ミオMIBG-I123注射液
添付文書情報2023年12月改定(第3版)
商品情報
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- 効能・効果
- 1). 心シンチグラフィによる心臓疾患の診断。
2). パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ。
3). 腫瘍シンチグラフィによる次記疾患の診断:神経芽腫、褐色細胞腫。
- 用法・用量
- 〈心シンチグラフィによる心臓疾患の診断〉
通常、成人には、本品111MBqを静脈より投与し、約15分後以降にガンマカメラを用いて心シンチグラムを得る。
必要に応じて、3~6時間後の心シンチグラムを得る。
必要に応じて、運動負荷時投与の心シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。
〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉
通常、成人には、本品111MBqを静脈より投与し、15~30分後及び3~4時間後にガンマカメラを用いて心シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重により適宜増減する。
〈腫瘍シンチグラフィ〉
・ 神経芽腫
通常、小児には、400MBqを最大用量として200~400MBq/1.7㎡(体表面積)を静脈より投与し、6時間後及び24時間後にガンマカメラを用いて腫瘍シンチグラムを得る。
必要に応じて、48時間後の腫瘍シンチグラムを得る。
また、通常、成人への投与量は、200~400MBqとし、年齢、体重により適宜増減する。
・ 褐色細胞腫
通常、本品111MBqを静脈より投与し、24時間後にガンマカメラを用いて腫瘍シンチグラムを得る。
必要に応じて、6時間後及び48時間後の腫瘍シンチグラムを得る。
なお、投与量は、年齢、体重等により適宜増減するが、222MBqを上限とする。
(用法及び用量に関連する注意)
〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉後期(3~4時間後)の撮像省略については、早期(15~30分)の撮像結果、患者の状態及びリスク・ベネフィットを考慮して慎重に判断すること。
- 合併症・既往歴等のある患者
- 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとどめること。
9.1.1. 本品の成分に対し過敏症又はヨードに対し過敏症の既往歴のある患者。
- 副作用
- 次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には適切な処置を行うこと。
- 重大な副作用
- 11.1. 重大な副作用
11.1.1. ショック、アナフィラキシー(いずれも頻度不明)。
- 11.2. その他の副作用
1). 循環器:(頻度不明)失神、うっ血性心不全、低心拍出量症候群、血圧低下、徐脈。
2). 消化器:(0.1%未満)悪心、(頻度不明)嘔気。
3). その他:(頻度不明)全身倦怠感。
- 高齢者
- 患者の状態を十分に観察しながら慎重に投与すること(一般に生理機能が低下している)。
- 授乳婦
- 妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
診断上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討すること。
- 小児等
- 低出生体重児又は新生児を対象とした臨床試験は実施していない。
- 取扱い上の注意
- 14.1. 薬剤投与時の注意14.1.1. 本品投与にあたっては、体内で遊離した放射性ヨードが甲状腺に摂取されることを防止するため、適当なヨード剤を服用させること。
14.1.2. 両頭針を取りつける際、プランジャーロッドを押さないようにすること。
14.1.3. シリンジ中にごくわずかに気泡が含まれている場合があり、注射液を投与してもこの気泡は通常シリンジ内に残るが、誤って投与することのないよう気泡の位置に注意しながら投与すること。
14.1.4. 膀胱部の被曝を軽減させるため、撮像前後できるだけ患者に水分を摂取させ、排尿させることが望ましい。
14.2. 診断上の注意14.2.1. 〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉診断は他の関連する検査結果や臨床症状等を併せた根拠に基づいて総合的に判断すること(なお、発症早期(特に振戦優位型)、一部の家族性パーキンソン病では本品の心臓への集積が正常となる症例が認められることが報告されている)。
14.2.2. 〈パーキンソン病及びレビー小体型認知症の診断における心シンチグラフィ〉心シンチグラム読影において、本品の心臓への集積低下の評価には、必要に応じて関連学会の最新のガイドライン等における標準化された心縦隔比(H/M)の値を参考にすること。
放射線を安全に遮蔽できる貯蔵設備(貯蔵箱)に保存すること。
- その他の注意
- 15.1. 臨床使用に基づく情報レセルピン、三環系抗うつ剤、塩酸ラベタロールを投与している場合、本品の心臓への集積が抑制及び本品の腫瘍への集積が抑制されるとの報告がある。
16.3 分布
16.3.1 本品を健常者に静注すると、血中放射能濃度は1時間後までは急速に減少し、その後は漸減する傾向を示した。血中からの消失の速やかな相及び緩やかな相の有効半減期はそれぞれ、11.6~15.1分及び7.39~9.46時間であった。
16.3.2 吸収線量
本品の吸収線量は次のとおりである。
→図表を見る(PDF)
16.5 排泄
本品の尿中排泄は投与から4時間後までに投与量の30~40%、24時間後では平均で66%が尿中に移行した。
17.1 有効性及び安全性に関する試験
〈心シンチグラフィ(心臓疾患)〉
17.1.1 国内第III相臨床試験
心筋梗塞、狭心症及び心筋症を中心とする心疾患患者981例に本品が投与された。そのうち有効性の評価で集計した心筋梗塞、狭心症、心筋症患者822例中781例(95%)に有効な画像情報が得られた。
本品による心シンチグラフィは、心筋梗塞、不安定狭心症などの虚血性心疾患で、除神経領域の検出が、運動負荷時投与の心筋梗塞、労作性狭心症などでは虚血に先行する交感神経機能の障害の検出が、心筋症で心集積の程度と局所的な消失の経時的な観察による病態の定性的評価が可能である。
総症例981例中、副作用は4例(0.4%)に血管痛、悪心、嘔吐、異臭、心悸亢進、気分不良、各1件認められた。
18.1 測定法
本品の有効成分に含まれる放射性核種から放出される放射線(ガンマ線)が核医学検査装置により画像化される。
18.2 集積機序
3‐ヨードベンジルグアニジン(123I)(123I‐MIBG)は、静注後心交感神経終末やカテコールアミン(CA)産生細胞のノルアドレナリン(NA)再摂取機構いわゆるuptake‐1を介して主としてNA貯蔵顆粒に取り込まれる。しかし、NAとは異なり、CA受容体と結合せず、またカテコール‐O‐メチル転移酵素(COMT)、モノアミン酸化酵素(MAO)による代謝を受けない。
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