ユニツキシン点滴静注17.5mg/5mL
添付文書情報2021年09月改定(第1版)
商品情報
- 習
- 処
- 生
- 特生
- 特承
- 毒
- 劇
- 麻
- 覚
- 覚原
- 向
- 警告
- 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、小児のがん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の投与が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
- 禁忌
- 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 大量化学療法後の神経芽腫。
(効能又は効果に関連する注意)
臨床試験に組み入れられた患者のリスク群、腫瘍の状況等について「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1参照〕。
- 用法・用量
- フィルグラスチム(遺伝子組換え)及びテセロイキン(遺伝子組換え)との併用において、通常、ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)として1日1回17.5mg/㎡(体表面積)を10~20時間かけて点滴静注する。28日間を1サイクルとし、1、3、5サイクルは4~7日目、2、4、6サイクルは8~11日目に投与する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 本剤は1時間あたり0.875mg/㎡で点滴静注を開始し、患者の忍容性が良好な場合、投与開始20~40分以降は1時間あたり1.75mg/㎡で点滴静注する(副作用のため減速した場合は、最大20時間で投与終了とする)〔14.2.1、14.2.2参照〕。
7.2. 本剤投与による疼痛を軽減させるため、本剤の投与前から投与2時間後まで、オピオイド鎮痛剤を投与すること〔11.1.2、17.1.1参照〕。
7.3. 本剤投与によるinfusion reactionを軽減させるため、本剤の投与前に、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与すること〔11.1.1、17.1.1参照〕。
7.4. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を参考に、本剤を減速、中断、中止すること。
[副作用発現時の調節基準]
1). infusion reaction:
①. infusion reaction<Grade1>又はinfusion reaction<Grade2>:初回発現は発現時の投与速度の50%に減速する(回復後、投与速度を1時間あたり1.75mg/㎡まで漸増できる)、2回目以降の発現は投与を中断する(回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる)。
②. infusion reaction<Grade3>:初回発現は投与を中断する(気道に影響のない血管性浮腫及び他の症状を伴わない軽度の気管支痙攣の場合、回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる)、2回目発現は投与を中断し、同日は再開しない(回復し、かつ投与継続が適切と考えられる場合には、翌日以降、綿密なモニタリング下でステロイドを前投与した上で、発現時の50%の投与速度で再開できる)、3回目発現は投与を中止する。
③. infusion reaction<Grade4>:投与を中止する。
2). 低血圧(次のいずれかに該当する場合):①症候性低血圧、②収縮期血圧80mmHg未満<12歳以上>、収縮期血圧70mmHg未満<1歳以上12歳未満>、収縮期血圧65mmHg未満<1歳未満>、③収縮期血圧がベースラインから15%以上の低下:初回発現は投与を中断する(回復後、発現時の50%の投与速度で再開でき、血圧が安定している場合は、発現時の投与速度まで漸増できる)、2回目以降の発現は投与を中断し、同日は再開しない(翌日以降、回復した場合は、発現時の50%の投与速度で再開できる)。
3). 毛細血管漏出症候群:
①. 毛細血管漏出症候群<Grade3>:投与を中断する(回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる)。
②. 毛細血管漏出症候群<Grade4>:初回発現は投与を中断し、同一サイクルでは再開しない(回復後、次のサイクル以降、発現時の50%の投与速度で再開できる)、2回目発現は投与を中止する。
4). 疼痛:
①. 投与開始から1時間以内に発現した疼痛:発現時の投与速度の50%に減速する(回復後に、投与速度を漸増し、発現時の投与速度まで漸増できる)。
②. 投与開始から1時間以降に発現したコントロール不良の疼痛:投与速度を減速する(翌日以降、減速した速度で投与を開始し、発現がなければ、発現時の投与速度まで漸増できる)。
5). 眼障害:
①. 眼障害<Grade2>:初回発現は投与を中断する(回復後、発現時の50%の投与速度で再開できる)、2回目発現は投与を中止する。
②. 眼障害<Grade3>又は眼障害<Grade4>:投与を中止する。
6). 感染症<Grade3>又は感染症<Grade4>:投与を中断し、同一サイクルでは再開しない(回復後、次のサイクル以降、発現時と同一の投与速度で再開できる)。
7). 末梢性感覚ニューロパチー<Grade3>又は末梢性感覚ニューロパチー<Grade4>:2週間以上持続する場合は投与を中止する。
8). 末梢性運動ニューロパチー<Grade2以上>:全身性の筋力低下が認められる場合は投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAE ver4.0に準じる。
- 生殖能を有する者
- 8.1. 毛細血管漏出症候群があらわれることがあるので、本剤の投与中は定期的に血圧、体液バランス、尿比重、体重、血清アルブミン値の測定を行う等、患者の状態を十分に観察すること〔8.3、11.1.4参照〕。
8.2. 低血圧があらわれることがあるので、本剤の投与中は頻回に血圧測定を行う等、患者の状態を十分に観察すること〔8.3、11.1.5参照〕。
8.3. infusion reaction、毛細血管漏出症候群、低血圧等があらわれることがあるので、本剤の投与前には、必要な静脈内輸液を行うこと〔8.1、8.2、11.1.1、11.1.4、11.1.5参照〕。
8.4. 骨髄抑制があらわれることがあるので、本剤の投与中は定期的に血液検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.7参照〕。
8.5. 電解質異常の発現が報告されているので、本剤の投与中は定期的に血清中電解質検査(カリウム、ナトリウム、マグネシウム等)を行うこと〔11.1.8参照〕。
8.6. 眼障害があらわれることがあり、失明に至った例も報告されているので、本剤の投与中は定期的に眼科検査を行い、患者の状態を十分に観察すること〔11.1.3参照〕。
妊娠可能な女性:妊娠可能な女性に対しては、本剤の投与中及び投与終了後一定期間は適切な避妊を行うよう指導すること〔9.5妊婦の項参照〕。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. infusion reaction(100%):発熱、嘔吐、咳嗽、蕁麻疹、過敏症、悪心等を含むinfusion reactionがあらわれることがある。
重度infusion reactionがあらわれた場合には本剤の投与を中止し、適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.3、8.3参照〕。
11.1.2. 疼痛(81.3%):腹痛(62.5%)、四肢痛(18.8%)、頚部痛(12.5%)、筋骨格痛(6.3%)、背部痛(6.3%)等の疼痛があらわれることがある〔7.2参照〕。
11.1.3. 眼障害(37.5%):失明(頻度不明)、羞明(頻度不明)、瞳孔散大(頻度不明)等の眼障害があらわれることがある〔8.6参照〕。
11.1.4. 毛細血管漏出症候群(頻度不明)〔8.1、8.3参照〕。
11.1.5. 低血圧(12.5%)〔8.2、8.3参照〕。
11.1.6. 感染症(43.8%):医療機器関連感染(12.5%)等の重篤な感染症があらわれることがある。
11.1.7. 骨髄抑制(93.8%):好中球減少(81.3%)、貧血(81.3%)、血小板減少(75.0%)、リンパ球減少(43.8%)、白血球減少(18.8%)等の骨髄抑制があらわれることがある〔8.4参照〕。
11.1.8. 電解質異常(75.0%):低リン酸血症(43.8%)、高カリウム血症(31.3%)、高ナトリウム血症(31.3%)、低カリウム血症(25.0%)、低ナトリウム血症(25.0%)、高マグネシウム血症(12.5%)、高カルシウム血症(6.3%)、低マグネシウム血症(頻度不明)等の電解質異常があらわれることがある〔8.5参照〕。
- 11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(50%以上)便秘(75.0%)、下痢(56.3%)、(10%未満)口内炎、鼡径ヘルニア、(頻度不明)口唇炎、口角口唇炎、肛門出血、下部消化管出血、イレウス、肛門炎症、膵炎、齲歯、口唇乾燥、消化管浮腫、舌障害、舌発疹、大腸炎、肛門周囲紅斑、上部消化管出血、吐血。
2). 一般・全身障害および投与部位の状態:(50%以上)顔面浮腫(81.3%)、倦怠感(68.8%)、(10%以上~50%未満)末梢性浮腫、浮腫、限局性浮腫、疲労、(10%未満)カテーテル留置部位そう痒感、(頻度不明)注射部位反応、全身性浮腫、注射部位そう痒感、注入部位血管外漏出。
3). 代謝および栄養障害:(50%以上)低アルブミン血症(93.8%)、食欲減退(68.8%)、(頻度不明)脱水、高尿酸血症、低血糖、高トリグリセリド血症、高血糖。
4). 肝胆道系障害:(50%以上)ALT増加(87.5%)、AST増加(81.3%)、GGT増加(81.3%)、(10%以上~50%未満)血中ビリルビン増加、(10%未満)Al-P増加。
5). 腎および尿路障害:(50%以上)血中尿素増加(50.0%)、(10%以上~50%未満)白血球尿、血中クレアチニン増加、蛋白尿、(10%未満)血尿、(頻度不明)尿閉、尿量減少、尿路出血、腎出血。
6). 臨床検査:(10%以上~50%未満)体重増加、(10%未満)ヘマトクリット増加、尿中ブドウ糖陽性、(頻度不明)体重減少、心電図QT延長、アミラーゼ増加、リパーゼ増加、リンパ球数増加、尿中ケトン体陽性。
7). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(10%以上~50%未満)低酸素症、発声障害、(10%未満)鼻出血、アレルギー性鼻炎、喘鳴、肺水腫、(頻度不明)鼻漏、鼻閉、呼吸困難、口腔咽頭不快感、呼吸抑制、胸水、上気道炎症、気道出血。
8). 皮膚および皮下組織障害:(10%以上~50%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、発疹、湿疹、(10%未満)斑状丘疹状皮疹、多形紅斑、紅斑、全身性剥脱性皮膚炎、点状出血、(頻度不明)皮脂欠乏性湿疹、水疱性皮膚炎、皮膚剥脱、汗疹、紫斑、剥脱性皮膚炎、皮膚腫脹。
9). 神経系障害:(10%以上~50%未満)頭痛、(10%未満)熱性痙攣、(頻度不明)横断性脊髄炎、振戦、末梢性感覚ニューロパチー、味覚異常、痙攣発作、末梢性ニューロパチー。
10). その他:(頻度不明)高血圧、心臓障害、心不全、挫傷、擦過傷、脾腫、心室性不整脈、不安、激越、不眠症、回転性めまい、聴覚障害、包茎、頻脈、出血、播種性血管内凝固。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、本剤の標的であるGD2は、ヒト胎児において脳、神経幹細胞及び骨髄間葉系幹細胞に発現が認められており、本剤の作用機序から、本剤が投与された場合、胎児に悪影響を及ぼす可能性がある)〔9.4生殖能を有する者の項、18.1参照〕。
治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること(本剤のヒト母乳中への移行に関するデータはないが、ヒトIgG抗体は、ヒト乳汁中に排出されることが知られている)。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. バイアル内の溶液の濁り、粒状物質又は着色が認められた場合は、使用
せず廃棄すること。
14.1.2. 無菌環境下において、本剤(17.5mg/5mL)から正確な投与量をとり日局生理食塩液50~250mLに加え、0.044~0.52mg/mLの希釈範囲となるように調製すること。
14.1.3. 希釈の際は、静かに転倒混和し、振らないこと。
14.1.4. 本剤の希釈液は、凍結を避け2~8℃で保存し、調製から4時間以内に投与を開始すること。
14.1.5. 本剤のバイアルは、1回使い切りである。未使用残液は、適切に廃棄すること。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 投与は点滴静注のみとし、急速静注は行わないこと〔7.1参照〕。
14.2.2. 点滴時間が20時間に到達した時点で投与を終了し、残液は廃棄すること〔7.1参照〕。
20.1. 遮光のため、本剤は外箱に入れた状態で保存すること。
20.2. 振盪しないこと。
20.3. 凍結を避け、2~8℃で保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 臨床試験において、本剤投与により本剤に対する抗体産生が認められた患者の割合は68%(15/22例)であり、このうち11例においては、本剤に対する中和抗体が認められた。
16.1 血中濃度
16.1.1 反復投与
(1)日本人における成績
大量化学療法を含む集学的治療歴のある神経芽腫患者注1)に、フィルグラスチム及びテセロイキンとの併用下で本剤17.5mg/m2を第1サイクルの第4~7日目に静脈内投与したときの血漿中濃度推移及びPKパラメータは次のとおりであった。
注1)臨床試験においてPKが評価された患者の年齢は3~10歳であった。
本剤の血漿中濃度推移
本剤のPKパラメータ
→図表を見る(PDF)
17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第IIb相試験(GD2‐PII試験)
初回診断時に31歳未満の大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者注1)35例を対象として、本剤、フィルグラスチム及びテセロイキンの併用投与注2)(DIN/FIL/TEC群)と、本剤、sargramostim、aldesleukin及びisotretinoinの併用投与(米国レジメン群)の有効性及び安全性を検討する非盲検無作為化比較試験を実施した注3)。主要評価項目である治験責任医師判定による2年無イベント生存率[95%信頼区間]は、DIN/FIL/TEC群で80.8[51.4~93.4]%、米国レジメン群で62.3[36.7~80.0]%であった。
DIN/FIL/TEC群16例において、副作用が全例(100%)に認められた。主な副作用は、発熱16例(100%)、低アルブミン血症15例(93.8%)、ALT増加14例(87.5%)、GGT増加、嘔吐、好中球数減少、貧血、AST増加、顔面浮腫〔以上13例(81.3%)〕、血小板数減少、便秘〔以上12例(75.0%)〕、倦怠感、食欲減退〔以上11例(68.8%)〕、腹痛、疼痛〔以上10例(62.5%)〕、下痢9例(56.3%)、血中尿素増加、咳嗽〔以上8例(50.0%)〕であった(2019年9月6日データカットオフ)。[5.、7.2、7.3参照]
注1)臨床試験に組み入れられた患者の年齢は2~8歳であった。
注2)28日間を1サイクルとして、①本剤17.5mg/m2を第1、3、5サイクルの第4~7日目及び第2、4、6サイクルの第8~11日目に静脈内投与、②フィルグラスチム5μg/kgを第1、3、5サイクルの第1~14日目に皮下投与、③テセロイキン75万単位/m2を第2、4、6サイクルの第1~4日目及び100万単位/m2を同サイクルの第8~11日目に静脈内投与された。
注3)疼痛及びinfusion reactionの軽減を目的として、オピオイド鎮痛剤並びに抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤が全例に投与された。
無イベント生存期間の主要解析時のKaplan‐Meier曲線
18.1 作用機序
ジヌツキシマブは、ヒトジシアロガングリオシド(GD)2に対する抗体であり、神経芽腫細胞等の細胞膜上に発現するGD2に結合し、抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性及び補体依存性細胞傷害(CDC)活性により、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。[9.5参照]
18.2 抗腫瘍作用
ジヌツキシマブは、in vitroにおいて、ヒト神経芽腫由来SMS‐KCN、SMS‐LHN及びLA‐N‐1細胞株に対して、ヒト末梢血単核球又は好中球存在下で増殖抑制作用を示した。
- 製造販売会社
- 大原薬品
- 販売会社
おくすりのQ&A
保険審査の内容で恐縮ですが、先日の業界紙において、「社会保険診療報酬支払基金は31日、高血圧症に対して初回から第一選択薬として「配合剤」を投与することは、...
Cost of Concerta (methylphenidate)?
I am curious to find the cost of a month's supply of methylphenidate for ADHD...
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