例(20.0%)であった。[5.3参照]
注2)HBI‐8000‐203試験対象患者の病理組織型
・PTCL‐NOS、AITL、ALCL ALK-、EATL、肝脾T細胞リンパ腫、皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫、ALK陽性未分化大細胞リンパ腫
18.1 作用機序
ツシジノスタットは、ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性を阻害する。HDAC活性阻害によりヒストン等の脱アセチル化が阻害され、細胞周期停止及びアポトーシス誘導が生じることにより、腫瘍増殖が抑制されると推測されている。しかし、詳細な作用機序は解明されていない。
18.2 抗腫瘍作用
ツシジノスタットは、in vitroにおいて、成人T細胞白血病リンパ腫由来初代細胞に対して、増殖抑制作用を示した。
- 一包可:不可
抗悪性腫瘍剤
- 分割:不可
- 粉砕:不明
抗悪性腫瘍剤
- 製造販売会社
- MeijiSeikaファルマ
- 販売会社
おくすりのQ&A
自費で接種された、風疹ワクチンが申請により
補助が受けれることになり、母子手帳記載以外に、予診票の控えがいるとのこと
保管中の予診票の控えを渡したら...
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