ツベラクチン筋注用1g

添付文書情報2018年08月改定(第10版)
商品情報
- 禁忌
- 本剤の成分に対する過敏症の既往歴のある患者。
- 効能・効果
- 肺結核及びその他の結核症。
- 用法・用量
- エンビオマイシン硫酸塩として1日1回1g(力価)を注射用蒸留水に溶解[1g(力価)当り2~4mL]し、筋肉内に注射する。初めの90日間は毎日、その後は1週間に2日投与する。なお、年齢、症状に応じて適宜増減する。また、他の抗結核剤と併用することが望ましい。
<用法・用量に関連する使用上の注意>
本剤の使用にあたっては、耐性菌の発現等を防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の投与にとどめる。
- 慎重投与
- 1.アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシン等)又はバシトラシンに対し過敏症の既往歴のある患者。
2.腎障害のある患者[高い血中濃度が持続し、第8脳神経障害又は腎障害が現れる恐れがあるので、投与量を減ずるか、投与間隔をあけて使用する]。
3.ジギタリス剤投与中、糖質副腎皮質ホルモン剤投与中又は利尿剤投与中の患者。
4.高齢者。
- 重要な基本的注意
- 本剤によるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとる。
1.事前に既往歴等について十分な問診を行う(なお、抗生物質によるアレルギー歴は必ず確認する)。
2.投与に際しては、必ずショック等に対する救急処置のとれる準備をしておく。
3.投与開始から投与終了後まで、患者を安静の状態に保たせ、十分な観察を行い、特に、投与開始直後は注意深く観察する。
- 相互作用
- 併用注意:1.アミノグリコシド系抗生物質(ストレプトマイシン、カナマイシン等)、ポリペプチド系抗生物質[第8脳神経障害及び腎障害が発現・悪化する恐れがあるので、併用する場合には慎重に投与する(両薬剤ともに聴器系毒性、腎毒性を有するが相互作用の機序は不明)]。
2.麻酔剤、筋弛緩剤(ツボクラリン、パンクロニウム臭化物、ベクロニウム臭化物、A型ボツリヌス毒素等)[呼吸抑制が現れる恐れがあるので、併用する場合には慎重に投与し、呼吸抑制が現れた場合には、必要に応じ、コリンエステラーゼ阻害剤、カルシウム製剤の投与等の適切な処置を行う(両薬剤ともにクラーレ様作用(神経筋遮断作用)を有しており、併用によりその作用が増強される)]。
3.ジギタリス剤(ジゴキシン等)[不整脈等を起こす恐れがあるので、併用する場合には慎重に投与する(本剤は血清カリウム低下作用があり、併用によりジギタリスの心臓に対する作用を増強させる)]。
4.糖質副腎皮質ホルモン剤、利尿剤[過剰のカリウム放出を起こす恐れがあるので、併用する場合には慎重に投与する(本剤は血清カリウム低下作用があり、併用により作用が増強される)]。
5.他の抗結核剤(リファンピシン、イソニアジド等)[肝障害が現れることがあるので、併用する場合には観察を十分に行い、慎重に投与する(機序は不明)]。
- 副作用
- 総症例305例中、101例(33.11%)に副作用が認められた(承認時)。
- 重大な副作用
- 1.重大な副作用
1).第8脳神経障害(8.52%):眩暈・耳鳴・難聴等の第8脳神経障害が現れることがあるので、観察を十分に行い、このような症状が現れた場合には投与を中止することが望ましいが、やむを得ず投与を続ける必要がある場合には慎重に投与する。
2).呼吸抑制(頻度不明):クラーレ様作用(神経筋遮断作用)による呼吸抑制が現れることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
3).血清電解質異常(1.97%):低カリウム血症・低カルシウム血症等の電解質異常が現れることがあり、また、これによると考えられるしびれ感、痙攣、脱力感等が現れることがあるので本剤投与中は血清電解質の検査を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行う。
- 2.その他の副作用
1).過敏症:(5%以上)発疹、発熱[異常又は症状が現れた場合には、投与を中止する]。
2).腎臓:(0.1~5%未満)腎障害(蛋白尿、BUN上昇等)[異常又は症状が現れた場合には、投与を中止する]。
3).神経系:(5%以上)頭痛。
- 高齢者への投与
- 本剤は主として腎臓から排泄されるが、高齢者では腎機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続する恐れがあり、第8脳神経障害、腎障害等の副作用が現れやすい(高齢者には、用量並びに投与間隔に留意するとともに患者の状態を観察しながら慎重に投与する)。
- 妊婦・産婦・授乳婦等への投与
- 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与をしないことが望ましい[新生児に第8脳神経障害が現れる恐れがある]。
- 小児等への投与
- 低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安全性は確立していない(使用経験が少ない)。
- 適用上の注意
- 1.投与経路:筋肉内注射にのみ使用する。
2.筋肉内注射時:筋肉内注射にあたっては、組織・神経などへの影響を避けるため次記の点に注意する。
1).神経走行部位を避けるよう注意して注射する。
2).繰り返し注射する場合、例えば左右交互に注射するなど、注射部位を変えて行う。
なお、小児には特に注意する。
3).注射針を刺入した時、激痛を訴えたり、血液の逆流をみた場合には、直ちに針を抜き、部位を変えて注射する。
4).他剤<注射用蒸留水以外>との混注は原則として避ける。
3.調製時:本剤の水溶液は室温に保存して安定であるが、溶解後は速やかに使用する。
- その他の注意
- 動物実験で低カリウム血症、腎障害による血清カルシウム上昇、血清リン上昇の発現が認められたとの報告がある。
健康成人男子(n=5)に本剤1g(力価)を筋肉内注射した場合の薬物動態は次のとおりである。
1.血中濃度(吸収)
平均血中濃度は2時間後に最高値の36.2μg/mLに達し6時間後においては11.5μg/mLであった。
2.代謝
投与後6時間後までの尿を用いバイオオートグラフィーにより代謝産物の検索を行ったが、本剤以外の抗菌活性を示すスポットは認められなかった。
3.排泄
尿中への排泄は血中濃度とほぼ平行し、投与後1~2時間で最高濃度に達し以後漸減した。その際の尿中排泄率は、投与後6時間で58%、24時間では75%であった。
比較試験を含む国内34臨床成績の概要は次のとおりであった。
1.再治療肺結核患者1,739例では、培養試験による6ヵ月後の菌陰性化率は39.1%(330/844)であった。また比較試験により本剤の有用性が認められている。
2.初回治療肺結核患者99例では、培養試験による6ヵ月後の菌陰性化率は98.7%(78/79)であった。
1.抗菌作用
本剤は、抗酸菌に特異的な抗菌力を示し、人型結核菌(H37Rv)に対するMIC(μg/mL)はKirchner半流動培地で0.5~5、Dubos液体培地で2.5~5、1%小川培地で10~25を示し、卵培地における力価の低下が認められている。
2.耐性獲得遅延作用
人型結核菌H37Rv原株の本剤に対する耐性獲得状態を試験管内で検討した結果、本剤とRFP又はEBの二剤、さらにこれら三剤の併用の場合は、明らかな耐性獲得遅延効果が認められている。
3.交差耐性
本剤はCPMと完全交差耐性を示す。
4.作用機序
Mycobacterium smegmatisを用いた14C‐phenylalanineの取り込みを調べる実験からリボゾームの蛋白合成を阻害することによって抗菌作用を示すことが報告されている。
- 製造販売会社
- 旭化成ファーマ
- 販売会社
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