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トロデルビ点滴静注用200mg

販売名
トロデルビ点滴静注用200mg
薬価
200mg1瓶 187195.00円
製造メーカー
ギリアド・サイエンシズ

添付文書情報2024年09月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の抗悪性腫瘍用剤
一般名
サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え)注射用
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
警告
1.1. 本剤は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に十分な知識・経験を持つ医師のもとで、本剤の使用が適切と判断される症例についてのみ投与すること。また、治療開始に先立ち、患者又はその家族に本剤の有効性及び危険性を十分説明し、同意を得てから投与すること。
1.2. 投与に際しては、骨髄抑制、感染症等の重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的経過をたどることがあるので、頻回に血液検査等を行うなど、患者の状態を十分に観察すること〔8.1、11.1.1、11.1.4参照〕。
禁忌
本剤の成分に対し重度過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
化学療法歴のあるホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌。
(効能又は効果に関連する注意)
5.1. タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のある患者を対象とすること。
5.2. 臨床試験に組み入れられた患者における前治療歴等について、「17.臨床成績」の項の内容を熟知し、本剤の有効性及び安全性を十分に理解した上で、適応患者の選択を行うこと〔17.1.1、17.1.2参照〕。
5.3. 本剤の術前・術後薬物療法における有効性及び安全性は確立していない。
用法・用量
通常、成人には、サシツズマブ ゴビテカン(遺伝子組換え)として1回10mg/kg(体重)を、21日間を1サイクルとし、各サイクルの1日目及び8日目に点滴静注する。投与時間は3時間とし、初回投与の忍容性が良好であれば、2回目以降は1~2時間に短縮できる。なお、患者の状態により適宜減量する。
(用法及び用量に関連する注意)
7.1. 他の抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性及び安全性は確立していない。
7.2. 本剤投与時にあらわれることがあるinfusion reactionを軽減させるために、本剤の投与前に解熱鎮痛剤、抗ヒスタミン剤及びH2受容体拮抗剤の前投与を考慮すること〔8.2、11.1.3参照〕。
7.3. 本剤投与により副作用が発現した場合には、次の基準を考慮して、休薬、減量又は中止すること(副作用により本剤を減量した場合には、再増量しないこと)〔8.1、8.2、11.1.1-11.1.3参照〕。
[減量の目安]
1). 1段階減量:1回7.5mg/kg。
2). 2段階減量:1回5mg/kg。
3). 3段階減量:投与中止。
[投与基準]
投与基準は好中球数が各サイクルの第1日目1500/mm3以上、第8日目1000/mm3以上(各サイクルの第8日目の投与予定日に1000/mm3未満で1週間を超えて1000/mm3以上に回復しない場合、次回は1500/mm3以上に回復してから再開する)。
[休薬、減量、中止の目安]
1). 好中球減少症:
①. 次のいずれかの場合
a. 好中球減少症<Grade4が7日間以上継続>:投与基準に回復後、同一用量で又は1段階減量して再開できる(副作用が再発した場合は、投与基準に回復後、1段階減量して再開できる)。
b. 好中球減少症<Grade4かつ臨床的に必要>:投与基準に回復後、同一用量で又は1段階減量して再開できる(副作用が再発した場合は、投与基準に回復後、1段階減量して再開できる)。
c. 発熱性好中球減少症:投与基準に回復後、同一用量で又は1段階減量して再開できる(副作用が再発した場合は、投与基準に回復後、1段階減量して再開できる)。
d. 投与予定日に好中球減少症<Grade3~4>であり、Grade1以下に回復するまで2~3週間の投与延期を要する:投与基準に回復後、同一用量で又は1段階減量して再開できる(副作用が再発した場合は、投与基準に回復後、1段階減量して再開できる)。
②. 投与予定日に好中球減少症<Grade3~4>であり、Grade1以下に回復するまで3週間を超える投与延期を要する場合:投与を中止する。
2). 前記以外の血液毒性:
①. 投与予定日に前記以外の血液毒性<Grade3~4>であり、Grade1以下に回復するまで2~3週間の投与延期を要する場合:Grade1以下に回復するまで休薬し、1段階減量して再開できる。
②. 投与予定日に前記以外の血液毒性<Grade3~4>であり、Grade1以下に回復するまで3週間を超える投与延期を要する場合:投与を中止する。
3). Infusion reaction:
①. Infusion reaction<Grade1~2>:減速又は投与中断する。
②. 次のいずれかの場合
a. Infusion reaction<Grade4>:投与を中止する。
b. Infusion reaction<Grade2~3>かつ適切な治療にもかかわらず6時間以内に回復しないinfusion reactionが複数回認められる:投与を中止する。
4). 前記以外の非血液毒性:
①. 次のいずれかの場合
a. 前記以外の非血液毒性<Grade4>:Grade1以下に回復するまで休薬し、1段階減量して再開できる。
b. Grade3かつコントロール困難な悪心、Grade3かつコントロール困難な嘔吐又はGrade3かつコントロール困難な下痢:Grade1以下に回復するまで休薬し、1段階減量して再開できる。
c. 前記以外の適切な医学的管理にもかかわらずGrade3かつ48時間を超えて持続する非血液毒性:Grade1以下に回復するまで休薬し、1段階減量して再開できる。
d. 投与予定日に前記以外の非血液毒性<Grade3>であり、Grade1以下に回復するまで2~3週間の投与延期を要する:Grade1以下に回復するまで休薬し、1段階減量して再開できる。
②. 投与予定日に前記以外の非血液毒性<Grade3~4>であり、Grade1以下に回復するまで3週間を超える投与延期を要する場合:投与を中止する。
GradeはNCI-CTCAEに準じる。
生殖能を有する者
8.1. 骨髄抑制、感染症があらわれることがあるので、本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査等を行い、患者の状態を十分に観察すること。また、本剤の投与にあたっては、G-CSF製剤の適切な使用を考慮すること〔1.2、7.3、11.1.1、11.1.4参照〕。
8.2. Infusion reactionがあらわれることがあるので、本剤の投与は重度infusion reactionに備えて緊急時に十分な対応のできる準備を行った上で開始すること〔7.2、7.3、11.1.3参照〕。
8.3. 間質性肺疾患があらわれることがあるので、本剤の投与にあたっては、初期症状(呼吸困難、咳嗽、発熱等)の確認及び定期的な胸部画像検査の実施等、観察を十分に行うこと〔11.1.5参照〕。
9.1.1. グルクロン酸抱合異常の患者:Gilbert症候群等のグルクロン酸抱合異常の患者においては、本剤を構成するSN-38の代謝が遅延することにより骨髄抑制、下痢等の重篤な副作用が発現する可能性があるため、十分注意すること。
9.1.2. UGT1A1*6のホモ接合体若しくはUGT1A1*28のホモ接合体を有する患者、又はUGT1A1*6及びUGT1A1*28のヘテロ接合体を有する患者:本剤を構成するSN-38の主な代謝酵素であるUDPグルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)によるSN-38の代謝が減少することにより、骨髄抑制、下痢等の重篤な副作用が発現する可能性があるため、十分注意すること〔15.1.2参照〕。
9.3.1. 中等度又は重度の肝機能障害患者:本剤を構成するSN-38は主に肝代謝により消失することから、SN-38の血中濃度が上昇する可能性がある(なお、*中等度肝機能障害又は重度肝機能障害患者を対象とした試験は実施していない)。
*)NCI-ODWG(National Cancer Institute-Organ Dysfunction Working Group)基準による分類。
9.4.1. 妊娠する可能性のある女性:妊娠する可能性のある女性には、本剤投与中及び最終投与後6ヵ月間において避妊する必要性及び適切な避妊法について説明すること〔9.5妊婦の項、15.2.1参照〕。
9.4.2. 男性:男性には、本剤投与中及び最終投与後3ヵ月間においてバリア法(コンドーム)を用いて避妊する必要性について説明すること〔15.2.1参照〕。
相互作用
本剤を構成するSN-38は主にUGT1A1により代謝される〔16.4参照〕。
10.2. 併用注意:1). UGT1A1阻害剤(アタザナビル等)[副作用の発現頻度及び重症度が増加するおそれがあるので、患者の状態を慎重に観察し、副作用の発現に十分注意すること(UGT1A1阻害剤との併用により、SN-38の代謝が阻害され、SN-38の血中濃度が上昇する可能性がある)]。
2). UGT1A1誘導剤(カルバマゼピン、フェニトイン、リファンピシン等)[有効性が減弱するおそれがあるので、UGT1A1誘導作用のない薬剤への代替を考慮すること(UGT1A1誘導剤との併用により、SN-38の代謝が誘導され、SN-38の血中濃度が低下する可能性がある)]。
副作用
次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
重大な副作用
11.1. 重大な副作用
11.1.1. 骨髄抑制:好中球減少症(66.7%)、貧血(38.8%)、白血球減少症(22.4%)、リンパ球減少症(10.2%)、血小板減少症(6.8%)、発熱性好中球減少症(5.4%)があらわれることがある〔1.2、7.3、8.1参照〕。
11.1.2. 重度の下痢(11.6%)、腸炎(3.4%):重度下痢に伴って脱水症状をきたし、急性腎障害に至った症例も報告されているので、止瀉薬(ロペラミド等)の投与、補液等の適切な処置を行うこと〔7.3参照〕。
11.1.3. Infusion reaction(32.3%):異常が認められた場合には、本剤の投与を中止する等の適切な処置を行うとともに、症状が回復するまで患者の状態を十分に観察すること〔7.2、7.3、8.2参照〕。
11.1.4. 感染症(51.7%):肺炎(4.4%)、敗血症(0.7%)等の感染症があらわれることがある〔1.2、8.1参照〕。
11.1.5. 間質性肺疾患(0.7%):肺臓炎(0.3%)、肺浸潤(0.3%)等の間質性肺疾患があらわれることがある〔8.3参照〕。
11.2. その他の副作用
1). 胃腸障害:(10%以上)悪心(62.6%)、便秘(38.1%)、嘔吐(31.3%)、腹痛、口内炎、(1%以上10%未満)上腹部痛、胃食道逆流性疾患、腹部膨満、消化不良。
2). 一般・全身障害および投与部位の状態:(10%以上)疲労(無力症を含む)(59.5%)、(1%以上10%未満)疼痛、悪寒。
3). 臨床検査:(1%以上10%未満)体重減少、血中アルカリホスファターゼ増加、(1%未満)血中乳酸脱水素酵素増加、(頻度不明)活性化部分トロンボプラスチン時間延長。
4). 代謝および栄養障害:(10%以上)食欲減退、低カリウム血症、低マグネシウム血症、(1%以上10%未満)高血糖、低カルシウム血症、低リン血症、脱水、低ナトリウム血症。
5). 筋骨格系および結合組織障害:(10%以上)関節痛。
6). 神経系障害:(10%以上)頭痛、(1%以上10%未満)浮動性めまい、味覚不全。
7). 精神障害:(10%以上)不眠症。
8). 腎および尿路障害:(1%未満)蛋白尿。
9). 呼吸器、胸郭および縦隔障害:(10%以上)呼吸困難(労作性呼吸困難を含む)、咳嗽、(1%以上10%未満)鼻出血、鼻漏、鼻閉。
10). 皮膚および皮下組織障害:(10%以上)脱毛症(46.6%)、発疹、(1%以上10%未満)皮膚そう痒症、皮膚乾燥、斑状丘疹状皮疹、皮膚色素過剰、ざ瘡様皮膚炎。
11). 血管障害:(1%以上10%未満)低血圧。
授乳婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、投与しないことが望ましい(本剤を用いた生殖発生毒性試験は実施されていないが、本剤を構成するSN-38のプロドラッグであるイリノテカンを用いた動物実験(ラット、ウサギ)において、催奇形性が報告されている)〔9.4.1参照〕。
授乳しないことが望ましい(ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、本剤を構成するSN-38のプロドラッグであるイリノテカンを用いた動物実験(ラット)で乳汁移行が報告されている)。
小児等
小児等を対象とした臨床試験は実施していない。
取扱い上の注意
14.1. 薬剤調製時の注意14.1.1. 本剤の調製には生理食塩液のみを使用すること(他の輸液を使用した場合の希釈後の安定性は確認されていない)。
14.1.2. 溶解方法(1). 滅菌シリンジを用いて1バイアルに20mLの生理食塩液をゆっくり加え、本剤10mg/mLの溶解液を調製する。
(2). バイアルをゆっくりと回して混和し、最長15分間かけて溶解する(振とうはしないこと)。
(3). 目視で溶解後の液に微粒子がなく、澄明かつ黄色であることを確認すること(溶解後の液に濁り又は変色が認められる場合は使用しないこと)。
(4). 溶解後は、速やかに使用すること。
14.1.3. 希釈方法(1). 必要量の溶解液をバイアルから抜き取り、本剤の濃度が1.1~3.4mg/mLとなるように算出された量の生理食塩液が入った輸液バッグに泡立ちを最小限に抑えるためゆっくり注入する(内容物を振とうしないこと)(輸液バッグ:ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン[ポリプロピレン及び/若しくはポリエチレン]又はエチレン酢酸ビニル製)。バイアルに残った溶解液は廃棄すること。
(2). 直ちに使用しない場合、本剤の入った輸液バッグは遮光下2~8℃で冷蔵保存し、24時間以内に使用すること(冷蔵保存した場合は、常温に戻した後、8時間以内に投与を完了すること)。
14.2. 薬剤投与時の注意14.2.1. 本剤の入った輸液バッグは遮光すること。本剤投与中は、投与が完了するまで輸液バッグを覆うこと(点滴中に点滴チューブを覆ったり、遮光チューブを使用する必要はない)。
14.2.2. 他剤<生理食塩液以外>との混注はしないこと。
外箱開封後はバイアルを遮光して保存すること。
その他の注意
15.1. 臨床使用に基づく情報15.1.1. 臨床試験において、本剤に対する抗体産生が報告されている。
15.1.2. 乳癌患者を対象とした海外臨床試験の統合解析において、UGT1A1遺伝子多型別の有害事象の発現状況は次のとおりであった〔9.1.2参照〕。
1). UGT1A1*28/*28集団:Grade3以上の好中球減少症60.6%(43/71例)、Grade3以上の発熱性好中球減少症14.1%(10/71例)、Grade3以上の貧血15.5%(11/71例)、Grade3以上の下痢18.3%(13/71例)。
2). UGT1A1*1/*28集団:Grade3以上の好中球減少症52.9%(144/272例)、Grade3以上の発熱性好中球減少症5.9%(16/272例)、Grade3以上の貧血7.4%(20/272例)、Grade3以上の下痢12.5%(34/272例)。
3). UGT1A1*1/*1(野生型)集団:Grade3以上の好中球減少症49.1%(140/285例)、Grade3以上の発熱性好中球減少症4.6%(13/285例)、Grade3以上の貧血8.1%(23/285例)、Grade3以上の下痢6.7%(19/285例)。
UGT1A1*28/*28集団:UGT1A1*28をホモ接合体で有する患者。
UGT1A1*1/*28集団:UGT1A1*1とUGT1A1*28をヘテロ接合体で有する患者。
UGT1A1*1/*1(野生型)集団:UGT1A1*1をホモ接合体で有する患者。
15.2. 非臨床試験に基づく情報15.2.1. 本剤を構成するSN-38は、チャイニーズハムスター卵巣細胞を用いたin vitro哺乳類細胞小核試験で染色体異常誘発性を示した〔9.4.1、9.4.2参照〕。
15.2.2. カニクイザルを用いた本剤の反復投与毒性試験において、60mg/kg(体重に基づくヒト推奨用量10mg/kgの6倍)以上の用量で子宮内膜萎縮、子宮出血、卵巣閉鎖卵胞増加及び腟上皮細胞萎縮が認められた。

16.1 血中濃度
16.1.1 単回及び反復投与
日本人進行固形癌患者に、21日間を1サイクルとして、本剤10mg/kgを1日目及び8日目に点滴静注したときの、初回投与後のサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN‐38の薬物動態パラメータ及び血清中濃度推移は次のとおりであった。なお、反復投与によるサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN‐38の蓄積は認められなかった。
日本人進行固形癌患者に本剤10mg/kgを点滴静注したときの初回投与後のサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN‐38の血清中濃度推移

日本人進行固形癌患者に本剤10mg/kgを点滴静注したときの初回投与後のサシツズマブ ゴビテカン及び遊離SN‐38の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

16.3 分布
SN‐38の血漿タンパク結合率は99%であるとの報告がある。
16.4 代謝
SN‐38は主にUGT1A1を介して代謝される。SN‐38のグルクロン酸抱合体(SN‐38G)が、患者の血清中で検出された。[10.参照]

17.1 有効性及び安全性に関する試験
17.1.1 国内第I/II相試験(GS‐US‐569‐6172試験、ASCENT‐J02)
2つ以上の化学療法歴のある注1)ホルモン受容体陰性かつHER2陰性注2)の手術不能又は再発乳癌患者36例を対象に、本剤の有効性及び安全性を検討する非盲検非対照試験の第II相パートTNBCコホートを実施した。21日間を1サイクルとして、本剤10mg/kgを各サイクルの1日目及び8日目に点滴静注した。主要評価項目であるRECISTガイドライン1.1版に基づく独立判定による奏効率は25.0%(95%信頼区間:12.1、42.2)であった。生存状況に関する追跡調査期間の中央値は、6.1ヵ月であった。
本剤が投与された36例において、副作用が35例(97.2%)に認められた。主な副作用は、好中球減少症(好中球数減少を含む)31例(86.1%)、白血球減少症(白血球数減少を含む)23例(63.9%)、悪心22例(61.1%)、脱毛症及び下痢各16例(44.4%)、便秘11例(30.6%)、倦怠感10例(27.8%)、貧血(ヘモグロビン減少及び赤血球数減少を含む)及び口内炎各9例(25.0%)であった。
注1)手術不能又は再発乳癌に対して2つ以上の化学療法歴のある患者が対象とされた。ただし、手術可能な乳癌に対する周術期治療(術前又は術後薬物療法)終了後12ヵ月以内に疾患進行が認められた場合には、当該周術期治療を化学療法歴の1つとみなすこととされた。
注2)HER2陰性はIHC法0、IHC法1+、又はIHC法2+かつISH法陰性の患者が組み入れられた。
17.1.2 海外第III相試験(IMMU‐132‐05試験、ASCENT)
2つ以上の化学療法歴のある注3)ホルモン受容体陰性かつHER2陰性注4)の手術不能又は再発乳癌患者529例を対象に、本剤(267例)と医師選択治療(262例)(エリブリン[139例]、カペシタビン[33例]、ゲムシタビン[38例]又はビノレルビン[52例]の単独投与)の有効性及び安全性を比較する無作為化非盲検比較試験を実施した。本剤群では、21日間を1サイクルとして、本剤10mg/kgを各サイクルの1日目及び8日目に点滴静注した。
主要評価項目であるベースライン評価時に脳転移が認められなかった集団におけるRECISTガイドライン1.1版に基づく盲検下独立中央判定による無増悪生存期間(PFS)について、本剤は医師選択治療に対して統計学的に有意な延長を示した。さらに、検定手順に従って検定が行われた結果、副次評価項目とされた脳転移が認められなかった集団における全生存期間(OS)並びにITT集団におけるPFS及びOSについても、本剤は医師選択治療に対して統計学的に有意な延長を示した。本剤群の生存状況に関する追跡期間の中央値は、脳転移が認められなかった集団で11.2ヵ月、ITT集団で10.6ヵ月であった。
本剤群258例において、副作用が252例(97.7%)に認められた。主な副作用(発現割合が20%以上)は、好中球減少症(好中球数減少を含む)163例(63.2%)、下痢153例(59.3%)、悪心147例(57.0%)、脱毛症119例(46.1%)、疲労115例(44.6%)、貧血(ヘモグロビン減少及び赤血球数減少を含む)90例(34.9%)及び嘔吐76例(29.5%)であった。
注3)手術不能又は再発乳癌に対して2つ以上の化学療法歴のある患者が対象とされた。ただし、手術可能な乳癌に対する周術期治療(術前又は術後薬物療法)終了後12ヵ月以内に疾患進行が認められた場合には、当該周術期治療を化学療法歴の1つとみなすこととされた。また、周術期又は進行乳癌に対してタキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴を有する患者が対象とされた。
注4)HER2陰性はIHC法0、IHC法1+、又はIHC法2+かつISH法陰性の患者が組み入れられた。
ASCENT試験の有効性成績
→図表を見る(PDF)

ASCENT試験のPFSのKaplan‐Meier曲線(ITT集団)

ASCENT試験のOSのKaplan‐Meier曲線(ITT集団)

18.1 作用機序
サシツズマブ ゴビテカンは、抗trophoblast cell surface antigen‐2(TROP‐2)ヒト化IgG1モノクローナル抗体と、トポイソメラーゼI阻害作用を有するカンプトテシン誘導体であるSN‐38(イリノテカンの活性代謝物)を、リンカーを介して共有結合させた抗体薬物複合体である。サシツズマブ ゴビテカンは、腫瘍細胞の細胞膜上に発現するTROP‐2に結合し、細胞内に取り込まれた後にリンカーが加水分解され、SN‐38が細胞内に遊離する。遊離したSN‐38はDNA合成を阻害することにより、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
18.2 抗腫瘍作用
サシツズマブ ゴビテカンは、TROP‐2を発現するヒト乳癌由来MDA‐MB‐468及びHCC1806細胞株をそれぞれ皮下移植したヌードマウスにおいて腫瘍増殖抑制作用を示した(in vivo)。

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