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ブルキンザカプセル80mg

販売名
ブルキンザカプセル80mg
識別コード
ZANU80
薬価
80mg1カプセル 6636.10円
製造メーカー
BeiGene Japan

添付文書情報2025年02月改定(第2版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
ザヌブルチニブカプセル
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
本剤は、緊急時に十分に対応できる医療施設において、造血器悪性腫瘍の治療に対して十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
禁忌
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
1). 慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)。
2). 原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉未治療の慢性リンパ性白血病(未治療の小リンパ球性リンパ腫を含む)の場合、臨床試験に組み入れられた患者の年齢、併存疾患の有無等について、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.2. 〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉再発又は難治性の慢性リンパ性白血病(再発又は難治性の小リンパ球性リンパ腫を含む)の場合、「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.3参照〕。
5.3. 〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉「臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、本剤以外の治療の実施についても慎重に検討し、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.4参照〕。
用法・用量
通常、成人にはザヌブルチニブとして1回160mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 血液毒性(*Grade3以上の発熱性好中球減少症、重大な出血を伴うGrade3以上の血小板減少症、10日を超えて持続するGrade4の好中球減少症、又は10日を超えて持続するGrade4の血小板減少症)、又はGrade3以上の非血液毒性が発現した場合は、ベースライン又はGrade1以下に回復するまで本剤を休薬し、回復後は次の目安を参考に用量調節すること[用量調節の目安;1)発現回数1回目の場合は回復後の再開時投与量1回160mgを1日2回、2)発現回数2回目の場合は回復後の再開時投与量1回80mgを1日2回、3)発現回数3回目の場合は回復後の再開時投与量1回80mgを1日1回、4)発現回数4回目の場合は投与中止]。
*)GradeはCTCAEに準じる。
7.3. 中程度以上のCYP3A阻害剤を併用する場合には、併用薬に応じて次のように用量調節すること〔10.2、16.7.1-16.7.5、16.7.9参照〕。
[CYP3A阻害剤との併用時の用量調節基準]
1). 強いCYP3A阻害剤との併用:1回80mgを1日1回。
2). 中程度のCYP3A阻害剤との併用:1回80mgを1日2回。
生殖能を有する者
8.1. 出血があらわれることがあり、外科的処置に伴って大量出血が生じる可能性があることから、本剤投与中に手術や侵襲的手技を実施する患者に対しては、手術の前後3~7日間程度は本剤の投与中断を考慮すること〔11.1.1参照〕。
8.2. 感染症(日和見感染症を含む)の発現もしくは感染症悪化(日和見感染症悪化を含む)、又はB型肝炎ウイルス再活性化、帯状疱疹再活性化等があらわれることがあるので、本剤投与に先立って肝炎ウイルス等の感染の有無を確認すること。本剤投与前に適切な処置を行い、本剤投与中は、感染症の発現又は悪化に十分注意すること〔9.1.1、11.1.2参照〕。
8.3. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤投与に際しては定期的に血液検査を行うこと〔11.1.3参照〕。
8.4. 重篤な不整脈が発現又は重篤な不整脈悪化することがあるので、本剤投与に際しては定期的に心機能検査(十二誘導心電図検査等)を行うこと〔9.1.2、11.1.4参照〕。
8.5. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、臨床症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認、胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.6参照〕。
9.1.1. B型肝炎ウイルスキャリアの患者又はB型肝炎既往感染者(HBs抗原陰性かつHBc抗体陽性又はHBs抗原陰性かつHBs抗体陽性):本剤の投与開始後は継続して肝機能検査や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行うなど、B型肝炎ウイルス再活性化の徴候や症状の発現に注意すること。本剤の投与によりB型肝炎ウイルスの再活性化があらわれることがある〔8.2、11.1.2参照〕。
9.1.2. 心疾患(不整脈等)を有する患者又はその既往歴のある患者、高血圧、感染症を合併している患者:心房細動等の不整脈があらわれやすい〔8.4、11.1.4参照〕。
9.3.1. 重度肝機能障害<Child-Pugh分類C>のある患者:本剤の減量を考慮するとともに、患者の状態をより慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤の血中濃度が上昇し、副作用が強くあらわれるおそれがある)〔16.6.1参照〕。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後1週間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明し、経口避妊薬による避妊法の場合には、経口避妊薬以外の方法を併せて使用するように指導すること〔9.5妊婦の項、10.2参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後1週間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔9.5妊婦の項参照〕。
相互作用
本剤は主にCYP3A4により代謝される。また、本剤はP-gpを阻害し、CYP2C19及びCYP3Aを誘導する。
10.2. 併用注意:1). 強いCYP3A阻害剤(イトラコナゾール、ボリコナゾール、クラリスロマイシン等)〔7.3、16.7.1-16.7.3、16.7.9参照〕、中程度のCYP3A阻害剤(フルコナゾール、ジルチアゼム、エリスロマイシン等)〔7.3、16.7.4、16.7.5、16.7.9参照〕[本剤の副作用が増強されるおそれがあるので、本剤を減量するとともに、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(これらの薬剤等のCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). グレープフルーツジュース[本剤の副作用が増強されるおそれがあるため、摂取しないよう注意すること(これらの薬剤等のCYP3A阻害作用により本剤の代謝が阻害され、本剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
3). 強いCYP3A誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)〔16.7.6、16.7.9参照〕、中程度のCYP3A誘導剤(リファブチン、エファビレンツ、ボセンタン等)〔16.7.7、16.7.9参照〕[本剤の有効性が減弱されるおそれがあるため、これらの薬剤との併用は可能な限り避け、CYP3A誘導作用のない又は弱い薬剤への代替を考慮すること(これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
4). セイヨウオトギリソウ<セント・ジョーンズ・ワート>含有食品(St.John’s Wort)[本剤の有効性が減弱されるおそれがあるため、摂取しないよう注意すること(これらの薬剤等がCYP3Aを誘導することにより、本剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
5). CYP2C19の基質となる薬剤(オメプラゾール、ランソプラゾール、ジアゼパム等)〔16.7.8参照〕[これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある(本剤がCYP2C19を誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
6). CYP3Aの基質となる薬剤(ミダゾラム、経口避妊薬(デソゲストレル・エチニルエストラジオール、ノルエチステロン・エチニルエストラジオール、レボノルゲストレル・エチニルエストラジオール等)、トリアゾラム等)〔9.4.1、16.7.8参照〕[これらの薬剤の有効性が減弱するおそれがある(本剤がCYP3Aを誘導することにより、これらの薬剤の血中濃度が低下する可能性がある)]。
7). P-gpの基質となる薬剤(ジゴキシン、リバーロキサバン、フェキソフェナジン等)〔16.7.8参照〕[これらの薬剤の副作用が増強されるおそれがあるため、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(本剤がP-gpを阻害することにより、これらの薬剤の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 出血:胃腸出血(頻度不明)、硬膜下血腫(0.1%)、脳出血(頻度不明)等があらわれることがある〔8.1参照〕。
11.1.2. 感染症:肺炎(3.9%)、クリプトコッカス性肺炎(0.1%)、ニューモシスチス・イロベチイ肺炎(0.3%)等があらわれることがある。また、B型肝炎ウイルス再活性化(0.6%)があらわれることがある〔8.2、9.1.1参照〕。
11.1.3. 骨髄抑制:好中球減少症(15.4%)、血小板減少症(5.0%)、貧血(6.3%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.1.4. 不整脈:心房細動(3.0%)、心房粗動(0.3%)等の不整脈があらわれることがある〔8.4、9.1.2参照〕。
11.1.5. 心臓障害:心筋梗塞(0.3%)、心筋炎(0.1%)、心不全(0.1%)等の心臓障害があらわれることがある。
11.1.6. 間質性肺疾患(0.1%):異常が認められた場合には、胸部X線、胸部CT等の検査を実施すること(間質性肺疾患が疑われた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと)〔8.5参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 感染症および寄生虫症:(5%以上10%未満)上気道感染、(5%未満)気管支炎、尿路感染。
2). 神経系障害:(5%未満)浮動性めまい。
3). 血管障害:(5%以上10%未満)高血圧、(5%未満)斑状出血。
4). 胃腸障害:(5%以上10%未満)下痢、(5%未満)便秘。
5). 皮膚および皮下組織障害:(10%以上)挫傷、(5%以上10%未満)発疹、点状出血、(5%未満)皮膚そう痒症、紫斑。
6). 筋骨格系および結合組織障害:(5%未満)関節痛、(頻度不明)筋骨格痛、背部痛。
7). 一般・全身障害および投与部位の状態:(5%以上10%未満)疲労、(5%未満)末梢性浮腫、無力症。
8). 腎および尿路障害:(5%未満)血尿。
9). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(5%未満)咳嗽、鼻出血。
10). 眼障害:(5%未満)結膜出血。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には投与しないことが望ましい(動物実験(ラット及びウサギ)で、着床後胚損失増加及び心臓奇形(二腔心又は三腔心)の発生が報告されている)〔9.4.1、9.4.2参照〕。
授乳しないことが望ましい(ヒト乳汁中への移行は不明であるが、動物実験(ラット)において出生仔離乳前体重減少及び出生仔眼病変(出生仔眼球突出及び出生仔白内障等)が認められている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
適用上の注意
14.1. 薬剤交付時の注意14.1.1. PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することがある)。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 臨床試験において、皮膚癌等の二次性悪性腫瘍が認められたとの報告がある。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人B細胞性腫瘍患者に第1日目に本剤160mgを単回経口投与注)した後、第2日目以降は160mgを1日2回で反復経口投与したときのザヌブルチニブの血漿中濃度推移及び薬物動態パラメータは次のとおりであった。
本剤160mgを単回経口投与注)(第1日目)したときの血漿中ザヌブルチニブ濃度推移(平均値+標準偏差)

本剤160mgを1日2回反復経口投与(第29日目)したときの血漿中ザヌブルチニブ濃度推移(平均値+標準偏差)

本剤160mgを単回経口投与注)(第1日目)及び1日2回反復経口投与(第29日目)したときの薬物動態パラメータ(幾何平均値(幾何変動係数%))
→図表を見る(PDF)

16.2 吸収
16.2.1 食事の影響
健康成人(18例)に本剤320mgを単回経口投与注)したとき、空腹時投与に対する高脂肪食後投与におけるザヌブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.03及び0.93であった。また、空腹時投与に対する低脂肪食後投与におけるザヌブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比は、それぞれ1.51及び1.12であった(外国人データ)。
16.3 分布
ザヌブルチニブのヒト血漿タンパク結合率は約94%であり、血液/血漿比は0.7~0.8であった(in vitro)。
16.4 代謝
ザヌブルチニブは主にCYP3A4により代謝される(in vitro)。健康成人(6例)に[14C]‐ザヌブルチニブ320mgを単回経口投与注)したとき、投与48~120時間後までの血漿中には主に未変化体が検出された(血漿中総放射能に対する割合は20.8%)(外国人データ)。
16.5 排泄
健康成人6例に[14C]‐ザヌブルチニブ320mgを単回経口投与注)したとき、投与量の87.1%(未変化体として37.6%)が糞中に、7.57%(未変化体として0.1%)が尿中に回収された(外国人データ)。
16.6 特定の背景を有する患者
16.6.1 肝機能障害患者
本剤80mgを単回経口投与注)したとき、肝機能正常者(11例)に対する軽度肝機能障害者(Child‐Pugh分類A、6例)、中等度肝機能障害者(Child‐Pugh分類B、6例)及び重度肝機能障害者(Child‐Pugh分類C、6例)の非結合型ザヌブルチニブのAUCinfの最小二乗幾何平均値の比は、それぞれ1.23、1.43及び2.94であった。(外国人データ)[9.3.1参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 イトラコナゾール
健康成人(18例)にイトラコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mg1日1回反復投与(3~7日目に投与)と本剤20mg注)(1日目及び6日目に投与)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対するイトラコナゾール併用投与時のザヌブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ2.57及び3.78であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.2 ボリコナゾール
B細胞性腫瘍患者(13例)に本剤320mgを1日1回注)3日間投与後に本剤80mg1日1回投与注)とボリコナゾール(強いCYP3A阻害剤)200mg1日2回投与を併用投与(4~10日目)したとき、本剤単独投与時に対するボリコナゾール併用投与時のザヌブルチニブの用量補正したCmax及び用量補正したAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ3.29及び3.30であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.3 クラリスロマイシン
B細胞性腫瘍患者(13例)に本剤320mgを1日1回注)9日間投与後に本剤80mg1日1回投与注)とクラリスロマイシン(強いCYP3A阻害剤)250mg1日2回投与を併用投与(10~16日目)したとき、本剤単独投与時に対するクラリスロマイシン併用投与時のザヌブルチニブの用量補正したCmax及び用量補正したAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ2.01及び1.92であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.4 フルコナゾール
B細胞性腫瘍患者(13例)に本剤320mgを1日1回注)3日間投与後に本剤80mg1日2回投与注)とフルコナゾール(中程度のCYP3A阻害剤)400mg1日1回投与を併用投与(4~10日目)したとき、本剤単独投与時に対するフルコナゾール併用投与時のザヌブルチニブの用量補正したCmax及び用量補正したAUC0-24hの幾何平均値の比はそれぞれ1.81及び1.88であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.5 ジルチアゼム
B細胞性腫瘍患者(13例)に本剤320mgを1日1回注)9日間投与後に本剤80mg1日2回注)投与とジルチアゼム(中程度のCYP3A阻害剤)180mg1日1回投与を併用投与(10~16日目)したとき、本剤単独投与時に対するジルチアゼム併用投与時のザヌブルチニブの用量補正したCmax及び用量補正したAUC0-24hの幾何平均値の比はいずれも1.62であった(外国人データ)。[7.3、10.2参照]
16.7.6 リファンピシン
健康成人(20例)にリファンピシン(強いCYP3A誘導剤)600mg1日1回投与(3~11日目)と本剤320mg注)(1日目及び10日目に投与)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対するリファンピシン併用投与時のザヌブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ0.0791及び0.0740であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.7 リファブチン
健康成人(13例)にリファブチン(中程度のCYP3A誘導剤)300mg1日1回投与(3~11日目)と本剤320mg注)(1日目及び11日目)を併用投与したとき、本剤単独投与時に対するリファブチン併用投与時のザヌブルチニブのCmax及びAUCinfの幾何平均値の比はそれぞれ0.518及び0.560であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.8 ミダゾラム、オメプラゾール、ジゴキシン、ワルファリン、ロスバスタチン
健康成人(17例)に本剤160mg1日2回投与(7~19日目)とミダゾラム(CYP3A基質)2mg(1日目及び14日目)、オメプラゾール(CYP2C19基質)20mg(5日目及び18日目)、ジゴキシン(P‐gp基質)0.25mg(3日目及び16日目)、ワルファリン(CYP2C9基質)10mg(1日目及び14日目)、及びロスバスタチン(BCRP基質)10mg(3日目及び16日目)をカクテル基質として併用投与したとき、カクテル基質単独投与時に対する本剤併用投与時の①ミダゾラム、②オメプラゾール、③ジゴキシン、④ワルファリン及び⑤ロスバスタチンのCmax及びAUCinf(オメプラゾール及びジゴキシンはAUCt)の幾何平均値の比はそれぞれ①0.702及び0.526、②0.795及び0.635、③1.34及び1.11、④0.953及び1.00並びに⑤1.08及び0.893であった(外国人データ)。[10.2参照]
16.7.9 リトナビル、エリスロマイシン、カルバマゼピン、エファビレンツ
生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(160mgを1日2回反復経口投与)単独投与時に対する①リトナビル(強いCYP3A阻害剤)、②エリスロマイシン(中程度のCYP3A阻害剤)、③カルバマゼピン(強いCYP3A誘導剤)及び④エファビレンツ(中程度のCYP3A誘導剤)併用投与時のザヌブルチニブのCmax及びAUCtauの幾何平均値の比は、それぞれ①6.68及び8.32、②3.84及び4.17、③0.39及び0.42、並びに④0.42及び0.40と推定された。[7.3、10.2参照]
16.7.10 その他
(1)生理学的薬物動態モデルに基づいたシミュレーションにおいて、本剤(160mgを1日2回反復経口投与)単独投与時に対する①フルボキサミン、②シクロスポリン及び③シメチジン(いずれも弱いCYP3A阻害剤)併用投与時のザヌブルチニブのCmax及びAUCtauの幾何平均値の比は、それぞれ①1.12及び1.09、②1.19及び1.11並びに③1.00及び1.00と推定された。
(2)ザヌブルチニブはP‐gpの基質であり、CYP2C8を阻害並びにCYP2B6及び2C8を誘導した。(in vitro)
注)本剤の承認された用法・用量は「160mgを1日2回経口投与する」である。

17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈効能共通〉
17.1.1 国内第1/2相試験(BGB‐3111‐111試験、パート2)
慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫(17例)患者、並びに原発性マクログロブリン血症(19例)患者を対象に、本剤160mgを1日2回経口投与した。慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者において、主要評価項目とされた中央判定による奏効率(PR‐L(リンパ球増加症を伴う部分奏効)以上)は、次のとおりであった。
奏効率(慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者)
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原発性マクログロブリン血症患者において、主要評価項目とされた中央判定による奏効率(MR(小奏効)以上)は、次のとおりであった。
奏効率(原発性マクログロブリン血症患者)
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本剤が投与された36例中20例(55.6%)副作用が認められた主な副作用は、好中球数減少4例(11.1%)、血小板数減少4例(11.1%)、紫斑3例(8.3%)、点状出血2例(5.6%)、紅斑2例(5.6%)、斑状出血2例(5.6%)、結膜出血2例(5.6%)、貧血2例(5.6%)であった。[5.1、5.2、5.3参照]
〈慢性リンパ性白血病(小リンパ球性リンパ腫を含む)〉
17.1.2 海外第3相試験(BGB‐3111‐304試験、コホート1)
未治療の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者注1)479例(慢性リンパ性白血病439例、小リンパ球性リンパ腫40例)を対象に、本剤1回160mgを1日2回投与したときの有効性及び安全性をベンダムスチン塩酸塩+リツキシマブ(遺伝子組換え)注2)併用投与(対照群)と比較する非盲検無作為化試験を実施した。
主要評価項目とされた中央判定による無増悪生存期間(PFS)の中央値は、本剤群で未到達、対照群33.7カ月であり、本剤群で対照群と比較して統計学的に有意な延長が認められた(ハザード比:0.42(95%信頼区間:0.28、0.63)、片側p値<0.0001)。
無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

本剤が投与された240例中178例(74.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、挫傷40例(16.7%)、好中球減少症24例(10%)、疲労20例(8.3%)、点状出血18例(7.5%)、高血圧15例(6.3%)、発疹14例(5.8%)であった。[5.1参照]
17.1.3 海外第3相試験(BGB‐3111‐305試験)
再発又は難治性の慢性リンパ性白血病及び小リンパ球性リンパ腫患者652例(慢性リンパ性白血病623例、小リンパ球性リンパ腫29例)を対象に、本剤1回160mgを1日2回投与したときの有効性及び安全性をイブルチニブ420mgの1日1回投与(対照群)と比較する非盲検無作為化試験を実施した。
主要評価項目とされた治験担当医師判定による奏効率(PR(部分奏効)以上)は本剤群78.3%(95%信頼区間:72.0%、83.7%)、対照群62.5%(95%信頼区間:55.5%、69.1%)であった。対照群に対する奏効比は1.25(95%信頼区間:1.10、1.41)であり、95%信頼区間の下限値が、事前に設定された非劣性マージン(0.8558)を上回ったことから、対照群に対する本剤群の非劣性が検証された(片側p値<0.0001)。
副次評価項目とされた治験担当医師判定による無増悪生存期間(PFS)について、中央値は、本剤群で未到達、対照群34.2カ月であった(ハザード比:0.65(95%信頼区間:0.49、0.86))。
無増悪生存期間のKaplan‐Meier曲線

本剤が投与された324例中243例(75%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症60例(18.5%)、高血圧38例(11.7%)、貧血29例(9.0%)、挫傷29例(9.0%)、下痢26例(8.0%)、上気道感染24例(7.4%)、好中球数減少23例(7.1%)、点状出血22例(6.8%)、血小板減少症17例(5.2%)であった。[5.2参照]
〈原発性マクログロブリン血症及びリンパ形質細胞リンパ腫〉
17.1.4 海外第3相試験(BGB‐3111‐302試験、コホート1)
原発性マクログロブリン血症患者注3)201例を対象に、本剤1回160mg1日2回投与とイブルチニブ1回420mg1日1回投与(対照群)の有効性と安全性を比較する非盲検無作為化試験を実施した。
主要評価項目とされた中央判定による奏効率(VGPR(最良部分奏効)以上)は、次のとおりであり、主解析の対象である再発又は難治性の原発性マクログロブリン血症患者集団において、対照群に対する本剤群の優越性は検証されなかった。
奏効率
→図表を見る(PDF)

本剤が投与された101例中83例(82.2%)に副作用が認められた。主な副作用は、好中球減少症23例(22.8%)、挫傷14例(13.9%)、疲労12例(11.9%)、下痢11例(10.9%)、血小板減少症11例(10.9%)、高血圧10例(9.9%)、発疹10例(9.9%)、鼻出血10例(9.9%)であった。[5.3参照]
注1)17番染色体短腕欠失を有さない年齢が65歳以上の患者が対象とされ、また、65歳未満の場合は、以下①~③の少なくとも1つを満たし、FCR(フルダラビンリン酸エステル、シクロホスファミド水和物及びリツキシマブ(遺伝子組換え)の併用)等の化学免疫療法の適応とならない患者が対象とされた。
①cumulative illness rating scale(CIRS)スコアが6超
②クレアチニンクリアランスが70mL/min未満
③重篤な感染症又は過去2年以内に複数の感染症の既往
注2)28日間を1サイクルとし、ベンダムスチン塩酸塩を第1及び2日目に90mg/m2、リツキシマブ(遺伝子組換え)を第1サイクルの第1日目は375mg/m2、第2~6サイクルの第1日目に500mg/m2を静脈内投与することとされ、最大6サイクル投与することとされた。
注3)骨髄分化因子88(MYD88)遺伝子変異を有する患者が対象とされた。

18.1 作用機序
ザヌブルチニブは、B細胞性腫瘍の増殖等に関与するB細胞受容体の下流シグナル分子であるブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)に対する阻害作用を有する低分子化合物である。ザヌブルチニブは、BTKの活性部位にあるシステイン残基と共有結合を形成し、BTKのキナーゼ活性を阻害することにより、B細胞性腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。
18.2 抗腫瘍効果
ザヌブルチニブは、ヒトマントル細胞リンパ腫由来REC‐1細胞株、ヒトびまん性大細胞型B細胞リンパ腫由来TMD‐8細胞株等に対して、増殖抑制作用を示した(in vitro)。ザヌブルチニブは、REC‐1細胞株又はTMD‐8細胞株を皮下移植した非肥満型糖尿病/重症複合型免疫不全マウスにおいて、腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。

一包可:不可

抗悪性腫瘍剤

分割:不可
粉砕:不明

抗悪性腫瘍剤

製造販売会社
BeiGene Japan
販売会社
 

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