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ルクスターナ注

販売名
ルクスターナ注
薬価
0.5mL1瓶(希釈液2本付) 49600226.00円
製造メーカー
ノバルティス ファーマ

添付文書情報2023年06月改定(第1版)

商品情報

薬効分類名
その他の組織細胞機能用医薬品
一般名
ボレチゲン ネパルボベク
警告
関連学会の定める適正使用指針を遵守し、遺伝性網膜ジストロフィーに関する十分な知識及び経験を有する医師並びに網膜下(黄斑下)手術に関する十分な知識、経験及び技術を有する医師が、本品の臨床試験成績及び有害事象等の知識を十分に習得した上で投与し、遺伝性網膜ジストロフィーの治療に係る体制が整った医療機関において、本品が適切と判断される症例についてのみ投与する。
禁忌・禁止
1.再使用禁止。
2.本品の成分に対し過敏症の既往歴のある患者。
3.眼に感染又は眼周囲に感染のある患者、あるいは感染の疑いのある患者[眼内炎等の重篤な副作用が発現する恐れがある]。
4.活動性眼内炎症のある患者[炎症が悪化する可能性がある]。
効能・効果
両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィー。
<効能、効果又は性能に関連する使用上の注意>
1.遺伝学的検査によりRPE65遺伝子の両アレル性の変異が確認された患者に投与する。
2.適切な検査により十分な生存網膜細胞を有することが確認された患者に投与する。
用法・用量
通常、1.5×10の11乗ベクターゲノム(vg)/0.3mLを各眼の網膜下に単回投与する。各眼への網膜下投与は、短い投与間隔で実施するが、6日以上あける。同一眼への本品の再投与はしない。
<用法及び用量又は使用方法に関連する使用上の注意>
本品のカプシド蛋白質及びRPE65蛋白質に対する免疫応答のリスク低減を目的とした本品投与前後のプレドニゾロン(又は同等用量の副腎皮質ステロイド)の投与方法:
1.プレドニゾロン(又は同等用量の副腎皮質ステロイド)の投与開始前及び本品の投与前に、感染症の有無を確認し、感染症が認められた場合は投与を中止し、回復してからプレドニゾロン及び本品の投与を行う。
2.次を参考に本品を1眼目に投与する3日前からプレドニゾロンの投与を行う(2眼目のプレドニゾロンの投与開始は1眼目のプレドニゾロン投与と同じスケジュールに従い、1眼目のプレドニゾロンの投与が終了していない場合は、2眼目のプレドニゾロンの投与スケジュールを優先する)。
[プレドニゾロンの投与方法]
1.本品投与前:投与3日前から3日間、プレドニゾロン1mg/kg/日(最大40mg/日)。
2.本品投与後:
1).4日間(本品投与日を含む)、プレドニゾロン1mg/kg/日(最大40mg/日)。
2).その後5日間、プレドニゾロン0.5mg/kg/日(最大20mg/日)。
3).その後、1日おきに5日間投与(1、3、5日目に投与)、プレドニゾロン0.5mg/kg/隔日(最大20mg/日)。
本品の調製及び網膜下投与手順:
3.本品は投与前に製剤を専用希釈液で10倍希釈する。本品の調製、網膜下投与は無菌的に行うとともに、次の点に注意する。また、調製から投与までの一連の手順及び使用する器具の詳細は、製造販売業者が提供するマニュアル等を参照する。
1).凍結された製剤及び専用希釈液を室温にて解凍後、調製し、解凍から4時間以内に投与を完了する(解凍した製剤及び専用希釈液は再凍結しない)。
2).手術前に散瞳させてから、十分な麻酔を行い、結膜、角膜及び眼瞼に広域局所抗菌薬を投与する。
3).投与前に本品の状態を確認し、粒子状物質、濁り及び変色が認められた場合には、本品を投与しない。
4).硝子体を切除した後、本品を投与する(本品は上方血管アーケードに沿ったエリアで、中心窩から2mm以上離れた位置に投与することが望ましい)。
5).網膜下にブレブ(bleb)が観察されるまで本品をゆっくり少量ずつ投与し、その後続けて合計0.3mLを同様に投与する。
6).術後は直ちに仰臥位を取らせる。
7).可能な限り仰臥位で24時間安静にするよう患者に指導する。
4.使用後の本品の残液、バイアル及び投与用注射筒等は、感染性廃棄物として、各医療機関の手順に従って密封等を行い、適切に廃棄する。
使用注意次の患者には慎重に適用する
白内障の患者[悪化させる恐れがある]。
重要な基本的注意
1.本品の投与にあたっては、疾病の治療における本品の必要性とともに、本品の有効性及び安全性その他本品の適正な使用のために必要な事項について、患者又は代諾者に文書をもって説明し、同意を得てから本品を投与する。
2.本品はヒト・動物由来の原材料を使用して製造されている。ヒト・動物由来の原材料については安全性確保のためウイルス試験等を実施しているが、ヒト・動物由来の原材料に起因する感染症伝播のリスクを完全に排除することはできないため、本品の投与に際しては臨床上の必要性を十分に検討する。
3.本品の投与に際し使用される薬剤(消毒薬、麻酔薬、抗菌点眼薬及び散瞳薬等)への過敏症の既往歴について事前に十分な問診を行う。
4.眼内炎、眼の炎症及び網膜異常(黄斑変性を含む黄斑疾患、網膜裂孔、網膜剥離、網脈絡膜萎縮等)が発現することがあるため、患者の状態を十分に観察し、これらの事象を示唆する症状が認められた場合は直ちに連絡するよう患者に指導する。
5.眼圧が上昇することがあるため、眼圧を定期的に観察し適切に管理する。
6.白内障が現れることがあるので、観察を十分に行う。
副作用
両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーの成人及び小児患者を対象とした臨床試験において、本品が投与された症例は45例(日本人4例を含む)であった。10%以上の頻度で認められた眼局所の副作用は、白内障11例(24.4%)、結膜充血9例(20.0%)及び眼圧上昇6例(13.3%)であった(承認時までの集計)。
重大な副作用
1.重大な副作用
1).眼内炎(頻度不明)、眼の炎症(6.7%):眼内炎及び眼炎症が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、これらの徴候又は症状が認められた場合には、適切な処置を行う。
2).網膜異常(28.9%):黄斑円孔、黄斑変性、網膜小窩障害、黄斑線維症、黄斑症、網膜裂孔、網膜剥離等が現れることがある。また、網膜異常を発現した患者で永続的視力低下が報告されている。患者の状態を十分に観察し、これらの徴候又は症状が認められた場合には、適切な処置を行う。
網脈絡膜萎縮(頻度不明)が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、適切に管理する。
3).眼圧上昇(13.3%):眼圧が上昇することがあるため、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
4).白内障(24.4%):白内障が現れることがあるので、患者の状態を十分に観察し、異常が認められた場合には、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
眼障害:(10%以上)結膜充血、(1~10%未満)網膜沈着物、角膜縁凹窩、眼刺激、眼痛、脈絡膜出血、結膜嚢胞、眼部腫脹、眼異物感。
妊婦・産婦・授乳婦及び小児等への適用
1.妊婦又は妊娠している可能性のある患者には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用する。
2.授乳中の女性に投与する場合は、治療上の有益性及び母乳栄養の有益性を考慮し、授乳の継続又は中止を検討する。
3.低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児を対象とした臨床試験は実施していない(少なくとも生後12カ月までは網膜組織が発達中であることが報告されており、本品は網膜細胞の増殖により希釈・消失する可能性がある)。
その他の注意
1.本品の主成分であるヒトRPE65蛋白質を発現する非増殖性遺伝子組換えアデノ随伴ウイルス2型(以下、本ウイルスベクター)については、「遺伝子組換え生物等の使用
等の規制による生物の多様性の確保に関する法律(カルタヘナ法)」に基づき承認された第一種使用規程(承認番号:22-36V-0013)が定められていることから、本品の使用にあたっては第一種使用規程を遵守する必要があることに留意する。
2.本品の投与後に患者の涙液中に一時的に低濃度の本ウイルスベクターが含まれる可能性があるため、本品投与14日後までは、患者又は介護者に、涙液及び鼻汁が付着した廃棄物等を適切に処理するよう指導する。

1.涙液中及び血中濃度
(1)海外第III相試験(301試験)
両アレル性RPE65遺伝子変異を有する遺伝性網膜ジストロフィー患者29例に、本品1.5×10の11乗vg(0.3mL)を各眼に6~18日の間隔をあけて逐次単回網膜下投与したときの、2眼目投与から1年後までの両眼の涙液中、血清中及び血液中の本品ゲノムDNA濃度が測定された。
29例のうち13例について、Day 1A注1)又はDay 1B注1)時点から投与眼の涙液試料が陽性となったが、うち8例は投与3日後までに定量下限値未満となり、残り5例のうち3例は投与14日後、2例はそれぞれ投与10日後及び30日後の時点で定量下限値未満となった。その他の患者の涙液試料については、いずれの評価時点でも定量下限値未満であった。また、血清試料については、29例のうち3例について、Day 1A~Day 3A又はDay 1B~Day 3Bのいずれかの時点で陽性となったものの、その後のDay 14B時点では定量下限値未満であった。当該3例以外については、いずれの評価時点でも定量下限値未満であった。血液試料については、すべての患者について、いずれの評価時点でも定量下限値未満であった。
注1)Aは1眼目投与からの日数、Bは2眼目投与からの日数を示す。
(2)国内第III相試験(A11301試験)
日本人両アレル性RPE65遺伝子変異を有する遺伝性網膜ジストロフィー患者4例に、本品1.5×10の11乗vg(0.3mL)を各眼に6~18日の間隔をあけて逐次単回網膜下投与したときの、2眼目投与から1年後までの両眼の涙液中、血清中及び血液中の本品ゲノムDNA濃度が測定された。涙液中、血清中及び血液中の本品ゲノムDNA濃度は、すべての患者のいずれの評価時点でも定量下限値未満であった。

1.両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーの成人及び小児患者を対象とした海外第III相試験(301試験)
両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーと診断され、視覚障害を有する成人及び3歳以上の小児患者のうち、十分な生存網膜細胞が確認された注1)患者31例を対象に、本品を投与した際の有効性及び安全性を無治療対照群と比較することを目的とした非遮蔽無作為化比較第III相試験を実施した。
本品1.5×10の11乗vg(0.3mL)を各眼に6~18日の間隔をあけて硝子体切除術の実施後に逐次単回網膜下投与する群(介入群)又は無治療対照群に2:1の比で割り付けた。対照群は、1年間の無治療観察期間の後、クロスオーバーにより本品1.5×10の11乗vg(0.3mL)を各眼に6~18日の間隔をあけて硝子体切除術の実施後に逐次単回網膜下投与する対照/介入群に移行することとされた。また、本品の投与手技に伴う炎症を最小限に抑え、本品のカプシドタンパク質及びRPE65タンパク質に対する免疫反応の発現を低下させる目的で、経口全身用副腎皮質ステロイド(プレドニゾン注2))が投与された。プレドニゾン注2)の用法及び用量は、次のとおりであった。
・1眼目の網膜下投与3日前から1mg/kg/日(最大40mg/日)で7日間投与。
・2眼目の網膜下投与が1眼目から12日以内に実施される場合
プレドニゾン注2)を0.5mg/kg/日(最大20mg/日)に減量し、最長5日間投与した後、2眼目の網膜下投与3日前から1mg/kg/日(最大40mg/日)に増量して7日間投与。その後、0.5mg/kg/日(最大20mg/日)に減量し、5日間投与。
・2眼目の網膜下投与が1眼目から12日を超えて実施される場合
プレドニゾン注2)を0.5mg/kg/日(最大20mg/日)に減量し、5日間投与した後、2眼目の網膜下投与3日前まで0.5mg/kg/隔日(最大20mg/隔日)で投与。その後、網膜下投与3日前から1mg/kg/日(最大40mg/日)に増量して7日間投与。その後、0.5mg/kg/日(最大20mg/日)に減量し、5日間投与。
主要評価項目である2眼目投与から1年後までのベースラインからの両眼multi‐luminance mobility test(MLMT)注3)スコアの平均変化量は、次のとおりであった。
ベースラインから本品の2眼目投与1年後まで*1の両眼MLMTスコアの平均変化量
→図表を見る(PDF)

対照群のクロスオーバー後(対照/介入群)、2眼目投与から1年後までのベースラインからの両眼MLMTスコアの変化量(平均値±標準偏差)は2.1±1.6であり、介入群と同程度の改善が認められた。なお、介入群で投与6年後、対照/介入群で投与5年後までの両眼MLMTスコアの推移は次のとおりであった。
301試験における両眼MLMTスコアの推移(平均値±標準誤差)
●介入群、■対照/介入群
BL=ベースライン、D=日、X=クロスオーバー、Y=年
いずれかの投与群で80%以上の被験者が評価された時点を示す。

副次評価項目である2眼目投与から1年後までのベースラインからのfull‐field light sensitivity threshold(FST)(両眼、視標:白色光、単位:log10(cd.s/m2))注4)の平均変化量は、次のとおりであった。
ベースラインから本品の2眼目投与1年後*1までのFSTの平均変化量
→図表を見る(PDF)

対照群のクロスオーバー後(対照/介入群)、2眼目投与から1年後までのベースラインからのFSTの変化量(平均値±標準偏差)は、-2.86±1.49であり、介入群と同程度の改善が認められた。なお、介入群で投与6年後、対照/介入群で投与5年後までのFSTの推移は次のとおりであった。
301試験におけるFST(両眼平均)の推移(平均値±標準誤差)
●介入群、■対照/介入群
BL=ベースライン、D=日、X=クロスオーバー、Y=年
いずれかの投与群で80%以上の被験者が評価された時点を示す。

2.両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーの成人及び小児患者を対象とした国内第III相試験(A11301試験)
両アレル性RPE65遺伝子変異による遺伝性網膜ジストロフィーと診断され、視覚障害を有する成人及び4歳以上の小児患者のうち、十分な生存網膜細胞が確認された注1)患者4例を対象に、非遮蔽非対照第III相試験を実施した。本品1.5×10の11乗vg(0.3mL)を各眼に6~18日の間隔をあけて硝子体切除術の実施後に逐次単回網膜下投与することとされた。また、本品の投与手技に伴う炎症を最小限に抑え、本品のカプシドタンパク質及びRPE65タンパク質に対する免疫反応の発現を低下させる目的で、経口全身用副腎皮質ステロイド(プレドニゾロン)が投与された。プレドニゾロンの用法及び用量は301試験でのプレドニゾン注2)の用法及び用量と同一であった。
主要評価項目である2眼目投与から1年後までのベースラインからのFST(両眼、視標:白色光、単位:log10(cd.s/m2))の平均変化量(範囲)は、-1.831(-3.54~-0.56)であった。
注1)次の基準を設定した上で網膜の構造(OCT及び眼底所見)及び網膜の機能(視機能)を検査し、十分な生存網膜細胞の有無を評価していた。
次のいずれかの条件を満たす。
1)OCTで測定された後極部の網膜厚が100μm超
2)後極部において萎縮又は色素変性のない網膜が3乳頭面積以上残存
3)III4eイソプター又はこれに相当するもので測定した、固視点の30度以内の残存視野を有する
注2)国内未承認
注3)MLMT:被験者が異なる照度レベルの環境下で、決められたコースを正確かつ妥当な速度で移動できる能力を評価した。スコアの範囲は-1~6点で、点数が高いほど低い照度レベルでコースを問題なく通過できることを示す。
注4)FST:被験者の異なる輝度レベル(光の輝き)に対する知覚を測定することで、網膜全体の光感度を評価した。1log10(cd.s/m2)の減少で感度が10倍改善、2log10(cd.s/m2)の減少で感度が100倍改善することを示す。

1.作用機序
網膜下に投与された本品は、患者の網膜色素上皮細胞に感染し、ヒトRPE65タンパク質を効率的に発現することで、RPE65遺伝子変異を有する遺伝性網膜ジストロフィーに対する作用を示すと考えられている。なお、本品に搭載された遺伝子発現構成体は、標的細胞の染色体に組み込まれることなくエピソームとして核内に存在し、ヒトRPE65タンパク質は長期間安定して発現する。
2.薬理作用
RPE65遺伝子変異を有するイヌモデルにおいて、本品を単回網膜下投与することで、RPE65タンパク質の発現及び網膜機能の改善が認められた。

製造販売会社
ノバルティス ファーマ
販売会社
 

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