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ハベカシン注射液25mg

販売名
ハベカシン注射液25mg
薬価
25mg0.5mL1管 2256.00円
製造メーカー
MeijiSeikaファルマ

添付文書情報2015年05月改定(第8版)

商品情報

薬効分類名
その他の主としてグラム陽性菌に作用するもの
一般名
アルベカシン硫酸塩注射液
規制区分
  • 特生
  • 特承
  • 覚原
禁忌
本剤の成分並びにアミノグリコシド系抗生物質又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者。
効能・効果
敗血症、肺炎。
用法・用量
1.成人への投与:アルベカシン硫酸塩として、1日1回150~200mg(力価)を30分~2時間かけて点滴静注する。必要に応じ、1日150~200mg(力価)を2回に分けて点滴静注することもできる。また、静脈内投与が困難な場合、アルベカシン硫酸塩として、1日150~200mg(力価)を1回又は2回に分けて筋肉内注射することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
2.小児への投与:小児にはアルベカシン硫酸塩として、1日1回4~6mg(力価)/kgを30分かけて点滴静注する。必要に応じ、1日4~6mg(力価)/kgを2回に分けて点滴静注することもできる。なお、年齢、体重、症状により適宜増減する。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
1.本剤の薬効は最高血中濃度と最も相関するとされていることから、1日1回静脈内投与が望ましい。
2.本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
3.本剤の使用にあたっては、腎機能異常及び聴力障害等の副作用に留意し、本剤の投与期間は、原則として14日以内とする(患者の状態などから判断して、14日以上にわたって本剤を投与する場合には、その理由を常時明確にし、漫然とした継続投与は行わない)。
慎重投与
1.高齢者。
2.低出生体重児、新生児。
3.経口摂取の不良な患者又は非経口栄養の患者、全身状態の悪い患者[ビタミンK欠乏症状が現れることがあるので観察を十分に行う]。
重要な基本的注意
1.本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとる。
1).事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質等によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2).投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておく。
3).投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行い、特に、投与開始直後は注意深く観察する。
2.眩暈、耳鳴、難聴等の第8脳神経障害が現れることがあるので慎重に投与する(特に腎機能障害患者、小児(特に低出生体重児及び新生児)、高齢者、長期間投与患者及び大量投与患者等では血中濃度が高くなりやすく、聴力障害の危険性がより大きくなるので、可能な限り聴力検査を実施することが望ましい)、アミノグリコシド系抗生物質の聴力障害は、高周波音に始まり低周波音へと波及するので、障害の早期発見のために、聴力検査の最高周波数である8kHzでの検査が有用である。また、3歳未満の患者においては、ABR(聴性脳幹反応)を用いた聴力検査が有用である。
3.急性腎不全等の重篤な腎障害が現れることがあるので、投与中は腎機能検査を行うなど慎重に投与する(特に高齢者や重篤な基礎疾患・重篤な合併症を有する患者では、投与量の設定等にも十分留意し、患者の状態を観察しながら、慎重に投与する)。
4.神経筋遮断作用による呼吸抑制が現れる恐れがあるので、麻酔剤と併用、筋弛緩剤と併用する場合、あるいは重症筋無力症の患者に投与する場合には、慎重に投与する。
5.本剤を点滴静脈内投与するときには、副作用の発生を防ぐため、必ず30分以上かけて投与し、また、投与後は血中濃度をモニタリングすることが望ましい。小児に投与する場合には、原則として本剤の投与終了直後と次回投与直前に血中濃度を測定し、小児に対しての適切な投与計画をたてる。
6.本剤はメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)感染症に対してのみ有用性が認められている。なお、MRSAが検出されただけではMRSA感染症とは限らないので、本剤投与にあたっては、次の点に留意する。
1).MRSA感染症の診断が確定した場合にのみ投与することを原則とする。
2).臨床症状及び菌の検出状況からMRSA感染症であることが推定された場合には、個々の患者背景や臨床症状の推移などを考慮のうえ、本剤の投与の可否を判断する。
7.小児に投与する場合には、本剤により症状が改善されない場合は、速やかに他剤に切り替える[小児(特に低出生体重児・新生児)では防御機構が未熟であるため、容易に症状が増悪する恐れがある]。
8.肝機能障害が現れることがあるので、投与中は肝機能検査を行うなど慎重に投与する。
相互作用
併用注意:1.腎障害を起こす恐れのある血液代用剤(デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン等)[腎障害が発現・悪化することがあるので、併用は避けることが望ましく、腎障害が発生した場合には、投与を中止し、透析療法等適切な処置を行う(機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中への蓄積、近位尿細管上皮の空胞変性が生じるという報告がある)]。
2.ループ利尿剤(エタクリン酸、フロセミド、アゾセミド等)[腎障害及び聴器障害が発現・悪化する恐れがあるので、併用は避けることが望ましい(機序は明確ではないが、併用によりアミノグリコシド系抗生物質の血中濃度の上昇、腎への蓄積が起こるという報告がある)]。
3.腎毒性及び聴器毒性を有する薬剤(バンコマイシン、エンビオマイシン、白金含有抗悪性腫瘍剤(シスプラチン、カルボプラチン、ネダプラチン)等)[腎障害及び聴器障害が発現・悪化する恐れがあるので、併用は避ける(やむを得ず併用する場合は、減量するなど慎重に投与する)、但し、小児(特に低出生体重児・新生児)では、バンコマイシンは原則併用しない(両薬剤ともに腎毒性、聴器毒性を有するが相互作用の機序は不明)]。
4.(小児に投与する場合)他のアミノグリコシド系抗生物質<注射剤>[腎障害及び聴器障害が発現・悪化する恐れがある(小児(特に低出生体重児・新生児)では腎機能が未発達であるため)]。
5.麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、トルペリゾン、A型ボツリヌス毒素等)[呼吸抑制が現れる恐れがあるので、呼吸抑制が現れた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行う(両薬剤ともに神経筋遮断作用を有しており、併用によりその作用が増強される)]。
6.腎毒性を有する薬剤(シクロスポリン、アムホテリシンB等)[腎障害が発現・悪化する恐れがある(両薬剤ともに腎毒性を有するが、相互作用の機序は不明)]。
副作用
市販後使用成績調査の結果:市販後使用成績調査の結果、全国5,106施設から総症例32,557例の臨床例が報告された。副作用発現症例数は2,125例(6.53%)であり、副作用発現件数は2,968件であった。主な副作用は、泌尿器系障害(腎障害、腎機能障害、BUN上昇、腎不全、血中クレアチニン上昇等)1,087例(3.34%)、肝臓・胆管系障害(肝機能障害、肝障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)836例(2.57%)、代謝・栄養障害(Al-P上昇、LDH上昇等)197例(0.61%)、皮膚・皮膚付属器障害(発疹、薬疹等)101例(0.31%)、白血球・網内系障害(好酸球増多、白血球減少等)92例(0.28%)であった(ハベカシン注射液の再審査終了時)。
高齢者-市販後使用成績調査の結果:市販後使用成績調査の結果、高齢者(65歳以上)は総症例22,921例の臨床例が報告された。副作用発現例数は1,493例(6.51%)であり、副作用発現件数は2,133件であった。主な副作用は、泌尿器系障害(腎障害、腎機能障害、BUN上昇、腎不全、血中クレアチニン上昇等)811例(3.54%)、肝臓・胆管系障害(肝機能障害、肝障害、AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇等)595例(2.60%)等であった(ハベカシン注射液の再審査終了時)。
小児-市販後使用成績調査の結果:小児適応追加後の小児(15歳未満)を対象とした使用成績調査の結果、総症例750例の臨床例が報告された。副作用発現例数は55例(7.33%)であり、副作用発現件数は70件であった。主な副作用は、臨床検査17例(2.27%)、肝胆道系障害15例(2.00%)、耳及び迷路障害11例(1.47%)であった(ハベカシン注射液の小児適応追加再審査終了時)。
1日1回投与臨床薬理試験の結果:1日1回投与について検討した臨床試験(19例)の結果、副作用発現例数は3例(15.8%)であり、副作用発現件数は3件であった。また、臨床検査値の異常変動に関する副作用発現例数は7例(36.8%)であり、副作用
発現件数は12件であった。主な副作用は、臨床検査(好酸球百分率増加、単球百分率増加、血中尿素増加等)7例(36.8%)、胃腸障害(下痢)2例(10.5%)であった(1日1回投与承認時)。
重大な副作用
1.重大な副作用
1).ショック(0.1%未満)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
2).痙攣(0.1%未満)が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与する。
3).眩暈、耳鳴、耳閉感(0.1%未満)、また、難聴(0.1~5%未満)等の第8脳神経障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には、投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には、慎重に投与する。
4).急性腎不全等の重篤な腎障害(0.1~5%未満)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
5).汎血球減少(0.1%未満)が現れることがあるので、定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う。
2.その他の副作用
1).肝臓:(0.1~5%未満)AST上昇(GOT上昇)、ALT上昇(GPT上昇)、Al-P上昇、LDH上昇、γ-GTP上昇等、(0.1%未満)黄疸等[観察を十分に行い、異常が認められた場合又は症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]。
2).腎臓:(0.1~5%未満)腎機能障害(BUN上昇、クレアチニン上昇等)[観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止する]、蛋白尿、カリウム異常等電解質異常、(0.1%未満)浮腫、血尿。
3).過敏症:(0.1~5%未満)発疹等、(0.1%未満)そう痒、発赤、発熱、蕁麻疹等[症状が現れた場合には、投与を中止する]。
4).血液:(0.1~5%未満)貧血、白血球減少、血小板減少、好酸球増多等[定期的に検査を行うなど観察を十分に行い、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行う]。
5).消化器:(0.1~5%未満)下痢等、(0.1%未満)*下血[*:観察を十分に行い、異常が認められた場合又は症状が現れた場合には、投与を中止するなど適切な処置を行う]、軟便、腹痛、悪心・嘔吐、食欲不振等。
6).注射部位:(0.1%未満)注射局所の疼痛又は硬結(筋肉内注射時)。
7).ビタミン欠乏症:(0.1%未満)ビタミンK欠乏症状(低プロトロンビン血症、出血傾向等)、ビタミンB群欠乏症状(舌炎、口内炎、食欲不振、神経炎等)。
8).その他:(0.1%未満)頭痛、手指しびれ感、全身倦怠感。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、用量並びに投与間隔に留意するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与する。
1.本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用が現れやすい。
2.高齢者では、ビタミンK欠乏による出血傾向が現れることがある。
妊婦・産婦・授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する[妊婦に投与すると新生児に第8脳神経障害が現れる恐れがあり、またラットの筋注による器官形成期投与試験で出生仔の発育遅滞が認められている]。
小児等への投与
1.体の大きい小児に投与するときには、成人の1日最高量200mg(力価)を超えないよう注意する。
2.筋注については、低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない。点滴静注については、低出生体重児に対する安全性は確立していない。
3.腎の発達段階にあるため、特に低出生体重児、新生児においては血中濃度の半減期が延長し、高い血中濃度が長時間持続することにより、最低血中濃度2μg/mLを超える恐れがあるので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけるなど慎重に投与する。特に低出生体重児においては、正常な新生児と比較しても著しく半減期が延長し、かつ、個体差が大きいことが知られているので、少なくとも次回投与直前に血中濃度を測定し、投与間隔を調整する。
4.小児に投与する場合には、腎毒性の発現を防ぐため、腎機能検査を行い、慎重に投与する。
適用上の注意
1.調製時:1).アンプルカット時に異物の混入を避けるため、アンプルの首部の周りをエタノール綿等で清拭しカットする。
2).現在までに、次の注射剤と混合後、配合変化をおこすことが確認されているので、混注しない。
(1).スルバクタム/セフォペラゾン注射剤、セファゾリン注射剤、セフゾナム注射剤、フェノバルビタール注射剤、D-マンニトール注射剤、ブロムヘキシン塩酸塩注射剤、ヒドロコルチゾンコハク酸エステル注射剤、塩化カルシウム水和物注射剤、ドキソルビシン塩酸塩注射剤と混注すると、白濁・沈殿を生じることがある。
(2).アンピシリン注射剤、アンピシリン/クロキサシリン注射剤、イミペネム/シラスタチン注射剤、セフメタゾール注射剤、ピペラシリン注射剤、フロモキセフ注射剤、ラタモキセフ注射剤と混注すると、両剤の反応によりアミドを形成し本剤の活性低下を来すので、それぞれ別経路で投与する。
3).点滴静注にあたって本剤の希釈には、通常「日局」生理食塩液、「日局」5%ブドウ糖注射液を用いるが、この他に現在までに配合変化がない補液はアスパラK注、マルトス-10、10%ESポリタミン注、強力モリアミンS、ソリタT3号、フィジオゾール・3号、ポタコールR、プロテアミン12X注、KN補液3B、ラクテックG注が確認されており、これらのいずれも用いることができる。
2.溶解後:点滴静注に用いる場合は、希釈後は速やかに使用する。
3.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため次記の点に注意する。
1).筋肉内注射時同一部位への反復注射はなるべく行わない。また、小児には特に注意する。
2).筋肉内注射時神経走行部位を避けるよう注意する。なお、注射針を刺入したとき、神経に当たったと思われるような激痛を訴えた場合は、直ちに針を抜き、部位をかえて注射する。
3).筋肉内注射時、注射器の内筒を軽くひき、血液の逆流がないことを確かめて注射する。
4).筋肉内注射時、硬結を来すことがあるので、筋肉内注射直後は局所を十分にもむ。
その他の注意
クエン酸水和物で抗凝固処理した血液を大量輸血された患者にアミノグリコシド系抗生物質を投与すると、投与経路にかかわらず、神経筋遮断症状、呼吸麻痺が現れることがある。

(1)血中濃度
1)健康成人
健康成人に本剤200mg(力価)を1時間かけて点滴静注したときの血清中濃度は、添付文書の図1のとおりで、薬物動態パラメータは、表1のとおりであった。また、75mg(力価)又は100mg(力価)を1時間かけて点滴静注又は筋注したときの薬物動態パラメータは、表1のとおりであった。
図1 200mg(力価)1時間点滴静注(単回投与)したときの血清中濃度推移(健康成人)

表1 健康成人における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

2)小児患者(乳児・幼児:生後29日以上6歳未満まで、新生児:生後28日まで)
乳児・幼児、新生児に本剤2~3mg(力価)/kgを30分間点滴静注したときの血漿中濃度は、添付文書の図2のとおりで、薬物動態パラメータは表2のとおりであった。CLtotは新生児よりも乳児・幼児の方が大きかった。
図2 2~3mg(力価)/kg30分間点滴静注(単回投与)したときの血漿中濃度推移(小児患者)

表2 小児における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

3)腎機能障害患者
①200mg(力価)30分間点滴静注
腎機能障害程度の異なる患者に本剤200mg(力価)を30分間点滴静注したときの血中濃度は添付文書の図3のとおりで、薬物動態パラメータは表3のとおりであった。腎機能が正常な患者と軽度腎機能障害患者では各パラメータはほぼ同様であり、中等度‐高度腎機能障害患者では、腎機能正常患者と比較してCmin、T1/2、AUC0-24が大きく、CLtotは小さかった。((5)血中濃度モニタリングの項参照)
図3 200mg(力価)30分間点滴静注(単回投与)したときの血中濃度推移(腎機能による層別)

表3 患者における腎機能別の薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

②100mg(力価)1時間点滴静注
健康成人及び腎機能障害程度の異なる患者に本剤100mg(力価)を1時間点滴静注したところ、障害の程度に応じてT1/2の延長が認められた(表4)。
表4 健康成人及び腎機能障害患者における薬物動態パラメータ
→図表を見る(PDF)

また、クレアチニン・クリアランス(Ccr)が50未満の患者の24時間までの尿中排泄率は56.9%でCcrが100の健康成人のそれは90.3%で明らかに障害程度が高くなるにつれ、尿中排泄の遅延傾向が認められた。
(2)分布
1)蛋白結合
平衡透析法により測定したヒト血清蛋白との結合率は5~20μg/mLの濃度範囲で3~12%であった(in vitro)。
2)体液・組織内濃度
①喀痰中濃度
慢性気道感染症患者に本剤100mg(力価)を点滴静注したときの喀痰中濃度の最高値は1.15~1.32μg/mLを示した。
②腹水中濃度
腹膜炎患者に本剤75mg(力価)を点滴静注したときの最高腹水中濃度は0.36~5.29μg/mLであった。
③胆汁中濃度
胆道手術患者に本剤75mg(力価)を筋注したときの胆汁中濃度は2時間後に最高値0.67μg/mLを示した。
(3)代謝
尿中に抗菌活性代謝物は認められていない。
(4)排泄
本剤は、主として腎臓より排泄される。健康成人に本剤200mg(力価)を1時間点滴静注(単回投与)したとき、投与24時間までの尿中排泄率は約80%であった。また、75mg(力価)又は100mg(力価)を投与したとき、投与8時間までの尿中排泄率は点滴静注で70~80%、筋注で約70%であった。
(5)血中濃度モニタリング
アミノグリコシド系抗生物質による副作用発現の危険性は、最高血中濃度(ピーク値)あるいは最低血中濃度(次回投与直前値)が異常に高い値を繰り返すほど大きくなるといわれており、特に本剤の場合は、最低血中濃度が2μg/mL以上が繰り返されると第8脳神経障害や腎障害発生の危険性が大きくなる可能性がある。また、最高血中濃度は薬効と関係しており、本剤では、その標準的な目安は9~20μg/mLと考えられている。
特に新生児、低出生体重児、高齢者及び大量投与患者では適当な間隔で最高血中濃度(A、A’)と最低血中濃度(B、B’)を測定し、異常な高値を示す場合には、次回投与より投与量や投与間隔を調整することが望ましい。例えば、異常に高い最高血中濃度が繰り返されている場合は投与量を減量し、異常に高い最低血中濃度が繰り返されている場合は投与間隔を延長するなど調整を行う。

(1)ハベカシン注射液の承認時及び小児適応追加時の臨床試験での成績
MRSA感染症における臨床効果は、敗血症(敗血症の疑い1例を含む)に対して5例中4例、肺炎に対して13例中9例に有効であった。
1)高齢者への投与
高齢者(70歳以上)のMRSA感染症における臨床効果は敗血症及び肺炎に対して7例中5例に有効であった。
2)小児への投与
小児(16歳未満)のMRSA感染症における臨床効果は敗血症(敗血症の疑い1例を含む)及び肺炎に対して8例中5例に有効であった。
(2)1日1回投与での成績
1)臨床薬理試験
成人のMRSA感染症における臨床試験では、肺炎に対して14例中10例に有効であった。
2)特定使用成績調査(参考)
成人では、敗血症に対して19例中17例、肺炎に対して78例中63例に有効であった。
小児(15歳未満)では、敗血症に対して2例中1例、肺炎に対して1例中1例に有効であった。

(1)抗菌作用
1)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対して強い抗菌力を有し、アミノグリコシド系抗生物質の中で最も優れた抗菌力を示した。
2)MRSAの産生する各種の不活化酵素に対して安定であった。
3)マウスにシクロホスファミドを投与して感染防御機能を低下させた実験的MRSA感染症に対して優れた防御効果を示した。また、MRSAによる実験的マウス皮下膿瘍に対しても優れた防御効果を示した。
(2)耐性獲得
MRSAのマウスを用いた生体内耐性獲得試験では耐性獲得は認められなかったが、増量的継代培養法による試験管内耐性獲得試験ではMICの上昇がみられたことから、臨床における耐性菌発現の可能性は否定できない。
(3)作用機序
細菌の蛋白合成を阻害することにより抗菌作用を示し、その作用は殺菌的である。

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